表現の自由と外国の影響(中国シャープパワー)2

西欧の大手メデイアが堂々と中国による表現の自由への介入に危機感を募らせて書き、それを日経新聞が大紙面で転載するところまできています。
(日経新聞も内部的には徐々に中国マネーやハニトラに侵蝕されているのかもしれませんが、それでもこれを出せるほどまだ中韓系人脈が弱いのでしょう)
ちなみに英エコノミスト誌の概要は以下の通りです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%B3%E3%83%8E%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%88

(The Economist)は、イギリスの週刊新聞で、ロンドンに所在するThe Economist Newspaper Limited から発行されている。新聞ではあるが、外見は雑誌の体裁をとっている。日本の読売新聞と提携している。
発行部数は約160万部(2009年)。その約半分を北米が占める。
主に国際政治と経済を中心に扱い、科学技術、書評、芸術も毎号取り上げる。政治・社会は地域ごとに記事を組んでおり、中国以外のアジア、中国、中東およびアフリカ、米国、米国以外のアメリカ大陸、英国以外のヨーロッパ、英国に分けている。
この雑誌は社会的地位の高い層をターゲットにしており、その中に官僚や大企業で経営に携わる人なども含まれる。発刊の歴史と、鋭い分析からなる記事が情勢に与える影響が大きく、世界でもっとも重要な政治経済紙の一つと見なされている。

その他の大手メデイアはこんな記事を載せる勇気がないどころか、「何処かの国のための報道でないのか?」という疑惑高まりに対して、「日本は報道の自由度が低い」と国際宣伝して反撃に出るほど骨の髄まで?侵蝕されてしまっているとみるべきでしょうか?
それとも日経新聞に先を越されただけでしょうか?
ただ、この転載に怒った中国筋が日経新聞内部工作を劇化させるでしょうから、この種報道を外紙の転載でお茶を濁すのではなく日経自身が日本国内の現実掘り下げ報道ができるのか?今後もいつまでできるか?です。
ところで日本メデイアである以上は、日本言論界に浸透している中韓人脈の影響力・これが日本の言論を歪めている現実があるのかどうかこそが重要ですから、これを直視した調査報道ができないのか?がバロメーターです。
中韓批判は闇世界相手ですから危険が大きいでしょうが、危険の大きい分野に挑戦してこそ勇気ある報道マン・学問の自由であり表現の自由の価値でしょうが、矢も鉄砲も飛んでこない安全な政府批判だけして、(不祥事があると居丈高に吊るし上げて)自分が偉くなったかのように英雄気取りになっているのはおかしなことです。
江戸時代には幕府関連は忠臣蔵を高師直塩谷判官の物語にしたり、鎌倉時代の物語に仕立変えていたような、「外国でこう言われている」とヒトごとのような報道しかできないことに驚きます。
欧州その他は中国にとって遠い国であるのに対し、直近に位置ししかも対立している対日ではもっと激しい標的になっていると想像するのが普通です。
日本人なら肌で感じるほどの日々の報道で変な方向に進んでいるはずの裏で蠢く中韓人脈がどうなっているのか?病根の有無・現実を抉り出すのが日本メデイアの本来の仕事です。
何もできないで、中韓の言いなりのイメージが強すぎて国民がメデイアを信用しなくなると、その反作用で国外・国連等で表現の自由が危機に瀕しているという運動をする人たちの中には、中国のトラップに引っかかっている偉い人たちのごまかしをそのまま信じている純真な人たち・・日本をより良くしたいという本音で頑張っている人もいるでしょう。
彼らが本音で日本を良くするために表現の自由拡大を必要と思い、自分の意見が正しい自信があるならば、国外で日本を批判し、国連勧告等(世界で自由度の順位を下げたと誇らしげに言うのではなく)に頼らず、国内できちっと自説論拠を説明すべきです。
「ダメなものはダメ!」とか、「窮乏を極めて」「軍靴の音がする」「戦争法案反対」「格差社会反対」など根拠ないスローガンだけ言いっ放しでなく、根拠とその効果(反対の場合どうやって国を守るのか)をきちっと説明すべきです。
革新系政党や文化人の従来の主張をそのまま実現した場合、日本にとって不利な結果になるような主張ばかり・「たまたま間違うなら分かるがいつもそう言う結果ばかりとは何なの?」という評価を生み国民の信頼を失ってしまったのです。
何かと言うと、「国民大多数の声を無視して・・」という決まり文句ですが、選挙の結果や世論調査の結果によれば実態無視ですし、そんな根拠のない主張よりは、自分の主張の方がどのように優れているかの説明すべきです。
市民・個人として表現の自由の価値をどうやって測るかといえば、所属社会との関係でいえば、敵対国・敵対競争企業から金をもらったり便宜を図ってもらっていないかの問題は、重要・表現の信頼性に関わるでしょう。
役員でも弁護士でも裁判官でも、利害関係のある人が決定から除外されるのは当然のルールです。
相手企業からお金をもらっている人が、その企業との競争でどうすれば勝てるかの意見を言っても信用できないでしょう。
ところが政党/政治団体の場合外国からの寄付受領禁止の政治資金規正法の縛りがありますが、個人や学者メデイア関係者がどこの組織に属していようと、どこから金をもらっていようとどこの異性と付き合おうとも何らの規制がありません。
自制心に委ねてきたのです。
個人(学者も含めて)は資金・給与を誰からもらってもいいし、マスメデイア・報道機関も法規制上の制限がありません。
それは意見が違ってもお互い国のために良かれと思う意見は、「思想の自由市場」で競争させればいいという市場原理を信じてきたからです。
自由主義経済といってもやりたい放題ではなく証券取引法や独禁法があるように、思想の自由市場も暗黙の合意だけではこれを堂々と破る国が出てくると明文のルールが必要な時代が来ています。
弁護士も相手方と関係がある場合の受任に関する規律があります。
日本の国の産業政策がどうあるべきか、国防に限らず、政治テーマには外国と直接間接の利害対立関係が外国からの資金受け入れを禁止されているのです。
言論の自由も政治や経済、教育文化政策が「カクあるべし」という意見は、長期的には外国との競争力を維持発展させるべきかの意見が中心ですから、その種の意見を公表するには中韓等の明白な敵対競争国との関係をはっきりさせてから意見をいうべきでしょう。
今はまだメデイアや評論家がどこの国の広告を載せて大金をもらっていようとも・・責任者や中堅が、どこ国の人と親しくしていようと問題にされていません。
これを良いことにして中国がいいように浸透工作してメデイアや学会・評論家等を支配している現実がいわゆるシャープパワーです。
これまでこの種の意見は「品のない言論」として、ネット空間だけの議論でしたが(私も遠慮がちに間接表現しか書けませんでした)、今や欧州の大手メデイアがメデイア自身の信用維持・・自己防衛のために意見表明せざるをないほどの差し迫った脅威になって来たことが、エコノミスト誌の記事から推測されます。
規制がないとはいえ、表現の自由の重要性は、「自由な発言が社会を良くするのに資する」というのが核心的利益であって、(言いたいことを言えることは個人の幸福追求権の最たるものでしょうが・・)「自国の権利を害して他国の利益を図るために憲法で保護されている」のではありません。

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