第二次世界大戦=景気対策と人種差別の合体戦争2

スペイン等の進出先はどこも混血してしまっていますが、アングロサクソン系の植民地では混血が少ない・・その分現地人との人種差別意識が強いのが特徴です。
人道主義・人種差別排撃運動の普及した戦後でも、長い間続いていた南ア連邦のアパルトヘイトあるいはオーストラリアの白豪主義どれを取っても分るようにアングロサクソン系は比較的人種差別意識が根強い種族です。
ドイツ人は元々朴訥とした民族で人種差意識が英米仏よりも乏しい民族だったことから却ってユダヤ人が西欧諸国で広がった人種差別の難を逃れてドイツに多く移り住むようになった経緯があるようです。
あまり多く移住して来ると目立つようになってドイツ人からの不満が出て来たことがナチスによる迫害の標的になったのでしょう。
東洋人(と言っても日本だけですが・・)の台頭によって、その反動によって欧米では却って人種差別意識・黄禍論が強まって来ていて、その一環として目の前でのさばっているスケープゴートとしてユダヤ人が槍玉に挙がっていたに過ぎません。
身の回りで見ても、仮に韓国中国が躍進して日本国内で彼らの活躍が目につくようになれば、外国人差別とまでは行かなくとも、外国人に対する排斥意識が強くなり勝ちと言えば分りよいでしょうか?
(もしも日本人が今の中国に進出しているようにドイツに大量進出していたら、白人系と違う黄色人種ですから、もっと差別・迫害対象になって日本人が真っ先にガス室に送られていたかも知れません。)
ナチスが日本と締結した3国同盟は(本心では人種差別意識上日本を最も敵視していたものの)敵の敵は味方という当面の便宜的論理で(ソ連の背後を脅かすのとアメリカが欧州戦線に参入し難くするために)日本を利用していたに過ぎません。
ヒットラーがアメリカの対日開戦を知って、(具体的なセリフを忘れましたが・・)ルーズベルト対して「自分が出来ればやりたいと思っていたが遠くて出来ない・・・・あるいは表向き同盟国になっているので出来ないので・・」「黄色い野郎を徹底的にやっつけろ」というような人種差別に基づく祝電を送っているとどこか(と言うことは正確な知識ではありません)で読んだことがあります。
ヒットラーにしてみれば人種差別を強調すれば、欧米の人心を掌握出来ると思っていたのでしょう。
これに対してアメリカは表向きは民主主義を守る戦争とうまく大義名分を作って参戦したの(南北戦争で奴隷解放戦争と修辞したのと同じ巧妙さ)ですが、奥深い意識では人種差別戦争であったことは、イタリア系やドイツ系を収容所へ送らないで日系人だけを身ぐるみ剥いで収容所送りしたことや、日本に対する執拗なジェノサイド的焼夷弾攻撃や、原爆投下の実態からも明らかです。
強烈な当時の人種差別・白人優越意識下で、東洋人の日本が恐慌から逸早く脱出成功しているのを見れば、アメリカ人のストレスが半端ではなかったこと・・「やっつけてしまえ・・白人の優秀さを示してやれ」という、どす黒い欲望が渦巻いていたことは推測に難くありません。
収容所に送られた日系人は幸いガス室には送られないで済みましたが、これが民主主義という仮面をかぶったアメリカの恐ろしい実像です。
民主主義と正義のテーマで連載しましたが、民主的手続きを経れば何をするかは問題ではない・・何をしても良いという点ではナチスと同根でした。
北朝鮮はアメリカの怖さを知っているので、必死になって原水爆及び運搬手段保有国になろうとしているのですが、彼らの戦略自体は単純で分り良過ぎて成功するかどうかは別として一理あります。

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