国会審議の優先順位と民意1

このような子供じみた騒動を繰り返して審議拒否に走っている状態に対して、4月に入って自民党から解散風が出てきたのは意味があるでしょう。
4月中旬頃に飯島内閣参与による連休明け解散発言もありました。
その翌日頃には朝日新聞が早速反応しました。
https://www.asahi.com/articles/ASL4L4SQJL4LUTFK012.html

衆院解散論に石破氏「国民と官邸、どっち向いて仕事を」
2018年4月18日18時03分
多くの人が思っているのは、どっちを向いているのかということ。国民を向いているのか、首相官邸を向いているのか。

解散総選挙案は、審議拒否や内閣不信任案に対して、「選挙で民意を問いたい」ということですが、これに対する反応が(国民を向いているのか)首相官邸を向いているのか」という真逆の反応を示しています。
石破氏は選挙によって民意を聞くのが民主主義の原則であることが理解出来ていないのではないでしょうか?
「どちらが民意に沿っているか選挙で決着つけよう」とするのが何故「首相官邸を向いているのか」(国民を向いていない)という反論になるのか?真逆の発想です。
石破氏は安倍憎しのメデイアに持ち上げられているウチに思考回路が野党に似てきたようです。
選挙の結果で決めようとするのは、官邸の意向だけで決めるのではなく民意を聞く手続きを重視していることは明らかです。
パク大統領時における中韓の日本批判を見ていると如何にも自国内ではこういう無茶な人権侵害.残虐行為をしていることを日本人がやったかのように言い募る傾向があるのに驚いた人が多いでしょう。
「自分ならこうする」という前提で相手を批判する主張が多いものです。
立憲民主の辻本氏が4月23日に勇ましい発言をしていたのを5月2日紹介しましたが、これに対する自民党の反応です。
https://www.asahi.com/articles/ASL4V5693L4VUTFK029.html

解散に注目が集まった理由は、25日の森山裕・自民党国会対策委員長の発言にある。「不信任案が提出されれば衆院を解散するのも内閣の選択肢だ」と記者団に語った。
同日、首相と会談した鈴木宗男元衆院議員も記者団に「総理はありとあらゆることを考えていると受け止めた」と述べた。

https://www.kochinews.co.jp/article/178235/

高知新聞 2018.04.25 12:04
自民国対委員長「衆院解散も」 不信任案提出なら、野党は反発
「自民党の森山裕国対委員長は25日、野党が安倍内閣不信任決議案を国会提出した場合の安倍晋三首相の対応に関し「(衆院)解散も一つの選択肢だ」と、東京都内で記者団に述べた。前財務事務次官のセクハラ疑惑や加計学園問題などで攻勢を強める野党をけん制する狙いがありそうだ。
国対委員長という正式役職者の発言ですから政界は大騒ぎになり、解散発言に肝を潰したのはメデイアや野党です。
立憲民主はいきなりトーンダウンして内閣総辞職を求めている訳ではないと言いだした模様です。
立憲民主党の辻元清美国対委員長は4月23日の審議拒否発言も何処へやら上記高知新聞引用の続きです。

「何を言っているのか。困るのは与党だ。そんな余裕はあるのか」と批判。希望の党の泉健太国対委員長も「そういうことに言及する暇があるなら、国会正常化に努力してほしい。何のけん制にもならない」と反発した。 」

国会正常化=国会は審議するべきことでしょうが、これに反対してきた自分らの立場そっちのけの主張です。
直後頃行われたテレビ討論だったかのユーチューブでは立憲民主の枝野党首が、解散がいかに不当であるかの主張をした上で、他党意見を遮って大声をかぶせる大人の?討論にあるまじき興奮状態の発言がネット報道されていました。
またどこかのメデイアでは「咋夏解散したばかりなのにまた解散するとは非常識」というような意見が流布されていますが、この意見の前提は、「民意を聞いた総選挙直後から審議拒否や内閣不信任を主張する方が非常識」という前提を端折っている不公正さがあります。
民意を聞いた総選挙後すぐに内閣攻撃のデモを動員し、「国民多数の声を無視している」と騒ぎ不信任案を出すこと自体が選挙制度軽視で非常識です。
不信任案を出す事自体が「民意の支持を受けてないからやめろ」という主張ですから、これに対抗して国会の意向だけでなく民意を直接聞きましょう」というのが憲政の原則です。

憲法
第六十九条 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。

そもそも選挙直後は、政権支持を受けたばかりの内閣を国民の支持を受けていないかのようなデモ等で空騒ぎすること自体が、民主的手続き無視の態度です。
この一環で改正内容の議論を拒否した「安倍政権下の改憲反対」という街頭運動を繰り返してきたこと自体が、安倍政権支持の民意を示す選挙結果を無視する言動ではないでしょうか?
こういう運動を盛り上げているから「それならば、民意をもう一度聞きましょう」というのが解散説です。
「国民多数の声を無視するな!」という運動家が民意をより頻繁に聞くのが何故いけないと言うのか支離滅裂な主張に見えますが・・。
この運動論を下地にした朝日の報道は以下の通りです。https://www.asahi.com/articles/ASL4R4HT3L4RUZPS005.html2018年5月1日19時46分

安倍政権下の改憲「反対」58% 朝日世論調査

憲法改正内容に関する合理的質問ではなく、「安倍政権下の改憲賛否を問う」という変な調査方法自体、イメージ操作の疑いがありますが、朝日や野党はこういう運動を繰り返しおこなって来ました。
日本の政権は平均2年前後で長くて5年前後であり、安倍氏は再選されてもあと一期しかありません。
仮に来年憲法改正してもその施行後新憲法下で新たな政治を行うのは次の世代です。
自衛隊が仮に憲法に明記されても、政治的立場や装備その他の変化には数10年単位の時間軸が必要です。
運用するのはずっと後の世代ですから、誰が憲法改正発議時の総理かによって賛否を決める合理性はありません。
議論すべきは改正内容です。
ところが慰安婦騒動を仕掛けて安倍政権に完敗し味噌をつけた朝日新聞にとって、安倍政権のやることなすこと何でも悔しい・だから「安倍政権による憲法改正の是非」という変なテーマにしているのでしょうか?

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