地球温暖化とCO2原因説(説明責任1)

http://www.sukawa.jp/kankyou/ondan3.html引用の続きです。

次に示す図は、『九州大学総合研究博物館 特別展示 地球惑星科学への招待』に掲載されている図である。
以下 図その他中略
このページでは、火山ガスとして噴出した二酸化硫黄起源の硫酸エアロソルに『日傘効果』として太陽放射の入射量を減らす効果と同時に、温室効果ガスとしての効果があることが述べられている。
硫酸エアロソルの日傘効果と火山灰による効果とどちらが卓越しているのかの言及はないものの、明らかに火山ガスとして硫酸エアロソルを含めた温室効果ガスが増加したにもかかわらず、観測結果として、明らかに北半球の気温が低下したことが示されている。
火山活動によって大気中に放出されたのは火山灰だけではない。同時に二酸化炭素などの温室効果ガスを含む大量の火山ガスも大気中に放出された。
また、 1992年からの2年間、産業活動が特に停滞したわけではないので、炭化水素燃料の燃焼に伴う二酸化炭素排出量は前年並みか、それを少し超える程度排出され続けていたはずである。つまり、1992年には前年よりも多い二酸化炭素が大気中に排出されたのである。
二酸化炭素地球温暖化説によれば、大気中に排出された二酸化炭素の量が増えれば、大気中の二酸化炭素濃度が上昇し、したがって温室効果の増大によって昇温傾向は強まるはずである。
しかし、実際の観測結果からは、全く逆の結果が示された。ピナツボ火山噴火後2年間にわたって、気温上昇傾向は停止あるいは低下傾向を示し、大気中二酸化炭素濃度の上昇も停止したことが世界的に観測された。
大気中に放出された二酸化炭素はどこに行ってしまったのであろうか?
この期間観測された結果を帰納的に解釈すれば、
①火山灰によって地表に到達する太陽放射エネルギーが減少したことによって気温が低下した。
②同時に、海洋表層水温が低下し、ヘンリーの法則にしたがって大気中の二酸化炭素が海洋表層水に吸収され、二酸化炭素の大気中濃度の上昇傾向が停止した。
と理解するのが最も自然である。二酸化炭素地球温暖化説によれば、少なくとも大気中の二酸化炭素濃度について上昇する要因(火山ガスの付加)はあるが、低下する要因は海洋表層水温の低下以外にありえない。

上記紹介した意見はどこのどういう学者か知りませんが、私のような素人が読んでも疑問の方向性が同じでわかり良い意見です。
自分の思い込みたい方向と同じ方向性の意見に親和性を持つのはあたり前ですが・・。
ただこれまで紹介してきた近藤邦明氏の解説はもともと温暖化論に懐疑的立場の素人向けに分かりよいというだけですから、(何しろ報道によれば「CO2温暖化元凶説」が世界の表舞台を支配していますので)多数派のプロによる反撃が当然あります。
国連の気候変動枠組条約になっていること自体が、温暖化進行プラス炭酸ガス元凶説がここ数十年来世界の共通認識になっていることを表しています。
気候変動枠組条約に関するウイキペデイアの記事からです。

(省略名称:UNFCCC)は、1992年6月3日から6月14日まで、ブラジルの都市リオ・デ・ジャネイロにおいて開催された環境と開発に関する国際連合会議(UNCED)において、採択された地球温暖化問題に関する国際的な枠組みを設定した環境条約である。
気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)は、1994年3月21日に、発効された。気候変動に関する国際連合枠組条約は、国連気候変動枠組条約、地球温暖化防止条約などとも呼ばれる。
気候変動に関する国際連合枠組条約の目的は、大気中の温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素[亜酸化窒素:N2O]など、HFCs、PFCs、SF6)の増加が地球を温暖化し、自然の生態系などに悪影響を及ぼすおそれがあることを、人類共通の関心事であると確認し、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させ、現在および将来の気候を保護することである。

というのですから、すでに法的な国際合意になっています。
そして現在では、COP23(COP=Conference of the Partiesの和訳が何故締約国会議と言うのか?英語力の低い私には不明)まで進んでいます。

第22回締約国会議 (COP22) 2016年11月7日 – 18日 モロッコ マラケシュ
第23回締約国会議 (COP23) 2017年11月6日 – 17日 ドイツ ボン

こうしたバックがあるので、韓国による慰安婦宣伝でよく言われた国際社会で「すでに決まったことだ」という、歴史修正主義批判同様の批判を受けて、懐疑論は政治的には「多勢に無勢」に追い込まれて苦しい状況です。
慰安婦騒動で言えば、慰安婦をセックススレイブ「性奴隷」と翻訳して世界に流布するのに成功した日本の弁護士が得意満面でしたが、「性奴隷だった」と国際社会で決まったことだと韓国に言われても日本国民の多くが納得したでしょうか?
慰安婦騒動では日本人の多くが知らない間に国連人権委員会等へ日本のNGO等が出かけて行って「性奴隷」という英語訳を拡散していて世界中の人がその熟語に引っかかる仕組みを作り上げていたらしく、ころ合いを見計らって韓国が対日大攻勢に出たのですが、日本人の多くがその時になって初めて世界中でそういうイメージが流布されていることを知ったのです。
初めて知った人たちは、どういう事実があってそういう決議になったかについて、慰安婦=性奴隷と主張する人達に質問する権利があるでしょうし、推進側では「国連で決着がついたことだ」と逃げるのではなく、認定された根拠証拠を提示またはこのデータに入って自分で見てください程度の説明責任があるはずです。
セックススレイブを命名し世界流布に成功した功績者自身?またはその偉大さを褒める記事では、スレイブと翻訳した根拠事実の開陳ではなく、彼の命名はいかにアッピール力に優れていたかの賞賛記事しかでてきません。
事実を挙げての命名ではなく、アッピール力目当ての表現を自分でしておいて「スレイブでないというならば、証拠を出せ」というのは自己矛盾です。
いわば弁護士としての事実解明力ではなくキャッチコピー術を誰かが賞賛しているような記事を読んだ記憶がありますが、今になると消してしまったのか探せません。
6月2日現在のウイキペデイア・「性奴隷」命名者弁護士で出てくる記事です。

戸塚 悦朗(とつか えつろう、1942年(昭和17年)- )は、日本の弁護士。韓国人慰安婦の対日補償請求運動を支援し、1992年2月国連人権委員会で、朝鮮・韓国人の戦時強制連行問題と「従軍慰安婦」問題をNGO「国際教育開発」の代表として初めて提起し、日本政府に責任を取るよう求め、国連の対応をも要請するなど、今日の慰安婦問題の発生に多大な影響を与えた。また、慰安婦の呼称として「性奴隷(Sex slaves)」を提唱し、日弁連や国連に使用を働きかけた[1][2]。

岩上氏によるインタビュー記事記事は以下の通りです。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/

以下、岩上安身によるインタビューの実況ツイートのまとめに加筆・訂正をしたものを掲載します。
戸塚氏「奴隷は『所有物』。だから、『所有者』が『所有物』に対して人権を認めていないということ。そういう関係について、他の言い回しがちょっと考えられないので『性奴隷』という言葉を使いました」
6月2日現在の性奴隷に関するウイキペデイアの記述からです。
1992年以降、日本弁護士連合会(日弁連)がNGOと共に国連において慰安婦問題を性奴隷としてあつかうよう活動し、1993年の世界人権会議のウィーン宣言及び行動計画において性的奴隷制という用語が国連で採用されて、国連では慰安婦問題を性奴隷の問題として扱うようになった[9]。1993年以降は「性的奴隷」が日本軍慰安婦制度を指すことはNGOや諸国政府の共通理解となったと日本弁護士連合会は述べている[9]。
1995年2月に日弁連は、国連女性の地位委員会、第4回世界女性会議(北京会議)で「従軍慰安婦」問題解決を提言し、戦時における性的奴隷制 (Sexual Slavery) の被害者などに対する補償を含む原則が明言された[9]。

地球温暖化とCO2原因(懐疑論2)

3‐2 二酸化炭素地球温暖化説の妥当性の検証
この分析グラフを見ると、気温変動と大気中の二酸化炭素濃度、メタンガス濃度の変動は非常に良い対応を示していることが分かる。このように二つないしそれ以上の物理量が対応して変動する場合、いずれか一つが原因であって、そのほかの物理量はこれに従属して変動すると考えるのが自然である。
あるいは、いずれの現象も別の現象の結果かもしれない。高温期の気温の極大点を詳しく見ると、わずかに二酸化炭素とメタンの大気中濃度の極大点より先に発現しているように見える。
東北大学のホームページでは、『二酸化炭素やメタンの濃度上昇による温室効果の強まりが気温の上昇をさらに強めるという「正のフィードバック」が過去に働いていたことを示唆しています。』と述べていることからも、気温変動が原因となって、これに従属して二酸化炭素やメタンの大気中濃度が上昇したと解釈していることが分かる。
仮に、二酸化炭素地球温暖化説が主張するように、二酸化炭素あるいはメタンの大気中濃度の上昇が主因であって、これに従属して気温上昇が起こっているものと仮定すると、二酸化炭素やメタンの大気中濃度を周期的に変動させる地球システムのイベントを示さなければならないが、今のところその目論見は成功していないようである。
現在、この気温の周期変動の最も有力な原因と考えられているのは、地球の太陽を巡る軌道要素の周期的な変動である。この周期変動をミランコビッチサイクルと呼ぶ。
図その他略

私の方は科学に弱く理解不足・誤解があるかもしれませんが、地球の太陽周回軌道の変化が与える影響の方が大きいのではないかの疑問を書いているようです。
わたし庭の草花の毎日手入れ?していますが、直感的に見て草花の開花時期が早くなっている傾向を感じていますが、それは温度と関係がない印象をうけていてもしかしたら地軸や太陽との距離角度関係が大きいのではないかと自分なりの俗論を持っています。
草花は温度より光に敏感に反応するからです。
(室内暖房があっても夏の花は冬に咲きませんし、昭和50年台初頭の勤労感謝の日頃の連休に三河地方へ家族旅行した際に、夜8時頃に峠道から眼下に煌々と光るハウスの群れを見て電照菊栽培を知ったのですが、電照菊・光で咲く時期を調整している例もあります)
光の力が変わるのは、軌道の関係であり温暖化と関係がない筈と自分の直感力で考えていましたが、今回紹介論文は私の日頃の俗な意見に近い印象を受けました。
素人の疑問に合うというだけの俗説(専門家からいえば矛盾だらけ?)かもしれませんが・・。
http://www.sukawa.jp/kankyou/ondan3.html引用の続きです。
次に火山活動によって炭酸ガスが大量に排出されたのに逆に北半球では気温が低下した事例が紹介されています。
いわゆるピナツボ火山噴火がこの論争に格好の事例提供となったようです。
5月31日現在のウイキペデイアによれば、以下の噴火です。

ピナトゥボ山(ピナツボ山、Mt. Pinatubo)は、フィリピンのルソン島西側にある火山である。1991年に20世紀における最大規模の大噴火を引き起こした[1]。噴火前に1745mあった標高は、噴火後に1486mまで低くなっている。

・・・・・噴火の影響は世界中に及んだ。1883年のクラカタウの噴火以来の大量の大気エアロゾル粒子が成層圏に放出され、全球規模の硫酸エアロゾル層を形成し何か月も残留した[2]。それにより地球の気温が約0.5℃下がり、オゾン層の破壊も著しく進んだ。

Pinatubo ash plume 910612.jpg

このコラムでは写真をあまり引用しないのですが、すごい迫力なので転写させていただきました。
すごい写真なのに(権利を買い取ったからかどうか知りませんが)撮影者の名前があった方がいいようにも思われます。
日本のお寺にある雲龍の絵画はこれをヒントにしたのか?(冗談ですが・・)と思われるほどの迫力です。
この爆発で膨大な硫酸エアロゾル=CO2が大気中に排出され「全球規模の硫酸エアロゾル層を形成し何か月も残留した」にも拘わらず上記の通り気温が0、5°C下がったことをCO2元凶説がどう説明するかです。

地球温暖化とCO2原因(懐疑論の困難性1)

政治家の発言の影響力は甚大ですから放言しっぱなしでは困るので、政治責任があるように、個々人がどんな不合理な信仰を持とうと勝手・天動説を信じ神が作ったもの=進化論を否定しようと、個人が神の創造を信じて堕胎しないのは自由勝手としても、堕胎を刑事処罰すべし」「進化論を教える教師を処罰しろ」となってくると宗教が政治の世界に踏み込み過ぎです。
自由奔放な想像力発表にとどめるべき宗教や学問が自由を保障されるにはその限界・分際(守るべき境界)があります。
古来から知られる宗教弾圧は、その分際をわきまえず、宗教(思い込み)の押し付けが過ぎるようになって放置できなくなって始まるのが普通です。
日蓮聖人も宗教論を言っている分には勝手だったでしょうが、具体的政治を批判する以上はその政策の是非を問う政争の当事者となるのですから、政争に負けても「僧侶なら無責任」という特権を主張する方がおかしいでしょう。
(今のように選挙で負けない限り、失脚しない仕組みではないので)その時代に応じた政治責任(戦国時代に合戦で負ければ腹を切る覚悟)をとるべきでしたし、本来宗教弾圧とは違います。
上杉謙信や信玄が(どちらも負けずに一生を終えましたが・・)仮に戦で負けたとすれば、頭を丸めているから、腹を切らなくて良いとは誰も思わないでしょう。
日露戦争のポーツマス講和条約に反対した帝大7博士意見書に関して書いたことがありますが、学問上の意見を言うことが自由なのと、特定の政治決定に口出しして激しい政治運動して置きながら学者だから(なにをしても良いかのように)「学問の自由」を振りかざすのは権利の濫用です。
何を信じようと構わない・信仰の自由と、信仰する結果を実現するために徒党を組んで行う政治活動の自由と同じではありません。
信者数十人の教祖が何を発言しようとオーム真理教のように実力行使を企図していない限り影響力が小さいので、大したことがありませんが、規模が大きくなる・・ローマ法王になると影響力が大きいので一国の政治リーダー並みに慎重な発言が要請されるようになります。
専門家に対して失礼ですが、大方の学問というものは、「未知な部分が99%で、ほんの少し分かっている限度に過ぎない」としても、いろんな意見を公表するのは社会にいろんな意見を呼び起こす刺激にもなり意味があるから言論・表現の自由や学問の自由が認められているのです。
自己の意見が唯一正しいとして他者を排斥する(政治運動)権利まであると思うのは学問の自由論自体のよって立つ基盤に矛盾しています。
地球温暖化論に対しても考古学や地震学や火山学同様に学問としてそれが絶対正しい基準であるかのように現実政治を規定し強制(補助金を与えるということは補助金を出し方が圧迫される)するようになると、学問発表の範囲を超えた政治運動というべきでしょう。
特定宗教を信じ流布するのは自由ですが、それが現実政治に影響を及ぼし積極的に扇動し介入(強制し国民から資金を徴収)するようになると「そういう考えも面白いな」という程度に多めに見られない・・放置できなくなります。
キリスト神学が地動説を禁圧し、堕胎を禁止してきたのは宗教の害悪というよりは、全体のホンの一部しかわかっていない「学問をそのまま強制基準にする」のは「無理がある」という事例を示しており、原発訴訟に関して書いてきた私の立場です。
エコノミストの経済予測同様に・・学問は「部分的にわかっている限度でいえばこうなる筈」程度のことでしかないのですから、「何もわかりませんがあえて言えば、こんな可能性が言えるかも?」という程度の謙虚さがあるべきです
ところがいつの間にか毎年2兆円以上も国民に負担させる(30年には年間4兆円になる予定)ような具体的な国民負担を強制する上に他の産業(火力系発電業界)を事実上抑圧するような強制力を持つ意見を言うようになると、(法律家として気になります)学問の領域を踏み外していないか?あるいは学問を政治利用している勢力があるのではないかが気になってきて、今 地球温暖化プラスCO2原因説に疑問を感じてしまいました。
天気予報に合わせて衣服の着用、所持品(傘を持って出かけるかなど)を個人個人が変えるのは自由ですが、天気予報を超えて傘を持つのを強制される(晴れていても雨が降るという天気予報通りに傘を買えば補助金が出る?その補助金の原資は国民負担)になるとすれば??気象学者ってそんなに権威があるの??と思う人が多くなるでしょう。
その日の雨の予報すらあてにならないのに、気温変化の原因を判定できるの・・・。
地球温暖化やCO2原因論を見ていると、懐疑論者の方で、「温暖化が進んでいない」か「CO2以外の要因がある」ということを立証する必要があるかのような倒錯した傾向が垣間見えます。
そもそも素人の学問に対する信用度から見て、氷河期や温暖期の繰り返しの原因でさえまだ夢物語・憶測や手探りの域、あるいは部分的に関係のありそうな原因を探ってみたら(「群盲象を撫でてそれぞれ想像をたくましくしている類」で)思う通りのデータが集まった程度に見えるのに、たまたま誰か発言力のある権威者グループ?がCO2原因説を唱えただけでしかないように直感的に見えます。
こんな程度のことで、「違うと言うなら違う論証をせよ」と迫るのは、「無茶を要求している」と言うべきでしょう
元々地球のことは何一つはっきりしない・・目先の天気さえ外れるのがしょっちゅうであり、地震も火山噴火のメカニズムもはっきりとはわかっていませんから、もともと「何もわからないのではないですか?」という人に「わからないことを論証せよ」という方がおかしいでしょう。
多くの温暖化懐疑議論では、この議論方法のマジックに引っかかっているような印象を受けます。
法律家の目で見れば立証責任がどちらにあるかの方法論が重要です。
私のような不信感を持つ人が多いからか、ネット上では懐疑論も紹介されるようになってきましたが、その道の大家が唱え(その弟子が多数)、国連条約になって久しい関係上、異論を唱える方が立証しなければならいかのような無茶な論法に迷い込んでいるように見えます。
以下は、懐疑論からの引用です。
http://www.sukawa.jp/kankyou/ondan3.htmlに引用されている以下の論文のまた引きです。

二酸化炭素地球温暖化脅威説批判 近 藤 邦 明氏 『環境問題』を考える より
[ホーム][環境問題][二酸化炭素地球温暖化脅威説批判]     [前頁][次頁]
・・・・・・
確かに二酸化炭素は温室効果ガスの一つであることは間違いない。しかしだからといって大気中の二酸化炭素濃度の上昇が近年観測されている気温上昇の主因だとする考えは短絡的に過ぎる。
前セクションでも触れたとおり、気温変動の短期的な変動機構は全くと言ってよいほど解明されておらず、考えられるだけでも気温の変動要因はいくつもある。
現在の地球大気の温室効果で、既に地球放射の 90~95%が捕捉されていると言われる。
そのうち、水蒸気が8~9割、二酸化炭素を含むその他の気体が残りの1~2割を吸収している。
温室効果において、圧倒的に影響力を持っているのは水蒸気であることがわかる。大気中の二酸化炭素濃度が上昇しても、二酸化炭素の吸収帯における地球放射の吸収量の増加はわずかである。
石川氏のHPでは、二酸化炭素濃度が現在の2倍になった場合の気温上昇は1.2℃と見積もっている。

地球温暖化の影響2(気温上昇)

最近の事例で言えば、新潟コシヒカリの味が落ちて戦前頃まではとても稲作適地ではないと思われていた寒冷地の北海道で(品種改良の結果と思っていましたが・・)温暖化北上の結果?米が作れるようになった上に、北海道産のコシヒカリが新潟コシヒカリよりうまくなった?と言われていますが、この程度の変化は悪いことではありません。
同質のものが北海道でもつくれるならば広大な北海道で取れる方が合理的です。
1℃や2℃くらい上がってもタイやベトナム等の東南アジアでコメやフルーツが取れなくなるとは思えませんが・・農産物生産地の北上が進んで仮にその分置き去りにされる地域があっても、戦後農業従事者の比率が減る一方・・50年〜100年後にはもっと減っているでしょうから、失業者が増えるとか人類全体で食糧難に直結するとは限りません。
銘柄価値が下がりコメの単価が下がる新潟で言えば得意のコシヒカリの値段が仮に1割下がるとすれば大変でしょうが、次の得意商品を育てる努力が必要なのは当然のことです。
どんな商売でも同じヒット商品が十年続く方が珍しい時代ですから(今年に入ってスマホブームも収束し、次の芽を企業は探っています)で適応努力成功を前提にしない気象学者の意見がおかしいのです。
まして新潟県全体で農業所得に頼る比率が今よりも下がっていれば(他産業従事者が増えていれば)そのマイナス効果が低くなりますし、仮に現地求人が少なければ就職等で県外に出るように適応していくのが普通で・農業生産減少よりも、地域内外の他産業の動向(景気動向)の方が重要です。
農業内で見ても新潟の気候変化に合わせて別のトロピカルフルーツなどの作物栽培が可能になったりする適応力次第でもあります。
南太平洋の島嶼では産業がないから心配と言えますが、日本でも離島には近代産業がない結果、(魚が取れなくなったからではなく)若者世代から順次本州等に移転していく・・過疎化が進んでいます。
気温1℃程度の気温差がどこの国に立地するかの企業判断に与える影響は微々たるものでしょう。
地球規模の気候変化は民族の枠組みを超えての移動だから大変という点もあるでしょうが、現在でも気温変化に関係なく国際的に出稼ぎと称する下層労働人口移動の激しい時代です。
気候変動を理由にするよりは、より良い職場を求めて世界規模での労働人口の移動がどんどん進む時代(南欧や中東方面からドイツ等への移動・国際移動自由化がどの程度進むかについての予測が必要です)がきているので、100年単位で温度がちょっと変わる程では元々の人口移動傾向に対する寄与度は微々たるものではないでしょうか?
学者は過去のデータが得意ですが、過去数千年〜数万年単位では、農漁業の比重が高くひいては気候変動の影響が大きかったのですが、今や産業の主力が農漁業から遠く離れている現実・移動手段も高度化し冷暖房完備してきたので、暑いか寒いかよりはIT産業に象徴されるように職場のあるところに移動する時代です。
人口問題は気候変化よりも(今でも寒冷地〜乾燥地帯、湿潤地帯などいろんな気候向けにコマツなどのメーカーも工夫しています)産業構造の変化見通しの方が重要です。
1℃上昇の影響が個別地域変化でなく世界全体の食糧生産がどうなるかコソに興味ありますが、その辺については何十度も上がれば別ですが、百年で1℃や2℃上がるくらいならば、全体として植物系が増えるメリットの方が大きいのではないでしょうか?
こういう多角多層的見通しについて、専門外の気象学者が専門的意見であるかのように温度上昇の「リスク」について発言し産業構造のあり方に口出しし、特定産業・再生エネルギー業を補助金を出して優遇し、特定産業・火力発電を抑圧するのに精出すのは・越権性が激しすぎませんか?という疑問です。
億単位や数千年単位で見れば、地球は寒冷期、温暖期の繰り返しが知られていますが、その原因はまだ不明(せいぜい憶測程度・隕石がぶつかってチリが地球を覆ったために氷河期が来たというような俗説が一般的ですが、専門家にはわかっているのかな?)ですし、その巨大な気候変動のリズムをちょっと化石燃料を燃やしたり減らす程度で変えられるのかの説明が全く(これも素人の私が知らないだけかも?)ありません。
「何かを食べている人にはこういう病気が多い」という程度であれば、そいう意見を言い、それに従う人がいてもいなくとも各人の勝手ですが、それを法で禁じたり摂取しなければならないと強制するようになると次元が別になります。
私のような疑問を持つ素人が多いからか?以下のとおり、過去のデータで温暖化と炭酸ガスの増加が連動しているとしても、温暖化したから炭酸ガスが増えたのかどちらが先かの検証が出来ていないという意見が出ています。
ある人がたまたま東京駅についたらお腹がすいたことが数回あったとしても、「東京駅ではなぜかお腹すく」という論理が成立しないのと同じで、どちらが「先だった」とわかってもその先の論理を解明しないとあまり意味のない論争をしている印象です。
というのはそもそも、明日紹介する論文?解説を読むと温暖化や冷却化の原因のほとんどは水蒸気の有無・量であって、炭酸ガスその他の指標は取るに足りない?ようです。
曇った夜は冷え込み(放射冷却)が少ないことを素人でも知っています・この論理で4〜50年ほど前には炭酸ガスが増えると曇りがちになる→直射日光がへって「地球が冷える」という危機感を煽っていたのです。
私は寒さに弱い体質なのでこの煽りには長年ビビっていましたので、もしも本当に温暖化すれば、「暖かくなっていいじゃないか!というのが本心ですが、今更180度真逆の「温暖化する」と言われると「?????」と不信感を持ってしまいます。
予言・・天気予報程度の予想や学問発表は自由ですが、この主張を直接の前提として法で特定産業を禁じたり、国民負担を強制するようになると学問の自由の範囲(原発訴訟の紹介でもこれに権威を認めすぎていることを批判して来ました)を超えてきます。
温暖化に関する予測では気象学者が専門家かもしれませんが、それでも数学のような確かさがなく、手探りでしない点は考古学的あるいは地震学〜火山学的予測同様に50歩100歩のイメージを持つ人方が多いのではないでしょうか?そもそも学問というものは、まだ分からないことが大多数でわかっていることの方が少ないという謙虚さが必要でしょう。
温度が年平均1℃上がれば(上がるとした場合の仮定・・太古から続く氷河期等の繰り返しとどう違うかも私には不明ですが)生態系がどうなるか?
人類移動の傾向はどうか?トータルどのくらい生産が増えるか減るかなどの総合予測に関しては、(気候変動で滅びる種がある代わり未知の種が増えるなど)植物学者や農学者や産業構造の変化・・人口移動などの総合判断です。
専門外の気象学者があらゆる分野の専門家であるかのような推測意見を学問として発表し、これを元に特定産業の抑圧を求める「政治に関与する」のは行き過ぎではないでしょうか。
原発訴訟に関する海渡氏の論文に対する感想の連載中ですが、そこでは、考古学者や地震学者の想像論でも単位発表している限り(そういう意見もあるのかと)害がないのですが、地震や火山学等を金科玉条にしてその学問で未解明=原発停止すべきというのは飛躍がありすぎるというスタンスで書いてきたとおりです。
いろんな学問は経済予測同様に「あてにならないのはあたり前」とした上で、いろんな意見は一応学問の発展に資するから育成しましょうという程度にすべきです。
いろんな意見があって面白いな!という程度、「その意見が気に入らなければそれまで」という気楽さ・・強制力がなく害がないから政治が口を出す必要もない・良い意見か悪い意見かは国民の受け入れ程度・・自由市場によって決まる・・学問の自由の基礎になっています。
子供が無茶言っても寛大に見ていられるのは、影響力が皆無だからです。

太陽光発電の補助金?2

太陽光発電が斜面の多い日本の地形や屋根上の設置では効率が悪いのと同じで、風力発電も安定した偏西風が吹く西欧とは大違いで気まぐれ的な風向きの多い日本では発電効率が低くなります。
その上電気は送電距離比例して電力が減衰していくので、円形に近い国(中国やドイツフランスなどの)ほど国境地帯の無人地帯からの距離が短くて有利です。
日本の場合、南西諸島や北海道の僻地あるいは各県付近の離島で土地利用費が安くて安定した方向の風が強いとしても東京など大消費地に送電するには遠すぎてペイしません。
どんな商品でも安定供給できないと顧客に見放されますから、安定供給できるかどうかは重要です。
個々人でも「明日仕事に来るかどうかはその日にならないとわからない」というのでは雇ってくれません。
モーツアルトのような特別能力があれば注文者も我慢しますが、凡人やほぼ同質の商品供給の場合、供給不安のある仕入れ業者は相手にされません。
太陽光発電や(安定した偏西風の吹く西欧や太陽光のある中東と違い)日本の風力発電は、安定供給に向いていない大きな弱点がありますが、この弱点補完のための強制買い取り制度によって供給不安リスクを電力会社に負担させることによって成り立っている・・これも大きな補助金の一種です。
天気の良い日はいらないが余ったら買ってくれ、曇天の日は半分雨の日は満量電気を売れと「強制」(強制しないならば別ですが)するのは、経済原理から言えば非常な負担・いじめです。
手作り自動車や家電製品、味噌造りや綿製品等について、いつ納品できるか分からないが納品したら、近代メーカーに対して家内工業コストを基準にした買い上げ強制制度があれば、各分野の近代産業がその負担分コスト高になって国際競争に生き残れなかったでしょう。
電力会社の買い上げ義務化は一見電力会社だけをいじめているように見えますが、国際価格で発電させない割高電力利用を強制し国民や企業に最終負担させれば結果的に国民敵視政策です。
(電気に電力以外の品質差がない=でき上がる製品が同じならば、仕入れ値の安い方を選ぶのが経済原理ですが、これを温暖化防止の(根拠なき)政治駆け引きで、欧州の自然環境に適合した再生エネルギーの使用を日本が強制されているように見えます。
科学論に仮託したこうした政治の動きをどう表現すれば良いかと思っていたら、これを「エコファシズム」という表現が流布しているようです。
電気の貿易コスト(要は移動コスト)が高いので電気は現地生産が原則ですが、その代わりに原燃料の自由貿易があって、燃料コストはほぼ世界平等(生産国は運賃や関税不要の恩恵程度)です。
火力発電の場合は設置コストが国ごとの土地利用や建設維持コストの格差くらいですが、火力発電では他の近代工業用地程度の広さで済む・原発や風力のような巨大な土地が不要なので大都市近くに立地できるし土地利用程度や気候風土に左右されないのでこの点でも世界ほぼ平等です。
ただし電気は輸出しないから国際価格を無視して良いとの発想があるとしたら間違いです。
日本は島国なので電気自体輸出も輸入もないですが、エネルギー源は全ての産業の基礎コストですから、火力.LNGその他の国際商品と競合しています。
電気はすべての産業の基礎ですから、電気コスト高はすべての分野に影響を与え・生活水準を下げ産業の競争力を低下させます。
ジーゼルやガソリン車の排ガスの健康被害は立証されているので、これを減らす努力が合理的ですが、ここ数十年?のCO2大量発生を地球温暖化進行の原因という宗教みたいな政治運動が支配的ですが、そもそもCO2原因による温暖化進行説自体が本当かどうかわかっていません。
もともと光化学スモッグなどが問題になった4〜50年ほど前に工業化+モータリゼーションによる2酸化炭素発生が、雲を大量発生させて曇天が増えて平均気温が下がり植物の発育が阻害される・・それを餌にする動物(人類)が生きにくい・太陽光に触れる時間が減ると動物の生育自体に悪影響が出るので、2酸化炭素発生を抑制すべきという運動(当時は新聞程度しか情報源がありませんでしたが・・)が普通でした。
私はもともと寒いのに敏感反応する方なので、この報道を(これは大変だな!と恐れていたので)よく記憶しているのですが、今になってネットで調べると、そのよう意見が宣伝されていたことすら出てきません。
この数十年では温暖化が進むという宣伝ばかりで、どちらが本当かよくわかりませんが、共通項はCO2敵視説です。
このように180度主張が変わってもCO2削減論だけがより強硬になっているには、裏に何か変な動機があるのかな?と疑問を抱く人が増えるのは当然でしょう。
どう言う政治的立場があってバックで何がなんでもCO2排斥に走るのかわかりませんが・・。
今になるとCO2批判で太陽光発電や風力に切り代わったとき・石油石炭火力が禁止された場合の結果を見ると、複雑な地形の日本向きでない・・日本がいくら技術力で優れていても大規模農業に適さないように日本が適応できない新エネルギーを推していた結果になります。
いわば大規模農業以外の穀物を食べるのを禁止するような政策です。
こうなると、ありきたりの陰謀説が出てきますが、陰謀がないにしても、日本がお先棒を担ぐような議論ではなさそうに見えます。
農業の場合、量の勝負は無理でも品質で勝負できるので、これに切り替えれば努力と技能次第で済みましたが、電気にはこれがないので困ります。
このまま再生エネ以外の電力発電を認めない方向に進むと、昨日から書いているように再生エネルギーのコストは技術力よりは、立地コストが大部分を占めるために、日本は技術力アップでカバーできない結果、世界の大国では複雑な地形を持つ日本だけが(高コストエネルギーに頼る)すごいハンデイを背負うことになります。
日経新聞朝刊5月26日7pでは再生エネ以外の投資には資金市場で資金が集まりにくくなりつつあるので、日本企業が獲得している石炭採掘権益を売却していく傾向が報道されています。
石油利用禁止の国際ルール・・英仏政府は2040年までのガソリンエンジン全面禁止が上記記事に掲載されています。
・中国もガソリン車では頑張っても日欧に追いつけないのでEVシフト・近いうちにEV以外の車を禁止方向にしているなど)が完成すると日本が困るのは確かです。
5月26日にグラフで紹介しましたが、日本の再生エネコストが世界相場の3倍とすれば、そのうち蓄電池能力が飛躍的に上がれば、中国製電気を蓄電池に変換して輸入しても中国の電気代の2倍程度でおさまる時代・国産電気不要・壊滅時代が来るかも知れません。
中国はEVカーでは特定電池使用車しか補助金を出さない形で韓国車の差別をして、韓国車販売がこの数年激減したのですが、同工異曲の差別で日本の蓄電池より中国製蓄電池が有利になるのでその内日本の蓄電池は中国では売れなくなるでしょう。
4〜50年ほど前には寒冷化すると穀物その他が減少し大変なことになるという脅しでしたが、今度は南極の温度が上がった、北極海の氷が減ったとか、ヒマラヤの氷河が減ってきたとか海抜ゼロメートル前後のサンゴ礁の島が水没するとか言い出しました。
それが事実としても、温暖化したら、(仮に10度Cも上がれば日常生活を含めて大変ですがせいぜい1度内外の温度差しかない議論のようです)何が悪いのか素人の私にはさっぱりわかりません。
北極海の氷が溶けて船が通れるようになると日本と西欧がぐっと近づくメリットだけでしょう。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC