海外収益の還流持続性3(中国の場合)

中国政府は今のところ外資導入が必要なので黙っていますが、国内産業・人材が成長して外資と競合するようになれば、この主張が大きくなって・・政府がその気になれば直ぐに大規模デモになって・・現実化するでしょう。
当面最低賃金の引き上げや法人税率・社会保障その他の企業負担(事業所税や固定資産負担など)を引き上げて行けば良いので簡単です。
昨年から問題になっている短期滞在者に対する年金支払義務化もその一環です。
数年〜5〜6年しか駐在しない日本人は年金を払わされるだけで将来もらえないことが明らかですから、(どこの国でも年金受給資格としては一定期間以上の掛け金が必要です)社員は給与から天引きされる・この間の日本国内での年金受給期間が空白になると困るので2重に掛け金を支払わなければならないし、企業は半分負担させられるし・・「中国人を雇わないと損するぞ」という脅しです。
昨年来のギリシャ・欧州危機の結果、欧州からの投資が減って中国は今では資本不足に陥って、上海株式市場も人民元相場も大幅下落しています・・まだまだ自前の資金・技術が足りない国ですから、今のところまだ海外からの投資が欲しいので、年金加入強制実施が先延ばし(地方政府に一任する形式で)になっています。
技術は資本とともに入って来るので、技術を身につけるには企業進出=長期資本投資を求めざるを得ないのが今の中国であり新興国です。
サービス業を例にとれば、国民が接客態度その他を身につければ、将来的に外資が邪魔になってくるので、こうした形で、次々と日本企業を邪魔にし始めるのは目に見えています。
5月3日の日経朝刊では、中国の人件費が2割前後も上がって来て、生産基地としての魅力が薄れ、今後は消費地=市場対象国としての評価になって来ているという大きな見出しが出ています。
現に最近の中国アジア等への日本からの進出企業を見るとコンビニ系を中心に販売業種の進出が盛んです。
こうなると中国にとっては、輸出減・国内生産業が過剰になって来るので、製造系外資は邪魔になって来るのは目に見えています。
中国にとって外国資本は中国国内に投資してくれて輸出で稼いでくれる限り意味があります。
外国から進出した企業から技術を学んだ従業員が独立した国内民族資本で輸出出来るようになったり、外国資本の生産品の輸出が鈍化すれば製造系外資は邪魔なだけです。
デパート・コンビニなど内需型で稼ぐ産業の場合、日本的サービスが身に付きさえすれば何かと嫌がらせをして追い出しても、同レベルに達した国内企業・人材が入れ替わるだけで損がありません。
実際このような状態になって来ると競争激化で、収益率が低下するのが普通ですので海外からの投資収益の回収率自体が低下して行きます。
従業員のレベルが外資でも民族資本でも同じようになれば、外資は民族資本に太刀打ち出来ません。
外資がよその国に進出してやって行けるのは、技術レベルに格段の差がある場合に限られます。

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