IPO投資の逆回転4と世界経済3

以下、中韓の債務膨張→起債不調等を書いてい行きますが、これは世界の 起債市場変調の引き金になるか?という心配から書いて行くだけであって、IPO投資不調・逆回転の兆候が中国あるいは特定国の債務過剰に不調に原因があるというより構造的問題であるという基礎的意見です。
起債市場異変が起きるとすれば、・・日本の超金融緩和に世界中が便乗して米欧で超金融緩和に乗り出して、EUではすでにマイナス金利にまで踏み込んでしまったことにより金融機能が損なわれてきたことに対する危機感にあると思われます。
本来リスク資金は返済義務のない株式投資で賄うべきところ、超低金利かで借金でマカアヌ方が有利になってきたことによります。
株式は発行して仕舞えば終わりではなく、一定の配当を維持しないと株価下落し機関投資家の不満が高まります。
当然経営責任も問われる事態・・投資ファンドの発達でROE重視とか言って、配当重視(過剰?)がもたらした結果です。
ゼロ金利で借りられれば、極端な例で言えば、前年同率の利益率でも株式を半分に減らせば、配当率が倍になるので株価が二倍になる仕組み・・社債発行(借金)してその資金で自社株買した方が経営者にとって有利になる仕組みです。
業績1割不振でもゼロ金利の社債発行によって得た資金で自社株を1割買いあげれば、前期同様の配当が可能です。
利益が出ていないのに粉飾で高配当・・いわゆるタコ配当が昔流行りましたが、いまは死語でしょうか?
結果から見るとタコ配当に似ていますが、実際に出た利益を配当するので違法でもなんでもないですが、配当すべき相手を減らすことによって株主として残った人が、本来に利益率以上の高配当を得られる奇抜なアイデアです。
というわけで、企業が自社株買いすると報道すればその株を持ってれば配当が期待できるので業績発表が前年比減配当額が前年比1割減っても、自社株買が1割あれば株をそのま村にで持ってれば前年同額の配当を受けれるので株式相場が値上がりする理屈です。
前向き投資の資金需要の場合でも増資による資金手当てをすると、配当すべき株式が増えるのに対し、新規投資によるリターンはうまく行っても(生産工場用地取得し立ち上げ等の場合)数年間寄与しないので、配当率が下がります。
これに対し、M&Aが流行るのは、買収先企業の売り上げや販売益が、当期利益にそのまま反映されるからです。
そいsてM&A資金を社債等で賄えば利子支払いが増えますがこれがゼロ金利だとその負担がゼロで、配当相手は増えないメリットがあります。
このように企業は今や増資(新株発行)等で資金手当するよりも、社債発行で手当した方がメリットが大きいいので既発行株式も消却していく方が有利という状況です。
企業統治的に見ても株式保有者は経営に口出しできますが、社債保有者の場合経営権がありません。
それこそ、「釣った魚に餌をやる必要がない」という状況です。
機関投資家も買うまでは立場が強いですが、買って仕舞えばあとは嫌なら転売すれば?と言われるだけで満期がくるまで何の意見も言えないし聞かれません。
債権者は会社の外部者という立場で、制度上株主総会のような経営に物申す制度がありません・・解散等特別な場合債権者保護のための制度がありますが、あくまで「債権者保護」のための制度であって経営参画権ではありません。
借金には返済期限がありますが、実際にはほとんど大手企業ではロールオーバー・・借り換え債発行で回転していくのが普通ですので、その時に不信任・買い手がつかないと社債満期の償還資金手当に苦しむ・・一種の不信任を突きつけられるリスクがあるだけです。
お金に色がつかないので、業績さえ良ければ別の機関投資家が買うかもしれないので人的コネに頼る度合いが薄まります。
このあとで紹介しますが、韓国ケミカル大手のハンファが、日本でサムライ債の借換債発行に失敗しましたが、代わりに米国でドル建て起債すると言い訳していますが、それも無理なら韓国内での起債、それも間に合わない時にはつなぎ融資に頼る緊急融資でしょう。
このように社債購入母集団・今回の場合、日本人集団の信認を失うといきなりの衝撃がありますが、これは、文政権の度を過ぎた反日言動に対する日本人全体のブーイングが反映したものですが、こういうことは稀ですので、一般的には業績さえ普通なら、特定社債保有者意見など相手にする必要がありません。
サムライ債を買っている日本人の声を聞くシステムがないし、スポンサーを変えればいいシステムです。
一旦株主になるといくら口うるさく嫌な株主でも企業側で株主を変える権利がないのとは大違いです。
借金の場合金利負担がゼロとしてもいつか返済期限がきますが、これは借換債発行が際限なくできれば、株式と結果的に変わりません。
社債を買う人が少なければそのグループの意向を無視できませんが、今のように大量の個人が少額買う仕組みになれば、個々人なんの意見も言わないので企業にとっては元利償還さえできれば空気のような存在でしょう。
サムライ債の社債購入者個々人は、砂つぶのような存在ですし社債購入者名簿もなく一致団結行動チャンスもないのですが、今回は文政権があまりにも嫌韓感情を煽っているので、無意識の団結というか、借換債の募集に対して応募する人がいなかったのだと思います。
IPO投資不調が社債発行市場にもどいう影響を及ぼすかも重要な問題です。
超金融緩和が、ゼロ金利が配当圧力にさらされる経営者を社債に走らせ、企業統治に物言わない便利さ等々によって、世界中が過剰債務状態になっているように見えます。
過剰債務問題は中韓に極端に現れていますが、実は金融超緩和の申し子です。

IPO投資の逆回転3と世界経済2

ファーウエイが国内で社債発行をしたことがニュースになっています。
https://36kr.jp/25920/

ファーウェイが中国で初めて社債を発行 900億円で国内事業を強化へ
2019年9月21日

国内事業強化のためと言いますが、今まで国外での社債発行もそのための資金集めだったはずです。
大手メデイアは中国に睨まれることを正面切って言いませんが、外貨建て債務を国外で発行しても買い手がつかなくなっているリスクを恐れたのではないかと素人目には勘ぐれます。
アメリカの金融調達市場からの中国締め出しがどんどん進んでいる上に、資金集めの場として頼みの綱とする香港が大規模騒動で中国の代名詞のようなファーウエイが香港市場でも資金を集めるのが難しいと判断したからでしょう。
中国は国内過剰債務問題・急激な債務膨張→資金不足に苦しんでいます。
国内資金不足の最中に世界的大企業であり政府が必死に育成している強者であるファーウエイが国内で900億円も資金を吸い上げたらその歪み効果が半端ではないでしょう。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45994680S9A610C1FF2000/

中国債務、再び膨張 債務比率、3月末に最高更新
景気対策、地方の借金拡大へカジ 2019/6/12 18:00

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50672470W9A001C1FF8000/

北京=原田逸策】中国の債務が再び膨らみ始めた。
中国政府系の研究機関によると、金融を除く総債務の国内総生産(GDP)に対する比率は2019年3月末で248.8%と過去最高を更新した。
昨年12月末からの上昇幅は5.1ポイントと3年ぶりの高水準だ。中国政府は景気対策でインフラ建設を加速するため、地方政府の借金を拡大する方向に政策も修正しており、債務膨張は続く恐れがある。

https://jp.wsj.com/articles/SB11197303591251874043504585493533149114448

膨張する中国の家計債務、歯止め策限界の背景
By Mike Bird
2019 年 8 月 19 日 06:23 JST
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
中国政府は家計債務を抑制する力に限界を感じているかもしれない。  政府は賢明にも、国内で10年続く住宅市場の活況と、その結果積み上がる債務、そしてそれが自国の開発モデルにとって何を意味するのかに警戒を強めている。だが統計には、引き締めの兆候が全く現れていない。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/63323

世界の株価は「中国債務危機」のリスクに身構えている
処理先延ばしでも成長率低下は不可避
竹中 正治
龍谷大学経済学部教授

融資を受けやすい国有大手と違い中小=民間企業がギリギリの状態に陥っているので、銀行の融資を受けにくい中小の資金繰り逼迫緩和のために金利を下げたくとも人民元 暴悪が怖くて金利を下げられないジレンマにあり、その代わりに預金準備率引き下げによる量的緩和するなど中国は政策総動員体制中です。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-09-06/PXEP6F6VDKHS01

中国人民銀、預金準備率引き下げへ-穏健スタンス変わらず
Bloomberg News
2019年9月6日 20:38 JST 更新日時 2019年9月7日 12:53 JST
準備率を0.5ポイント引き下げ、9月16日から適用
準備率引き下げに伴い、市場に約13.5兆円を供給へ

国際的な資金調達力のある超優良企業には国外で社債を発行して外貨資金をかき集めて国内還流に協力して欲しいところだと思いますが、昨日紹介した記事・・一方で不動産業に対して借換債以外の外債発行禁止は素人の私には意味不明です。
借換のために国外起債は仕方ないが、新規投資用社債発行禁止→国外での社債発行は対外債務を増やし新規投資は失敗が多いということでしょうか?
解説的記事ではドル建ての場合、ドル手当てができなくなるとデフォルトの危険があるからと言うのですが、国外投資は失敗が多い→そうすると国内の債務弁済資金も出せ なくなる道理です。
国内債務だけなら、いくらでも人民元を刷って救済できるが外債発行していると救済できないlという意味でしょうか?
基軸通貨国でない中国の場合、無制限紙幣増刷による内需維持政策→輸入が増えるので結果的に人民元の急落を招くので自殺行為になります。
債務超過で資金繰りに苦しい時に大手が国内社債発行して国内資金を吸い上げたのでは、量的緩和政策が900億円分帳消しになる計算ですが、国の金看板であるファーウエイの成長(成長投資資金なのか、資金繰りに苦しいのか不明)を止めるわけにいかないというところでしょうか?

IPO投資の逆回転2と世界経済1

ソフトバンクグループは何兆円の投資資金を動かせるでしょうが、裏から言えばほぼ同額の借金(法的には借金でないとしても投資家から集めた資金)王でもあるのですから、歯グルマの逆回転が始まると大変な事態になります。
ソフトバンクグループだけの問題ではなく色んな(実態のない?)有望株の暴落が同時に始まるでしょうから、世界中の市場で連鎖暴落が始まるとどうなるかが心配です。
リーマンショックの時と違い、震源が一つでないので手の打ちようがない大問題に発展しないか、素人の杞憂です。
プロの世界では相応の対策を策定しているのでしょうが・・。
リーマンショックの時には、サブプライムローン=金融機関が結節点でしたので、リンパ球のごとき役割・・戦国時代で言えば防衛拠点・・金融機関に資金供給して連鎖的波及を食い止めれば何とかなりましたが、今回はそういう結節点がどこにあるのか(私には)不明です。
まして、投資ファンドは何かあると、せっかくの緊急融資に動いても「禿鷲ファンド」などと悪し様に言われる傾向があって、投資ファンドの公的役割に関する議論が煮詰まっていないから、ファンドへの資金注入は金融機関救済よりもっと揉めるように思われます。
もしかしてバブル崩壊時より国民の理解度が進んだでしょうか?
日本のバブル崩壊時に崩壊処理が進行していく中で、リンパ節のような役割を果たしている金融機関の債権処理を解決しないとどうにもならないことが判明していたのです。当時金融機関システムには公的インフラ機能があるのは誰もが承認するものでしたが、民間かどうかの違いだけで、公的資金投入必要性に対して「国民が納得しない」という反対論・・国民の声を僭称するメデイアではバブル崩壊対策を合理的に進めるのを何故か阻止する意見が横行していました。
結果的に公的資金注入が遅れに遅れてしまい、これが日本のバブル崩壊処理がぐず付き回復が遅れた原因でしょう。
国民生活の必須インフラを担っているかどうかの基準で、民間か国公営かを決めているのではありません。
区別の要素は一元的ではありませんが、大きな基準は市場原理に委ねて自立できる産業は自立させた方が良いというのが自由主義諸国のコンセンサスではないでしょうか?
左翼系マスメデイアは中国をお手本にして?形式的な国公営か、民間企業かで、公的資金注入の区別に用いようとしていたのです。
半導体も製鉄も教育システムも鉄道も電力もガスも携帯スマホもなくてはならないものですから、台風で途絶すれば民間だから自衛隊や自治体は放っておけば良いのではなく、自衛隊出動や自治体の予備電力備蓄その他必死の応援が期待されているのです。
要は危機時に国民生活を守るために救済の必要があるかどうかです。
ファンド救済の困難さに加えて一旦収束に成功しても、その後の底割れ防止のためにどこかが資金を出す必要があります。
緊急手術で出血をとりあえず止めてもその後の療養手当の準備がどうなっているかです。
戦後の荒廃に対しては米国がマーシャルプラン等でその役割を担い世界覇権確立の基礎となりましたし、リーマンショック時には中国が40兆円規模の内需拡大資金を出して世界経済の底割れを防ぎ発言力を強めたのは周知の通りです。
今中国の台頭をとやかく言いますが、危機時に巨額資金を出した国にヘゲモニーが移るのは歴史の教訓です。
ただし、中国は身の丈に合わない資金拠出したので息切れしてきた段階のように見えます。
今回は中国自身が、世界恐慌の引き金を引く恐れで警戒されてきた瀕死の?病人・・バブル崩壊の先送りを繰り返してきたのですから、自分が資金流出を防ぐのに必死ですから、もう一度大金を出すどころの余力はないでしょう。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49167580Z20C19A8MM8000/

中国、資金流出を警戒 急激な元安回避へ新規制
2019/8/29 23:00
日本経済新聞 電子版
【上海=張勇祥】中国政府が海外への資金流出を抑制する新規制を導入した。
資金流出が加速した場合、海外送金や外貨売却が多い銀行の評価を引き下げる新ルールを適用する。
不動産会社には借り換え目的以外の外債発行を禁じた。米中貿易戦争が長期化するなか、人民元相場で11年ぶりとなる1ドル=7元を突破し、当局は当面この水準を容認しているが、元安に歯止めがかからない状況は回避したい考えだ。

中国や韓国では外貨流出→巨大な外貨(ドル建て)債務の支払い不能になるのを防止すことが最優先課題に陥っているのを上記記事が表しています。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50672470W9A001C1FF8000/

中国外貨準備、7カ月ぶり低水準 9月末
債券安・ドル高で 2019/10/6 21:16

※・・稲垣意見
表向き中国当局の主張・・ドル高により、ユーロ円建て国債等の債権評価減が主たる原因という表題ですが、内容を見るとそうとばかりは言えないようです
以下上記日経記事の続きです。

ただ、今夏の人民元安で資本流出の圧力が再び強まっていることは見逃せない。銀行口座を通した資金の流出入をみると、8月は流出が流入を243億ドル上回り、純流出額は昨年9月以来11カ月ぶりの高水準だった。
国家外貨管理局によると、6月末の中国の対外債務は1兆9980億ドルと昨年末より328億ドル増えている。米国との貿易戦争が激化するなか、中国の外貨準備は増加傾向が続いてきたが、対外債務を差し引くと実際にはそれほど増えていない可能性がある。

対外債務を増やして外貨準備を増やしているのでは、企業で言えば借金して手元資金が潤沢と自慢しているようなものです。

IPO投資の逆回転1

テスラの現実は以下のようです。
https://jp.reuters.com/article/auto-toyota-tesla-idJPKBN18V005

ビジネス
2017年6月4日 / 09:24 / 2年前
トヨタ、テスラ株すべて売却 昨年末で資本提携を解消

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-21/PQ19QD6K50XS01

古川有希
2019年4月22日 7:02 JST

パナソニックの津賀一宏社長はテスラとの関係を「一蓮托生」と表現したこともあるが、米国モーニングスターの伊藤和典アナリストは、「パナソニックが距離を置き始めているのは明らかだ」と指摘。思ったように利益が出ていないため「線を引いている。そこにマスク氏の不満が出ている」と分析する。
両社は2014年7月に協業開始を発表。
・・・テスラの1-3月期の世界販売は6万3000台で、前の四半期の9万1000台から減少した。
マスク氏のツイートに対してパナソニックは15日、ギガファクトリーでは18年度内に35ギガワット時相当の生産体制を確立しフル生産に向け立ち上げており、今後の投資はテスラ社と連携しながら需要を見極め検討すると説明した。

テスラのように鳴り物入りの新事業を目利きの筈のファンドなどが買収してから製造販売実験を繰り返して巨額投資しても成功するのはほんの一握りですから、芽が出たに過ぎない段階での買収価格は微々たるものになるのが普通です。
発光ダイオードの中村教授は、自己の研究成果の経済価値を過大評価しすぎていたようです。
彼は日本社会で思ったほど(経済価値として)高評価を得られなかったことに対する不満を司法が腐っていると切り捨てて日本を去り、その後ノーベル賞を受賞によってリベンジを果たしたと思ったとしても、ノーベル賞評価と経済価値が=関係でないことが明らかですから、彼の発明対価=経済評価が変わるものではありません。
日本人は「偉いね!と思ってもそれをそのまま経済価値と同一視する文化ではありません。
その点でも、彼とその周辺メデイアや文化人は読み違えてリベンジのつもり→強気になったのが誤算だった印象をうけます。
テスラに限らず、この夏頃から画期的経営手法等の新規事業の上場(新規公開株・IPO)にブレーキがかかる・・既発行株も半値近くに下がるようになっているようです。(日経21日朝刊16p)
もともとまだ「海のものとも山のものとも分からない」発明や経営スタイル等を商業化する場合の失敗リスクを度外視して囃し立てて価格を吊り上げ過ぎていた無理が出てきたのでしょう。
私の感想では、社債や新株発行関連業界の思惑による出来レース的相場吊り上げに対する市場警戒感が一般化してきた様子です。
うがった見方をすれば、未上場株?公開前に市場評価を無視したプロ同士の傷を舐め合うような相場吊り上げで天文学的数字に釣り上げる手法がいきすぎた結果が、市場で明らかになり始めたと言えるでしょう。
言い古されたことですが、「市場の声は神の声」ということでしょうか?
ファーウエイや中国国有企業大手の猛スピード躍進も時間が経たないと本当の実力か?一定期間経たないと煽り立てているだけか素人にはわかりません。
中国の不動産バブル崩壊リスクにこの数年注目が集まっていましたが、病人的経済である点は相違ないとしても、先延ばしによる将来リスクが大きくなる点は別として急激破綻回避は政策次第で当面防ぐことは可能です。
しかし、未上場株の公開失敗→IPO不調による連鎖的市場暴落リスクは金融緩和や財政出動等では防げません。
シビアーに見れば、リーマンショック後約10年以上も超金融緩和で株式・債券市場の底割れを防ぐために世界中で破綻の先送りしてきた限界が近づいたということでしょうか?
9月21日日経朝刊記事によれば,、既発行株式も軒並み初値に比べて大幅下落になっているようです。
リーマンショック以降の金融緩和によってだぶついた資金利用目的でメデイア界が海のものとも山のものともわからない有望株・ユニコーン等と称して囃し立てることによって、IPOに天文学的巨額資金が吸い込まれてきた帳尻合わせの逆回転が始まる前兆というべきでしょう。
未上場株の高評価→IPO不発→金融バブル崩壊の引き金になる可能性が出てきたようです。
このような危険な意見は日経には直接(安定に責任があるので?)出てきませんが、私はだいぶ前から孫正義氏の大規模投資ファンド組成に対してリスクが大きすぎるのでないかという関心を持っていたので、そろそろ逆回転が始まるのではないかの関心懸念でニュースを読み、このコラムを書いています。
上記記事では案の定、今年1月ころにソフトバンクが買収したウイーワークが上場予定を年内に延期したとの記事ですが、上場予定額が当初予定の半値程度に落ち込むというのですから大事件です。
ソフトバンクとウイーワーク関係は以下の通りです。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49608050Q9A910C1000000/?n_cid=SPTMG002

IPOに向けて最大の懸案は公開価格だ。ウィーの主幹事が投資家への聞き取りをもとに条件決定時の想定時価総額を算定したところ、200億ドル程度にとどまる見通しとなった。ソフトバンクGが1月に出資した際に見積もった評価額は470億ドルだった。わずか8カ月で価値が半減したことになる。
市場では「ソフトバンクGが出資時に高い価格を払いすぎた」との見方もあった。

守るべき民族利益とは?(国外投資)1

生活習慣によって民族意識が培われるのでしょうから、日々の生活習慣の変化は重要です。
民族とは遺伝子によるのではなく同一生活習慣ひいては生活習慣に根ざした共通価値観で行動する人々のことでしょう。
もちろん業種や年齢、貧富差などによって細かく生活習慣・価値観も違いますが、その時代ごとの変化をほぼ共通に受けている人々・結局同一地域で長期間(1世代でいいのか数世代必要か?)生活している人ということでしょうか?
対外区別の標識としては、第一義的にはインフラ整備等による利害の共通性が標識になりますし、これまでその意味で書いてきました。
他県等からの移住者が移住直後(何年間居住者をいうかは別です)に住民税も払っている以上は平等投票を認めろ!という主張に反対する理由はそこにあります。
まして外国人労働者が数年いる程度で、国防に関係する自衛隊基地等の配備反対運をし、住民投票や自治体選挙権を持たせるのは行き過ぎです。
インフラは何十年もかかって積み上げた先祖の資産(お祭りを継続するかどうかも含めて)運用ですから、数〜5年前に引っ越してきたばかりの人がその運用に平等の口出しをするのは遠慮すべきでしょう。
有益な意見を言うのは勝手ですが、決定権を持たせろというのは行きすぎです。
民族利益に戻しますとこれを突き詰めると自国権益擁護のための国外出兵に繋がりますので、国内にある限度の利益共同体を守るという程度の意味になります。
この数十年外国への投資も盛んですので、民族利益には国外投資もはいるという方向性が強くなると「国外投資や国外在留邦人を守れ」ということになり満州事変や支那事変のようにいよいよ対決が激しくなります。
戦後では米軍駐留の場合もその国の防衛協力のためであって、その地にいる米国民保護目的に軍を駐留することはなくなったので・露骨な軍事介入はなくなりました。
多分・・1956年のナセルによるスエズ運河国有化に対する英仏の軍事介入が史上最後でしょう?
民族の守るべき民族益をインフラ等の投資残→民族文化とすれば外国に投資した民族益はどうなるかの問題が生じます。
外国投資が増えると本国と進出先の国との関係が悪化するとその国での商品等が売れなくなるし、投資拡大に比例して人的交流も広がり関係が深くなるのが一般的です。
交流促進が国際紛争のブレーキ役になると言われていますが、関係が複雑・深くなればなるほど紛争のタネも増えることも確かです。
個人で言えば数年に一回会う友人より日々会う関係の方が情報交流が密ですし、この最たる関係が夫婦であり親子でしょう。
関係が深ければ深いほど関係断絶には多くのマイナス効果が生じエネルギーがいるので、よほどのことがない限り相互に自己抑制するようになります。
それでも破綻する例が多いように、円満交流を永続するのは難しいものです。
国際交流を奨励する立場の人は、この抑制効果に期待しているのでしょうが、隣国等の関係は夫婦のように気が合うから隣国同士になったのではないので、どこまで複雑な関係を築いても関係がややこしくなり、気分を損ねる接点が増えるばかりでプラス面が比例的に増える率が低いはずです。
その地域に人類が住み着いてから何千年も別集団として障壁を設けて民族代表を通してしか交流しないでやってきたのには、それ相応の(気性が合わない)理由があったと見るべきでしょう。
都会人は隣人とは深入りして意見相違があると気まずくなるだけなので、出会えば「おはよう」と挨拶する程度にとどめて、深入りしないのが近所づき合いのコツと心得ている人が多いと思いますが、国際交流も同じではないでしょうか?
子供世代が結婚しても親世代同士は滅多に関係しないし、それぞれの実家とは濃密な付き合いをしないように心がけるのが普通です。
国際交流のメリットを熱心に主張する文化人?自身、自宅に帰れば近所の人と家族ぐるみで旅行したり、深入りしない近所づき合いをしているのではないでしょうか?
同一民族どころか、もともとの古い集落で生まれ育った人でさえ旧来型の濃密な付き合いを嫌って故郷を捨てる人が多いし、昭和40年代ころに農家に嫁がこないという時に農家自身が自分の娘を農家に嫁がせたくない矛盾が報道されていましたが、外国と縁が深まればお互いブレーキ役になり戦争抑止力になるという主張は、関係が深まるほど不協和感が強くなる現実を見ない空論ではないでしょうか。
民族益・外国投資の保護という点ではどうなるのでしょうか?
スエズ動乱のように露骨な接収はないでしょうから、今は最大でも反日運動やボイコット運動くらいですので、国外進出企業亜hその程度のリスク覚悟で進出すべきというのが国民合意であり、軍を動員して自国企業を守るなどの報復などは想定できません。
現在の韓国による反日不買運動に対しては、日本も紳士的にお返しをする程度のことでしょう。
この場合の民族精神はどうなるのかが数日前から気になっていましたが、たまたな歴博から送付してきたNO216号、「異郷で暮らす日本人」を読んでいると偶然?私の関心のあるテーマの研究資料が出ていたので、以下それを読んだ受け売りも含んで書いて行きます。
上記資料では境界人?だったかの表現ですが、遺伝子的には混血したハーフとは違うとしても、経済利害的にはハーフ的立場になるようです。
12年頃の中国の反日運動では日系製品不買運動が盛んでしたし、今回の嫌韓騒動では韓国のユニクロなど真っ先に不買運動の標的になっています)マイナスを懸念する企業の声が本国政治に影響するし、他方その企業の現地駐在員の方は本国ほど反中意識が強くなかったのも現実らしいです。
上記資料では日系企業に勤める店員や工場勤務者も、日本語学校に通う生徒も反日運動が激しくなると肩身がせまいので早く終息してほしいし、教えている日本人教師も中国人生徒(多くは10台でしょう?)の困惑した気持ちに寄り添いケアーして面倒見てきたようで、相互に日本人でも中国人でもない境界的共同体意識が形成される印象の記述です。

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