国際合意の必要性1(プラザ合意)

市場原理による修正が利かないとなれば、プラザ合意のような国際合意による為替切り上げを求めるしかありません。
プラザ合意とは、言わば檀那衆の集まりで商店会ルールや世界規模の商業ルールを取り決めるようなものです。
国際社会ではひんしゅくを買う程度では、通貨のようにその国の経済・国益に直結する分野でおつきあい感覚で協調を期待するのは無理があります。
合意のテーブルにつかせるための下準備として自由貿易の例外措置として、スーパー301条のような強制装置(不公正貿易国の認定)を持ち出すなど一種の貿易制限をするしかなくなってきます。
日本は301条適用の脅しその他によって急激な円高を容認し、更には現地生産を強制されるようになった・・プラザ合意の結果アメリカ国内工場進出と東南アジア等での生産の広がり・・所謂雁行的発展の始まり・・国際グローバル化が始まったことを以前から書いてきました。
こうした合意形成努力が成功したのは、日本の場合アメリカと緊密な同盟国でもあったし、アメリカに逆らえない立場でもありましたから効き目がありましたが、中国にはこの事実上の強制が効きません。
アメリカも中国から露骨にサイバー戦争を仕掛けられている現在・・軍事的正面の敵になる可能性の高い中国企業・・国防の中枢に関係するIT産業関連等のアメリカ進出による解決を望んでいませんので、アメリカ国内工場進出による解決の方法が中国に関してはありません。
日本のように新興国を迂回して輸出する道もアメリカに取って国防上のリスクという点では同じですから、これもアメリカは許容出来ないでしょう。
為替水準に関して話し合い調整の方法がないときにはどうするか?
為替で調整する現在の貿易ルールを守らない国に対する本格的仕返しとしては、アメリカによる不公正貿易国認定・・課徴金を課すか貿易商人仲間・檀那衆の仲間に入れないような制裁措置しかないのかも知れません。
アメリカ一国が超大国の時代には、アメリカが制裁するとと決めればどこの国も参ってしまったのですが、中国が一定の経済力を持って来たので、この脅迫・仲間はずれ措置に反応するかどうかです。
中国は日本のGDPを追い越したという発表以来(実態は何割か水増しで、まだまだ日本を追い越していないのが真実でしょう・・政府幹部はある程度真実を知っているのですが、毎年水増し虚偽統計を発表して来た手前、今までの発表が嘘でしたとは言えないのと減速しているとは言えないので)嘘の上塗り・勢いで2年ほど前に日本を追い越してしまったと言うしかなかったのでしょう。
この(虚偽)発表に真実を知らずに自信を持ってしまった中国人民の行け行けムード圧力に政府は抗し切れなくなって、アメリカに対してサイバー攻撃してみたり、尖閣諸島だけではなく、周辺国への軍事威嚇を繰り返すようになったのですが、実態的経済力が日本に遠く及ばないのに馬鹿げたことです。
普段からマトモな政治をしていないことを隠蔽するために偏狭なナショナリズムを煽って子どものときから人民教育して来たので、政権はこの効果に縛られて自縄自縛に陥ってしまっているのが現状です。
韓国歴代政権も同じで、何か国内政治で不都合があるたびに反日運動を煽って来た結果、次の政権は前政権よりもその都度反日運動をランクアップするしかなくてトキの経過と共にエスカレートする一方で現在に至ってしまいました。

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