モラール破壊11(根っからの民主政体の国・日本)

道義が衰退してお互い性悪説に凝り固まっている社会・・頼るべき価値観のないことから、目先の金儲け優先・拝金社会で、しかも金儲けのルールすらないのが中国ですから、金にさえなればミルクに毒を入れてでも金儲けしたいという行動が頻発する社会になります。
勿論他人のため・・そのまたずっと外側にある町を綺麗にしたりどう言う因果関係があるのか簡単に分らない空気や水を綺麗にし樹木を育てる(よりは、金になると思えば日本の援助で植えた樹木を切ってしまう)・・環境にお金を使うなどは、毛頭考えられません。
中国では政府幹部からして環境が破壊されれば・空気が汚くなれば自分は大金を持っているので、綺麗なところに率先して逃げ出せば良いという価値観・・「裸官」が普通で公徳心などまるでない状態です。
政府首脳陣とこれを支える階層からして国のために政治をしているのではなく、私益のため政治をしていることがこの動きからだけでも分ります。
アメリカもその土地に用がなくなれば住んでいた町を気楽に棄てて行く・・ゴーストタウンにすれば良いというのが基本的生き方ですから、その土地にしがみついて飽くまでその土地を良くして行こうとする価値観がありません。
ガソリンがぶ飲みの大型車を好み、環境負荷に対する認識が低い・・広大なアメリカ大陸の環境を破壊し尽くして来た歴史を見ても、アメリカ人の意識は中国と似ています。
環境破壊を何とも思わない社会とは,畢竟するに社会・公共に対する責任感が育たない社会であり→犯罪者が増えるのは当然です。
日本社会では、全ての仕事やスポーツ・儀式が掃除に始まり掃除で終わるのとは大違いです。
ちなみに我が国では、王朝時代と言われる平安時代も合議制・・下から順次意見を吸い上げる仕組みでしたし、鎌倉幕府〜江戸時代(たまに大老政治がありましたが・・)も、即断即決を尊ぶ戦国武将の軍議でさえ原則合議制でした。
昨日のコラムでも書いたように縄文の昔から、あるいは卑弥呼の時代から国家に似た組織が出来始めた昔から、上からの一方的押しつけではない我が国のボトムアップ方式は、日本民族の髄まで染み通った精神ですので、この方式を変えられません。
以前から書いていますが、我が国の民意くみ上げ型社会は西欧の民主革命以前の古代からもっと進んだ民主的社会でした・・・西欧の市民革命などが必要な社会はわが国よりは2〜3周回遅れの社会であって、自慢するようなものではありません。
西洋の国民主権というのは選任手続きに民意を反映するだけであって、一種の擬制・フィクションであって、権力さえ握れば、エリート=権力者が上から一方的に指導する社会本質である点が変わりません。
我が国では古代から現在に至るまで文字どおり民意で行う政治・・政治家は世話役であって国民を偉そうに指導するものではありません。
西欧かぶれのマスコミは、トップダウン方式の諸外国に比べて我が国企業の意思決定が遅いと批判する原因でもありますが、2〜3周回遅れの西洋方式を学ぶのは一見進んでいるように見えるだけであって遅れた制度を間違って習うことになります。
私は時間をかけて総意を形成してみんな納得してから実行して行く、日本の方式で良いと思っています。
信長が一時独裁政権を作ろうとしましたが・・本能寺で倒れましたし、我が国では、古代から専制君主制あるいは独裁制になったことは一度もありません。
こうした民族固有の歴史から、大統領制に馴染まない・・内閣制になっていることを06/05/05「イギリスとフランス革命の違い2(大統領制と議院内閣制1)」前後のコラムで書いてきました。
韓国は内閣制の日本統治下にあったのに、独立後直ぐに大統領制を採用しているのはこうした専制君主制しか知らない・・歴史の違いです。
台湾は日本支配以前にはどこの統治下にも入った歴史がなく、専制君主制の歴史がないのですが、日本から独立と同時に総統制になったままですが、これは専制君主制しか知らない中華民国軍(国府軍)が入れ替わりに占領したらそうなったものです。
ただ国府軍占領まで専制君主制の歴史がないことから、台湾人は中国本土のように何でも政府の言いなりになることはありません。
歴史の違いでしょうし、実質異民族支配ですから国府軍も現地人に対して遠慮のある点が影響しているのでしょう。

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