政治=実行力

大統領制の場合でも指導力を発揮しやすいと言うだけで、大統領でも法案の成立には議会通過が必要ですから、結局は議会に対する根回し能力が必須であることは結果的に議院内閣制と変わらないかも知れません。
とは言え、地位の安定性と言う面ではまるで違いますので、大統領と議院内閣制とは指導力の発揮のしやすさに置いては格段の相違があるでしょう。
対外的にパッとしなかったジョンソン大統領の時代に法案通過率がものすごく高かったことが有名ですから、どこの国でもどのような体制でもリーダーシップを発揮するには自分の地位の安定性の外に根回しの重要性を無視出来ません。
掲げるスローガンさえ正しければ強力な政治をやれる(ならば学者で十分)のではなく、正しい時代認識とそれを実行する実行力=根回し能力が必要です。
民主党には、学者系が多いこともあって、この実行力が欠けている面もあります。
実行力とはテーマが正しいだけではなく、それに向けて賛同者を増やし反対者に対する説得懐柔能力です。
我が国の最近例では、小泉政権のやり方が大きな参考になる筈です。
郵政民営化は当初自民党内でさえ賛同者が少なかったのに、彼はついにこれを成し遂げてしまいました。
見事と言うほかありません。
私はこうした政治家こそが今の日本に必要だと考えています。
小泉元総理の場合、賛同者中心にして敵対するものをたたきつぶして行く方向でしたから目立ったのですが、反対者の説得・懐柔・切り崩し策に重点を置くと裏方の仕事になるので目立ちませんが、恨みを持つ人が少なく長期政権になります。
自民党はこれが得意でしたが、こればかりにエネルギーをつぎ込む政治ですと本来の目的・テーマがあやふやになって易きにつく・・無原則・事なかれ主義的な政治になってしまいがちです。
東西冷戦終結・中国の経済解放後グローバル経済化が始まり、バブル崩壊後は、従来の政治社会のあり方を大幅に切り替えていく必要性があったのですが、自民党による根回し中心・惰性的政治の繰り返しでは、(せいぜいバラマキしか出来ず)ドラスチックな方針切り替えに向いていなかったので、政権交代になったと言うのが私の見立てです。
政権交代の基本的理由がそうであったとすれば、その理由に合わせて行動するべきです。

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