韓国民の行動様式9(虎の威を借る狐1)

日常的に日本に対する圧倒的な劣等感にさいなまれている韓国民にとって、国際政治上で歴史問題さえ持ち出せば、アメリカの後押しがあって日本が反論出来ないと分っているので、歴史問題を持ち出すことが間断なく日本の弱みに付け込める材料になっています。
日本が面倒だからと当たり障りのないように謝っておくと、図に乗って更に要求を拡大する・・譲らなければヤクザのように執拗に言いがかりを付けまくるようになったのが、戦後韓国の行動様式です。
東北大震災は日本にとって臨時の弱みですから、好機到来とばかりにさっそく日本の弱みに付けこみはしゃぎましたが、これはこのとき・臨時しか使えません。
(日常化していたストレス解消策・日本批判にこの分を上乗せ出来る・・言わば臨時ボーナスみたいな感じだったでしょう)
韓国は大喜びでが世界中・・国際スポーツの場でさえも大震災被害を持ち出して日本批判を繰り返していました・・日本が震災被害に遭ったことが何故日本批判に繋がるのか日本人には理解不能ですが、この点は宣伝される諸外国人にとっても理解不能な行動をしていると感じた筈です。
合理的に解釈すれば韓国や国民にとっては「日本はこれで駄目になった」という宣伝を世界中にしたかったのでしょうか?
対日批判・・憂さ晴らし景気の特需?に沸いた韓国では、常識のタガが外れてしまったのかも知れません。
日本の大震災復興が始まって日本はもう駄目になったという期待感・ストレス解消材がしぼんで来たのですが、はしゃぎ過ぎに慣れてしまった国民の不満解消策が必要になります。
ピリ辛食品を食べ始めると際限なくピリ辛度を挙げて行かないと刺激が感じられなくなるようなものです。
その後に続く日本批判特需がない(従来型の日本批判だけだ)とインパクトが弱くなって政権が持たなくなって来たので、新たな起爆剤として何ら問題が起きていなかった竹島騒動に火をつけるしかなかったのではないでしょうか?
経済で言えば一時のバブルに浮かれるとその始末・・急減速に困って、市場に任せられずに財政出動・国家介入に走るのと同じ現象です。
韓国では国内精神安定・ストレス解消のために、前年比何%かの対日批判熱の上昇率持続が求められるようになってしまっている・・麻薬中毒者風になっているように見えます。
李前大統領の後を受けた現朴大統領は反日機運の沈静化に努めるのではなく、更に反日熱をアップするために「千年恨みを忘れない」と言い出し、世界中での慰安婦問題の拡大や安重根碑を中国で建ててくれと頼んだり,国民の先頭に立って反日機運を煽るのに必死です。
ココまでくると、日本国民は呆れてしまって千年でも2千年でも好きにしてくれとなって来ました。
歴史認識がない・・と韓国政府がしきりに言うので、戦後韓国や朝鮮人が繰り返してきたユスリタカリの歴史を日本人の多くが勉強してしまい、今では相手の顔を立てるようなどんな妥協もしたくない・・と言う国民が大半になっているでしょう。
今になると右翼安倍政権だから揉めていると中韓両政府は宣伝しますが、尖閣諸島や竹島騒動はむしろ中韓政府迎合型の民主党政権時代に起きたことです。
中韓両国は劣等感のストレス発散のためにやっていることだから、こちらがいくら謝っても何をしても際限がないことに誰もが気づいてしまいました。
他方で、従来どおりに日本批判していたのでは、(インパクトを感じなくなって)韓国国内不満・ストレスの持って行き場がないので、竹島上陸事件を起こすだけではなく天皇謝罪要求まで言い出して、日本が黙っていられなくなるほど挑発する必要に迫られていたのでしょう。
日本が怒り出せばこれ幸いと国内で更に過激な発言をする・・この繰り返しこそが歴代韓国政府の望むところです。
異常な国や人は千年でも2千年でも相手にしないのが一番で、日本国民も政府もその気持ちになってしまいました。
これがまた韓国には腹立たしいようです。

モラール破壊9(法家の思想3)

アメリカの標榜する民主主義社会とは、極論すれば「多数でさえあれば,内容がでっち上げでも何でも決めて良い」「決めたらそれが正義」という社会です。
(実際には「そんな無茶はありません」と言うでしょうが、仮にそうなっても誰も文句言えないシステムであることを書いています・・)
憲法という歯止めがあると言う人がいるでしょうが、でっち上げデータに基づく法制定・裁判のリスクに対しては、憲法違反の問題にはなりません。
極東軍事裁判のように戦勝国が占領支配下で好き勝手な裁判システムを作り、裁判という形式さえ踏んでいればその認定は正義ということになります。
日本語で言えば茶番劇そのものです。
「制度を活かすも殺すも人次第」というのが我が国のコンセンサスですが、そこには「法手続きさえ履践していれば結果はどうでも正義だ」というあんちょこな正義の否定があります。
アメリカが好きな人選をして形式的な裁判手続きをしたというだけで何故正義になるのか日本人のほぼ誰一人納得していないのが現実でしょう。
内容の当否を問わずに・・手続きさえ尽くしていれば正義と言う英米法のデュープロセスオブローの思想は、世界の覇者になった英米が好きなようにルール・・国際標準や国際法廷を組織出来ることを前提にしたルールです。
会計/税制・子どもの奪い合いに関するハーグ条約その他の全ての分野でアメリカの主導する世界標準が幅を利かししています。
強者の自分の都合に合うように(内容の善悪を区別しないで)ルールを作りさえすれば、これを守らないのが悪であると言うのが・・英→米支配の世界ルールになっているのです。
これでは専制君主や独裁権力が恣意的に価値観を決めて支配しているのと同じで、強者支配の貫徹道具にしかなりません。
私が大学に入ってルール・オブ・ロー「法の支配」を教わったときには初めて聞く新しい観念でしたが、(今では高校生でも常識かも知れませんが・・)「手続きさえ整備されていれば内容はどうでも良い」となれば、古代中国の韓非子が唱えた法家の思想とどこが違うの?と言う疑問が出てきます。
韓非子の言う法の支配は制定内容が(当時は国民の意見を聞く時代ではないので)独裁者あるいは専制君主の意向次第ではあるものの、(その時代なりに正式な君主の命令・・日本で言えば詔勅や御法度になるのには、一定の手順が決まっていたでしょう)部下〜国民は予め決めた法のとおり盲目的に執行する・・法律・命令どおりかどうかで賞罰を決める思想である点は近代以降(英米主導)の法の支配と共通です。
法家の思想は、法(マニュアル)がなくて君主がその場その場で判断していると以前に言ったことと考えが変わることがあって周囲が混乱するから、予め法=マニュアル化しておけば周囲にとって行動基準が前もって分って、合理的と言うに過ぎません。
その代わり事前に決められたルールに従っていれば内容の当否を問わないし、逆にルール違反していれば内容が正当であっても処罰すべきだというのが韓非子の主張でした。
03/05/10「中国の法形式主義1(法家の思想)」のコラムで韓の昭侯がうたた寝したときに衣の係ではない冠の係が気を利かして衣を掛けたことで、却って処罰されたという故事を紹介しました。
もう一度紹介しておきましょう。

 誰加衣者(タレか衣を加フル者ゾ!)

   昔者、韓昭侯、酔而寝。典冠者見君之寒也。
   故加衣於君之上。
   覚寝而説、問左右曰、
  「誰加衣者。」
   左右対曰、
  「典冠。」
   君因兼罪典衣与典冠。
   其罪典衣、以為失其事也。
   其罪典冠、以為越其職也。
   非不悪寒也。
   以為、侵官之害、甚於寒

(括弧内は私の独自訓読です・・オモへラク、侵官の害(越権行為)、寒より甚だし)

紀元前3〜4百年前(韓昭侯・在位B.C.362-333の人です)から中国では命令・ルールの是非を論ぜずに、ともかく法を盲目的に守ることを良し・・守らない方を悪とする思想でやって来たのです。
所謂「悪法も法なり」というソクラテスの意見と同じです。
ソクラテスのこの言葉が日本で誰でも知っているほど何故有名になっているかと言うと,我が国では「悪法は法の効力を持ち得ない」という自然法的原理が行き渡っているから・奇異過ぎて理解不能な感じがするからちょっと読むと心に引っかかって忘れられないからです。

TPPと主権9(アメリカ支配1)

EUは域内上位の独仏蘭優位グループのための政治経済機構(市場囲い込み)として効能を発揮し、一方的に市場に組み込まれるだけの南欧諸国は貿易赤字に苦しみますが、独自通貨がないために通貨切り下げによる国際収支調整機能もなくしてしまいました。
3月12日に、地方と大都会が直結するとストロー現象//周辺地域の地元資本衰退現象を書きましたが、小国が大国と障壁なしにつき合うと吸い取られてしまうのが普通です。
結局南欧諸国は重債務国となってしまって、債権国ドイツの言いなりの緊縮政策の強要に国民はしぶとく反発しています。
将来的には、その他の周辺国(中東欧諸国)も同様の結果を味わうことになるでしょう。
昔イタリア(ベネチュア、ジェノヴァその他イタリア半島諸国)は地中海貿易が駄目になると金融でイギリス・スペインその他西欧諸国から吸い上げ続けていました。
(スペインが新大陸で得た膨大な金銀が全て吸い取られて、何も残らず逆に破産してしまったのですから大変な吸い上げでした。)
最後にあちこちでデフォルトされた(フィリッペ2世は4回も破産していることを以前紹介しました)ことが、今のイタリアの凋落の原因になっているのですが、時代が巡って今は北と南が逆転した形になっているのは歴史の皮肉でしょうか?
TPPはEUと違って通貨共通化を予定していない・・通貨主権を保有したままですので、貿易競争に負ければ為替の切り下げで対抗出来る逃げ道があるように見えますが、そうとも簡単に言い切れません。
2013/03/04「円安効果の限界1」にも書きましたが、為替変動によって収支均衡するのはホンの僅かな差で競っている競合商品がある場合に限定されます。
いくら円が下がってもジャンボジェット機や戦闘機のような軍需品を日本は作れないので買うしかない・・・食料品やガスや石油など資源類も同じです。
こうしたことから分るように、円相場が下がってもアメリカからの輸入価格が上がるだけで日本は競争力を逆転する余地のない分野が一杯あります。
円安の効果に戻りますが、・・円安によって競争力が上がる分野もありますが、資源のように仕入れ値段が上がるだけの分野もあります。
割高な物を買わされて得することはありませんから、国際収支さえ均衡している限り円安よりは円高の方が得です。
要は収支均衡を目指すなら円高に少しでも近づけて均衡した方がよいし、個人で言えば、高望みして就職先がない・・あるいは結婚出来ないのは困りますが、どうせ高校、大学に入るなら、就職・結婚出来るならば、少しでもいい条件で妥結するのがベストです。
私がいつも円高の方が良いといのはこう言う意味であって、赤字でも円高が良いと行っているのではありません。
明治の初めに、もしも関税なしで完全自由貿易であったとすれば、産業革命を経た欧米の商品が怒濤のように入って来て日本産業界は近代化するヒマもなく、全産業が壊滅してしまい、いくら円が下がっても輸入するばかり・・今のアフリカのようになってしまっていたかも知れません。
日米和親条約が不平等条約であったと頻りに習いますが、それでも日本は関税をかけて国内産業育成のための障壁を設けられたたなど所謂欧米の植民地になった国とはまるで違っていた点を慶賀すべきです。
植民地支配受けた国で産業が育たなかったのは、国民レベルの低さもあったでしょうが、関税自主権や輸入制限を出来ないために自国産業を育てる前に輸入品に圧倒されてしまったことが大きな原因であったでしょう。
アメリカ独立革命も元はと言えば、(「代表なければ課税なし」と民主主義の意義ばかり学校で習いますが・・実際には)植民地経済発展・産業保護のために本国イギリスからの輸入制限が出来ないことに対する不満から始まったものでした。

中間層・蓄積の重要性8(同胞意識5)

ちなみに武士の出現以前にも、武士に守ってもらうべき需要・・自作農があちこちに存在していたこと・もっと古くは荘園への名義だけの寄付が流行ったのも自作農地を守るためのものでした。
水田耕作の我が国では、水路の維持管理の必要性からムラ社会は一心同体の紐帯で結ばれて来たことを書いたことがあります。
ムラの代表者は自己保身のためではなく、むしろ自己を犠牲にしてもムラ人が全員一族・同胞のつもりですから、全構成員のために政治をすることに千年単位で親しんできました。
戦国武将が自分が腹を切っても城兵全員の助命を開城の条件にしていたし、農民一揆でも代表者・・庄屋クラスが処刑されること・自己犠牲を前提にしてムラのために頑張って来たことが、その象徴です。
莊屋クラスが自己保身・・私腹を肥やして農民から抗議されるような事件は全く起きていません。
中国だけはなく、朝鮮半島でも初の統一支配政権となった李氏朝鮮の支配下で、両班以外は人間扱いされない(文字も知らない)ままで近代に至り、日本支配になって漸く平等を前提に全員が教育を受けられるようになったに過ぎません。
総督府の時代に一般人対象に教育を始めたのですが、イキナリ漢字を教えるのは無理があったことから、総督府の勧めで現在のハングル文字(表音文字ですので言わば平仮名だけしか理解出来ない状態が、今も続いています)の普及を奨励したのが文字教育の始まりです。
我が国では名目的な律令体制を導入しましたが、班田収授法・・すなわち国有農地方式は根付かなかったことを01/15/06「三世一身法と墾田永年私財法1(法か律か?)」前後で連載しました。
中国や朝鮮の地域では(中国では辛亥革命まで)律令体制をそのまま敷いてきましたので、自作農・・自分の農地と言う観念自体が育たなかったでしょう。
だからこそ食えなくなれば簡単に流民化するし、共産革命・・集団・国営農場化が簡単に出来た面があることを、03/04/06「商から農への転換9・・・中国の場合1」等で書いたことがあります。
中韓両国の地域では異民族支配の繰り返しこれとセットの専制君主制・王朝下で何千年も来たので、日本のような国民(同胞)という概念もなく、単に支配領域内に住んでいる人間と言うだけで言わば支配対象・物みたいな客体でしかありません。
(この点日本人は他所の国の人を「その国民(同胞)」と日本的理解で考えると間違うことをこのあとで書いて行きます)
中国政府にとっては中国国内にいる人間も領域外にいる人間も、全て将棋の駒みたいな政権維持の対象・材料にしか過ぎず、(中国では異民族支配が繰り返された経験があるので、)領域外にいる人間も領域内にいる人間も将棋の駒のように取れば自分で使えるコマ・・工場経営で言えば原材料的対象として考えているので、都合によってどのように切り刻もうと自由自在ではないでしょうか。
領域内の国民も政権に反抗するならば、国境の外にいる外国人よりも政権維持にとって危険ですから、死刑・臓器摘出を含めて徹底的に押さえ込む・・恐怖政治でやって行くのが今でも中国風の政治です。
文化大革命当時に流行った下放政策も根は同じです。
国民の方も都合が悪ければ流民化したり、外国籍をとったりすることに抵抗がありません。
日本人の場合同胞どころか身近な動物まで家族のように可愛がり、大切にする社会です。
勿論庭に植えた草木もこよなく大事にしますし、針供養で知られるように身近な道具類にさえも魂を認めて大事にします。
まして同じ人間同士では、ネットその他では観念的に韓国や中国批判論が盛んですが、実際に身近にいる外国人を差別したり貶めたりする気持ちが(内心でも)基本的にありません。
中韓でいくらいろんなことがあっても、ネット騒いでいても、具体的に身近な中韓の人に対して罵詈雑言を浴びせるような人は(礼儀上黙ってるというだけではなく内心でも目の前にいる人には皆平等に接する気持ちが基本で)皆無と言っていいのではないでしょうか?
内心で異民族を侮蔑し、憎悪しながら理性の力で、博愛・動物愛護などと主張している欧米とは順序が違います。

中間層の重要性4(テロ・暴動の基盤1)

資源収入に頼る国・・産油国では分配対象(一定金額の収入・生産に要する必要人員)が少なくて済む(労働分配率が殆どない)ので、貧富格差が飛躍的に拡大します。
これが資源輸出に頼る国・アラブや北アフリカ諸国では政治不満が起き易くテロ組織が勢いを増す構造です。
ちなみにテロ組織の隆盛・事件頻発は、アラブとかイスラム教に特有の関係ではなく、国家経済が資源収入に頼る割合が高い→利権種入を得る王族や支配者の外におこぼれに預かる関連従事者が少なく分配対象者が少ない→貧富格差の拡大進行によるものです。
アラブ諸国の中で、エジプトのみが(今回の騒乱まで)長年安定していたのは、資源輸出に頼る割合が殆どない(不労所得としては、スエズ運河収入くらいですが特権階層がいないこと)、もともと農業国で主として国民の労働に頼っていた・・所得分配が広く薄く出来ていたことによるでしょう。
また湾岸首長諸国やサウジ王国が安定を保っていられるのは、産油収入が多い割に人口が少ないので、王族だけが裕福ではなく一般国民にまで気前よくバラマキを出来るからです。
アメリカのシェールガスやオイルが出回ってアラブ・北アフリカ産油国の売上が減少して国民への分配が減ってしまうと、昨年のチュニジュア〜リビヤやエジプト、今回のマリ共和国内戦〜アルジェリア等と同様の騒乱が始まるリスクが高まります。
中国等近代工業化に離陸したアジア新興国では、産油国の王族同様に経営者や共産党幹部等、利権収入を得る特権階層がいる点は同じですが、工業化による場合は非正規雇用中心であっても多くのヒトを使うので産油国よりも多くの人に薄く広く所得分配出来ることが重要です。
一般人に殆ど仕事のない産油国・・砂漠の民等と違って、給与が安くても、身分が不安定でも日々の収入さえ継続していれば政権に対する不満がその分緩和され・・命がけで暴動する人が出ません。
昔から農民が如何に貧しくても、食えている限り農民が暴動を起こしませんし、流民化しません。
リビヤのカダフィ大佐の私兵同様に、中国の場合も共産党の私兵である人民解放軍や公安警察による強権による締め付けによって政権維持しているのですが、これは締め付けがうまく行っているからではなく、多くの工場労働者の存在・・一応分配出来ていたことによります。
ただ、これが大量に失業するようになると、リビヤ等と同じ問題・・軍や公安の力だけでは抑え切れなくなるでしょう。
従来中国沿海部と内陸の格差がマスコミで報道されていましたが、地域差ならば(目の前の人が皆同じく貧しいのですから)それほどの不満が起きません。
対策も単純で財政出動さえすれば(日本でも地方過疎地への公共工事で誤摩化してきました)何とかなりますが、都市に入り組んだ非正規雇用者の失業増大・生活困窮となると一筋縄では行きません。
日本でも地域差の問題ではなくなって来た結果、地方政府や企業補助等の間接的財政出動ではなく、個々人への直接バラマキが必要になった背景事情として「都市住民内格差1と選挙制度」January 21, 2011のコラムその他であちこちで書きました。
1月19日の日経新聞朝刊では蘭州市で、山を崩して巨大ニュータウンを作る工事写真が出ていました。
汎用品生産工場中心で離陸発展した中国では、人件費高騰のあおりで反日暴動以前から外資に逃げられつつあったのですが、住む人もいない新市街・鬼城(ゴーストタウン)を作る工事によって、当面の失業対策・GDPアップ効果になっているという記事です。
こんな無駄な工事(鉄道工事や幽霊マンションの大量建設もその例です)を繰り返して苦境に陥っている経済実態を糊塗しているのが現在の中国経済ですが、こんなバカなことがいつまでも続く訳がありません。
中国賛美記事の多い日経新聞では珍しい現象です・・・こんなことはずっと前から分っているのに国民を騙すために報道していなかっただけ(だからこそイザとなれば1日で現地写真を出せたのでしょう)ですが、これはこの後で書くように中国政府発表に驚いてマスコミも慌てて追随しているのでしょう。

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