資源+生産力から消費力アップへ2

タックスヘイブン・マネーロンダリング禁遏策が世界的テーマになって来た背景は、徳川幕府財政が米中心課税で行き詰まった結果・・時々豪商に対して理不尽な冥加金取り立てや身代限り・・取りつぶし・没収に頼ったのと同じです。
アメリカが懲罰と称してフランスの(バリバだったか?)銀行に1兆円規模の罰金を取り、イギリスのライバー不正で巨額罰金を取り立てているのは同じ発想ですが、狙い撃ち的徴収は恨みを買います。
中国の場合、国民が困っていても「共産党政府赤字は大したことがないから・・」と豪語していますが・・・。
共産党政府は中国地域民族のための政府ではない・・共産党の個人経営・・(国民が苦しいかどうかは気にしない)民族を乗っ取ったギャング集団としては、懐にはまだ余裕があると言う開き直り(中国贔屓のエコノミストがそのように紹介しているだけ?)ですが、そうは言ってもギャング集団に対する抵抗を緩めるために治安警察強化ばかりではなく少しはお金を支配下民族に配って不満緩和を図るしかないのが現実です。
支配民族に金を配ってうまく行くならばもう少し餌を配るのも良いが、いくらつぎ込んでも駄目と分ればこれまで搾取して得た資金を持って海外逃亡した方が良いか!とギャング特有の気持ちの現れが(海外に巨額資金と家族を逃がす)裸官と言われる支配層の行動です。
M&Aで買収した企業で何年間でかなり儲けたが最近ジリ貧・・赤字傾向となった場合、親会社としては売り逃げるか、もう少し資本注入するかの判断基準と同じです。
日本の場合に当てはめると、徳川幕府の財政赤字は民間資本の発達に徴税システムが追いつかなかった結果、赤字になって行ったのと同様で、現在日本の場合も国民・社会が経済的に困窮しているのではなく、民間資本は健在です。
※ 日本の場合単年度金銭収支の国家財政が赤字になっているだけ・・取得した固定資産価値を乗せない変な計算です・・これを上回る巨額の経常収支黒字が何十年も続いているうえに、個人金融資産が増える一方です。
個人が豊かですからこの辺がアメリカや諸外国とは基本的に違う・・江戸時代に庶民が芸術を楽しみ豊かな生活をしていたのに武士だけが困窮していたのと同じです・・エコノミストは海外の議論を紹介するのがやっとで目の前の現実を見る能力がないのか現実無視した議論をしているようです。
熊本地震でも明らかになっていますが、大切な子供のいる場所の安全・・小中学校を耐震化工事していても役所の建物まで手が回らなかった・・これが日本と諸外国との基礎的違いです。
日本では、危機が来ると先ず自腹を切ってでも地元民の救済に動くのが有力者の本来的行動です。
アメリカは消費拡大のために双子の赤字が続いても、ドルの切り下げで対応すれば良いと言う基軸通貨国の地位を悪用して来たことになりますが、「大き過ぎて潰せない」と言う論理と同様でいつかは無理が来ることを大分前から書いてきました。
移民受け入れ政策は「労働力不足の穴埋め」と言うのは格好付けであって、本音は人口増による総購買力増→発言力強化です・・1昨日の夕刊にメルケル首相の本音・・難民が来た結果、消費が増えているメリットがあるという発言が紹介されています。
移民に対する教育・治安コストその他消費能力を誰が負担するかの議論・財政赤字の拡大が隠されています。
移民=人口増で国全体の消費が増えますが、移民=言語能力不足=未熟練労働力が普通ですから底辺増=格差社会になり治安も悪化します。
アメリカは大量消費市場を武器に競争する限り、中国、インドに負けないように?移民増加を図って人口増加して行くしか国力維持策がないようですが、その結果移民=非熟練化=低賃金化・・格差拡大が進みますので痛し痒しです。
格差・財政負担増がイヤならば日本のように移民増を防ぐしかありません。
人口増による発言力強化を求める政策の場合、移民禁止すれば人口増=消費・購買力拡大が止まる→国際的影響力が縮小します。
移民受入れ反対・・日韓等の海外駐留軍を廃止→その分発言力縮小を容認するならば、次期大統領候補トランプ氏の主張は一貫しています。
世の中は2項対立ばかりですっきり行かないのが現実ですから、余計な発言もしたいけれども費用負担はイヤとなるのが普通です。
結局は、「もっと費用負担しないならば言うことを聞け!」・・「移民受け入れる代わりに◯◯を聞け」と言う開き直りのスタンスになるのでしょうか?
トランプ氏はどーんと強烈なことを言って面食らった相手に妥協させる商売のやり方らしいですが、実は幕末ペリー提督以来の強引な砲艦外交そのままです。
トランプ氏は、国民のストレスに対する迎合から国際費用負担や移民問題を2択的に持ち出していますが、結局は元の議論・・中東、欧州その他アメリカ軍駐留地域のアメリカの負担に応じた発言力はどの程度であるべきかの地道な議論に戻るしかないでしょう。
鳩山政権がすっきり分りよく「少なくも県外へ・・」と言うスローガンの実現に政権獲得後困ってしまい、結局は地道な交渉に戻るしかなくなったのと同じです。

資源+生産力から消費力アップへ1

世界が無視出来ない購買力は人口×一人当たり消費力ですが、アメリカの一人当たり消費力がジリ貧になって来ると、アメリカの発言力が中国並みに人口数で勝負するしかなくなります・・そうなると中国、インドとどう違うかです。
コクミンのための政府であるならば、コクミン一人当たり購買力を増やす・・基礎的能力・所得アップが本来ですが、それが困難なので安直に出来る移民受入れ=逆に基礎的能力低下政策・人口増で対応して来たのが欧米諸国政府です。
日本はニッポン民族のためにあるのですから、移民・貧しいコクミンを増やして基礎的能力低下を見ないことにして購買力を武器に海外で威張る・・中国や欧米の真似をするのに私は一貫して批判してきました。
西欧諸国は移民受け入れによる消費人口を増やす政策→所得不足分を貸し付ける・金融政策でやってきましたが、その咎めが出て来たのが昨今のテロ増加現象ですし、アメリカの格差拡大現象もその根っこは共通です。
アメリカが資源+工業力ミックスの成果を享受出来たのは第二次世界大戦前後がピークで、その後は勢いだけで戦後70年も持ちこたえて来たのは、消費人人口増加政策=移民受入れ政策によるところが大きかったと思います。
私が世界情勢に関心を持った中学時代(1950年代初頭)の記憶ではアメリカの人口は約1億5000万人でしたから、約3億の最近の人口は約2倍です。
1980年以降しか出ていませんが、以下はhttp://ecodb.net/country/US/imf_persons.html世界経済ネタ帳からの引用です。

年 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989
    227.62 229.92 232.13 234.25 236.31 238.42 240.59 242.75 244.97 247.29
年 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999
    250.05 253.39 256.78 260.15 263.33 266.46 269.58 272.82 276.02 279.20
年 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
     282.30 285.22 288.02 290.73 293.39 296.12 298.93 301.90 304.72 307.37
年 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
     309.76 312.07 314.39 316.70 319.13 321.60 324.33
単位: 100万人
※数値はIMFによる2016年4月時点の推計

先進国に限らず韓国や中国上海でも、中所得以上になると出生率低下に悩むのが共通ですから、アメリカに限って人口が減るどころか増えているのは若者で且つ低所得層中心の移民によるものと考えられます。(いわゆるワスプの人口比率は急減している筈です)
この間、一人当たり国民所得がそれほど下がった訳ではありません・・国家全体では石油メジャーや金融資本家の所得が多いのですが、資本所得は一般コクミンに還元されないから中国など底賃金国との競争で、工場労働者等の賃金が下がる一方で多数を占める庶民の購買力が下がる一方になります。
一人当たり購買力が半分になっても人口倍増になれば合計が同じですから、アメリカは工業力の空洞化(中産層の没落)所得減→購買力減の穴埋めに貧乏人でも・・人口増で対応して来たことが分ります。
この場合格差拡大→庶民の購買力が下がり続けるので、福祉(失業保険やフードスタンプ等)社会保障関連の財政支出増+消費者金融による購買力下支えシステムが併用されます。
社会保障政策だけでは財政が持たないので、消費者金融による穴埋めが盛んになり・・この頂点が(我が国ではサラ金地獄が社会問題になりました)サブプライムローンでした。
サラ金問題最盛期の03/24/09「消費者信用と社会福祉1」以下でサラ金問題は社会保障不備の問題であると書いたことがあります。
他方財政赤字に関して言えば、クロヨンと言われるようにサラリーマンに対する徴税は簡単ですが、資本所得の徴税はタックスヘイブンなどがあって難しいので、財政支出増加に直面しているのに逆に主な徴税対象であった中間層の激減は国家財政には脅威です。
これが国家経済的にはアメリカでは1980年代以降長年、双子の赤字が議論されて来た基礎状況でしょう。

消費税増税延期と国債信任(マスコミ報道の中立性)2

1昨年日本が衆議院解散によって、税率アップしないことに決まった結果、(格付け会社がすかさず格付けを引き下げたのに対して)国債市場においてこれに反して直ぐに日本国債の価値が上って金利下げに転じているのですから、「消費税増税は日本経済にとってマイナスである」と、市場参加者多数が考えていたことを証明しています。
その後中国発の経済危機が起きてもなお、現在まで日本国債の市場評価が上がり、金利が下がる一方ですから、格付け会社の判断が間違っていたことが短期的にも中期的にも証明されています。
エコノミストや日本のマスコミ・・日本マスコミに頼まれて?これに付き合っている世界のマスコミ界、IMFなど国際金融機関係者も大恥をかいた状態です。
ちなみに国際金融機関の意見と言うと何となく有り難そうですが、日本財務省の窓際族が(国益を守るために?)出向していて、本省の言うとおりに発言・・IMFはこれに基づいて日本関係の発表を行なうことになっているようです。
この辺は,NGOによる「援助交際」問題に関連して国連報告ってどうやって出来上がってて行くのかに関連しての連載中だったのですが、今は先送りになってますが、その内にその続きを書きます。
事件相談者にも・・「みんなが言っていると言う」人が多いです。
マスコミやNGO例えば、慰安婦報道を朝日新聞が拡散しておくと、外国マスコミは実態不明のママ朝日報道を前提に報道する・・それを朝日が世界中でそう言われていると利用すると言う巧妙なトリックです。
増税先送りが決まると直ぐに日本国債相場が上がったのは、市場参加者間では増税すると日本経済が大変なことになる→国債の売り=金利アップを予定しており、増税先送りで破綻リスクがなくなると考えて買い判断に動いたことが明らかになりました。
市場参加者の大多数の腹は、増税は日本経済に中短期的にマイナスと決まっていたことになります。
市場意見の大勢がそうなっていたとすれば、これをエコノミストやマスコミ関係者が一人も知らなかったのはあり得ないことですから、中立を要請されるマスコミとしては、両論を紹介すべきだったことになります。
いつも書いていることですが、マスコミの中立性違反の根深い体質がここにも現れています。
財務官僚はIMFにまで手を回して増税に向けて意見表明させていた・・先送りが決まるとすかさず失望意見を出させていたように記憶していますし、国際格付け会社の引き下げが決まるなど・・財政当局やマスコミの努力には敬服?しますが、「市場のことは市場に聞け」と言う格言どおりに、市場の意見が正しいことを基準にすれば、増税して日本経済を破綻に導く方向だったことになります。
日本経済を破綻方向へ誘導しようとする官僚やマスコミってどこかの国の手先か?・・日本を潰そうとしているのか?と言う議論が起きて来るのは当然です。
世界中のマスコミと談合を繰り返して国際世論を形成しても、市場の実際の評価がこんな噓(裸の王様)を問題にしていないことが、増税先送り後の国債市場での金利動向や円相場・・経済大波乱→「有事の円高ドル安」現象にみてとれます。
慰安婦問題の世界拡散運動やアメリカ主導の日本悪玉論・・これに迎合する日本メデイアによる日本の評価を貶めるための流布活動に関しては、国債のように国際市場による民主的チェックがないので、国際マスコミが談合している限り当面化けの皮がはがれません。
米国をバックに日本マスコミやいわゆる文化人・・中韓などが日本批判を繰り返す・・世界マスコミ支配している勢力が世界中に流布させている噓を覆せないのが苦しいところですが、その代わり長期間でいつかは真実が明らかになると言うのが我が国の信念がいつかは日の目を見るときが来ると祈るしかありません。
何回も書いているように、日本では数百年〜千年単位後の名誉を重んじる国・社会ですから、噓はいつか絶対にバレルと言う信念です。
アメリカが軍事力をバックに強制して来た虚構の歴史が70年の経過で、アメリカの軍事力のかげりに合わせて中東での収拾のつかない混乱→難民急増→EUのきれいごとの破綻、アジアでは日中韓の対立等々で、全ての分野でいよいよメッキが剥げ始め・・アメリカによる虚構の歴史観の終焉が始まりました。
・・新しい秩序=古代から培って来た日本の万物に対する愛に満ちた世界観がアニメその他を通じて世界に広がる始まりを感じている国民が多いのではないでしょうか?
韓国では、自国歴史までファンタジーで塗り固めていることが知られているとおり、虚構の歴史に最も単純に反応して来た優等生?であり、これをしたたかに利用して来たのが中国(利用しているだけなので、ヤバいと思えば、方針変更も気楽)です。
戦後秩序がアメリカ・ユダヤ系マスコミの虚構によって成り立っていることをアメリカやユダヤ系は自覚しているから慎重でしたが、アメリカの支持さえあれば何を言っても良いと単純に信じている韓国が遣り過ぎたことによって、(日本の協力を必要としているアメリカが、さすがに韓国の主張を応援し切れなくなった・・)却ってアメリカが営々と構築してきた戦後秩序の虚構性が暴露される切っ掛けになってきました。
中東ではイラク戦争に始まるアメリカのやり過ぎの限界が出て来て・・中東の混乱を鎮められないアメリカの軍事力低下→難民の急増が西欧でも戦後秩序の混乱が始まっています。
消費税増税に戻しますと、マスコミやエコノミストの言うとおり、増税しないと財政赤字の日本が大変なことになると言う脆弱性があれば「危機時に円高になる」筈がありません。
7年半前のリーマンショックや今年初めからの為替相場の動き・金利動向を見れば、日本が世界一安定した経済状態にあることが証明されています。
論者は中短期の見通しではなく長期的に大変ことになると言うのでしょうが、では格付け会社が40年も50年も先のことで何故即時に格下げしたの?と言う疑問に答えられないでしょう。
格付けは、50年先に買う人のためではなく、今買ったり売ったりする投資家の参考にするために格付け・評価するものです。
人によって100年先〜50年〜1年〜半年先喉の時点・・そのときに今の社長が辞めているとか世界情勢がどうなっているなど全ての要素を織り込んでその内のどれを重視するかはその人の勝手ですが、いろんな要素基準で考える人が多く参加して市場価格が決まって行く・・いずれにしても将来を見越して現在の価値を決めて行くが評価・格付けと言うものです。
すなわち、100年さき、5年先でも人によって何を基準にするかは市場参加者の勝手ですが、市場参加者が無数の可能性を織り込んで、結果的に今・現在の価値を決めて行くのが市場です。
コネや義理に左右されない市場が1昨年から現在までに日本国債評価が下がっていない事実こそが重視されるべきです。

消費税増税延期と国債信任(マスコミ報道の中立性)1

マスコミによる失われた20年論の外に、慰安婦問題で如何に日本評価を貶めるかに腐心していたことが明るみに出ましたが、昨年末から問題になっているNGOによる日本の児童買春が如何に酷いかの世界拡散努力などで、あらゆる分野で日本が如何に道徳的に劣っているかや、もう日本は駄目だと国際的に悪宣伝している様子です。
1連のマスコミ世論によると、イザ国際経済危機が来ると、危機時に世界一脆弱な日本円が暴落しなければ辻褄が合わないのですが、「危機時の円高になる「珍?」現象をマスコミが隠すことも説明することも出来ません。
日本マスコミが世界のマスコミを籠絡して日本駄目論を如何に展開しようとも、(自分の意見を世界に拡散しておいて、これを引用する世界のマスコミや国連報告を再引用して、国連でこう言われていると自分の意見の正統性を確保するやり方)為替市場を見れば、事実に基づかない限り裸の王様のようなものです。
裸の王様がくしゃみをしているのに、なお裸であることを認めない・・イソップ童話の先を行っている状態ですが、市場の判定を無視して・・日本株安=アベノミクスの失政と批判するばかりです。
(経済現象の見方は、多種多様にあるべきなのに、そろって「失われた20年論=日本駄目論」を私はこのコラムで孤立無援?でこれを繰り替えし批判して来ましたが・・日本は大変だ大変だと煽る論調に対する迎合論文ばかりで異論が1つも出ないこと自体が学問の世界として異様で、信用出来ません。
マスコミに採用して欲しいエコノミストは・・中韓で流布している日本沈没論的論調・・に合わせない限りマスコミに採用されないから自己正当化のために自分の内心の考えまでそれに合わせてしまう・・仮面化・迎合するしかない状態に陥っているのでしょうか?
恥ずかしいことです。
日本マスコミを震源とする世界の一致した日本低評価論にまんまと引っかかった中韓が、日本を見くびって反日で中韓急接近したのですが、今回の波乱局面では日本の実力が明らかになって、日韓スワップ協定再開の必要性を実感していますが、今更日本の援助を頼み難くて困っています・・自業自得です。
日本マスコミは、反日だと言う意見が多いですが、外敵に日本を見くびらせて陥れる遠大な策略を弄していた本当の愛国組織だったと言う評価が後世でて来る可能性があります。
人民元下落の危機で世界が大混乱に陥っているのに、信用下落の震源地になっている人民元とのスワップで何を保障してもらおうとしているのか?子供にも分ることですが、韓国はマスコミ報道をそのまま信用したのか?反日に猛進して日本との協定を放置して中韓スワップ協定で安全と妄信してしまったのですから喜劇です。
企業信用で言えば、金持ちとの相互保障ならば、信用力が高まりますが、倒産直前企業同士で相互保障しても意味がないのは当然です。
だからこそ、個人でも金持ちや有力者と親しいのが自慢になるし、貧困者と親しいと自慢する人はいません。
世界中が日本を頼りにしている・・、TPPに限らず、今や日本の信用を抜きにしてアメリカは指導力を発揮出来ない状態が起きています・・この辺は、日本の補完作用として昨年から、連載中でしたが、そのうちそのテーマに戻ります。
こう言う主張は私の個人意見でしかありませんでしたが、今回アメリカの金利上げに伴う動乱に際して日本円だけが上がる実態から日本の実力が(縁故や政治工作によらない)市場で証明されました。
未だにマスコミは世界に流布させて来た日本経済破綻論・・もう日本は駄目だ・・先がないと言う日本の評価を下げる方向で頑張っています・・。
この説明のために株価が下がったじゃないかと言い、格差拡大・・生活保護受給者が増加していることを傍証にしたいのか?・・・・地方や弱者に好景気が波及していないと言うお決まりの批判です。
好景気は時流を先取り出来た(技術革新に成功したり経営手法革新)企業群から始まり、これに適応して製品対応出来る下請け企業関連から始まるのは当然であって、旧態然とした企業の多い地方に即時に波及するのでは、逆に技術革新に遅れたゾンビ企業の温存になって日本の将来にマイナスです。
コンビニのような身近現象を見ても、都会から始まり地方へ順次波及して行くのには何十年もかかっています。
好景気になってから半年〜1年経過で地方に波及していないないと言う批判は、外国に出掛けて1年後に帰ったお父さんが妻に対して「家を出るとき10歳だった子供がまだ20歳の働き手になっていないじゃないか」と批判しているような議論でしかありません。
モノゴトには一定の時間が必要なことを無視した議論です。
好景気と言うが実質賃金が下がっていると言うマスコミ論調が続いたときに、批判意見を書きましたが、多忙になると、正規雇用をすぐに増やさずに非正規から臨時採用が始まるので、労働者全体の平均賃金が逆に下がることを書きました・・最近私の批判が効いたのか?「実質賃金が・・」と言う誤ったマスコミ・エコノミスト主張が急激に減りました。
無職の人が働けるようになった・・既存末端パート・アルバイトの労働時間が増えることから始まると言うことは、弱者から先に恩恵が広がっていることを表しています。
マスコミはこの実態を逆に平均賃金が下がったと繰り返し主張していたのですが、私の批判によれば、最低弱者の収入底上げが進んでいることが裏付けられますが、未だにアメリカに存在する格差問題が日本でも広がっている・・自分で社会実態を見る能力がなく・・欧米の意見をそのまま主張すれば良いと言う戦後思想の姿勢?で格差社会の旗を掲げたままです。
このようにマスコミは特定立場で?いつも日本を悪く書けば良いと言う基礎的姿勢があります。
国際格付け会社が、1昨年の安倍政権の消費税アップ先送り決定時に日本の財務省やこれを応援するエコノミストの意見に副うように、日本国債の格付けをイキナリ引き下げましたが、その直後に増税先送りを好感した債権市場で日本国債の人気が上がり実効金利が下がってしまいました。
この結果、・・・「格付け会社って誰に頼まれてやっているんだ!」と評判になりました。
リーマンショックのときにその原因企業が直前まで高格付けだったことが問題になっていましたが、顧客の注文どおりの意見を書く、格付け会社が何のためにあるのか不明と言う状況になっています。
格付け会社よりは、今ではCDS実効金利(保障金利)相場が実際の市場格付けになっているでしょう。
不動産鑑定が実勢相場を表さないことは常識で、融資や企画立案の実際には行員の市場調査によっているのですが、イザ稟議になると役員の責任回避のために無駄な不動産鑑定を経由するのが普通です・・。
今の格付け会社は財務省やマスコミの・・顧客の意を受けた、不動産鑑定書のような形式的役割でしかないのでしょう。
中国のAIIBが国際格付けを得られないと言われていますが、これは国債金融市場を牛耳っているアメリカの圧力によるところが大きいだけで、中国とアメリカの結託・・裏取引次第でどうにでもなるもので(アメリカは基本的に親中ですからいつでも、今タマタマ喧嘩しているだけで、すぐに裏で手を組みますから)安心は出来ません。
真実の債権価値は、金融市場で決まる時代になっていますが、AIIB発足にあたってはなお形式的格付け必要性が残っているので、(企業で言えば実勢価格と関係がないが鑑定士意見書がないと役員会決裁出来ないような矛盾で)中国が苦しんでいるだけのことですから、国際格付けを得られないことばかり大きく評価し溜飲を下げているのは間違いです。

マイナス利回り4(消費信用3)

話題をマイナス金利に戻します。
全く劣化しないように思われる金貨の保管でも、その管理費・・警備その他に年間1%コストがかかるならば、金貨の価値が年1%ずつ(経費として金貨をカジって行くしかないので)目減りして行くべき筋合いです。
ウラン等放射性物質も半減期が長いのですが、その間の保管・管理コストが莫大です。
(結果的に原子力発電は安くないじゃないの?と言う疑問が噴出しています)
種モミのように生産に利用しない限り万物は時間の経過で価値が目減りするのが原則です。
元々お金でも何(家)でも本でも道具でも貸すのは、お願いされて「貸してやる」と言い、「お貸し下さい」と言うように、消費目的の場合目減りを前提としているので貸すのは本来的に「恩恵関係であって」金儲け目的ではあり得ません。
建物に関しては高度成長期以降、ビジネス(商)としての賃貸ビル等が発達しましたが、それまでは、家作と言って余裕のある人が恩恵的に貸してやる(民法の人間)関係でした。
大正から昭和に掛けて出来た借地法や借家法では、借り手を弱者として保護する法律になっているのはこうした現実を前提にしています。
他方で、平成に出来た借地借家法では、恩恵ではなく業として経営する人が増えて来たので、借りる方が顧客として強い場合があることを前提に定期借地権や定期借家制度が創設されました。
スーパーやファミレス等の出店にあたって、1000坪単位の土地を借りる場合、恩恵ではなく、投資資金の運用として土地購入資金としてまとまったお金を使うよりは借りる方が得だからか借りるに過ぎず、企業にとっては一種の投資行動になります。
生活必需品としての土地貸借・消費から投資になって来た分野も出てきました。
農地で言えば企業参入の必要性が出て来て、小作制度復活阻止至上命題の農地法(戦後直後はこれで良かったのですが・・)とは違ったコンセプトに切り替える必要が出て来たのと同じです。
貸金と金融の違いを見ると、消費目的に貸すのが貸金であり、投資資金として貸すのが融資(資本の融通)という棲み分けでしょうか。
種モミの供給のように何かを生み出す資本の融通ならば、元金プラス利回り回収を期待するのが当然ですが、消費目的の貸金は恩恵・・消費してしまう目的である以上、元金回収や利息を期待するのは無理があります。
この無理を通すために親族を連帯保証人にしたり、(黙っていると返せる訳がないので)自ずから取り立てが厳しくなるので余計金貸しは嫌われます。
金貸しが忌み嫌われるのは、消費目的で貸した以上は元本でさえ回収を期待するのは不合理である・・恩恵で(元本の何割かが帰ってくれば上出来)しかないのを承知で貸しておきながら、これを金儲けにしようとしているところに無理があるからです。
返す当てがないからこそ懇願されて貸すのですから、返せないことを知りながら恩を着せて貸しておきながら、満期が来たら鬼に変わって、厳しく取り立てるのでは一種の詐欺みたいなものです。
金貸し(あるいは個人の小金持)に言わせれば「あれだけ毎晩のように来て泣いて頼んだから貸してやったのに・・」返すときになって返さないのは詐欺じゃないかと言い募るのですが、上記のとおり元々返せっこないのが分っていて貸しておいて、満期が来たら約束とおり返せ」という方が、だまし討ちみたいなものです。
僅かの貸金で返さないなら家を渡せなどと強欲な要求する例が増えたので、これらは民法90条の公序良俗違反として無効にする判例が昭和30年代に出そろいました。
その後(無効にするだけでは借金と不動産価格のバランスが極端に違うときだけしか救済されないために、判例による解決には限界があるので)50年代に入って仮登記担保法が出来て不動産を取るときには無効まで行かないときでも借金と清算をしなければならないことが法で決められました。
(この法律は不動産価格がうなぎ上りに上がっているときに意味がありましたが、平成に入って下がる傾向になって来たことと、殆どの人が先順位で住宅ローンによる抵当権が設定されていて超過債務状態が増えたので実際的意味を失っています。)

仮登記担保契約に関する法律
(昭和五十三年六月二十日法律第七十八号)

最終改正:平成一六年一二月三日法律第一五二号

(趣旨)
第一条  この法律は、金銭債務を担保するため、その不履行があるときは債権者に債務者又は第三者に属する所有権その他の権利の移転等をすることを目的としてされた代物弁済の予約、停止条件付代物弁済契約その他の契約で、その契約による権利について仮登記又は仮登録のできるもの(以下「仮登記担保契約」という。)の効力等に関し、特別の定めをするものとする。
(清算金)
第三条  債権者は、清算期間が経過した時の土地等の価額がその時の債権等の額を超えるときは、その超える額に相当する金銭(以下「清算金」という。)を債務者等に支払わなければならない。

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