あいちトリエンナーレ不自由展騒動の得失2(地域エゴ競争1)

米国大統領や中国国家主席の肖像写真を燃やして踏みつけるパフォーマンスに対して政府公共団体が禁止すべきか否かは憲法の問題ですが、補助金を出すか否かはその行為の芸術性の有無が基準ではなく、国際関係等考慮して行うべき政策決定というべきです。
地方自治体もその展示行動が友好都市や国際関係上とどういう結果になるか、地元交通妨害になる程度などの具体的判断すべきで、芸術活動か否かを持ち込む余地がないでしょう。
グランデール市その他の自治体が慰安婦像を公立公園に設置許可するかどうかは政治判断ですので、自治体の法的手続きに違法があるなら別ですが、適法に判断された以上自治権の範囲ですので、日本人グループが司法に訴えたのは手法の間違いです。
個人が自宅にどういう銅像を設置するのが自由なのと同じです。
ただ、銅像設置や自分の親の写真を踏みつけられる映像やパフォーマンスを芸術として補助する自治体や個人に対して不満を持つ人や相手方自治体や国がどういう報復をするかも被害感情を持つ個人や国等の政治判断です。
グランデール市は日本との関係悪化しても良いという政治判断で慰安婦像設置を決めた以上は、大阪市がグランデール市との姉妹都市関係を絶ったのは合理的行動でした。
日本大使館前の慰安婦像設置が相応の報復覚悟の政治行為ですので、日本も相応の報復すべきかも政治判断です。
そもそも芸術や政治活動であれば何をするのも自由なのではなく、名誉毀損すれば処罰を受けるし、通行妨害すればその規制を受けるのは政治活動や表現の自由・憲法論とは関係がありません。
市議会議員が、同一選挙区でしのぎを削る政敵のポスターを日頃挨拶を交わしている近所の家に掲示していれば、興ざめになるのが普通です。
また、政治主張の芸術活動をすれば反対勢力の不興を買うのを覚悟の行動であるべきでしょう。
「芸術を名乗りさえすれば何をしようと勝手だ!」と言わんかのような津田監督側の主張を国民多くが支持したのでしょうか?
不自由展からまだ約1年なので不自由展の騒動が今後の日本の芸術に対する政府公共団体関与にどのような影響が生じるか、旗振り役になった津田氏がどういう立場になるか不明ですが・・。
大村知事と河村市長の確執ではどちらに軍配があがるでしょうか?
政治家は選挙次第ですが、一方は市長選で他方は県知事選で政治次元と選挙時期の違いがあるので選挙テーマもズレる上に、共に自民党推薦?知事、市長ですので、任期満了選挙になると不自由展に対する民意がストレートに出ない選挙になりそうです。
不自由展をテーマにした大村知事に対するリコール運動があるので、リコールによる選挙であれば、テーマが絞られ愛知県民の不自由展挙行に対する賛否がはっきりする良いチャンスのようですが、その場合でも保守系支持層が対立候補の革新系候補に投票するわけに行かず自民党系知事を保守系が推すしかない選挙になって争点と選挙の結果が分かり難くなります。
自民系の知事が超革新的?主張を後押して巨額予算で応援した場合、自民党内保守系では許せないと強く思う人が、かえって、革新系知事候補に投票したくない人が多いでしょうから、選挙は複雑です。
大村氏に変わる保守系候補の準備に十分な時間がないことから、信任投票的リコール選挙はかえって大村氏に有利でしょう。
不自由展をテーマにするまでは大村知事の名前も知らなかったので、今日初めてウイキペデイアで経歴を見ると意外に複雑な行動をとる持ち主で、今回の「とんがった企画期待」発言はその延長上にあることがわかりました。
もともと農水官僚〜自民党橋本派に属した経歴程度しか知らないので保守系そのものかと思うと、橋本派ないに属しながら、対抗馬の小泉氏を応援したり、小泉政権では功労者として優遇されたようですが、小泉政権後の保守混乱時(民主党政権時?)には、愛知県連を敵に回して(当然革新系の応援を受けたのでしょう)突如立候補して県連からの訴えで自民党から除名処分を受けるなど保守系の枠を飛び出したトンガリ系行動力のある人のようです。
結果的に左右両翼の支持をて圧倒得手支持力を誇る独自勢力圏を築いているので、そのうち自民党との相乗り候補になって現在に至るようです。
(安倍総理辞任劇以前からメデイアの行う場外人気・・「総理になって欲しい人の国民人気度ではいつも石破氏ほぼ毎回がトップでしたが、肌感覚とこんなにずれた発表程メデイアの信用を落としている発表が少ないのではないでしょうか?
メデイアの基本主張・「永田町の感覚が国民感覚といかにずれているか!」という洗脳をしたいようですが、いろんな世論調査の偏り以上に、国民感覚と違った自民党内異端派を「よいしょ」する記事ばかりでは、国民感覚とずれていのは大手メデイアではないのか?と思う人の方が多いでしょう。
内閣や党支持率の場合、直後の総選挙結果とあまり違う結果が続いているので、メデイアの世論調査をどうせフェイクだろうと思う人が増えてきましたが、総裁選の場合、永田町の感覚が国民とずれていると言い張ってれば論証する方法がないのをいいことに電波独占している方が言い張っていつも終わりです。
中韓勢力得意の日本人は良いが、安倍政権だけが悪いという主張方法と同じです。
革新系は自民党との真っ向勝負では勝てないので、自民党内の異端的トンガリ系を囃しメデイアとの連携で国民人気を演出する傾向がありますので、大村氏はこれに便乗してウイングを左に広げるのに成功していて、県知事として圧倒的支持率を誇るようです。
不自由展実行はこの傾向をさらに強めたということでしょう。
トルコやイラン等々の地域大国も日本の自治体も同じですが、世界全体あるいは国全体のための政治など気にしないどころか、地域や自治体内の地位確立には全体に反する尖った主張をして地元の喝采を浴びる政治手法が成功する傾向があります。
愛知県(尾張徳川家)は徳川宗家後継争いで吉宗に負けた時から、反中央意識の強い気風が育ち現在に至っていることを総合すると(本当は尾張徳川家の個人的怨念でしかなく民族的被害を受けていないのですが、これを地元政治家は煽る材料しているのでしょうか?)大村知事の尖ったパフォーマンスを喝采する地域素地があるとも言えるでしょう。
愛知県知事としての支持層を広げるには、日本全体で総スカンを食うか否かではなく反中央姿勢をアップし(自民党本部から除名処分を受けるなど)地元支持を広げる戦略が成功しているように見えます。
彼は日本ー愛知の会代表のようです。

タレント発言と炎上2

バラエテイ番組等での炎上パターンには、日頃テレビ局の言いたい本音を99%体現しながら、ギリギリ批判の手がかりを与えないように細心の注意を払っているので、テレビ発言の誘導方向に不満な視聴者に不満を言わせない・つけ込む隙を見出せない不満な視聴者がいっぱい発生している時に、ちょっと一線を超えた発言をした時にいいがかり的な炎上が起きるようです。
女性プロレスラーの場合何が炎上したのか知りませんが、普段の歯切れ良い発言に不満を持つ人がそれだけ多かったということでしょうか。
テレビ局のシナリオ通りの発言であったとしても、テレビ局としては識者の発言をお願いしていたという無責任体制で今の所、形式上まかり通っています。
発言者の個人が炎上したら、そのタレントを外してとんがった発言のとんがり程度を若干控えめにするという微調整ですまし、テレビ局自体の責任がないことになるのでしょう。
沖縄サンゴ礁のやらせ放映に始まり報道会のやらせ体質は変わらないでしょうが、批判対応のためにテレビ局自体が直接報道するのではなく、フリーのジジャーナリストや専門家・評論家・・テレビ局お抱え的独立タレント等を集めたバラエテイ番組系が発達してきました。
何か言い過ぎがあってもその「出演者の自己責任」という切り分けです。
とはいうものの、ぶっつけ本番では話題が散漫になりすぎるのであらかじめ骨格的シナリオを作る→あとは先生方の豊富な識見に基づく自由なご意見を!と放任していたものの言い過ぎないように大雑把な肉付けが増える→それでもアドリブに任せて言い過ぎて炎上しないようにスタッフの事前チェックが入るようになっているのが現状でしょう。
テレビ局としては時々炎上がある方が、どの辺までのとんがった発言が許容範囲かの手がかりになるし、テレビ局本体への直接批判が来ない・炎上したジャーナリスト(フリー)は切り捨てれば良いので実は便利な存在です。
テレビ局自身直接標的でなくとも、テレビ発言等に対する炎上→事実上テレビ局側の運営(局ごとの傾向が顕著なので)に対する不満表明でもあるでしょうから、気になる点は同じですので、マイナス反応する方を悪者扱いして非難Twitterを控えるべきという論がネットで出ているのは、結果的にメデイアの主張に反対するな!という効果を狙う旗振りのようです。
メデイアの主張をフリーにやらせている以上は、個人のフリージャーナリスト等が標的になるのは仕方ないことでしょう。
もともとベトナム戦争頃頃から現地報道記者の生命危険に対する補償リスク回避のために目立っていた外注化の傾向が、国内でも政治リスク回避目的の外注化が浸透してきたと言うことでしょう。
石垣参議院議員に戻ると、政治家の場合発言内容に対する事前チェック組織をテレビ局のように備えていないので、思いつきTwitterを発するとリスク管理のない分に比例して炎上リスクが高まります。
非難の殺到は、「病気と闘う人に対する・・」という正論で攻めていますが、日頃の「とんがった」?発言(石垣議員自体を知らなかったのでどういう発言で有名になっているのか知りませんので想像です)に不満を抱いている人が攻め口を見い出したということでしょう。
(彼女の支持者は、困ったなと思っても、炎上の拡散に加担しないでしょう)
以上を見ると政治家は国民の関心事について政治発言を抑制すべき!というのは正確ではなく、政治家は本筋から離れた炎上されないように慎重にリスク管理すべきですが、政治発信を抑制すべきというのは本末転倒です。
発信を抑制するしかないようになれば、政治をやめるべきです。
質問されて答えない場合も答えない政治責任があります。
国家規模の影響力ノアある政治家の場合記者会見で質問ですが、若手政治家の場合地元支持者の政治姿勢に対する具体的質問に手際よく答えないと次の選挙に影響します。
私の地元自治会の新年会や敬老会などに与野党政治家が来ることが多いので具体的質問が飛ぶことがありますが、逃げることなく具体的に問題点を整理して解説できる政治家もいれば出来ない政治家・しっかり対応していきます程度しか言えない政治家もいます。
地元政治家の能力テストの場のようになっていて、面白い場になっています。
8月31日に書き始めていた不自由展論争に対する各弁護士会声明に対するコメントに戻ります。
弁護士会は政治運動体ではないので、なんでもコメントする義務はないのですが、声明を出しているので見ておきます。
地元愛知県弁護士会の声明はいかにも市長の発言が表現の自由妨害になるような表現ですが、公的補助基準該当性の問題に過ぎないテーマを表現の自由に対する妨害のような格上げ主張は筋違いでしょう。
(一部脅迫的言動もあったようですが、それに対する声明ならばそのように特定して書くべきでしょう)
一方サイレントマジョリテイ側・不自由展で昭和天皇の写真類似作品を燃やし踏みにじったり、慰安婦像の展示を許せないという側の主張はういキペデイアで見ると産経の主張が紹介されているだけで、紹介記事は自由展擁護論が圧倒的多数ですが、それへの今後の対応はどうなるのでしょうか?
政府は民意に敏感ですので、
① 文化庁補助金交付基準として特定政治活動でないことを基準にした場合、各自治体が当然の前提としていた政治活動除外の運用を明記するようになる可能性が高まるのか、
② 今回の騒動に驚いて逆に無条件化するのか?
③ 運用強化論
2択政治・・論争になるのは日本人の好まないところですので、政治主張の強い文化活動には補助金を出さないという事実上の運用強化でそろりと動き出すのでしょうか?
①の政治利用目的禁止が明文化された場合、基準自体が憲法違反という争いになるのでしょうか?

政治家は発言を抑制すべきか?2

施設利用の展示会の場合、一般的意味の権力行使者は、施設使用許可権利者=県知事・・県施設利用の場合〜権限委譲によって下位に移転しているでしょうし、下位職員からの積み上げがないと県知事が直に権限行使できないでしょうが・下位職員に対する任命権や決裁等を通じて法的影響力行使権限が保証されていますが、市長には県施設利用許可に対して(間接的にも)なんらの法的権限もありません。
・・だからこそ河村市長は現場で座り込みするしかなかったのです。
市長が県施設に対する権力行使できる立場でないこと明白ですが、いかにも権力があるかのような表現をするには、市長が、不自由展に関する特殊関係(これが外野の人間には不明です)で何らかの「権力行使」できる特別な立場にあったと言う内情に関するイメージが膨らむような表現です。
この重要部分の説明をしない・・どういう立場で関与していたかを曖昧にしたまま・・「よくわからないが権力構造に絡んでいるのか?」というイメージだけ増幅する発言の疑いがあります。
昨年の騒動時には、私も河村氏氏が不自由展にどのような関与しているか不明であるが県の権力構造関係者のようなイメージで読んでいましたが、その気で読んでみると
報道されているのは「知事が委員長で河村氏が実行員会委員長代行」というだけで、内部的発言力は別として許認可等の外部権力行使できる人としては何の権力も有していないことに気づいた次第です。
実行委員会の仕組みの解説がないまま、

「表現の自由に対して権力行使できる立場」

と表現されているので、そもそも実行委員会が県の組織なのか県組織内でどういう権力を持っていたかすぐ理解できる人がどの程度いたかです。
内部関係の権力関係では、実行委員会がトップでしょうが、芸術監督という中間管理職をおく以上は、具体的演出等については特段の問題が生じない限り芸術監督におおむね委ねるべきはその通りでしょう。
〇〇製作委員会の映画なども、映画の具体的演出内容は映画監督に委ねて細かく口出ししないのと同じです。
しかし本件では実行員会からのクレーム・内部論争ではなく、公費で補助すべき対象か否か・・外部からの批判論争ですので、ここで内部論争の力関係を持ち出しても意味がないはずです。
河村氏が実行員会員として委員会で発言しているのではなく、(実行委員会と芸術監督との対立ではなく)外部の一般政治家として発言しているように見えます。
権力構造の視点で分解してみると、市場相場より安い施設使用許可権(補助決定)・権力行為は、施設管理者が持つものであって実行員会は、施設利用者・主催側の内部組織の頂点に位置する企画・実行委員会のようなもので、具体的実行は監督に委ね報告を聞いて承認する程度の役回りのようです。
内部権限は実行員会の実力次第でどこまで具体的関与するかは決まってくるのでしょうが、何れにせよ施設利用の許可を求める側の内部組織ですから、公的補助を決める政治権力が実行員会にあるわけではありません。
ちなみに、「権力」というコトバも社内権力闘争などいろんな組織内力学をいう場合があります。
個人的感想ですが、私が素人的に知っている感じの意味・・権力の「権」とは「仮の」という意味で理解しています。
(素人の思い込みですが、権現様・・この世に仮に姿を現した神様、権大納言、権帥、権大僧正等々は正式官位でない、仮の地位を表す・今でいえば部課長待遇の〇〇のような官名に使われてきたものと理解しています。)
近代産業革命に並行して発達した物理学の力学概念に便乗して「仮に力学の関係に例えれば」・という意味で政治学で「力」関係に応用して「仮に」表現することになったに過ぎず、どこの分野に応用しても本来間違いではありません。
しかし、津田氏の発言は、不自由展に対する河村氏の批判論に対する反論として

「政治家は、表現の自由に対して権力を行使できる立場であり、もう少し発言は抑制的であるべきだと思います」

と反論した文脈で理解すべきです。
上記は内部発言力の意味ではなく、一見して外部からの政治権力介入を意味していることになりそうです。
しかも「政治家は・・」という無限定な表現でありながらも「表現の自由に対して権力を行使できる立場であり」という表現から、表現の自由に権力行使できる政治家限定の意味も含んでいます。
正確に言えば「・・権力行使できる政治家は・・」というべきところ「政治家であれば全員発言抑制すべき」のような逆張りの表現をしたところが味噌です。
「逆は必ずしも真ならず」と言いますので、政治家であれば権力行使できることにはならないので、訴訟での認定では、「良く読めば分かるはず」となるのでしょうが、ちらっと読む程度の大多数の人にとっては、政治家はこういう発言をしてはいけないのか?という印象を受けるのが普通でしょう。
争点は具体的な「不自由展」に対する論争なのに、「表現自由」という一般論に広げて焦点をボカし、しかも権力を持つ人だけに対する批判を政治家一般に広げた表現にして、いかにも河村氏が表現の自由に対する権力行使しているかのような印象を広める効果を狙ったように見えます。
河村氏が表現の自由展に対してどのような権力も有していないことを知っていたから「・・権力を持つ河村氏という正確な表現をしなかったのではないでしょうか?
組織内権力関係・・ついでに実行委員会な役割に戻しますと、展示方向などを決める委員会(その下に芸術監督という現場監督みたいなものがあるものの)実行委員会と名がつけば、展示会の運営実行企画組織であり許認可を受ける申請側の組織位置付けが普通でしょう。
この場合の権力行使者は施設管理者であり、施設許可権限行使→許可取り消し若しくは特定展示品に限っての使用許可取り消しというものでしょう。
これをやったのが東京都美術館の権限行使であり、今回は県知事(条例等で美術館館長等に権限委譲?)が許可権者を兼ねているので、(これの行使をすると県が許可していたこと自体が問題になるので)これをせずに借りる側の委員長として委員長専決・中断して世論の動きを見ようとしたようです。

あいちトリエンナーレ不自由展に関する専門家意見と民意乖離2
  (表現の自由市場論11と世論軽視論の矛盾3)

ウイキペデイア引用続きです。

あいちトリエンナーレでも芸術監督の津田大介が『平和の少女像』を「日本政府の歴史認識を超えた歴史観を僕たちに押しつけるものではなく、そのような過去を反省し、未来に向けて立派に生きていくことを誓った僕たち日本人を貶めるものではないと考えます」として展示を決定し[96。
解説を担当した岡本有佳は「(日本国内で朝鮮半島に対する)植民地支配に向き合おうとする人たちに希望をつないでほしい」と述べ[52]、英語の解説は慰安婦問題日韓合意で使用が禁じられた「性奴隷(victims of the Japanese military sexual slavery)」という単語[97] を用いて行われた[98]

以上によれば慰安婦=性奴隷か否かについて日韓で激しく争っている政治テーマについて韓国の政治立場主張のための展示であることは明らかです。
野党やメデイア系の多くは安倍政権が悪いのであって国民は慰安婦=性奴隷論に怒っていないと言うスタンスが前提でしょうか?
ウイキペデイアには、米国は戦後永続的日本支配道具にしていたに過ぎない歴史修正主義者非難論に便乗した「歴史修正主義者」と言う古色蒼然たる?批判論も紹介されていますが、このレッテル貼りさえすればメデイア界で抹殺できる古びた手法が大学名誉教授によって主張されています。
擁護論の一つですのでまとめて後に引用するつもりでしたが、ここで書いておきたいので抜き出して一部紹介します。

荻野富士夫小樽商科大学名誉教授や醍醐聰東京大学名誉教授らが加わって「歴史修正主義とのたたかいでもある」と決起した[119]。また、日本史研究会も2019年度の大会で「歴史の学術研究の成果を無視し、隣国への差別意識を助長する歴史修正主義及び排外主義に反対するとともに、昨今の事態に深い憂慮を表明し、表現・言論・学問の自由の重要性を強く社会に訴えるものである。」と声明を発表した[120]。

歴史修正主義者論のレッテル貼りは、米国の日米戦争ひいては原爆投下の正当化論であり、敗者日本の反論を許さないために行われてきた自由な言論禁止道具です。
米国にとって、日米戦争は悪の帝国日本対正義の国米国の戦いであった図式に対する挑戦を許さない基本方針があり、この現実的表現が歴史修正主義者と言うレッテル貼りでした。
欧米諸国ではナチスの研究すら許されれない・・刑事罰があると言われています。
革新系は本来旧中ソ陣営と敵対する総本山・米国を天敵視しているのですが、さしあたり保守系政治家が米国とうまく行かない方が良いに決まっているので、米国の基本方針を利用して靖国神社参拝=戦犯・極東軍事裁判の正当性を認めないかの踏み絵を迫る→「この人らは歴史修正主義者です」と米国に事実上通報する機能を果たしてきました。
日本政府と(安倍政権)米国関係を離間する策を当面の基本方針とし、米国メデイアに対して米国が最も嫌い警戒する方向性・・日米戦の日本正当化論・歴史修正主義者であるという刷り込みを行っていたのです。
数日前に紹介した革新系が得意とする中国古来から得意とする讒諂面諛の工作活動でした。
メデイア界を牛耳っている中韓系勢力が米国にご注進に及ぶ工作はまんまと成功し、安倍政権発足直後には、反日的下院決議・・根拠のない慰安婦決議など連発していましたが、安倍氏との直接対話が進むに連れてオバマ政権も軌道修正するようになり、ヒラリー氏も中国批判に転じていました。
このようにメデイアの振り付けどおりにならない状態・・広島訪問など日米親密化が進んでいた現実変化・・今更歴史修正主義者のレッテルさえ貼れば終わる時代ではなくなっているのをまだ認めていない学者がいるようです。
外国政府はメデイア報道に頼る面が強い・・各国東京特派員・・多くても4〜5名程度の派遣では(外国人記者クラブでの表向き発表を聞く程度・・政治分野でも総理番、〇〇番などマンツーマンで特定政治家に張り付いて情報収集
する番記者もいないし、企業その他の幅広い独自情報網がない・・結果、総合的な情報分析能力がないので、日本大手メデイアの総合判断のまとめをもらって本国報告するシステムになっている関係は仕方ないところです。
この実態を知っているのにこれを捨象して慰安婦報道に関する朝日新聞の検証委員会が諸外国で朝日新聞の引用が少ない・諸外国独自情報であるという形式論で朝日の主張が海外伝播力が少ないという結論を出したのは、朝日の責任回避目的の内部検証委員会の限界であるとこのコラムで書きました。
また諸外国も現地報道会の共通認識をまとめて本国で報道しているにすぎないにも関わらず、形式上は自社独自情報で報道しているので朝日新聞が訂正しても過去の自社報道の訂正必要がないという姿勢完徹ですので、公式見解・・国際認識としては性奴隷説がそのままのようです。
日本も朝日その他有力紙がニューヨークタイムズなど大手と社員相互交換で駐在させていると言われ、米国外国情報は諸外国大手メデイアの受け売りが入り、それの米国本社チェック部門に日本関連では・日本の情報に通じた米国人社員が担当するが、日本から派遣社員がそのスタッフに入るスタイルが基本です。
米国人からすれば聞きなれない政治家の名前や大学名が出ても日本人ならば、どの派閥の中堅議員で親はこういう人とか、マイナー大学だがこういう特色がるとかの解説がすぐできるのでお互い重宝です・・。
同様の慣行でNHKの場合、中国系報道は新華社派遣社員の目を通してもらう慣行・事実上中国新華社の検閲になっていると右翼系は非難しています。
このような大手メデイア同士の上滑りの情報が世界を駆け巡る仕組みの欠点(馴れ合い体質)が明白化した・マスメデイア情報は全く当てにならないことを世界に示したのが・・トランプ氏の想定外当選でした。

あいちトリエンナーレ不自由展に関する専門家意見と国民意思乖離1(表現の自由市場論11と世論軽視論の矛盾2)

最近では選挙の都度大手メデイアの事前世論調査と大きな乖離が起きる・しかもいつも一方向の外れである(連日のキャンペインに呼応する世論調査結果と結果が違う)点が、余計信用を落としたように見えます。
世論調査してからキャンペインを張るものではなく、この点を掘り下げれば国民の多くが反応する読みで系統的取材を先行させるものでしょうから、大手メデイアがこのテーマで攻めれば・・と誘導したい方向性が民意(そんなことは国会で議論する問題ではないという意識)とズレていることがはっきりしてきたのではないでしょうか?
もともと大手メデイアの関心が偏っていても、ネットのない時代には誰も声を挙げられないので一人相撲でもなんとか体面を保てていたのではないでしょうか。
民意を無視するな!の大合唱ですが、その前提になる民意をメデイアが決める権利があるかのような宣伝です。
選挙結果を見ればどういう根拠で国民多数が秘密保護法やいわゆる安保法案に反対していると言えるのか不明のまま扇動していたことになります。
放送に関しては電波法で中立を求められていますが、反対派デモがあった事実報道であれば良いことになり賛成派のデモがない限り賛成派の主張は事実上報道されない一方的な関係です。
韓国は日本のメデイア動向が日本世論と誤解する傾向が強い・・中韓では日本メデイア界への影響力浸透に精出して、出来レース的世論をつくるので却って、日本世論を読み違える傾向があるように思われます。
韓国では大手メデイア誘導のままに民意が動く社会なのでしょうか。
大手メデイアが発表すると支配的意見になる→メデイアさえ支配すれば民は意のままという図式を見ると、韓国系芸能人のアルバム等では、「いいね!」の数を稼ぐために機械的に膨大な「いいね」を稼ぐ仕組みを利用しているので信用できないと言われるようになって久しいですが、あるいは、国際的な数学や知能テストなどがあるとその問題集を練習させて受験させるとも言われています。
共産圏で国策のためにオリンピック選手だけ特殊英才教育していたなどのマネでしょう。
こういう国では国際統一テストが上位になっていても、国民平均レベルの基準にはなりません。
民意もマスメデイアさえ押さえれば済むというあんちょこな発想になっているから、朝日新聞等の意見が日本世論と誤解してしまい、日本人の怒りが理解できないのではないでしょうか?
あいちトリエンナーレ「不自由展」騒動に対する専門家?主張と国民意思の関連を見ておきます。
以下平均的紹介記事と思われるウイキペデイアの8月22日現在の記事を紹介しながら逐次私の意見を書いて行きます。
ウイキペデイアでは公平に編集しているつもりでしょうが、あれだけ不満が渦巻いているのにまともな批判意見は産経の主張だけで、あとは批判「的」であるものの基本は擁護意見(表現の自由を重視した上で、説明不足とか運営ミスをいう程度です。)あり、その他膨大な引用記事は擁護論や批判に対する批判で埋め尽くされています。
ウイキペデイア引用始めます。

展示までの経緯
2012年、日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会が東京都美術館で開催した「第18回JAALA国際交流展」に『平和の少女像』のミニチュアが出展されたが、東京都美術館から「(政治的表現物であるため美術館の)運営要綱に抵触する」として撤去された。その経緯から「主催者の抗議にもかかわらずいつの間にか展示会場から消えた少女像は、日本の歴史認識と表現をめぐる『不自由な状況』を暴露するもの」(韓国美術研究家の古川美佳)として、2015年の「表現の不自由展」に『平和の少女像』の複製が展示物として採用された[95]

上記経緯を見ると、東京都のように特定政治主張が強い展示は行政の中立性の要請から会場使用許可しない基準があったので、それに抵触する展示ができなかったという経緯のようですが、愛知県の場合具体的使用基準がなかったからフリーパスになったのでしょうか。
具体的基準明記ない自治体でも中立性の要請から露骨な政敵批判集会利用許可しないのが原則的運用・暗黙の価値基準だったのではないでしょうか?
仮にそのような許可すれば、逆に一方勢力肩入れの違法の疑いさえ起きそうですから、東京都で条件付き許可になった団体が憲法違反訴訟や政治運動を起こしたというニュースをみかけません。
発表禁止ではなく公共施設を低価格で利用させたり補助金を出さないと言う消極姿勢にすぎず、左右どちらの勢力にも・ともかく積極的政治主張のための展示には許可しないのであれば公平です。
発表禁止と補助金交付や施設利用不許可は同じではありませんが、以下の議論を見て行くと優遇基準該当性チェックと事前検閲と同視したいようなすり替え議論・・・再軍備=戦争国家という飛躍論法と同じ手法が多い印象です。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC