経済不振と排外行動のツケ2

中国は本当の軍事行動を起こして負けたら政権がつぶれてしまうので、尖閣諸島でちょっとだけちょっかいを出して、国内では反日暴動を起こしてみて・・、様子を見たと言うところでしょう。
韓国と違い中国は一応逃げ道を残しているので、大人の行動をしていると言えます。
逃げ道を残しているつもりとは言え、やってみるとこれの効果がない・・むしろ反作用の方が強くなって国内的に格好がつかなくなって(却って恥をかいてしまったでしょう)困っていることも事実です。
さしあたり、何らか意趣返しをしないと収まらないので、自分は表に出ないで背後で応援する・・韓国の日本批判に歩調を合わせて恩を着せておくことにしたのでしょう。
韓国に歩調を合わせても中国には大した利害がないので方針転換が簡単としても、その代わり中国にとって、韓国に歩調を合わせても国内不満そらしにはほとんど効果がないことでもあります。
(安重根の記念館を作っても中国国内政治にメリットはほとんどないでしょうから、対日関係では将来のマイナス効果だけ抱え込むことになりますが、その程度のことをしないと反日暴動して格好がつかなくなっている中国政府としては、何らかの意趣返しをしたいと言うことでしょう)
中国は裏で応援する分には方針転換に柔軟性があって有利ですが、韓国は正面切って日本批判をして歩いているので、どうやって終わりにして良いか分らないので困っています。
政治家の世界は言質を取られないように多様な決定の選択肢を残しながら発言するものですし、まして国家を代表しての発言ならばなおのことですが、韓国政治家はこの原理が分らないか、未熟なのかも知れません。
これまでいつも最後には、(裏で韓国がぺこぺこして来て「日本が表向き謝ってくれないと政権が持たないので何とか協力してくれ」と言って来て)日本が表向き謝る形で解決してくれていたので、何十年もこれにこのやり方で成功して来たので今回も繰り返しが利くと誤解して始めてしまった失敗と思われます。
今回韓国は官房長官談話を悪用して海外攻勢をかけた・・禁じ手を使ってしまった以上は、今後日本が表向き謝った形にしてくれと土下座して謝って来ても、そのビデオを公開して良いと言わない限り、どんなに頼まれても、もはや二度とこう言う裏取引に応じることはできません。
アメリカも裏では内々こうした解決を強要して来ていると思いますが、こう言う解決を裏で強要して来たアメリカ自身が、国際的には、「日本政府が謝っておきながら今更否定するとは・・」と言う韓国の論法に同調してアメリカ議会では慰安婦決議までしていると思います・・ことで、日本人は怒っています。
この裏工作を暴くための「検証作業」を韓国もアメリカもいやがっているのです。
歴史事実の実証研究を拒否しているのが韓国であり、アメリカです。
如何にアメリカの強要が裏であっても、今回は国民の怒りは半端ではないので、今の政府はこれに応じることは出来ないでしょう。
プーチンは鮮やかなクリミア編入程度で喝采を浴びて直ちに矛を収めていれば、プーチンの鮮やかな一方勝ちで終わったでしょうが、そこで終わりに出来なかった(国民はそれでは納得しなかったのでしょう・・)のがプーチンの誤算です。
ウクライナの泥沼紛争に足を取られていると、国費の無駄遣いが続くので国内経済が良くなるどころか余計内需不振・・国民の苦境が拡大しますし、欧米からの経済制裁効果・・これは時間がかかりますので・・長引けばボデイーに利いて来てプーチンの方が参ってしまいます。
軍事費に税金を使えば軍需産業は潤いますが、同じお金を使うならば内需拡大用の公共工事・・インフラ整備にお金をばらまいた方が関連産業が多く広く恩恵が行き渡る外に、(古い公共施設を新しくするだけでも利用者の利便性が上がります)出来上がった立派な設備を多くの国民が使えて恩恵を受ける層が広がります。
日本の場合真珠湾攻撃だけで終わりにしたくとも自分で終わりに出来なかったのですが、(アメリカは日本が「窮鼠猫を噛む」挙に出るの待ち構えていたのですから・・終わりにはしてくれません)プーチンの場合クリミアだけ編入して終わりにで来たのですから、さっさと終わりにしてしまえば、遠くの欧米は手も足も出なかったでしょう。
中国はこの様子を見ているので、本気でやるときは尖閣諸島を奇襲攻撃で占拠して、それ以上一切攻撃せずにいて、日本が奪回のために攻撃するのが悪いと言う変な論法で死守する方針で来ると思われます。
世界は事なかれ主義ですから、そうなるとさしあたり休戦を要求して来て、日本は占拠されたままの既成事実を受入れざるを得なくなる可能性があります。
日本は現地駐屯軍をおかない限り無人ですから中国による奇襲占拠を防ぐ方法がないことを以前書きましたが、この結果自衛隊は昨年から離島奪回作戦の上陸演習を米軍と繰り返しています。
尖閣諸島維持するには、休戦を要求される前の短期間奪回作戦の成否にかかっているからです。

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