太陽光発電の補助金?1

今後石油の時代だからといって、国内でほんのちょっとしか取れない以上国内石油生産を応援しても仕方がないし、小麦トウモロコシが家畜を含めた食料に必要といっても国内で(大規模補助金を出して)山の上まで開墾して大増産してアメリカと生産量やコストで競争しても意味がありません。
15年ほど前に日本の耕地整理事業に関して、農地の大規模化でアメリカやオーストラリア等と競争しても100対1の競争が80対1に変わる程度では量産競争で勝てないので、日本人の得意な手間暇かけた農産物・・少量でも味の良いトマト、和牛などを作る方が良いと書いたことがあり、その後日本の農業は少量でも良いものを作る方向になって国民の支持を受けています。
再生エネも同じで、中東や西欧でうまくいっているからといって、気候地形風土の違う日本が無駄に資金を垂れ流すような投資をすべきではありません。
熱帯の植物を北国でお金持ちが屋敷に温室を作って楽しんだりするのは自由ですが、国内でバナナ等のトロピカルフルートを作るために年間何兆円も補助金を際限なくつぎ込む必要があるでしょうか?
砂漠の国で莫大な補助金で日本の気候風土を人工的に作って、日本でしかできない食品等を作る必要がないのと同じです。
これを証明しているのが古代から始まっている物々交換であり遠隔地との交易システムです。
電気の場合輸入していないから分かりにくいものの、どのエネルギー源を使っても食物のように旨味が違うわけではないので、コスト効率の良いエネルギー源を使うのが合理的です。
資源大国アメリカでさえ、シェールガス・オイル等の採掘は採算がとれるようになるまで放置していました。
その間赤字でも費用をつぎ込んで頑張ったのではなく、他分野の科学技術発展の技術応用で採算がとれるようになったものです。
中国の誇るレアアースも中国だけで取れるのではなく中国は公害も気にしないし、人件費も安い、大量採掘可能等の総合条件で世界中の競合する生産国を価格面で蹴落としたにすぎません。
だからこそ反日攻勢のために生産を絞り価格を引き上げると、すぐに他の国での生産が復活したのです。
このように不得手なものに手を出さないのが世界の共通原則です。
日本は雨が多く多方面に向かった曲がりくねった谷川沿いの斜面が多い・この特徴が微妙な陰影を作り湿気の多さが酵母菌類利用発達を招来し、日本の酵母菌利用の基礎を作っています。
多方面に向いた斜面の多さが、カンカン照りの日でも一定の時間ですぐ日陰になるので、過ごしやすさにつながっていますし、ほんの数時間で日向と日陰が入れ替わる関係で植物が種類豊富になりこれに対応して生物種類が豊富です。
日本では四季の移ろいがあると習いますが、それどころか、100メート先の向かい側の斜面とこちら側では太陽光の当たる時間も風のあたり方も違う・同じ場所でも数時間で日の当たり方が違う・環境が変わって行く特徴こそ重視すべきです。
晴れた日でさえ数時間で陰影が変わる微妙さが、日本人の勤勉さや感度を磨いたので感謝すべきですし日本列島隅々まで植物が繁茂し植物の生えていない見渡す限りの荒野などどこにもないのが日本列島の特徴です。
(せいぜい鳥取砂丘くらいでそれが名物になるおめでたい国です)
いわば土地が利用され尽くしているので何か新たなことをしようとすれば既存植物系・生態系破壊→既存の人間利用の妨害などを引き起こし、保障コスト・原発で顕著ですが、立地計画段階で地元交渉政治家対策・地元にどれだけ雇用を増やすかなど総合コストがかかる上に、稼働後も定期改修停止後の再稼働に地元同意がいるなど地元交渉に膨大なコスト)が必要です。
斜面の多さが、棚田などの入り組んだ農地になり斜面利用のみかん畑や茶畑などになったのですが、同じ山の麓でもアルプスのような巨大な山地を基礎にした一方向への単純斜面ではなく、くねくねと曲がった谷川に沿って東向き北向きなど多様な斜面に棚田が広がり、人家もあります。
ドバイの大規模効率的太陽光発電の例を紹介しましたが、平板な砂漠にヘクタール規模の大規模ソーラパネルを敷き詰められる中東地域と日本の戸建住宅の小さな屋根屋根にパネルを敷き詰める作業とでは、飛行機でタネを撒くアメリカの農場と、棚田に田植えしていく農場とで農産物生産量の競争をしているようなものです。
戸建の屋根上よりも効率の良い耕作放棄地に立地するにしても、元の農地が世界規模で見れば狭いので、国際比較では効率が悪いし地主との交渉や農地の転換にかかるコスト(湿地系ですので腐食等の維持費)もバカになりません。
コストに占める技術力差小さいので、時間経過で設置コストが下がるどころか、逆に立地適地から先に物色されていくので、時間経過で効率の良い大規模空き地がどんどんなくなっていく、消費地から遠くなり太陽角度の悪い斜面や、小規模の農地や空き地に絞られて行き、より一層コストアップになりつつあるようです。
コスト高の原因を日本人の人件費が高いことを理由の1していますが、人件費が高いのは生活水準が後進国より高い以上当然であり、これを問題にするのは無意味・・生活水準を下げたら同等になるでしょうがそれでは本末転倒です。
設置コストの高さは、人件費の高さだけでなく戸建住宅の屋根の上に取り付けるのは原野等での設置と違い複雑な工程になるので、設置コストアップや維持管理費の高さの方が問題でしょう。
再生エネに関する高額買取強制政策は、衣料品やテレビその他の工業製品を作る数人規模の家内工業保護のために大手メーカーに対して市場相場の何倍もの価格での買い上げを強制しているような政策です。
(昔から小麦輸入品の政府による強制販売価格制度が知られています)
太陽光発電装置を高コストでやっと設置しても屋根に斜面がある関係で快晴でもすぐに影になってしまい日照時間全部を利用できません。
東向きの屋根の場合午前中だけ、西向きの場合、午後からだけです。
その上日本の気候はその日のうちに晴れたり雲ったりの変化が激しく安定性がありません。
規模で言えば耕地整理して少し農地を大きくしても、同じ品質のものを作って価格で勝負する限り米豪の大規模農業に叶う訳がないのと同じ構図です。
農産物や果実では日本人の手間ヒマかける特性を活かした小規模生産で高品質・・味の良さで勝負することによって和牛やサクランボのように、生き残りができていますが、電気は手間ヒマかけても品質の差が出ません・コストが上がるマイナス要素だけです。
石油燃料に製品に比べて3倍も高い太陽光燃料を使っても品質が同じどころか劣る・電気そのもの品質は同じでも火力系に比べて供給安定性がありません。
数日前に風力発電について少し書きましたが、風力発電設備をみるとお遊びのかざ車のように全方向性ではなく、一方向への固定制のように見えますが、(この辺は技術革新によって自在に方向を変えられるようになるかも知れませんが)日本の場合、強風の時に限って風向きがその日のうちにくるくると変わる特性があります。
強風の日に傘をさすと一定方向ばかりではなくいきなり横や斜めから吹いてきて苦労するので誰でも経験済みでしょう。
日本の強風は西欧の偏西風と違い台風その他気圧の関係で風向きが変わるのと海辺でも多くは山が接近していることが多いので、山にぶつかって方向性がめまぐるしく変わります。
山がなくとも強風の代表である台風の例で言えば「台風の目」の移動に伴い刻々と風向きが変わりますが、多くの強風はこの小型版ですから大変です。

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