国債破綻シナリオ2

 増税に応じないということは寄付金以上の出費を政府が一切しなくて良いことになるがそれで良いのかと正面から、政府が国民に問うべきです。
そんな子供っぽいことをしなくとも国民の意思が分るのが政治というものだとすればそれまでです。
それでも増税反対が多数を占めると言うのが政治家の感触と言うならば、国民の多数が東北地方の復興に国費を使うべきでないという意思表示と見るべきでしょう。
増税しないで国債発行で賄えというのは、自分は寄付金以上一銭も負担しないし将来の国民も負担しない(これまで書いているように借換債発行の繰り返しですからどんどん膨らんで行って次世代またはその次の世代で最後は破綻のシナリオです、・・)狐の葉っぱをお金として配っているような効果です。
国債デフォルト状態の発生時には「狐の葉っぱ」だったと分る日が来るのですが、本当は貨幣ではないと分るのは先送りの結果何世代も先のことですから、さしあたり本当は狐の葉っぱでも何でも今のところ持って行けば、それでものを売ってくれるので使える間は使った方が得・・みんな有り難がっているだけです。
破綻を前提にすればいつかは発行済紙幣や預貯金は狐の葉っぱとしての本質が明らかになるのですが、将来は別としてともかく今のところ狐の葉っぱみたいな紙幣が通用しているのが厄介です。
将来は紙切れになるに決まっているとは言え、現在及び近い将来通用している以上は、これを利用しないわけには行きません。
日銀券が信用出来ないので余剰資金でドルを買おうかとなると、アメリカドルの方が日本よりももっと先に駄目になりそうですから厄介です。
それでユーロに人気が集まっていたのですが、ギリシャ危機の発生でユーロの方も黄信号がともってしまいました。
これから元気そうな新興国紙幣はどうかとなりますが、もう1つ安定性がなくて困っているので、日本紙幣が駄目になるのはアメリカの次の次・・大分先のことだろうということでその内に売り逃げれば良い・・国際収支が赤字基調になってからでも遅くないと言うことで当面日本円の相場が上がっているのです。
円高は当面の避難先でしかない・・世界中の紙幣の信用がぐらついているので究極の避難先としては金しかない・・と言うこと、で今は金の国際価格が急上昇しているのですが、何故か日本人は逆ばりが好きらしくこの時期日本は世界一の金輸出国になっているそうです。
日本円が狐の葉っぱになるのは大分先のことだからということで、貰った人は喜んでいるし貰ったお金を喜んで預貯金していますが、外国の信用が高いうちに円をどんどん使って金を買ったり外国資本や土地・鉱物権益など買収をして使ってしまった方が有利です。
将来円が下がったときに、これを売って国内に還流すれば、大きな資金準備になりますし、現在の急激な円高緩和にもなります。
日本人はまだまだ日本の円は大丈夫として、金を売って円を買う方にシフトしているのは愛国心が強いつもりなのでしょうが、円高助長原因を造っているのに気づかないのでしょうか。
こういうときには逆に金を買っておいて、将来の円急落局面でこそ金を売って円を買い支えるべきですが、80年代頃に高値の金をつかんでしまった階層にとっては、今やっと元値以上になったのでこの際利益確定売りしたい一心なのでしょう。
考えようによれば、現在世界の円買い行動は倒産直前の整理ポストに入っている株でさえもギリギリまでの売り買いでサヤを稼ごうとするのとスパーンの長さが違うだけで本質は同じです。

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