投資効率5

生活水準が上がると大量生産の粗悪品を腹一杯食べるよりは、きめ細かく丁寧に作られた良質のものを少し食べたり、洋服・身の回り品で言えば上質なものを身に付けたくなるのが普通です。
上質のものを作るには生産者=労働者の質も上がらなければなりません。
この辺については、2012/08/22「投資効率2(量から質へ)」までのコラムで書きました。
成熟社会には良質品の生産に従事する人間が必要になるので、大量生産・粗放教育で育つよりは少量生産(少子化)・きめ細かな養育環境で育つ必要がある・・母親の多くがこうした志向に向かっているのは社会発展に合わせて行く智恵の発露と言うべきです。
(マスコミによる執拗な洗脳・・マインドコントロールにも拘らず大量出産・粗放教育論に惑わされない庶民は偉い!)
少子化・集中投資の努力をもってしても、親の期待に反して中学さえまともに授業を受けられないレベル・・親に頼まれてやっと「高校くらいは・・」と入学している程度の子供がかなりいます。
私たち弁護士の仕事は少年事件・非行少年ばかり関係しているので、目先感覚ではついこうしたレベルの人が多くなっているような印象を受けますが、社会全体ではどうなっているかがよく分りません。
もしかしたら私たちが育った時代に比べて高卒程度までもついて行けない人数比率が逆に減っているのかも知れません。
こうした実態調査(所得階層別出生率)はタブーに振れる心配があるのか全く行われていないと思われますが、それこそ学問研究の自由に対する意気込みの問題です。
学者が政府推奨のテーマだけ研究していてマスコミから批判されそうなテーマを研究しないならば、何のための学問の自由が保障されているのかということです。
現在社会では学問の自由は近世の絶対権力・中世に絶大な権力を持っていた宗教権力からの自由だけはなく、マスコミ・社会風潮からの自由こそが重要です。
研究はなくとも世界的な学力調査では、日本の子供のレベルが徐々に落ちつつあることは確かな印象です。
(日本の産業力を支えるべき技能5輪受賞者を見てもレベルダウンが進んでいる傾向が現れています)
少子化進行で大変だと言うマスコミ宣伝に踊らされ易い階層は底辺層に多いので、底辺層でばかり4人も5人も子供を生んでいる傾向・・マスコミ宣伝が数十年も経過しているのでその結果が出て来ているのではないでしょうか?
(破産申し立て準備中に立て続けに出産する女性・・あるいは離婚すると直ぐに再婚する女性が多いのですが、再婚すると直ぐに2人も生む人が多いのも特徴です・・こうした荒れた関係が多いので、これが再婚相手の連れ子虐待の多発に繋がっているでしょう)
刑事事件と違って、この種の統計があるのかどうか・・仮にあってもネットで公開されているかさえ分りません。
アメリカ合衆国のように何でも研究出来る国と違って、我が国では階層別出産率など調査したらそれ自体が大問題になりそうです。
しかし社会の実態を正確に知るにはタブーなしに、先ずは客観的な研究調査がないとマトモな議論になりません。
とは言うものの、以前から刑事事件の統計を紹介しているように、(たとえば少年事件であれば09/16/06「少年犯罪の増減と重罰化の風潮(少年犯罪統計)1」を見て戴ければ戦後から最近までの統計が出ています)粗暴犯が激減していることは顕著な事実です。
最近ユーチューブで水道橋博士と評論家三宅氏の「博士も知らない日本のウラ・・12年5月19日公開)対談を見ていたら、マスコミの報道と違って、戦前の方が事件が多いし今の方が減っているという誰かの本が飛ぶように売れていると話していましたが、私の方では既に上記コラムで6年も前から「最近物騒で困った」と言う報道は嘘ばっかりだという意見を書いています。
学力レベルが劣っている人が多くなっているとしても、おとなしい人が増えたことは確かでしょう。
従来型粗暴犯罪は激減中ですので、警察はストーカー等従来犯罪にならなかった分野に進出するために新たな仕事を求めている状態です。
ここ10〜15年前後刑事事件が減少する一方になって来たことから、警察関係の危機感からだと思いますが、イキナリマスコミが騒ぎ出して、「警察は何をしているんだ」と批判してもらって警察はこれに対応している形ですが、新たな分野に乗り出すための雰囲気造りとしてマスコミに騒いでもらっている(連係プレー)印象がないでもありません・・。
昔から殺人事件等は親族、身内等濃密な交際関係が事件数のほぼ大多数・・中心でしたので、これをストーーカー・DV等新たな装いで世間の注目を集めてその前段階から関与し易くして事件化を図っている傾向あります。
(昔から、無関係な他人に対する殺傷事件は通り魔や秋葉原事件などごく稀にしかなく、それだけに大騒ぎになりますが、実際には何百分の1もありません)
刑事事件激減と次世代草食系化の話題はすでに別のシリーズで書いているのでこの辺にしておきます。
(最近ではFebruary 7, 2012ソフト化社会7(紛争予備軍1)前後で書いています。

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