信義を守る世界7(名誉の重要性1)

11月17日以降書いていた核兵器保有熱・世界平和・・武力によらない本来の正義の実現に話題を戻します。
世界中が似たような規模の核兵器・運搬手段を持てば(公平にするには配給制が良いでしょう)どんな大国も理不尽(であろうと正義であろうとも)な武力攻撃や威嚇を出来ないし、秩序維持には市場原理しかないことになります。
世界政府が出来るまでは、特定の国の考えで正義を強制するよりは日本風のおつきあいの方法・・信義だけを基準にする方法で良いのです。
日常的な行動で言えば、近所のスーパーで買ったイチゴの下の方が傷んでいれば、一々文句を言いに行くか、こういうことが何回か続けばあそこでは買わないようにする・・あるいはあそこは信用出来ない・・リスクが大きいので安くなければ買わないなどの自衛策をとるかの違いです。
日本人の行動パターン・価値観としては、後者の方が多いのではないでしょうか?
こう言うパターンで自発的に商人道徳・・ひいては個々人があらゆる道徳を守るようになるのを期待する方式は、安定した長期関係を前提にする国内で妥当するものですから、これを対外的にも実践して行くのは困難ですが、我が国はこれを困難でもやり続けるという意思表示が憲法前文ではないでしょうか?
我が国民は米英の狡猾さ、欧米のでっち上げ日本批判を非難し、これに便乗する中韓の品性の卑しさを批判し、虚報合戦に参加する(右翼のやり方)のは恥ずかしいことです。
これからも我が国は、万年単位で守って来た信義を守って行く美風を黙って実践して、世界に広めて行くしかない・・これこそ憲法前文の精神です。
ここでもう一度憲法前文を紹介しておきます。

憲法前文抜粋
「われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」

私はこのコラムで何回も書いていますが、世界中の民度は日本に何周回も遅れているので日本の到達している(腕力行使や大きな声で怒鳴りあわなくとも)「信義の守られる世界」になるには万年単位の時間がかかるかも知れません。
諸外国の道徳レベルの低さに呆れてばかりもいらませんが、日本も一緒になって怒鳴りあったり喧嘩しているのは恥ずかしいことです。
メゲズに誠実にガンバり続けるしかないでしょう。
勿論北朝鮮に対しても、誘拐行為は違法そのものですが、かと言って武力解決するのではなく経済制裁と言うと大げさですが、悪い人とは付き合わないという日本古来の流儀でやって行くしかないし、これからもこれで良いのでないでしょうか?
(12月7日に書いたように北朝鮮は日本の先端技術の導入が出来ずに、マトモに疲弊が進んでいます・・目先利益のために悪いことをしない方が長期的には良い結果とになることを少しは分ったでしょうか?)
最近ロシアが日本の技術力・資金力導入を求めたいが、北方領土の違法占拠がネックになって(今更そんな島要らないよと返す訳にも行かないし・・)困っているのも同様です。
ただし、この方式が妥当するには、こちらが上客(経済力・技術力の先端国)であり続けることが必要なので、この点に気を付ける必要があります。
韓国大統領の竹島騒動のときの言い訳に「最近の日本は力を落としているので・・・」と言うのが公式の言い訳になっています。
彼らは日本が経済力を持っている限り下手に出るし、大震災などでちょっとでも力が落ちてくれば、無視・無礼な行動をしても良いと言う発想です。
中国や北朝鮮も目先の利益を求めて違法行為をすれば、長い間には自分が損すると思うようになれば、悪いことをしなくなるでしょうが、それが何千年も分らないまま来た民族ですから始末が悪いことは確かです。
(相手が弱ればその機会に・・と言う発想は、相手が力を盛り返したらどうするの?という観点がありません・・竹島騒動以来数ヶ月経過してみると、どうもまずいらしいと分って来て韓国が下手になってきましたが、見え透いた行動ばかりされること自体に、日本人が怒ってることが分らないのです)
彼らの価値観では少しでもお金が出来たらもっと条件の良い外国移住を目指している人が国民の9割とかに及んでいるのが現状ですから、祖国愛・郷土愛など全くないといっても過言ではないでしょう。
外資が儲かる限度でその土地に投資・進出しているの同じ感覚で自国でも生きているのですから、悪いことをしてバレても大儲けさえすれば後は外国へ逃げれば良いという発想です。
政府高官や成功者から順に子供や家族の外国籍取得が盛んですから、日本では考えられない行動パターンです。
愛国心や郷土愛が殆どない分に比例して、愛国的論調が激しくなることを以前書きました。
(アメリカが一致団結のために星条旗や対外戦争にこだわるのと同じです・/この面でもアメリカと中国や韓国の民衆の意識は似ています)
このように定住を前提としない社会では、長期的信用などどうでも良いことになるので信用維持どころか積極的違法行為であっても、目先の現金獲得に執心する拝金主義行為が蔓延します。
日本で中国人の泥棒や強盗殺人が横行するのも、違法行為を気にしない拝金主義の行き着く所としてみれば紙一重という所で本質的差異がありません。
日本人にも物事の道理が分らない人が一定数いますが、(実はその中心はここ数十年で帰化した元朝鮮・中国人ではないかという意見もあります・・この種の実態調査がないので真偽不明です)その比率が中国や韓国では高いということでしょうか?
諸外国の人々も何事も控えめになって、もめ事を起こさずにわが国のように自己抑制するような静かな高度社会になるには、数千年単位の時間軸が必要というのが私の歴史観ですが・・・。 
日本では縄文時代以降だけでも万年単位で同じ民族(今の在日同様に古代から帰化人がパラパラと入っていますが、トータルで見ればの話です)ですから、違法行為をしても誰かに捕まらなければ良いというような人は少なく、親子代々の信用を重んじる・即ち違法行為(各種犯罪)が世界で最も少ない民族です。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC