組織犯罪向け手続法の必要性2

手続法では、組織犯罪に対するこの種修正が一切ありません。
個人犯罪と組織犯罪では手続法でも対象に応じて違う法的手続が必要なことが明らかになっているの、にこれが出来ないので、(軍法会議のような特別裁判所禁止)フランス、アメリカ、イスラエル等では、事実上の皆殺し作戦が行なわれているのが現実です。

日本憲法
第七十六条  すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
○2  特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。

先進国では特別裁判所・・特別な刑事手続が許されない・全てにわたって人権保障の仕組みですが、これを貫徹すると組織犯罪のテロ組織取締に対応出来ない実態・・悪用する事態が生じています。
私は、テロ事件に人権保障が不要と言うのではありませんが、・・実際の不都合を書いています・・どうすれば良いと言うほどの意見を持っていません・・・。
兎も角、現行法制度や理念では、対応出来ない状態になっているのが明らかで、この対応能力欠如・・新しい病原菌対策が出来ないスキに新型感染症・・サールスなどが猛威を振るうのと同じ状態になっています。
現行手続法では、テロ犯人は訴訟手続上自分のやったことを認めるかどうか、刑罰を受ける判断上有利かどうかの利害判断で自白した方が得か損かを考えれば良いだけです。
仮りに自白する場合も、自分の犯行だけ認めれば良いのであって、共犯者・組織・・どこで訓練を受けたか、今後どう言う予定か、どこで何をしていたかまで供述する仕組みになっていません。
しかし組織犯のテロの場合、「やったことだけ認めてその他は関係がありません」と言うのでは、次に続くテロの拡散を防げません。
テロは財産犯と違い取り返しのつかない損害ですので、特に予防が重要ですから明日、明後日〜10日後の次なるテロ防止が最重要ですが、過去の犯罪事実確認しか関心のない現在の司法制度はこの必要性に全く対応していません。
刑事に限らず民事・行政訴訟を含めて、司法の本質が過去の事実確認にあるとすれば、将来の危険防止のための制度設計としては、ソモソモ司法とは別の手続法が必要な分野です。
言わば、現行司法制度は過去行為を裁くのに対して、将来の犯罪予防に重点を置いた手続法が必要です。
病気でも災害でも予防が重要であって、災害が起きてから救済すれば良い・病気になってから治療すれば良いと言うのではなく、如何に転落事故を防ぐとか、病気にならない・・なり難い健康な生活をするかとか、という防災予防を考える時代ですし、犯罪も大規模なテロが起きるようになると、テロが起きてから犯人を検挙すれば良いと言う発想では時代遅れです。
全ての分野で予防的行動を模索している現在において犯行が実際に行なわれるまで何も出来ない・・放任しておくのでは、法律家が時代の進展に対応出来ていない・・怠慢と言う外ありません。
この危険を少しでも早く察知して防ぐために、一定要件での通信傍受を認めるとか、共謀段階の犯罪化とか、微々たるものですが少しずつ時代の必要に合わせて改正の方向へ進んで来ましたが、それでも近代法の個人中心時代への郷愁か、あるいはテロリストを応援したいのか分りませんが、兎も角文化人?では、反対論が日本では強力です。
通信の秘密を守れと言っても政府もヒマじゃなし、普通人の会話を一々聞いているヒマはないので、ある程度偏見?情報に基づいて怪しい人の通話だけ傍受するしかないのですから、テロ被害と引き換えにしてまで自分の通信の秘密を守りたい人が、そんなに大勢いるとは思えません。
・・・傍受される恐れのある怪しい人だけが、反対しているのではないでしょうか?
普通の人・・たとえば私の会話を事件の相手方が傍受するのは困りますが、事件に関係のない警察が聞いていても何も困ることはありませんし、警察も聞いても仕方ない・無駄ですので、傍受制度があってもこちらは気楽に話せます。
テロに強迫されている場合、こちらから警察に頼んで脅迫電話が来そうなときに一緒に聞いていて欲しいくらいですから、聞かれるのを何故それほどいやがるのでしょうか?
※12月9日追記です。
12月9日日経朝刊の社説には、先進国では令状なしの通信傍受を認めている・・これを日本も必要としているのではないかと言う意見が社説として遅ればせながら遂に出ました。
日本マスコミは左翼に遠慮しているのか先進国の実態を報道しないで、共謀罪やスパイ防止法など新たな法律案が出ると「これを認めたら暗黒社会が来る」ような一方の主張ばかり報道していましたが、反対運動盛んなときにこそ世界の実情を客観的に報道するべきです。
「◯◯の問題に関してはどこの国にどう言う法律があり、どこのくにはない・・どう言う必要性でどこの国では認められている・・その結果どう言う効果があり弊害が起きている」
など前提事実を含めた客観事実報道をして国民の公正な判断を導くことこそが報道機関の使命であって、一方の主張ばかり報道するのでは、報道機関とは言えません。
朝日その他の慰安婦報道の許されないところは、吉田氏の単なるフィクションをあたかも事実かのように一方的に大々的に流したことです。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC