第三者委員会の役割9(収束の着地点1)

「角度をつけた」報道を続ければ・・どちらかに偏った結果になりますから、こうした角度付けををやめて欲しい人が多いと思いますが、角度付けをやめて欲しいと言う正当な期待に応えるべく第三者委員会は役割を果たしていないように見えます。
社長を吊るし上げたいと言う・・低レベルな人は好き勝手に推測を逞しくして下さいと言う第三者委員会方式はある程度合理的ですが、「角度をつけた報道姿勢」そのものをやめて欲しい期待は合理的です。
電波関連での中立性は明文で規定されていることですが、朝日その他紙媒体のマスコミ界にはこうした要請はありませんが、中立を装う大手マスコミの場合、中立イメージ「精神」(新華社日本支部とか、赤旗みたいに立場を明らかにしていれば誰も文句言いません)に反した運用をして来たことに、国民が我慢し切れなくなっていたことが今回の騒動の遠因です。
公共電波を使わない新聞発行そのものに対する規制はありませんが、放送に関しては規制があって以前紹介しました。
もう一度紹介しておきましょう。

放送法
(昭和二十五年五月二日法律第百三十二号)
 第二章 放送番組の編集等に関する通則

(放送番組編集の自由)
第三条  放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。
(国内放送等の放送番組の編集等)
第四条  放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一  公安及び善良な風俗を害しないこと。
二  政治的に公平であること。
三  報道は事実をまげないですること。
四  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

慰安婦問題では双方向で顕著な対立があったのに、「強制があった」と言う主張ばかりに偏って報道していた責任を問われねばなりません。
もっとも新聞は放送ではないので何の規制もありませんが、新聞の偏った報道で世論造りが進んでいて、それを前提に電波(放送)が大々的に一方的な放送すれば良いというのではしり抜けです。
我が家で言えば、NHKのラジオ深夜便を長らく愛好していましたが、4〜5年または5〜6年前(いつころからか記憶がはっきりしませんが)から、脈絡なく韓国料理番組が出て来たり、韓流スターが如何に素晴らしいかの話題が挿入されて来るようになって来たので、次第に聞かなくなくなりました。
韓流の素晴らしさ・韓国料理の素晴らしさをNHKが繰り返し挿入して行くのは、対立する論点について一方を肩入れしていることにはならないでしょうが、こうした日常的イメージ刷り込みが一方的に行なわれていることの方が重大です。
日本統治に好意を持っている台湾人がNHK取材に応じたのに出来上がった番組は、日本統治が酷かったと言う逆方向へ編集された報道になってしまったと言うことで、右翼の応援で損害賠償裁判をしていましたが、放送には編集権があるので、取材に応じた人はどのように編集された中に登場させられようと損害賠償は認められないと言う骨子で、負けたようです。
本来の争点は、編集権を隠れ蓑にして編集態度が偏っていること・・これは台湾人が損害賠償請求する裁判のテーマになり得ません・・ではないでしょうか?
デマや流言蜚語は正確な情報がないところで起きるものですが、国民は「角度」がどうやってつけられて行ったのか・・「朝日新聞の角度」をどうやって修正して行くのかこそを知りたいのです。
国民の本心は、・・実はマスコミ界全般が、中韓やアメリカの代弁者になってしまっているのは何故か、それを(そろそろ)一掃して欲しいと言う期待・・戦後70年もたっているので、「いい加減にしてくれ!と言う、民族意識が覚醒して来た状態と言えるでしょう。
アメリカや中韓は70年も日本のマスコミを支配に努力して来たので、今や日本人は米中韓の言うとおりになる・・最早日本支配が完成していると思って更に踏み込んだのでしょうが、日本人が70年間も我慢して来て限界になり始めている逆の心理状態に気がつかなかったのです。
幸い中国の台頭し過ぎによってアメリカにとっては、今度は日本よりも中国台頭を抑えねばならなくなった国際情勢変化が日本有利に働いている側面もあります。

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