原発被害基準7(人災と事故被害2)

事故後5年も経過しているので、この辺でムード報道ばかりではなく、人災と事故被害との区別・・検証が必要です。
交通事故によって担ぎ込まれた被害者が1週間程度の怪我だったのに、被害者の大事故被害にしてくれと言う要望に応じて、医師が本来の事故と関係のない箇所の手術をした結果死亡した場合、これが判明すれば加害者が死亡の責任を負いません・・同様に人災分は原発事故とは関係がありません。
例えば数k~5km範囲の避難ならばその外側に商店や医療機関などが残れるので、避難解除後もスムースに生活出来ますが、民主党政権の決めた立ち入り禁止区域が広大過ぎたので、地元物流・医療系統・生活インフラ全てが壊滅してしまったので、避難解除されてもインフラがなくなってしまい戻るに戻れない状態が起きています。
しかも許容シーベルト基準が高過ぎるために避難解除がそれに比例して遅くなってしまい、(例えば年間1ミリシーベルトを2ミリシーベルトに基準を緩めていれば避難区域が何分の一に減り、2倍の早さで復帰可能地域が出る関係)取り返しのつかない地域疲弊進行があったのではないかと思われます。
そうなるとシーベルト基準が合理的だったのかも議論する必要があるでしょう。

以下はhttp://www.nikkei.com/article/DGXZZO50651160W3A110C1000000からの引用です。
forbes
(2013年1月11日 Forbes.com)
原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)が提出した。低線量の被曝の影響は非常に不確かなものであるため、UNSCEARとしては「低線量の被曝と大人数を掛け合わせて、自然放射線量と同等以下のレベルで漸増的な被曝によって健康被害を受ける人数を推定することは勧めない」と述べている。
 この手法はチェルノブイリ以来広く行われてきたことであり、福島では今も採用されている。
■福島事故で「健康への影響無し」
 報告書により、世界はようやく正気に戻り、人体に害を与えないことに無駄な時間を費やすのをやめ、実際に悪影響を及ぼす問題、そして本当に注意を必要とする人々に目を向けるようになるかもしれない。例えば津波によって引き起こされたインフラや経済への打撃、あるいは福島周辺の真のホットスポットの除染。さらには、人体に影響を与えない程度の放射線量しか浴びていないのに、被曝の恐怖に怯えて暮らし、まさにそうした不安に心身をさいなまれている何万人という日本人をケアするといったことだ。また、日本政府においては真剣に原発再稼働の準備を始めたり、国際原子力機関(IAEA)や米国政府からの改善案に耳を傾けることだ。
この報告書によって、低線量の被曝が個人と大規模な集団の健康に及ぼす影響について言えること、言えないことがはっきりするだろう。
 自然放射線量が2.5ミリSv(250 ミリrem)から3.5ミリSv(350 ミリrem)に上昇しても、発がん率は上昇せず、認識できるような公衆衛生上の影響は何も起きない。同じように、自然放射線量が2.5ミリSv(250 ミリrem)から1ミリSv( 100 ミリrem)に低下しても発がん率は低下せず、公衆衛生上の問題に一切影響を与えない。
 重要なのは、通常の議論は短期間(一度)に強烈な放射線に被曝することを想定しており、同じ量を1年といった長い期間をかけて被曝した場合、影響はさらに小さくなることだ。つまり毎月0.1Sv(10 rem)を被曝すれば影響はあるかもしれないが、年間で同じ0.1Svを受けた場合は、慢性にせよ、急性にせよ認識できるような影響は一切ない。
 さらにUNSCEARは、一昨年の福島の原発事故による識別可能な人体への影響はなかったとしている。「影響無し」としているのだ。」

上記意見は今この意見を書くために、どこかに国際基準を紹介していないかと思って検索して初めて見たものですが、私が事故直後のMarch 28, 2011「放射能の危険性2(管理区域)」でレントゲン技師が一度に被曝する基準を1年間に均した基準にするのがおかしいと書いた素人意見と同じことが早くから「原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)で、言われていたことが分ります。
あまり馬鹿げた基準造りなのでその妥当性について世界の科学者のまじめな議論の対象にさえなれないレベルですが、日本ではあまりにも荒唐無稽な基準が幅を利かしているので、念のために国際機関で意見を発表したのではないでしょうか?
マスコミ界が恐怖を煽ってでっち上げた安全基準が間違っていると言う意見が出ているのに、これをマスコミが全く紹介していない・・黙殺しているどころか科学基準ではないと発言した環境大臣の吊るし上げに熱を上げているのが不思議・・報道の中立性に反していないでしょうか?

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