友好国と行動基準3

日本は資源以外は輸出するばかりで輸入比率が低いことを書いている内にまた話題がそれました。
中国市場で日本とモロに競っている国においては,日中で険悪になればその隙に市場を奪えるので、当然日本の味方をするよりは中国へのゴマスリに傾きます。
資本関係で見れば、韓国の銀行は全部外国資本に握られていると言われているように実質的に欧米の金融資本を通じた植民地支配を受けています。
欧米の勢力圏にある韓国企業が浮揚する方が有利ですので、争いになれば韓国企業を日本より大事にするのは当然です。
仮定の話ですが、欧米人がトヨタの株よりも現代自動車の株を多くを持っている場合を考えれば、韓国の企業に競争で勝って欲しくなるのは当然の心理でしょう。
対中国でも同様で、欧米は対日本よりも中国へ多くの投資していますし、明治以降日本ではどんな企業が進出しても殆ど儲けられず撤退の連続で,外資が定着している分野は殆どありません。
ところが欧米資本も中国市場では儲けていますので、何かあると中国の肩を持って日本から中国市場を奪おうとするのは当然です。
(中国が損すると中国に投資している欧米の企業が困りますが、日本が損しても却って喜ぶだけです)
アメリカは戦後日本を直接支配し、日本独立後も事実上政治的には日本を支配してきましたが、経済面ではアメリカ資本が根付きませんでした。
折角占領政治をしたのに、経済的に大して旨味を得られませんでした。
この辺は、イラクやアフガンの占領でも多分似たような結果になるでしょう。
アメリカ人は腕力が強い・・人間が強い意味ではなく、豊富な資源力にものを言わせるだけで地道な努力に向いていないので、時間経過で結果的に地道な努力をする民族に負けるしかないのでしょう。

ココ数十年で言えば牛肉の市場開放を迫ってみたらオーストラリアの牛肉が入って来ただけで、アメリカの牛肉は参入に失敗しましたし、携帯電話の自由化を迫ったモトローラが敗退して国産携帯全盛になるなど、アメリカは全ての分野と言っていいほど日本市場参入に失敗しています。

戦後始めから見れば、アメリカ得意の自動車産業に始まり、アメリカ発のスーパーであれコンビニであれ、どの分野でも成功していません。
マスコミ報道では、日本に外資が入って来ないのは魅力がないからだと頻りに言いますが、日本に外資が入らないのはそれなりの理由があります。
日本は外資が入らなくとも金が余っていて外国へ投資している国・・企業は内部留保が巨額で有効利用出来ていないとマスコミでしょっ中批判されている状態です。
・・ですからあえて外資導入を必要としていないし、外資にとっても日本に投資してもこれまでの進出企業は失敗だらけで儲ける自信がないからです。
日本企業は強いので、国外競争で負けている外資が相手の本拠地に攻め込む勇気がないのは当然です。
車で言えば、クライスラーやGMが豊田市に工場進出するか?と言うことです。
我が国に外資がそれほど入って来ないのは、自主独立を守れているからに他ならず、新興国や資金不足国が、他の後進国と比べて外資導入競争に負けていると発展が遅れる心配があるのとは立場が違います。
この辺はペリーが幕末に日本に開国を迫ったものの、結果的に日本に経済進出・経済支配することに成功しなかったのと同じです。
日本は維新以降製鉄から造船・鉄道敷設まで何もかも自前でやってしまったばかりか、欧米の大事な中国市場を食い荒らす競争相手にまでになったことが、アメリカが口実を設けて日本をやっつけたくなった原因でした。
明治維新以降世界中で日本だけが欧米から独立していた(市場になっていなかった)ばかりか、競争相手になっていましたが、この関係は戦後も変わりません。
敗戦後日本の自主独立路線の成功とは逆に、東南アジアや中韓が経済的に欧米資本の傘下に多く入っていて、市場開放後の中国は、戦前同様に欧米の競争相手ではなく、草刈場・・市場争奪の的・・主要顧客になっています。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC