世論誘導2(粉飾決算・会計監査の限界)

虚偽に塗り固められた韓国(と反日国内集団・メデイア)による慰安婦攻撃の結末は、「正義はいつか勝つ」という日本国民の信念の勝利です。
日本国内政治分野も同様で、敗戦後アメリカの後押しでメデイアの政治性(米中ソ3ヶ国寄りの報道圧力)が強まり、メデイアは情報の仕入れ機能を活用して世論動向を調査できるだけでなく、今後の方向性もマスメデイアが誘導できるような時代でした。
民主主義社会とは、民意(ピラミッド型の階層構成であれば最下層が最大多数層)重視政治ですから
「大衆の多くは無知で愚かである」「熱狂する大衆のみが操縦可能である。」
とゲッペルスの言う通り、インテリと同じ1票を持つ大衆の意識操作こそが重要です。
民衆相手の民主主義社会の到来が政治宣伝を劇的に発達させた要因です。
しかし、わが国の場合、ちょっとした演説で熱狂するアメリカ大衆とは違い民度の高い
「日本の大衆を見くびるな!」という意見は千金の価値があるように思いますが・・。
国際交流がエリートによるだけの19世紀までとは違い、20世紀後半以降は中間層の交流どころか出稼ぎ労働者=最下層の海外渡航が広がっているので、中下層民度レベル差がモロに出る時代です。
昨今コンピューターの発達によりビッグデータの解析が盛んですが、それとは別にメガ情報をフェイスブックやアマゾンのような世界IT大手が握る問題点が議論されるようになりましたが、それは従来型のマスメデイアの情報独占から別の業界にヘゲモニーが移るという意味で問題になっているのであって情報操作がなくなるわけではないでしょう。
メデイアもIT企業も情報利用のために情報入手している以上は、好むと好まざるとを問わず一定方向への利用・商品販促キャンペイン利用は避けられません・・・これを政治方向で意図的に行うのを「情報操作」と名付けているだけのことでしょう。
ビッグデータの把握やその解析は、個人情報→民意の塊ですから、民意の動向を探る方向にも使える点では20世紀以降マスメデイアが情報収集とその提供業務→編集→世論誘導能力保有となって、政治の方向性を事実上決める力を持って来た傾向と変わりません。
これに対するネット空間の発達によって、個々人がどれほど抵抗できるかでしょうが、データの解放がいくら進んでも時間格差を穴埋めできないでしょう。
研究者や企業トップも研究所や企業在籍中には、膨大な情報の入手や加工が自由自在にできていたのですが、退職すればこれらを利用できなくなるのでアップデートの研究や意見発表能力が、何百分の1以下に落ちるでしょう。
大学図書館等の利用権が残っても、それは過去の資料調査に役立つだけであって政治や経済等の決断に必要な今現在の世論動向を知り、誘導するには力を持ちません。
これが電子媒体中心になってくると、各種文献もネット上で開示されることが増えてきたのでフリー・個人研究もある程度継続できるようになってきたように見えますが、まだまだ論文等がネットに出ているのはホンのわずかです。
あってもだいぶ前のデータにもとずく論文など・・.
例えば輸出入の動向なども公式統計に頼ると1〜2年前のものが普通ですから、それではこの数ヶ月内の相手国の動向や景況感による行動指針を提言することは不可能です。
そもそも公式統計になる前の「生の矛盾情報」等を読み解く能力こそが研究者の腕でしょうが、整理前の最新資料そのものにアクセスできるか否かの段階で情報格差が起きます。
一般的にいってもリアルタイムの政治や貿易・最新技術動向に関するデータ分析になると、直接ナマの情報にアクセスできる現役研究者や現役企業関係者にかないません。
そこで現場にいる者(セミプロ?)による世論調査や企業格つけなどが必要になって来たのですが、結果の出る事例では実際の選挙結果と事前の世論調査や格つけ(高格つけ企業があっという間に倒産するリーマンショックなど)とまるで合わない事例が増えてきました。
調査能力が低くて結果と違ったのか?意図的に誘導的調査したのか?データを故意的に読み変えたのかなどの疑問→プロ調査機関の信用性が落ちてきました。
時々発覚しては大騒ぎになる世界企業による粉飾決算(古くはエンロン事件最近では東芝事件?)が頻発していますが、これもデータ悪用による市場・世論誘導の一種であり、これを防ぐためにあるのがプロによる会計監査であり厳格な会計ルールですが、こういう大事件が発覚するたびに「何のための会計監査か?」となって大手会計事務所が消滅したこともあります。
監査が馴れ合いだったか?誤魔化す方が1枚上手だったかの問題ですが、会計監査の信用性をなくす例がしょっちゅう発生しています。
虚偽報告でも会計の場合、お金だけの問題ですから、時間経過で経営に無理が来るので短期間で発覚するのが論理的帰結ですが、政治の場合には複雑な要因が絡み合っているので、ソ連崩壊を待たねばならなかったように100年前後の時間軸・・まさに歴史の審判に委ねるしかない点・自分が生きているうちには発覚しないだろうという安心感が、不正横行・事実を捻じ曲げた世論誘導の誘惑・温床になりやすい原因です。
このように見ると一定方向へ誘導しようとする会計不正をプロの(個人の会計士ではなく組織対応している)大手会計事務所でさえ看破できないとすれば、いろんな分野で情報処理が高度化すればするほど、その道のプロでも専門外の公式発表の資料をみて自力で情報操作を見抜くことが不可能に近いように見えます。
いろんな分野で会計士のような専門家による監査が必要な時代が来ているように思えますし、特定の監査機関だけしか資料をみられないのではなく、他のプロもある程度不正の匂いを嗅ぎつけられるように、決定に至る前の何種類ものナマデータを開示すべきでしょう。
そうすればABCDのデータから甲乙にテーマが絞られていく過程がわかり、どういう議論があって、最後に甲が採用されたかもわかります。
リーマンショックで言えば、データ捏造というよりは、サブプライムローンシステムに対する誤った理解が高格付けの原因になっていたのですが、これに対する警鐘を鳴らすエコノミストが誰も?いなかったのが不思議です。
それでも幅広く意見の根拠が開示されていれば、大事件になる前に気がつく人も出てくるでしょう。
いわば検証可能性の保証です。
政治分野では古くからあるのが政治評論家やオンブズマンというものでしょうが、会計監査のように4半期ごとの決算資料のような会計原則が決まっていない点が難点です。
メデイアの中立性チェックと言ってもその方法が手探りですが、今後そういう外部チェックが必要とする意見が増えるのではないでしょうか?
会計のように「正」と「不正」の境界がはっきりしている分野でさえ経営陣に粉飾をやる気でやられるとプロの監査法人でさえ簡単に見抜けないのですから、政治分野になるとなおさらです。
政治テーマでは事実に反するのではなく、ある事実をどのように理解するかについては人によってかなりの幅があるので、その幅の範囲内で一定の方向・・編集権と業界では言いますが・右端〜左端の意見を報道するのは虚偽ではないものの編集者による一定の世論誘導が可能になります。
5月8日頃のコラムで書きましが、憲法改正の世論調査でいえば、端的に各党の改正案を比較表記してその賛否を中立的に聞くべきでしょうが、数日前に紹介した朝日新聞の「安倍政権下」の「憲法改正の賛否を聞く」方式ははじめっから「安倍政権に対する好き嫌い」を最初に決める前提にしていて憲法に関する肝心の質問が二の次になっています。
また日常的政策との優先順位を聴くのも不合理という私の意見によれば一定の世論誘導になっているでしょう。

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