疑惑(思わせぶり)報道3

愛媛県知事が、総理関与の重要公文書があると力んで出した文書によれば、「加計学園の〇〇が総理と面会して△△と言われた」かのような文書だったらしいのですが、すぐに総理官邸出入記録と合わないとネット反論が出て、肝心の総理官邸の出入記録に該当する面会記録がないことが明らかにされました。
それでも連日ワイドショーなどで安倍総理は今度こそ責任をとるべきだと大騒ぎでした。
こういう大報道を展開する前に首相動静記録(各新聞が時間や分単位で総理の1日の動静を報道している以上は、自社記録があって瞬時にわかるはずです)などの記録チェック・事実確認を全くしていなかったとすれば不思議です。
勘ぐれば、それを出したらメモの矛盾がわかるので、あえて伏せたまま大規模報道をしてバレルまでのあいだ1〜2週間でも政権を追い込み、国会審議をストップさせることや一時的な支持率低下に追い込む目的に利用したような見方が可能です。
客観記録と合わないことが出回っても、メデイアは大規模報道の前に裏付け調査しなかった理由を一切釈明しないままうやむやになっています。
財務次官に対するセクハラ疑惑も騒ぐだけ騒いで音源が合成されている・・そもそも本当にそういう苦情が前かあったというならば、何故当日職務命令で1対1の食事に出向かせたのかなどの反論が出てくるとうやむやです。
このようなほとんど虚偽に近いメデイア報道を大々的に流布してもネット批判がすぐに出て打ち消す威力のある時代が来たので、こういう繰り返しが目立つようになってきたのです。
ネット発信がなかった時代には反論があっても発表の場がないことから、メデイアはフェイク報道ギリギリ・思わせぶりな報道し放題の感がありました。
いまだに過去のフェイク?報道し放題の習慣が抜けない最後の悪あがきが森かけ騒動というべきでしょうか?
こうした繰り返しが多ければ多いほど、メデイア界の信用・地位が低下するばかりです。
メデイア界談合で?決めた1方的報道が始まると誰も反論できない仕組みを「言論の自由市場」と憲法学者等文化人が豪語してきました。
慰安婦騒動時には、まだメデイア界が報道を独占していたのでメデイアの洪水的一方的報道を不審に思っても反論する場がなくそのまま通用していたので誤った報道がはびこり日本や国際世論をあやまった方向へ導いてしまったのです。
このシリーズで、書いている通り、戸塚弁護士の性奴隷と定義づけた根拠をネットで初めて見て論理の粗雑さに驚くばかりですが、当時はなぜ「性奴隷」というのかをメデイアが報道しない限り素人が論拠を直接見るチャンスがなかったのです。
彼が書いた本を買えば読めると言われても、自分に関係なく論争する必要もない人は買いに行かない・ただそういう意見がある・・相応の根拠があるのだなという程度で終わりでしょう。
6月4日紹介したように性奴隷定義派は「経済困窮がなければ自発的に応募する筈がない→奴隷だ」と言う独自・短絡定義らしいですが、この定義によればドイツ等で合法化されている売春婦はみな性奴隷です。
4〜5年以上前から韓国の売春婦輸出が有名ですが、それを買っている?欧米諸国は性奴隷に対して謝り賠償金を払うべきですが、なぜ日本だけ国連で問題視されて謝り続け賠償金を払う必要があるかの説明がありません。
戸塚弁護士は「拉致されたり人身売買等による売春・性行為を強制されているのを「性奴隷」という従来定義を今後、「経済困窮に付け入られる弱者」を性奴隷と言いますという宣言をし、これを世界に発信すべきでしたが、これを全くしないで、朝鮮人慰安婦を「性奴隷」と認定?して世界に発信してきた結果、世界中の人が朝鮮人売春婦に限っては「売買対象」になっている奴隷だったと誤解します。
一般的になっている言葉の定義を独自に変えるならば、「ここでは従来の定義をこのように変えて主張している」と事前説明するべきでしょう。
商取引で有名ブランド品と称して偽物を売り中国産を国産と称して売ることに社内で統一していても対外的に「当社は、中国産を国産と表示しています」と説明表示しなければ、詐欺でしょう。
ここ数年燃費偽装や(神戸製鋼やスバルなど)検査偽装が社会問題になっていますが、一定ルールで検査していると表明して起きながら実際には検査手抜きしていたのも同じ問題です。
このように言葉の定義を自分勝手に変えるのは、社会に対するごかましであり許されません。
「今後(人身)売買対象でなくとも経済困窮等により結果的に自由がない女性を性奴隷と言います」あるいは「実態調査しなくとしたように発表します」と定義を変える場合には、自分が創設した新規概念を諸外国に説明し、この状態にあれば「西欧でもどこでも性奴隷になる」説明とセットにしないまま(調査の結果?)「朝鮮人慰安婦は性奴隷だった」と諸外国に宣伝していたように見えます。
定義変更の説明なしに、「慰安婦は性奴隷であった」といえば「拉致されたかそれに準ずる厳しい監視下で売春を強制されていた」「実態調査をした結果」の主張と誤解するのが普通です。
この誤解の上にメデイアが軍の関与判明(内容は昨日冒頭に書いたように「相応の便宜を図る代わり規制するに過ぎないのに)と大規模報道すれば、世界中の人が軍が性奴隷化に軍が手を貸していた・・「軍が直接拉致に関与した証拠が出た」のかと想像してしまいます。
そそっかしい私もそう理解していました。
1992年の宮澤総理訪韓に照準を合わせた朝日新聞大規模キャンペインに始まってメデイア界はこれを認めない日本政府追及一色になっていましたが、当時はまだネット利用が一般化していなかったので、メデイア界が独占している言論市場では、メデイア界の主張以外の意見は表明の場がない状態でした。
安倍政権成立時から慰安婦問題が大論争になってきた結果、大手メデイアの報道だから相応の裏付け調査した結果だと信用して、それ以上の(どういう調査をしてどういう結果が出たのかという初歩的な)疑いを持っていなかった(私もその一人ですが)一般国民が国連決議になった経緯やその根拠は何か?など細かい情報に関心を持つようになってきました。
その頃(2012年暮)には、関心を持てば自分で検索できるような情報提供環境が整った上に簡単に個人感想を発信できるようになっていたことが大きな原因です。
「メデイア界さえ抑えれば勝負あり」と思っていた中韓にとっては大誤算だったでしょう。
パク大統領による全面戦争宣言的意思表示によって時の安倍政権が果敢に受けて立つ気構えを示したことから、国民の多くが事態の深刻性に気がつき、遅ればせながら、慰安婦騒動の基礎を洗い出す動きが起こりました。
大手メデイアによる大規模報道と日弁連の主張にも関わらず、粗雑な論理構成→戸塚弁護士の「私」ならそう思わないという主観を前提にした意見→「私」の気持を基礎にする以上一般意見を調査する余地が元々なかったことが分かってきました。
いろんな事情が出てくると、マスメデイアが軍の周辺的関与を以て「軍の関与判明」と断定的大規模宣伝していたことが分かりました。
多くの人は新聞報道やニュースを出勤前や帰宅後短時間目を通すに過ぎないので、見出しの影響力が甚大です。

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