データ・グラフの信用性(韓国GDP増加率)  

上記にネタ帳https://ecodb.net/exec/trans_image.php?type=WEO&d=NGDP&c1=KRのグラフを引用しましたが、昨日の小塩氏のグラフを見比べると素人目にも明らかな波の違いがある・・・昨日書いたようにリーマンショック時の落ち込みがないのが不思議です。
素人の印象ですが、(プロの目から見たら合理的理由があるのでしょうが・・)同じ国際機関のデータを利用していないのかな?データ作製機関によってこんなに違うのか?尤もらしい国際機関の統計・・「グラフって当てにならないな!」と思う(誤解?)ようになります。
ネタ帳のGDPは、10年には1200(数字の表では1265)あまりになっていて17年は1750前後(同1730)に対して、小塩氏のグラフでは10年に1150〜1200の間、17年では1600弱であることがわかりました。
数字の違いがなぜあるのか不思議ですが、いずれも、10年と17年では概ね4割前後の増加ですが、これほど急激にGDPが増える国があるでしょうか?(ただしネタ帳では「自国通貨」という表示がありますのでウオン相場による修正が必要なようです。)
以下の日本政府発表と比べて見ました。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000005986.pdf

韓国経済と日韓経済関係 外務省アジア大洋州局日韓経済室 平成29年4月-
韓国経済は,2012年を底に緩やかに回復し,2015年の実質GDP成長率は2.6%,2016年は2.8%にとどまり,2年連続で3%台を割り込んだ。2017年の同年間見通しは,企画財政部2.6%,韓国銀行2.5%,OECD2.6%。2015年のGDPは1兆3,779億ドルで世界11位。(日本の約1/3)一人当たりGNIは,約2万7,450ドルで世界28位。(日本の約2/3。日本の1990年に相当。)

上記によると年率3%前後の成長ですから7年間で単純合計2割前後しかGDPが増えていない計算ですし、上記グラフの一人あたりCNIで見ても、10年の数字が21220に対して15年が27450で1、29倍しか増えていません。
(人口が5年間で何割も変わらないとすれば、GDP伸び率もほぼ比例関係です)
この辺が常識的数字でしょう。
ネタ帳や小塩氏のグラフの元になるデータは何に基づくのでしょうか?
ネタ帳には、「自国通貨」とあるのでウオンがこの間に大幅(3〜4割?)下落していると名目上GDPが4割上がることがあるでしょうが・・。
文字でだらだらと書いているよりも、グラフは視覚的に時系列変化がわかりよいのですが、一般的に〇〇のデータを元に複合して作りましたという場合、作成者主観主張が入り込むのと、本当に元のデータそのままか否かがわかりません。
この7〜8年間に韓国の着実な成長があるとしたらこれを一切報じないで10年頃までの状況しかネットに出てこないのも異常ですが、逆に「韓国はすごいぞ!」という主張も数字が違うとどちらが本当か信用がなくなります。
どちらの応援記事でもいいですが、客観的事実をそのまま報じて解釈は各人の勝手にしてください・・「自由市場で勝負してください」というのが合理的です。
昨日紹介した小塩氏グラフを(否定する材料を持ち合わせていないので)一応信用して以下進めます。
昨日紹介した小塩氏意見は、韓国にとって日本にどんどん追いついているし日本への輸出も減っているし・・といういわゆる日本存在感低下論です。
ところで、昨日引用グラフでは輸出額は10年頃から頭打ちですが、対日輸出減少している点は、いわゆる嫌韓感情の高まりによる面もあって原因・結果の関係はわかりません。
もっと重要なのは、対日輸入額の増減でしょう。
日本製部品購入が減ったかどうか・減ったとしたらその要因の検討(日本が韓国への技術移転=最新部品供給を絞るようになったか?)こそが重要でしょう。

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