慰安婦=性奴隷論の説明責任4(独仏の売春制度)

ドイツでも「売春する女性の権利を守れ! 」という声に負けて売春が公認されています。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37973

2013.6.12(水) 川口マーン 惠美
2002年に売春法が施行されて以来、この国では売春は合法、つまり、公序良俗に反する行為ではなくなった。
とはいえ売春は、それ以前も、あたかも合法のように営まれてきた。
中でもハンブルクのレーパーバーンは、アムステルダムの「飾り窓」と共に世界的に有名だ。ちなみに、アムステルダムの「飾り窓」の売春も、合法化されたのは2000年のこと。それまでは、ずっと黙認されていたのである。
売春婦(夫)には健康保険も年金も保障されているが・・・

ハンブルクの歓楽街レーパーバーンで、ウクライナの女性権利団体FEMENのメンバーが「性産業は新たなファシズムの形態だ」と批判(2012年6月10日撮影)〔AFPBB News〕
さて、しかし、そのハンブルクでは、普通の市民は、自分たちの風光明媚な町がヨーロッパでも名にし負う売春街を抱えている話などには触れない。娼婦街も売春婦も、まるで存在しないかのようだ。
合法であろうが、違法であろうが、見た目には何も変わらない。ただ、すべてが変わらなかったかというと、それは違う。
合法になって以来、売春婦を雇っている人間と、買う客の立場が強くなった。そして、売春婦の環境は、さらに過酷になったのである。
売春法を作るのに熱心だったのは、当時、連立政権をなしていたSPD(社民党)と緑の党だった。
彼らの目的は、売春を他の職業と同等にすることによって、売春婦(もちろん売春夫も)の法的、および社会的な状況を改善しようというものだった。
売春は正規の一大産業となり、そこに従事する売春婦はそれを職業として届け出て、健康保険やら年金など社会保障制度にも組み込まれることが可能になった(実際にそうしている人は稀)。また、売春婦を使って商売をする者もそれを事業として届け出て、売春婦の社会保障費の半分を負担する義務が生じた(これも稀)。
要するに、SPDと緑の党の言いたいのは、「売春はパン屋やレストランと同じく普通の職業で、悪いことでも、恥ずかしいことでもありませんよ」ということだ。
彼らの考えでは、セックスは商品であり、それを売ったなら、料金を受け取るのは当然の権利。その当然の権利を守るための法律である。

以下有料登録ということで入れませんが、一般に言われていることは、合法化することによって、裏社会を通さずに参入できる・・(刑事罰覚悟の裏社会利用・・刑事処罰のリスクを冒す以上ぼろ儲けが必須)参入障壁がなくなってコスト低下→希少性がなくなり、供給過剰になったということらしいです。
戸塚弁護士の「売春行為は意に反しているに決まっている」という趣旨の決めつけの粗雑さが証明されているのではないでしょうか?
フランスの売春制度
以下によるとフランスでは16年までは、合法であったことがわかります。
象でいえばを象を狩猟して殺しても良いが、象牙を買ったものだけが罰金を取られる仕組みです。
捕まっても罰金さえ払えば良い・・刑務所に行かなくて良いならば、いわば何百回?に1回検挙されるかも知れないリスク・・罰金分だけ割高になったと思えば良いことになります。
それも街角での客引きのように取り締まり容易なパターンを除けば、売春婦さえ告訴しなければわからない・告訴するような(中高級)売春婦には次から客がつかないので、いわばザル法でしょう。
私の事務所で10年ほど前に受任した性犯罪事件・・は報酬を払わず遁走したので訴えられた事件でしたが・・。
以下のとおり激減したのは客引きに頼る最下層娼婦だけです。
ちなみにこの種の人を江戸時代には「夜鷹」と言われていましたが、「鷹=売春婦」は獲物を狙う方(加害者)の概念であって、被害者はボンやり夜遅く歩いていると土手の草むらに引きまれる迂闊な男の方です。
今でも風俗系の多い街では客引きがうろうろしていて、無防備に歩くと次々と声をかけられて怖いような印象をうけるのはその歴史を引いているのでしょう。
千葉では日が暮れてから客引きが増えて歩きにくくなるとパトカーが常駐するようになり、客引きが減りパトカーが来なくなるとまた増える繰り返しです。
http://www.afpbb.com/articles/-/3124496によれば以下の通りです。

買春を非合法化した法律に抗議し、パリ市内中心部でデモ行進を行う性産業従事者ら(2017年4月8日撮影)。(c)AFP/Zakaria ABDELKAFI
【4月9日 AFP】フランスで買春を非合法化する法律が昨年4月6日に施行されてから1年が過ぎ、8日にパリ(Paris)中心部で性産業従事者の抗議デモが行われた。
デモ参加者は「客を止めるな、罰金・暴力・AIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)・抑圧・偽善を止めろ」と書かれた横断幕を掲げ、歓楽街として昔から有名なピガール広場(Place Pigalle)からデモ行進した。参加者の大半は若い女性だったが男性も少数交じっていた。
フランスでは売春のあっせんや、それを提供する場所の運営は違法である一方、売春自体は合法とされている。
問題の法律は性産業従事者ではなく客を罪に問う内容で、最大3750ユーロ(約44万円)の罰金を規定している。
人道医療支援団体「世界の医療団(Medecins du Monde)」のティム・レスター(Tim Leicester)氏はAFPに対し、法律が施行されてから路上などで売春婦を買おうとする動きは減退したものの、客が減ると収入も減るため性産業従事者は客をえり好みしにくくなり、そのため避妊具をつけない性交渉を強要したり暴力を振るったりする客が増えるのでこの法律は失敗だと言えると語った。(c)AFP

以上のとおり福祉政策の行き届いた先進国の現在でも、女性が自由意志で売春している実態があるのに、戸塚弁護士の
「私が女性ならば、日本が戦争で勝てばという感じ(?)で(慰安婦)になることは絶対にない(?)」と考えた。 それは強制でなくてはならず(?)、意思に反することだと考えた。 そうなると誰でも奴隷だと考えるものであり、性問題なので「性奴隷」と命名した。」
という思い込みは世界常識・・実態とも大幅に違っていることが分かります。
世界常識は売春婦=性奴隷(ヤクザに拉致された性奴隷がいるかも知れないが多くは)でないのに、朝鮮人慰安婦に限って「性奴隷」と一方的に定義して国際活動すれば世界の慰安婦売春婦とは違うひどいことをしていたのかと誤解する人が増えます。
戸塚弁護士がまさか勝手な定義付けで国際活動しているとは思わないので、(米軍がドラム缶に詰め込んで慰安婦を運んでいたのに比べて?)よほど日本軍がひどいことしていたのかのイメージが広がります。
小さな子供が「お前の母さん出べそ!」と言っても、誰も問題にしないのは信用力が違うからです。

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