外貨準備の真実1

マスコミとこれに受けの良い文化人(安倍政権もそう主張していますが・・)が何かあると直ぐに失われた20年とか言って、如何に日本経済は駄目かとバカの一つ覚えのように合唱してきました。
これに対する批判を April 21, 2013「紙幣供給量増大と減価3(新興国への影響1)」その他で繰り返し書いてきましたが、ここ20年ばかり有事の日本円買いの動きが世界の主流になっていることだけを見ても、実際には日本がこの間に着々と確固とした地歩を築いていたことが分ります。
工業品に限らずアニメや各種お宅文化、スポーツその他ものすごく幅広い分野で裾野から日本文化・価値観が世界を席巻ししつつあることは周知のとおりです。
グローバル化によって組み立て産業で輸出するのは無理になったので、最終組み立て加工は人件費の安い後進国に委ねて殆ど全ての分野で精密部品・炭素繊維など素材に特化して活路を見出して来た成果が現れて来たのです。
今では最終製品の出荷額で競っても意味がないのに、これにいつまでもこだわっていたパナソニックや家電業界が行き詰まっています。
これからは日本文化の粋である、きめ細やかなシステムマチックな能力・・部品+システム運営能力を含めた総合輸出の時代でしょう。
最終製品出荷ではなくなったので目立ちませんが、じっくり足腰を鍛えた20年の結果、世界のマスコミあるいは中韓政府が如何に日本はもう駄目だと言おうとも、有事の日本円買い=世界一安定した経済力のある国は日本であることは否定出来ない事実・世界の経済界での常識になっているということでしょう。
経済が行き詰まりかけている中国は頼るとすれば、日本しかないのを本心では知っている・・・日本に重しを着けて欲しい状態に追い込まれています。
ところで、困れば困るほど居丈高になる傾向がある点は、韓国政府や北朝鮮と中国政府も同じです。
(中国は国民の層がもう少し厚い・・いろんな民族の集合体である分感情の表出が緩和されるので、朝鮮民族みたいに激しくはないとしても・・大同小異の精神構造です)
「弱いなら卑屈になれ」とは言いませんがどうして謙虚になれないのか不思議ですが,(謙虚さと卑屈の区別がつかないのでしょう)朝鮮と漢民族は異民族なのにこのような共通項が何故あるのか今のところよく分りませんが、劣等意識の強固さの裏返しかも知れません。
ここ数年目立ってきた中国の対外強硬・膨張姿勢は、困窮度進展あるいは北朝鮮同様に弱さ・苦しさの裏返しとして理解すべきではないでしょうか。
 外見上は、国内総生産が世界第2位になったので威張り出したと受け止められていますが、実は逆でしょう・・。
苦しくなったから焦って虚偽データを積み上げて巨額貿易黒字や外貨準備を誇張して、GDPも日本を追い越して世界第2位になったと発表して空威張りする必要に迫られた可能性の方が高いように思われます。
ただし、以上は中国の巨額外貨準備に関するこれまでの発表が、実は張り子のトラだったとした場合の話です。
相手のある貿易収支でさえ10倍単位で数字の合わない対国別黒字を発表して平然としているような国ですから、外貨準備になると言い放題です。
元々どこの国に対していくら持っているとか、金銀の保有比率その他を公表しないのが世界中の外貨準備発表の原則ですし、例えば中国が日本やアメリカに対して1兆ドルの債券や株式を持っていると公表しても、誰もこれを確かめる方法がありません。
例えば日本国債の国内保有比率が95%と言っても、実際には国債を保有している生保や国内金融機関の外国人の実質保有株式までは分りません。
特定産業等に対して(例えば電波法で)外国人保有や一定比率以上の株式保有者の届け出義務を課していても、周知のようにいろんなフアンドや他人名義形式での株式や債券保有が可能ですので、真実保有者がどうなっているか実際には分らないし、小口分散の場合なおさら分りません。
まして民間では一々自社の取引先や債権者の国籍を報告する義務もありません。
たとえば日本やアメリカ政府が同国内にある銀行預金・国債公社債その他全ての合計で国別統計を取って形式名義上の上位10位まで発表してその中に中国があれば、少なくとも形式名義上中国の対アメリカに対する債券が分りますが、そんな複雑な調査はどこの国でもやっていません。
ですから、どこの政府の外貨準備の公表も自分で好きなように言っているだけですから、その政府発表に対する日頃からの信用次第となります。
中国はこれまで欧州危機に際して、IMFやギリシャ等に出資しそうなことを偉そうに言うものの、結局1銭も出さないで終わっていることから見ても、本当に自己資金があるのかな?と言う疑問が現実化してきます。
(「その内日本から援助資金が入ればその一部を流用して回してやるよ!」と言う程度の強がりを言って来たのかも知れません。)

 

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