アメリカの産業・奴隷利用=粗放経済の破綻2

奴隷解放後もアメリカの産業構造はベルトコンベアー方式に代表されるように大量生産・粗放農業による低価格出荷競争が主眼でした。
熟練工や高級品質を求めず「低レベル労働者を安く利用して中間レベルの製品を以下に大量に安く生み出せるか」の工夫に重きを置いてきた歴史にみえます。
今でもスターバックスやマクドナルドなどレストランその他チェーン展開による大量出店で稼ぐ本質です。
喫茶店オーナーがうんちくを傾けるような方式を好みません。
日本人から見れば凝ったものなど理解不能・・安もの好き国民性印象になる所以です。
ところが、流れ作業をこなす程度の仕事→全自動化が行き着くと、さしたる訓練のない新興国・・消費地生産可能になったので、アップルに代表されるようにほぼ全て新興国へ生産移管してきたので米国が世界の生産基地でなくなりました。
この数年シェールガスで元気を取り戻したように、資源国としての生き残り程度が産業の主力になってきたようです。
新興国展開が始まった結果、アップルで言えば全量中国生産になっているように国内製造業が壊滅とまでは言わないまでも、「腕力に任せて米国内生産しないと許さない」というのでトヨタ日産など日本勢は米国内生産に協力していますが・・言わば第二次奴隷解放・低レベル労働者の放逐が始まったとも言えます。
実は米国日本籍のある企業の場合は、選挙権者でもあるので脅しなど怖くないので気楽に米国内生産に見切りをつけてさっさと工場国外移転を進めています。
https://japanese.engadget.com/2018/11/27/ev-gm-5-15/

EVと自動運転車に資源集中。GMが米国内5工場閉鎖、人員15%削減へ
トランプ政策空振り
米ゼネラルモーターズ(GM)が、契約社員の15%をレイオフするとともに、北米5か所の工場を閉鎖、さらに6車種を生産終了すると発表しました。
GMでは今回の再編によって正社員、契約社員あわせておよそ1万4000人のGM従業員が失業する可能性があります。
電気自動車と自動運転車の開発に資源を集中する方針です。

要は、EV系人材に入れ替えたいということでしょう。
ここでも適応障害が起きて旧来型製造工員が行き場を失なっていきます。

https://jp.reuters.com/article/gm-restructuring-trump-tweet-idJPKCN1NW29P
トランプ氏はツイッターで、GMがメキシコや中国の工場を閉鎖しなかったと批判。「米国はGMを救ったのに、その返礼がこれとは!われわれは今、電気自動車を含めGMへの補助金全額カットを検討している」と述べた。

放逐された時代不適合・低賃金労働者をどうするかの、解決策がないことが今のホームレス激増になっていることがわかります。
彼ら全員の再教育には無理があるので、ボランテイアによるピンポイントの教育効果があっても全体の底上げにはつながりません。
アメリカのホームレスに対する施策をさっと見た印象では、ピンポイント救済に引っかからないその他大多数は滅びゆく「先住民」のごとく「ゲットー」に囲って死ぬまで保護していくしかないイメージです。
シェルターは出入り自由なのでその点収容所とは違いますが・・。
出て行くのは自由でも、ホテル等に泊まれない以上は夜になると路上で寝るか、別のシェルターを選べるにしても結局は近くのシェルターに帰るしかないのでは、事実上一生シェルター暮らしになる点は同じです。
能力別人口構成はピラミッド型で、底辺層の裾野が広いのでボランテイアがピンポイント的再教育して・一つ一つの成功例・・やっている人は善行を積んでいる達成感や満足感いっぱい・・それはそれでいいことです。
しかし・・こういうやり方は砂漠に水を撒いているような気休め・自己満足で抜本的解決にはなりません。
マザーテレサで知られるように、あるいはビルゲイツの巨額寄付金のように、欧米ではこういう気休め政策にのる人を賞賛して底辺層の不満のガス抜きしてきた社会です。
日本は個人スターを必要としない社会です。
一本釣りだけではなく、底辺の底上げ・・解決には静かな長期ビジョンによる国・社会の制度設計が必須ですが、これには数世代にわたる施策が必須です。
我が国は誰もスタンドプレーに走らず・・黙々と戦後住宅不足時には公営住宅供給に税を投入してきたし、教育無償化や国民皆保険や年金制度を進めてきました。
こうした息の長い政策には天文学的予算が必須でしかも地味です・・長くても4〜5年で選挙の評価を受けねばならない民主政体・・政権交代する前提の短期施策では不可能です。
日本人の多くは選挙や目先の評判でなく、子孫が恥をかかないようにお国のために尽くす姿勢で多くの人が頑張ってきました。
これが我が国価値基準であり、良き伝統です。
社会のあり方として、いわゆる性善説と性悪説を古くはjune 4, 2013,モラール破壊10(性善説の消滅)前後、近くは19年2月14日頃に書きましたが、日本は性善説の国であって、監視してこそ真面目によく働くというような性悪説・投票箱民主主義のように底浅いものではありません。
米国では奴隷制度に始まり使い捨て的底辺労働に頼って(都市さえもスクラップアンドビルド政策・用済みなれば、ゴーストタウンにして捨てていく社会・・)奴隷制に匹敵する超低コストの底辺労働に頼ってきたこととセットで移民流入(労働能力としては最底辺層が多い)を受け入れてきたのです。
日本でもアメリカの真似をするのが正しいという主張が有力ですが、私はアメリカ方式に反対してきました。
さすがのアメリカも低賃金新興国に汎用品の生産がどんどん移転すると、教育を受け付けない膨大な数の底辺労働者の負の遺産をどうするかの時代に入っています。
2月27日に紹介したヒスパニック人口が約6000万人で、その中で一握りの成功者もいるでしょうが、大多数が文字やパソコン不要の現場作業(草刈り等の原始的?)に従事している階層では真面目に働いてもアパートに住む収入がない状態です。

アメリカの産業・奴隷利用=粗放経済の破綻1

昨日紹介した日経新聞紙面では、60万人の雇用を誇るアマゾンが18年秋に最低賃金を時給15ドルに引き上げたことを紹介しています。
世界に誇る大手企業がその多くを最低賃金で雇っている現実こそ重要です。
Jul 9, 2016 12:00 amのブログで、「非正規雇用の多いアメリカ最大の大企業のウオールマートの店員の多くが,生活困窮者向けの1、25ドル分のフードスタンプを貰う列に並んでいることが問題になって日本でも報道されましたが、漫画みたいな社会です。」と紹介したことがあります。
サービス業でも日本はおもてなし文化度が高いので、能力レベルに応じた多様な高級職種がありますが、アメリカの場合飲食店といってもフードコート類似のマニュアル対応主流ですから、サービス業従事者の多くは最低賃金すれすれ職になっている点が大きな問題です。
(日本でもチェーン展開のコンビニや居酒屋、ファミレス、回転すしなどの従業員比率が上がる1方ですが・・変化が遅いのが取り柄です・スーパーが発達すると反作用でこだわり製品やデパ地下人気が高まるなど世の中の動きが一直線ではありません・・明治維新当時も洋画が入ると反作用で日本画への注目が起きるなど・・)
2月26〜7日に紹介した現地ルポで見たように英語を話せず文字すら読めないレベルの場合、サービス業はフードコートでも一応顧客対応ですので、(一定のコミュニケーション能力が必要)配送すら(宛名等の理解能力)できず草刈りなどの原始的職業しかありません。
ホームレスト関連するフードスタンプ受給者の激増問題もあり、この点については上記Jul 9, 2016 ブログで
「政府の最新データによると、2014年9月の登録者数は4650万人で、前年の4730万人から減少した」
と引用しています。
この登録は世帯単位であることから、1世帯三人とすれば人口の約3分の1がフードスタンプをもらっていることになるとも書いています。
フードスタンプをもらっていても帰る家のある人が多いでしょうが、ちょっと家賃が上がるとついていけないギリギリの人がこんなに多いことが推測されます。
この人たちの生活保障をどうするかのテーマに答えられないのが、ホームレス激増の背景でしょう。
日本のホームレスのイメージは無職者ですが、アメリカの場合有職者なのに住む家がない状態です。
こういう社会では失業率の統計は前年度との比較傾向が分かるものの、(無職で開き直っている人の割合が分かる程度?)目先困っている人の実態には迫れません。
月収3〜40万円の工員がレイオフされて、最低賃金の配達員などに転じた場合、失業者数は変わらないとしても、生活水準の劇的低下を知ることができません。
ところで昨日見た日中の賃金格差ですが、中国と日本の賃金格差が7〜8年前には10分の1前後の相場の記憶でしたから、短期間に約2〜3割上がったことがわかります。
この賃金上昇の結果、チャイナプラスワンの動きが出ているし、中国は低賃金を武器にした国内生産基地化の夢が破れそうになってきたので焦ってレベルアップに乗りだしたところ、やり方が強引すぎてアメリカの怒りを買っている構図です。
中国が近代産業導入後賃金水準アップに連れて国際競争力維持のために労働の質向上に必死なように、アメリカも奴隷利用による最低賃金による安値生産で始めたものの限界がきて、母国西欧諸国に追いつく・・産業革命の恩恵を受ける準備が始まると、労働の質アップが求められるようになったのです。
低レベル労働者のレベルアップは言うは安く、3〜40代以降の人に再教育してもその効果が知れています。
世代交代を待つしかないとすれば、30代後半以降の再教育不能人材の行き場に困ります。
こうなると低レベル・安いだけの労働者を失業させておけばいいのではなく、何らかの生活費支給が必要になる分、足手まといになってきます。
車産業のEV化も各産業分野のIT化でも同じですが、中高年・既存労働者にEVやIT関連作業に変更を強いる社内教育は年齢が行くほど無理があるので、適応可能な若手新人採用の方が企業にとっては合理的です。
社会の変化が3〜40年周期で起きる場合には、世代交代して入れ替わるので問題が少ないのですが、5〜10年で入れ替わる急激な変化の場合、まだ2〜30年働ける年齢で引退(失業)をしいられるので社会の軋轢が生じます。
先進国の高齢化社会到達までに要した期間と新興国の到達時間がまるで違うのがその象徴ですが、あとから追いつく方は近代産業導入以降ごく短期間で先端技術社会に追いつけるメリットの代わりに生身の人間の陳腐化が早すぎるのが難点です。
日本の場合江戸時代からの工芸技術の蓄積がある上に、産業構造の変化がいつも30年程度の周期で来たので、その間に変化に向けた技術修練を経る時間がある・・次の時代に向けた変化能力の高い人材が多く育っているので社会の分断が起きにくい安定社会になっています。
環境激変の時代に、次々と新たな技術に適応していける企業や人材が多くて今なお多くの製造業がしぶとく生き残れている所以でしょう。
訴訟手続きのIT化の取り組みも、パソコン普及開始後2〜30年経過後の今になってようやく始まろうとしていますが、それも明日から紙媒体を受け付けないというものではなくじっくり進める予定です。
そのうち私ら(昨年末同期会に行ってきましたが、同期の多くはすでに後期高齢者です)に続く次の世代が全員引退していなくなる約10年経過ころに全面施行になるのでしょう。
変化の早い時代にこれでは取り残されるといいますが、社会変化は早くとも30年周期が合理的であり、数百年も遅れすぎた後進国が無理に追いつこうとしているから(草花でいえば北国では春と夏が同時に来るように)変化が早い時代と言われているだけではないでしょうか?
先に進んだ方はゆったり構えて次に備えればいいのであって、焦る必要はありません。
新興国では平均寿命50歳前後の社会に近代工場がいきなり入ってきて生活水準が急激に上がり平均寿命が70前後への高齢化が急速に進む一方で、労働技術の陳腐化がほんの10年前後で進み取り残されるのでは、彼らはその後の長い人生をどうやって生きて良いかわかりません。
馬が高齢化して次の馬を買う代わりに車にするならば順次変化でスムースですが、馬や機械がまだ新しいうちにどんどん入れ替えるようなことを人間相手にしているのが韓国や中国政治ではないでしょうか?

継続契約保障と社会変化4(離婚法制の変化・破綻主義へ)

継続的契約関係ではDecember 9, 2017の「継続契約保障と社会変化3(借地借家法立法3)」で書いた続きになります。継続関係解消で似たような事例では、偕老同穴の誓い・共白髪の末まで・・と契ったはずの夫婦関係も何かの事情変化でわかれる(離婚)しかない事態が起きます。
この場合も戦前の旧法では、法律上は相手に契約不履行・・不貞行為等の違反・落ち度がないと離婚を求める権利がありませんでしたが、戦後は破綻主義といって、破綻している以上無理にこれを維持させるのは意味がないし逆に害悪があるということで離婚できるようになりました。

民法旧規定
第二款 裁判上ノ離婚
第八百十三条 夫婦ノ一方ハ左ノ場合ニ限リ離婚ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
一 配偶者カ重婚ヲ為シタルトキ
二 妻カ姦通ヲ為シタルトキ
三 夫カ姦通罪ニ因リテ刑ニ処セラレタルトキ
四 配偶者カ偽造、賄賂、猥褻、窃盗、強盗、詐欺取財、受寄財物費消、贓物ニ関スル罪若クハ刑法第百七十五条第二百六十条ニ掲ケタル罪ニ因リテ軽罪以上ノ刑ニ処セラレ又ハ其他ノ罪ニ因リテ重禁錮三年以上ノ刑ニ処セラレタルトキ
五 配偶者ヨリ同居ニ堪ヘサル虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ受ケタルトキ
六 配偶者ヨリ悪意ヲ以テ遺棄セラレタルトキ
七 配偶者ノ直系尊属ヨリ虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ受ケタルトキ
八 配偶者カ自己ノ直系尊属ニ対シテ虐待ヲ為シ又ハ之ニ重大ナル侮辱ヲ加ヘタルトキ
九 配偶者ノ生死カ三年以上分明ナラサルトキ
十 壻養子縁組ノ場合ニ於テ離縁アリタルトキ又ハ養子カ家女ト婚姻ヲ為シタル場合ニ於テ離縁若クハ縁組ノ取消アリタルトキ
第八百十四条 前条第一号乃至第四号ノ場合ニ於テ夫婦ノ一方カ他ノ一方ノ行為ニ同意シタルトキハ離婚ノ訴ヲ提起スルコトヲ得ス
2 前条第一号乃至第七号ノ場合ニ於テ夫婦ノ一方カ他ノ一方又ハ其直系尊属ノ行為ヲ宥恕シタルトキ亦同シ

上記の通り相手方になんらかの原因がないと離婚の訴えが認めれない仕組みでした。
民法現行規定

(裁判上の離婚)
第770条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
《改正》平16法147
2 裁判所は、前項第1号から第4号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

上記「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」がこれ(破綻主義採用)にあたるという解釈が定着しています。
第二項の「一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。」場合とは、離婚に至った事情を総合し、離婚請求される方の生活保障等のバランスを考慮することになっています。
破綻主義と言っても当初は有責配偶者(例えば浮気している方)から、自分の浮気や暴力が原因で「夫婦関係が破綻した」という理由の離婚請求を認めない・・いくら高額慰謝料・終身の生活保障をすると言っても)妻が「懲らしめや復讐のために?」拒否すると離婚が認められない解釈でした。
この間の研究については以下の論文がネットに出ています。
ただし、論文発表時期明示がないのですが、かなり古い時期の分しか引用されていないので、現在の参考にならないかも知れませんが、問題点が十分に掘り下げられていますので深く知りたい方は、以下を参照してください。
https://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20181112095822.pdf?id=ART0001408704

いわゆる制限づき破綻主義の判例法理について(その1)梅木茂
1聞題の所在
2 有 責配偶者の離 婚請求拒否法理 の背景
3.判例の動向 な らびに考察
「法 は かくの如き不徳義勝 手気儘 を許すもので は ない.道徳 を守 り,不 徳義 を許 さない ことが法の最重要 な職分である.総て法はこ の趣旨にお いて解 釈されな け れ ば な らない、・・・前記 民法の規定は相手方に有責行為のあることを要件とするもの でないことは認 め る け れ ど も,さりと て前記の様な不徳義 得手勝手の請求を許すものではない.(最高裁 昭和27.2.19判決最高民集6.2.110)

借地借家法成立前には、相場の数倍の立ち退き料支払いを申し出ても借地人が拒否すればどうしょうもなかったし・・労働契約解約のために契約上の退職金の数倍の上乗せ支払いを申し出ても労働者が応じなければそれまでだったのと「軌を一」にしていました。
その後(昭和62年)破綻後一定期間経過と子の養育や相手方の生活保障等のセットで有責配偶者からの請求でも離婚が認められる最高裁判例(いわゆる破綻主義)が出て、これが定着しています。
離婚を認めるかどうかは離婚後の相手方や子供の生活がどうなるかの問題であるという実態を直視してその面の判断が重視されるようになってきたのです。
こういう判例が出る前から庶民の世界・・現場労働系低所得階層・特に職を転々とする傾向のある男相手の場合には、相手が浮気でいなくなったのであろうと理由が何であろうと、慰謝料を1円も払わないからと離婚しないと頑張っていてもどうなるものでもありません。
こういう場合には早く離婚して母子手当て・母子優先のいろんな制度(公営住宅の優先入居その他)利用をして生活の安定を図り、場合によっては次の男と再婚した方が有利なので、どんどん別れていくのが私が弁護士を始めた昭和40年代でも普通でした。
仮に相手の居所がわかってもあちこちフラフラ職の定まらない(こういう場合生活費も入れない男が普通)男相手に「慰謝料を払わない」から「払え」と裁判しているよりは早く別れて社会保障手続きする方が簡明ですし、次の相手と再婚する方が手っ取り早いからです。
たまたま夫が行方不明で離婚届けを出せない場合に、(再婚前に次の子供ができると大変なことになるので)はやく離婚するために弁護士費用を払ってでも法的手続きするのが普通でした。
長々とした裁判になる事件の多くは、相手が高額収入・・安定職業に就いている場合で話の通じない・ほどほどのところで手を打つ能力のない・・同士の争いが普通でした。
最近家事事件が多くなっているのは、男も子育て参加の掛け声によって男性も子供に対する愛着が 強くなってきた結果、親権者や子供との面会にこだわる人が増えたことによります。

アメリカ式移民モデルの破綻4

過去に異民族大量流入によって、うまく行った社会があるでしょうか?
今のギリシャ、イタリア人は古代ギリシャ、ローマ人と関係がないと言われますし、古代エジプトやメソポタミや地方の現在居住者もメソポタミア文明の担い手と関係がないと言われています。
アメリカが、元々自分たちが元の住民を追い出して住み着いた移民である原住のインデイアン社会を壊滅させてしまったから、移民の害を知らない・知りたくないだけです。
アメリカインデアンや中南米の原住民達も、西欧の移民が入った後の方がずっと過酷な生活を強いられている・・西欧から移民が来る前の方が電化製品がなかったとしても心豊かな生活が出来ていたことは確かでしょう。
最初に漂流に近いような形で流れ着いた西欧人に親切に水を与え食糧を与えてやったことが、その後民族根絶やしになるほどの迫害を受ける元になっているのです。
中国も絶え間なく辺境の地・異民族を吸収して言わば権力的に異民族吸収・・同化によって人口を増やして来たから今の民度になっているのです。
アメリカで移民社会・・低レベル化進行の負の資産を何とか見えなくして来たのは、巨大資源や広大な農地、牧場の存在だったでしょう。
世界でモノ不足の時代には、粗放農業による農産物でも世界中が喜んで受入れ感謝しました。
クルマもブリキを組み立てたようないわゆる「アメ車」でもクルマのな足りない世界では(安い方が良いので)有り難く受入れてきました。
アメリカが流れ作業によって未熟連動者でも参加出来る方式を考案して大量生産による大雑把なクルマを安さを武器に大量に作って世界市場を席巻していたのです。
日本の例で言えば、戦後食糧難の時代にアメリカから届いた粉ミルクの学校給食を喜んで飲んだものです。
高校時代にワシントンハイツ(今の代々木公園)にあったアメリカ軍将校のアパートに招かれて行ったときに、ビフテキをごちそうになって多いに感激したものです。
今時アメリカ産の牛ステーキを喜んで食べる人は滅多にいないでしょう。
クルマも日本で作るようになって来ると、粗雑なアメリカ車は全く売れなくなりました。
粗放生産品・・汎用品は後進国で作れる=低賃金化が進み従事者は高度な生活を維持出来ません。
この状態でなお大量生産にこだわって移民を受入れて中国の人件費に負けないと豪語してもどうなるものでもありません。
汎用品・・量で勝負する限り、後進国並みの収益しかありません。
汎用品生産用の人口が増えれば増えるほど実力以上の生活費を補填すべき人数が増えるマイナスが増えるだけです。
アメリカンドリーム・・個人の大成功に社会みんながぶら下がるのは無理があります。
ましてやアップルの例を見ても分るように次々と新製品企画が当たる保障がありません。
アメリカンドリームは自分もそうなれるかも?と言う期待感でみんなが前向きになれる時代精神ですが、汎用品工場やストアーで働き夜はフードスタンプに並ぶのでは精神が屈折します。
民族一体感のない国では成功した方は自分の働きを高率の税でフードスタンプ資金に取られてしまうのは面白くない・・海外逃避したくなりますし、他方で庶民から見ると金融商品の転がし・・トレーダーがぼろ儲けしている場合、どこか胡散臭いイメージ・・制度に問題があるんじゃないかと言う不満が出て来ます。
金融規制強化論が唱えられ、タックスヘイブンが槍玉に挙がるのは、こうした不満の結果です。
日本の場合成功者とは部品を夜も昼もなしに磨きに磨いてナノ単位の精密製品を作り上げるような人(ノーベル賞を受賞した田中氏もそのような一人です)が中心ですから、企業で大事にされてもだれも不満を言いません。
2ヶ月程前まで日経新聞に連載していた京都大学の類人猿の研究生活をしていた松沢氏の連載を見ても「えらいなあ!」「良い人生を送っているな!」と感嘆するばかりで、うらやましいとかの不満を抱く人はいないでしょう。
EPS細胞の中山教授に関しても同じです。
我が国はそのような価値観の国ですから、こう言う人が報われるのは別におかしなことではありません。
成功した本人も皆様の御陰で・・と感謝し、法外な報酬を欲しがらない・・民族全体の利益になれば良いのが普通です。
日本は民族全体のために努力する意識の社会なのに、縁もゆかりもない人が勝手に入って来て(移民)同じ率で分配を要求されるようになると成功者も自分独り占めしたくなるし、努力する気持ちが失せてしまいます。
日本人は日本人のためにみんなで力を合わせて頑張って来た縄文時代からの歴史があります。
今は国際化時代ですから相応の国際負担は必要ですが、これは個人で言えば近所付き合いとして町内会費を払い公共負担するのと同じであって、親しく交際することと他人が自宅にズカズカ入って来るだけではなく更に長期間同居を容認する義務があるかとは別次元です。
日本国内に入って来たばかりの人に何世代も前から環境保護に協力して来た人と同じように分け前を(晩ご飯を一緒に食べる権利)要求されるほどのものではありません。
会社のために努力して収益が上がり、この成果を全社で享受する・・同僚の給与がアップし会社の将来の備えも図れるのは嬉しいですが、その儲けを関係ない人にも平等に払うしかない制度だと努力する意欲がわかなくなり,稼ぐと隠したくなる・・タックスヘイブンが流行する所以です。

アメリカ式移民モデルの破綻3(朝鮮人学校2)

言葉の通じない国へ移住した場合行く先々で何か寄る辺が欲しくなるのは当然です。
たとえばアラブ系の場合、モスクが出来ると危険な印象を持つ人が多いでしょうが、バラバラに放っておいて孤立させて犯罪・テロ組織に入って行くのを放置するよりは、ある程度自分達で教育してくれて如何に日本社会と仲良くやるかの自主的教育をしてくれる組織があった方が合理的です。
それでも100人に一人はグル−プから離れて過激思想にかぶれる人が出るとしても、こう言う組織がなく、移民2世の半分がドロップアウトする人が出るよりは有り難いことです。
自主組織が必要と言う私の意見は、テロかぶれを減らすために必要と言うだけであって、組織さえあれば根絶できるとは思っていません・・。
こう言う基本意見ですから移民を入れることは、朝鮮人どころか2世以降になると社会の安定に極めて危険と言う逆意見で書いています。
朝鮮人学校など民族別組織の存在は、反日の温床にもなれば、その逆に日本社会からのドロップアウト率を下げる効果があり、しかもかなり効率よく(全小中学校にイラン語やフィリッピン語の教師を配置して相談に乗るよりは)成功していると思っていますので、この存在自体を批判するのは間違いであるように思っているだけです。
先の大戦中に朝鮮人の多くは良き皇国臣民として日本人と一緒に戦ったことも良く知られています。
大戦中に反日活動していたと言う記録を知りません。
外国人系としては、日本人と親和するのに成功している民族と言うか、日本人も彼らをうまく包摂して来たと思います。
ここで彼らを根拠なく誹謗中傷して、反日に追い込むのは安全第一の日本社会のために得策ではありません。
現在の嫌韓感情は韓国政府の行為によって触発された在日に対する悪感情に飛び火して敗戦直後の乱暴狼藉が言われますが,日本人の戦前の行為(仮にあったしても)を戦後70年も日本が謝り続ける必要があるか!と言う議論同様に、少なくとも現在の在日の具体的悪行によるものではありません。
在日組織(民団や朝鮮人学校)が反日を煽っているかどうかについて考えると、彼らはもはや韓国へ帰るメリットが皆無ですから、日本社会と対立して何の得もない立場です。
出来るだけ日本人に嫌われないように「こう言う点に気を付けましょう」と日本人より日本人らしく生きるための教養を教える立場であって、朝鮮人学校で積極的に反日を煽っているとは到底思えません。
7月1日にバングラデシュで日本人のテロ被害が起きると、バングラデシュ人が非常に恐縮しているし、異郷に住むものは自分たちに悪感情をもたれないかとその国に対してもの凄く気を使っているのが伝わってきます。
在日も大地震があると民団が率先して支援に動くなど積極的に日本社会への貢献をアッピールすべきでしょうが、日本社会が困っているとき何もしない・拉致事件の手先だったのではないかと言う疑いをもたれているのに、釈明あるいは潔く謝ってしまう度胸がないので黙殺・・開き直り行為が日本人に嫌われているのです。
昨日書いた在日の犯罪率に戻りますと、同じ日本人の犯罪率でも大手企業従業員や公務員になっている人と日雇い人夫や現場系・・風俗系従業員とでは大きな違いがあるように、在日全部と日本人全部とで見れば在日の方が犯罪率が仮に高いとしても大手企業等従事率が極端に低い点を無視出来ません・・。
正確に見るには、職業別あるいは所得階層別犯罪率の高さで比較しないと日本人あるいはフィリッピン,タイ人と比べて在日の犯罪率が有意に高いかどうかは分りません。
慰安婦騒動以来在日に対する批判論が高くなっていますが、韓国政府の反日教育や政治活動に対する不満があってもそれは国際交渉で解決すべきことであって、「居候的立場」の弱い人を苛めているような疑いをもたれるようなことをするのは恥ずかしいし、大人の取るべき態度ではありません。
韓国ともめ事のないときに在日特権の有無・あるとしたらその合理性について、冷静に議論しておくべき純粋国内問題であるべきです。
朝鮮人学校問題も煽られると感情的になり易いでしょうが、上記のように民族別受け皿があってそこで日本社会同化教育をしてくれることは結果的に不良化防止・・日本の公益に役立っているように思います。
日本人がフランスやその他の国に赴任した場合、そこでの生活習慣の勉強会を日本人社会でやってくれれば、助かる筈です。
外国人を砂粒のようにシャッフルしないで、フィリッピン、イラン、パキスタン人会等がある程度まとめて教育してくれた方が効率がいいので、そこにある程度の援助・・土地を貸すのはトクケンとは言えません。
100%税投入・・公立小学校よりも安く済みます。
話題が飛びましたが、ここで言いたいことは在日の応援ではなく、移民は何世代にわたって適応上の不利があって、(在日に限らずフィッリッピン人でもタイ人でも風俗系や現場労働で入って来た場合、数世代にわたって大手企業に就職するための高学歴化するのは困難・・高学歴化しても大手企業は朝鮮人など外国人を簡単に雇用しないのではないでしょうか?)長期にその社会のお荷物になる傾向が高いと言うことです。
お荷物に対するフォロ−は無理がある・コストがかかり過ぎるので手が回らない・・イキオイ過激思想によるテロの温床になり兼ねません・・その例がフランス社会でしょう。
アメリカのように多様な移民が入り乱れている場合、相互理解困難のマイナス・・きめ細かな洞察が出来ず粗雑な文化?が育つでしょうが、数世紀にわたって社会負担がづづくと思われます。
ローマの衰退原因として民族大移動や傭兵に頼ったことなどを学校で習いますが、ゴート族の移動は単なる自然現象ではなく、その前提として日常的に移民に頼る生活・・ローマ市民が自ら手を汚さない安逸な生活で、民族の基礎力が蝕まれていたことが前提です。

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