家族制度不要化

ガードマンの必要もなく、重要な収入源でもなくなれば、縄文+農耕社会が始まった時代のように、時々放浪の旅・・狩りからお土産を持ってふらりと女性社会に戻って来て種付けすれば足りた時代の復活です。
ここまで来ると(社会制度が充実して来ると)未婚の母・・でも大丈夫ですから、種の保存に夫の協力は不可欠ではなくなります。
育児の社会化あるいは女性同士の助け合いで出産育児が解決すれば夫は楽できますが、楽さ加減に比例していよいよ家庭内での存在価値が下がってしまう方向ヘ行き、(経済格差もなくなると)余程魅力がないと結婚してくれる女性がいなくなるかも知れません。
どうしても結婚したいなら男も家事育児に参加するなどのサービス能力を磨くしかないので、現にその向きの草食系若手も増えていますが、その方向に進化した男性は性欲も減退している上に、この系列の男性は女性的きめ細かな能力も育っている筈ですから、女性のサービスを必要としなくなります。
独身でも十分生活出来る程単身向けアパート・マンションの発達・個食の時代になっているので、男の方も相当数が切実に結婚を望む必要が下がる方に進行しつつあります。
現在は地方出身者が少なく、都市住民2世3世の時代ですから、彼らは結婚しなくとも長寿化時代の親と同居しているうちに独身のまま50代になってしまいます。
この点は男性に限らず女性も同様です。
社会制度の充実や都市住民2〜3世の増加に合わせて結婚の必要性が減少し、結婚率が下がって行く一方になりますが、そもそも厳格な婚姻制度・法的強制力を持った家族制度の発展自体・緩やかな家族制+地域援助社会が崩壊し,小家族・核家族化が進展するに連れて次世代養育の必要性からその権利・義務が強化されて来た一時的制度に過ぎないと言えるでしょう。
地域社会・親族共同体の崩壊に代えて、家族制度が社会の根幹的基礎をなすものとして(これと言った議論がなく当然の原理として・・)重視されて来たのですが、子育ての殆ど(資金面も含めて)が家族(オス)ではなく社会インフラで賄われるようになると、家族制度が社会の重要インフラであるとする考えも修正を求められる筈です。
北欧など男女同一賃金化が進み、次世代養育の社会システムの完備度合いに応じて未婚の母・婚外子や正規届け出をしない夫婦(カップル)が増えているのは、以上の視点から理解すればよくわかります。
婚姻の法的効力強化を求めるフェミニストは、現状の社会的受け皿不備が改善されるまでの過渡的意見として存在意義があるに過ぎません。
出産育児の社会化(コスト負担も含めて)が極限まで進み、治安の向上によって(雄が草食系化して行き粗暴系が減るだけではなく、雄そのものが減れば雄から守るための必要が減ります)用心棒機能も縮小して行くと、ライオンのようにマンション1棟に一人の男も要らなくなって、男=雄は家畜の牛や馬みたいに種付けだけで御用済みになる時代が来るのでしょうか?
男・雄は闘争能力等を発揮する場面がなくなるので、象徴的な機能・・スポーツ選手や各種分野での一流選手・・または人間国宝級の技術者のみに男子の存在意義が残ります。
こうなると優良遺伝子保有者以外の男は若いうちに無用になりますが、雌雄鑑別後の雄鶏のように若鶏で肉に出来ないので、体力だけあって(粗暴性)生きている男の処置に困る・・大きな社会問題になるかも知れません。
ライオンの雄の場合、群れから離れると自分で狩りする能力がないので直ぐに野たれ死にするのでうまく行っていますが、人間の場合、野たれ死にを待つと(今後草食系が増えて粗暴系の比率が下がるとしても・・)その間にいろんな犯罪が起き易くなります。
男だけ寿命が30年前後の短いサイクルで良い・・あるいはこれ(無茶苦茶な生活をして早く死ぬの)が期待される時代・・裏返せば、妊娠段階で性別が男子と分れば出産しない選択が増えるでしょう。

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