友好国と行動基準4

今や世界中の大企業にとって巨大な中国市場で儲けられるかどうかが大きな関心事になっていることは、GMの復活と言っても中国で生産し、儲けているに過ぎないと実態からも明らかです。
日本ではドイツやイギリスが中韓と反目している隙に乗じて参入を計っているように見えるのですが、欧州の客は最早購買力が低下する一方なので、ドイツやイギリスが中国市場参入に必死になっているのは自然の勢いと言うべきでしょう..。
中国は実力以上に威張るので、アメリカのご機嫌を損ねていますが、競争相手となっているのはこけおどしの政治の場面に過ぎず、未だ欧米から見れば食い物にする市場・お客さんとしての発言力があるに過ぎませんから、実質的競争相手にはほど遠い関係です。
中国が巨大市場を餌に対外圧力をかけている事自体、まだまだ戦前の反植民地同様の受け入れ国でしかなく、国際競争力がないことを証明していることになります。
戦前同様に欧米と日本は中国を競争相手というよりは市場価値で見ているのですから、日本は欧米にとって中国市場での最大の競争相手になっている=主要敵国になっている以上は、中国市場から日本を駆逐するチャンスさえあれば、利用したい状態です。
日本は世界中を相手に経済競争している結果、日本自身は中韓にとって良き客になっていない・・経済競争相手の欧米諸国から本音での政治的同調を得るのは無理があります。
韓国も日本の技術輸出で生産していますが、日本への輸出は輸入よりも少ないので輸出入が止まってもそれほどの痛手にはなりません。
日本の部品が入らなければ韓国は何も作れないだろうとネトウヨが良く言いますが、部品は少しくらい低レベルでも他所から買えば何とかなります。
(どんな部品も日本製が少し良いくらいの差でしかなく、日本以外で全く作れないことはありません)
部品補給が一定期間止まればその間に顧客を奪われる日本の方が痛手を被ります。
これが東日本大震災とタイの洪水被害でサプライチェーンがほころびた隙に、韓国が中国等で日本の顧客を奪いに行った動機です。
半年も部品供給出来ないと日本の得意先が少しレベルが低くても韓国その他の代替品を使おうとなりますので、一旦食い込まれるとその流れが出来てしまうので、挽回するのは大変です。
精神面で親日国をいくら増やしてもイザ紛争・・二者択一になると、真に利害のある国の味方をしてしまう・・自分の国の製品を多く輸入してくれるところに良い顔をするより外ないことになります。
昨日書いたように親日国タイでさえ、中国が見返りに大量の米輸入約束してくれるとそちらになびくしかない・・日本にも米を買う約束してくれないかと提案して来る始末です。
輸出に偏っている我が国はどこも味方してくれない・・結果的に孤立を招来する運命にあります。
この辺は将来的に中韓両国も、先進資本の受入れ・・先進国の市場(経済植民地被支配)から脱却して輸出国になって行くと通らねばならない関門です。
低賃金を売りにして先進国の子会社が立地して下請け工場として先進国へいくら再輸出しても先進国の企業がやっている限り問題が起きません。
日本が貿易赤字に陥ってもその原因の多くが、日本企業の現地生産による逆輸入である限りパッシングは起きないでしょう。
世上言われる「中進国の罠」と言われる現象は低賃金によるハンデイが通用しなくなっただけではなく、後進国発の自前の企業が先進国に対して挑戦する段階がまさに中進国から先進国への脱皮の象徴ですが、ココでマトモに叩かれる・・これまでの・・資本・技術受け入れ国としての横柄な殿様商法が通用しなくなるからです。
中韓両国はまだ自力で国際市場に打って出て競争出来るような競争力のある企業が少ないので気楽な立場で言いたい放題が出来るのです。
中国通信機企業の華為技術(ファーウェイ)と韓国サムスンがアメリカに叩かれ始めたのはこの始まりと言えます。

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