集団自衛権違憲論2(学者意見とは?)

昨日書いたように法律にはABCなどのいろんな解釈が成立するのが普通です。
いろんな説が成り立ち得るのに、特定立場でD説しか成立しない・・これを前提に「憲法学者がこう言っている」という宣伝をした上での抽象的世論調査は、言わば不当誘導的な調査になります。
そもそも真面目な学者が具体的条件不明の段階で根拠のあるA〜B〜C〜D説などの内、D説しかないと断定的学説を定立できるとは思えません。
関連法機整備の仕方によっては違憲になり得るから危険だ!だと言う場合には、違憲法案だと断定意見を言うのは行き過ぎです。
「車は事故が起きることがあるから禁止せよ」と言うのと同じ論法です。
法律文言で「他国侵略せよ」という書き方はあり得ないので、結局は「防衛目的といっても運用でどうにでもなるのが危険だ」という程度とすれば、昨日書いた通り公務員が違法行為をする前提意見ですから、代議制民主主義や司法制度によるチェック機能を無視した意見になります。
正当防衛の例で言えば、事件ごとに事情が違うのに前もって「こういう場合には正当防衛に当たらない」と確定的に言える人がいるのでしょうか?
我々弁護士でいえば受任当初に事件の概要を聞いて、「もしかしたら正当防衛の主張でイケそう」と言う場合でも、相手方や目撃者の主張や客観事実を総合しない段階では正当防衛を主張して良いかどうかすら判断できません。
公判前整理手続きを重ねて検察官の手持ち証拠開示を求めるなどして、弁護側主張を固めていくのに半年単位の時間がかかる事件はざらにあります。
以下は公判前整理手続に要している平均月数です。https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/jfba_info/statistics/data/white_paper/2016/2-6-3_tokei_2016.pdf

資料2-1-6-3
平均審理期間及び平均公判前整理手続期間-自白否認別・裁判員制度導入前後別p-

94弁護士白書 2016 年版

(2)自白・否認別の平均審理期間・平均公判前整理手続期間等
裁判員裁判の審理に要する期間は、犯罪の成立が争われる否認事件か、犯罪の成立に争いのない自白事件かによって大きく異なる。次の表は、2015 年(1月~ 12 月)の裁判員裁判対象事件の自白・否認別の平均審理期間・平均公判前整理手続期間(過去比較)及び審理期間・実審理期間についてまとめたものである。
必要的弁護事件数と国選弁護人選任率の推移(簡易裁判所)
資料2-1-2-5
裁判官裁判(2006年~2008 年)裁判員裁判
   中略
   平均審理期間
        2006~08平均     累計     2009年   2010年     2011年       2012年       2013年        2014年      2015年
                 8.3          10.9             5.6           9.8         10.9          11.7           10.9            10.6             11.2
  うち公判前整理手続期間の平均(月)
  否認事件
     3.7         8.4               3.1             6.8           8.3           9.1        8.5                   8.5              9.1
  うち公判前整理手続以外に要した期間の平均(月)
     4.6       2.5               2.5              3.0             2.6          2.6           2.4                    2.1              2.1
 このように公判前準備だけで平均8ヶ月もかかっている・・事実というものはやって見ないと分からないのが普通ですからちょっとした条件を挙げて「こういう場合どうですか」と聞かれても、もうちょっと前後の事情を聞かないとなります。
あらかじめ、こう言う場合という「一言で言える程度の事情・簡略な例示だけ」で正当防衛になるとかならないとか、「一概に」言えないのが、一般的です。
日本国憲法下においても自衛権・自衛のための闘争権限があるというのが8割以上の国民意見であるとした場合、その基礎にある法理論は、自衛権→個人の正当防衛の思想です。
「どんな不法なことをされても反撃できない・自分の命すら守ってはいけない国家ってあるの?」という素朴な国民意見に自衛隊は支えられています。
「集団自衛権」が違憲か?と言う疑問があるとしたら、解決すべき論点・国民の知りたいことは、その法律によって自衛の範囲・個人でいえば正当防衛の範囲を超えた軍事行動をする権限を与える事になるかどうかこそが本来国民が知りたい争点です。
「もしかしたら権限外の行為をするかも知れない」「こういう心配がある、ああいう心配がある」と言う可能性を聞きたいのではありません。
不当、違法行為を前提に違憲の可能性を言い出したら、警察官が好き勝手に拳銃を発砲したり逮捕したら困るからという理由で、警察制度自体が憲法違反になるかのような議論になります。
この種の危険性を宣伝しているのが自衛隊違憲論です。
従業員にお金の管理も任せられません。
不当逮捕が心配であっても、警察制度を廃止するのではなく公務員の法令遵守教育の他に令状主義や裁判手続きなどのチェックシステム整備をすれば良いことです。
企業も経理システムの整備などで不正経理を防ぐべきであって、他人に経理を任せない方が良いと言う意見は飛躍があります。
非武装論者と運動体がダブル傾向がありますが、公害反対その他何でも短絡的に飛行停止や操業禁止を求める傾向がありますが、車事故が多くても交通ルールや環境整備によって事故を減らして行けば良いように、公害問題も防除システム整備の問題であったことが結果的に証明されています。
なんでも新しい道具やシステムには、相応の不具合があること多いのですが、その不具合を「だましだまし」というか、実用していく中で副作用を減らして行くのが、人間の知恵です。
私自身法案をきっちり見る暇もないので、文字通り素人ですが、常識的に考えて一見明白に「自衛以上の戦争行為ができる」と法案に書くことはありえないでしょうから、その法案を(A~Dの中で最悪曲解すれば)「違憲行為ができそう」という程度では、 昨日書いたように公務員が現場で、意見にならないABCの選択しかできない・合憲解釈の範囲しか行動できないとすれば違憲法案とは言えません。
憲法学者が何が起きるか不明の状態で自分の好きな限定条件・一言で言えるような極端な事例設定して?あたかも正しいかのような意見を述べているとすれば、職分を超えた振る舞いです。
ただし、元々自衛権行使(殺されそうになって相手の手を払いのけてもいけない?)自体が憲法違反という立場の憲法学者にとっては集団自衛権が自衛の範囲であっても憲法違反になるのは当然ですから具体的条文チェックの必要すらないといえばその通りです。
>こういう学者の意見など国民の多くが相手にしていないのに、集団自衛権行使が憲法違反かどうかの質問をして報道する事自体国民を愚弄する茶番劇・報道の歪みを表しています。

世論調査とは?(集団自衛権違憲論1)

芦田修正の関係で戦後の憲法学者の憲法論の推移と国民意思との乖離の歴史を見ておきましょう。
http://gohoo.org/16020701/によると詳細引用を控えますが、16年現在憲法学者の約7割が、自衛隊は憲法違反とアンケートにこたえているようです。

「憲法学者の7割が自衛隊違憲」は水増し? 東京新聞の引用は不正確
楊井 人文, 2016年2月7日
東京新聞2016年2月14日付朝刊1面 朝日は昨年7月、憲法学者アンケートの結果、122人の回答者のうち104人が集団的自衛権の行使を容認する安保法案を「憲法違反」と回答したと報じた。その中で自衛隊の合憲性につlいても質問していたが、回答結果を紙面で伝えず、デジタル版にのみ簡潔に載せていた。日本報道検証機構が指摘した後、詳細な回答結果がデジタル版に開示された。その結果を分析すると「自衛隊を合憲と実名で回答した憲法学者19人のうち、安保法案を明確に違憲と答えたのは8人だった」ことも明らかになった(既報トピックス=朝日新聞 憲法学者アンケートの結果の一部を紙面に載せず)

今日の本来のテーマは、自衛隊の存在自体を違憲と考える学者がどの程度かを知りたくて引用したのですが、上記検証記事を見ると集団自衛権の違憲論の調査の前提調査であったことがわかります。
横道に逸れますが、メデイアの調査の仕方に疑問が起きたので、ついでに書いていきます。
上記によると朝日新聞は、もともと自衛隊を違憲と考える人を中心に集団自衛権の合憲性を聞いたら7割の人が違憲と答えたと言う事になります。
国民の約8割が自衛隊の存在を支持している現状(政党別に言えば、共産党を除く全政党が合憲と認めています)からすれば、国民の多くは自衛隊自体の違憲か合憲論については現実無視の憲法学者に今更意見を聞く必要性を感じていません。
現実を知る能力は(世間知らず?)の学者より一般国民の方が詳しくその判断が正しいことを前提に民意重視・選挙制度が出来上がっていますし、だからこそ、メデイアは世論調査をしょっちゅう実施しているのです。
将来どうなるかは不安ですから、現状の自衛隊の合憲を前提にした上で今後集団自衛権になるとどう言う危険があるのかについて専門家の意見を知りたい人が8割以上いることになります。
自衛隊が必要なものである・・合憲で良いと考える人にとっては、もともと自衛隊を違憲だと言う学者に集団自衛権は違憲ですか?と改めて聞く意味はありません。
上記データによれば、自衛隊の合憲論学者で集団自衛権を違憲と回答した人が、19名中8名しかいないという事ですから、メデイアによる7割もの憲法学者が違憲と言っていると言う宣伝報道の内実は、もともと違憲論者中心に聞いていたと言う衝撃的事実がわかりました・・まあ皆が迷うくらいですから真面目に考えた回答とすれば穏当な票割れでしょう。
現状の自衛隊が合憲という人でも、集団自衛権になると違憲かどうか・・そこまでは賛成しないかどうかの判断基準は、どう言う場合に集団自衛権を行使するかの細かな発動条件によるので、素人には分かりにくい・この面で専門家に聞きたい気持ちがあります。
政治家や法律家は憲法違反かどうかの抽象的な主張ではなく、こういう規定だとこういうことができるから、これしか出来ないから憲法違反だという具体的な危険の有無程度を主張すべきです。
簡単にいえば、むやみやたらにどこでも政府が勝手に出かけて行って戦争する権限を付与するのは困るが、日本の防衛にやむをないとき・・共同作戦中やその準備過程(兵器弾薬の補給を米軍にお願いしている場合などに補給運搬中米軍が攻撃されたら警護し応援するのはやむを得ないだろうというのが大方の許容範囲でしょう。
物事は具体的条件設定や状況によるのですから、具体的条件設定をどのように表現してアンケートを取ったかによっても答えが違ってきます。
ところで法律は抽象的にならざるを得ない・・「切迫した状態」刑法でいえば正当防衛が許される場合の表現に「急迫不正の侵害」と要件がありますが、具体的にどう言う場合に該当するかまで法律には書ききれません。
腕力のある人が正当防衛に名を借りて弱い相手に暴行を加えることになり兼ねないから、正当防衛の条文は違憲だという人はいません。
事案によっては千差万別の無限大とも言える多様な事象に対してプロの裁判官が事案ごとに認定していき、正当防衛に当たるかどうかが決まる仕組みで、腕力のある人が正当防衛と主張さえすれば通る訳ではありません。
前もって法令に「こう言う場合」と限定するのは不可能でいくら文言を連ねても、具体的にどう言う場合に正当防衛になるかは、具体的事件に合わせて裁判で決めていくしかないのが実務です。
抽象的だと政府が何をするか不明だから、信用できないと言い出したら代議制民主主義・・そもそも法制度が成り立ちません・・政府や国会、司法機関のチェックに委ねてそのあとでルール違反があれば政治責任や刑事、民事責任を問うのが民主主義社会です。
実際に警職法や破防、凶器準備集合罪など制定時に人権侵害の危険を野党・人権団体が毎度主張してきましたが、何十年もの経験で実際に過剰運用行為で問題がおきたと聞いたことはありません(司法の場で是正されるので過剰運用ができない仕組みです)。
実務運用を政府や警察、自衛隊その他に委ねない・・やる前から危険がある=違憲だというのでは、すべての法律制度が成り立ちません。
上記の通り破防法等は制定時に不当弾圧に政治利用されるとの批判が有りましたが、実際の運用でそういう問題が起きていないし自衛隊を持てば侵略国家になると大騒ぎでしたがそんな事になっていません。
近代の最初・人権擁護意識高揚期には、裁判でも恣意的事実認定を恐れて証拠法定主義が流行りましたが、一定証拠さえあれば有罪、その証拠がなければ無罪という固定主義は実態に合わないので、すぐに廃止されて現在では自由心証主義になっていることを以前紹介しました。
企業トップであれ政府であれ、結局その任に当たる人をある程度信用するしかない・事後の国会承認等外部チェックを厳しくしていくという常識に落ち着いているのです。
そして今では8割の国民が自衛隊の存在を支持し信用している(と言うことは自衛隊や警察は武力を持っていても違法なことをしないと信用)し、自衛隊違憲・・存在を認めない→信用しないと言う政党は共産党だけになっています。
自衛権行使が現状合憲と思っている大方の国民にとって、その先「どこまで」権限を広げるのが許容範囲かこそが議論のテーマですし世論調査すべき対象です。
集団自衛権という意味不明の概念で違憲かどうかを聞くのではなく、具体的条文を紹介してこの書き方で自国防衛の範囲を超えているかどうかの調査をすべきです。
ある法文言ではABCDの解釈が可能とした場合に、ABCは合憲の範囲内でDの解釈をすれば違憲とした場合、その法律が違憲になるのでしょうか?
もしも本当にD行為が違憲であるならば、その法律の解釈としてはABCの解釈しか許されない・D行為はその法による行為とは言えない・・違法の評価を受けることなるので違憲の法律になる余地がありません。
法そのものが違憲になるのは、その法によって違憲の行為しかできないとき・・ABCDどのような解釈をしても違憲行為しかないときだけですから、ABCならば良いが乱用してDをされるおそれがあるという主張自体がおかしな主張と思われます。
だからこそ戦後次々と「軍靴の音が聞こえてくる」と騒いでいたこと全てが杞憂に終わったのです。
警官に拳銃を持たせると適法使用もあるが個人怨恨で違法使用されたら困るというのと同じで、公務員が違法行為をすることまで心配していたら全ての法律が成り立ちません。
違憲論を合理的に言うならば、この法律があると権限乱用してこういう違憲行為が「できる」という主張でなく、違憲行為「しかできない」とまで言う必要があります。

言論の自由3(国家民族や集団のため)

この種の外交が今に始まったことではなく、江戸時代の朝鮮通信使以来いつもこの種の大騒ぎの繰り返しで、将軍家の呼称等の形式がいつも大問題化し「持って帰れない」とかいうばかりで対馬藩の国書偽造事件に発展したことが知られています。
ちょっとした失策で通信使が帰国後に失脚する原因になったなどいつものことでしたし、明治政府(このときも天皇の表現がどうのとかいうことで受け取らず征韓論に発展した一つの原因でした)の日本と李氏朝鮮との外交交渉がいつも行き詰まった原因です。
日本メデイア界としては人材交流しているだけのつもりでしょうが、相手国では露骨に影響力を行使するのが目的でありその尖兵として派遣されている以上は、自己保身のために必死ですから、こちらも気を使わざるをなくなります。
この繰り返しの結果、前例以下はありえない・自分の時には前例よりも一歩多く主張するという風潮が定着していき、長年・多数回繰り返す都度一歩ずつ踏み込んでくる・・結果的に在日犯罪の場合には在日とわからないように表現するなど、どんどん踏み込んでくるのでいろんな面で外見から見ると「在日特権」があるかのような外見を呈してきました。在特会のいう「在日特権」というのは比喩であってこれといった法制度があるのではなく、事実上の黙認が広がってきたのです。
簡単に言えばあつかましい人の行動を拒否しないで「まあいいか」と黙認しているとそれが権利になったかのように誤解していたにすぎません。
これをもって李民博大統領は、(裏でペコペコしながら)もはや日本は属国になったかのように国内で公言するようになっていたのです。
中国が一旦GDPをごまかし始めると、毎年その上乗せをしなくてはならなくなり年々実態との乖離が広がるばかり・・今になるとその矛盾に苦しんでいますが、中韓共に表向き日本に対して居丈高にしていて、裏でペコペコする外交・毎年要求レベルをアップして行こうとすると無理がきたのです。
中韓の人材が色んな仕事のメンバーに入っていると事実上中韓の気に触る意見やニュースは出しにくくなってそれが標準化して行くどころか、在日系が中堅幹部等になってくるとそのうち迎合して率先報道する人も出てくるでしょう。
日本の国営放送NHKに表現の自由を守るために?日本民族の利益代表がはいらずに人材交流名目に中国独裁政権の意志貫徹装置である新華社の記者が常駐して影響を及ぼしているとすれば(真実は知りません・仮定の話です)、その奇異さ!に驚く人が多いのではないでしょうか?
結果的に中韓利益代表が常駐してNHKや民放各局などで幅を効かしているかのような変な組織になっているというのが最近の報道偏頗論かもしれません。
ただし、これらはすべて憶測です。
この結果在日などの登用が増えてきてメデイア界や芸能分野では、日本人がテレビ等で登用されにくくなっているとの噂が広まるようになったのでしょう。
ただ、民間の場合には市場淘汰が効きますので、民意に反していると(無理な在日等の起用が続き変な放送ばかり続くと)自然に売り上げが減ってきますが、NHKの場合には強制徴収権があるために市場淘汰がないのが問題です。
噂はうわさでしかないとしても、昨日引用のような非合理な誤訳報道をNHKが繰り返す現実があるからこそ「内部がどうなっているのか?」という憶測が広まるのです。
「李下に冠を正さず」というように重要な政治効果のある翻訳に限って、何故不可思議な誤訳が?起きたかの検証が必須です。
「グアム移転計画を前進させる」を「普天間基地移転に柔軟対応する」発言があったとどうやって誤訳できたのか一般的には理解不能ですから、誤訳に至った経緯を明らかにする必要があるでしょう。
グアム移転計画と普天間基地移転計画は関連があることは確かですから、総合すると何か関連があるとは思いますが、その裏の読みは政治評論家に任せればいいことであって、同時通訳人は発言者のいうう通り通訳するのが職務です。
もっと具体的な表現においても会話では「うん」とか「そうだね」といってもその前後の会話によって意味が違ってきますし、文字通り肯定した場合でもその表情等でニュアンスも違います。
発言者の内心の意思まで読みとって同時通訳するのは越権であり、まさにフェイクになるでしょう。
「グアム移転を前進させる」という発言は、前後の関連から普天間基地移設の柔軟対処という意味になるという、うがった解釈は解説者に任せるべきでしょう。
誤訳しようがないような不思議な誤訳?でNHKがニュースを流してしまったのですが、一旦国民に大きなイメージを植え付けておいて、あとでしらっと訂正ニュースさえ流せば良いという立場で、弁明が一切ありません。
合理的説明ができない・何も弁明しないとすれば、この誤訳は一定の政治意図で行われたという憶測を否定しないというのか「勝手に論評してください」ということで反論不要という立場の表明です。
民進党幹事長候補になった山尾氏が、なんら説明せずに記者会見を打ち切ったのと同じです。
如何にも沖縄で当時大問題になっている普天間基地移転を急ぐ必要がないし、反対運動次第では計画変更可能であるかのような国内イメージ流布を狙ったような憶測が広がることになります。
政治的中立を守っているとすれば、一般的にはありえないような誤訳がなぜ生じたかの説明が必須です。
こういう無責任報道態度では、過激な政治運動中の一方に肩入れしているかのような印象となり、国民不満が広がる一方です。
さしあたり報道の自由があるというお定まりの憲法論で反論できるので黙殺するのでしょうが、一旦NHKに就職すればどんなに偏った政治意見を報道しまくろうとも組織も身分も保証されるのではおかしなことになります。
自己満足に陥った場合の是正措置・・何らかの民主的チェックが必要です。
3権分立の思想に裏打ちされている司法権でさえも、憲法上控制システムが用意されています。
しかも、裁判官の独立といっても蓄積されてきた法律論理を踏みはずした判決をかけない・・「良心に従う」義務があり、長年この訓練を経た人しか裁判官になれません。
NHKや各種メデイア従業員にはこの厳しい訓練・資格制度さえもない・・基本訓練といえばあちこちこまめに聞いて回る情報屋の訓練程度でしょう。
法律家が従うべき良心の意味については、April 3, 2016「司法権の限界9(法と良心とは?1)」以下のコラムで連載しました。
憲法
第六章 司法
第七十六条 すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
○2 特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。
○3 すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。
NHKの強制徴収権・一見受益者負担らしく構成されていますが、実際に視聴しているか否かに関わらず強制徴収する点では税に近似しています・・これを巡る議論がかまびすしくなっている背景には、この不満があります。
水道設備があってもガス・電気設備があっても、使用量による料金徴収が原則です。
NHKはテレビ受信設備があれば現実の視聴に関わらず徴収できるというのですから交差点の信号機や道路設備などは実際に利用してもしなくとも、税でまかなっているように(徴収手続きは一般民事であって、税法に関係ないですが実体法的には)殆ど税に似ています。

言論の自由(国家民族や集団のため)2

原発事故時に従業員が所長命令に反して職場放棄していたという朝日新聞の突然の意図的?誤報に関する反論に対して、朝日新聞は韓国の騒動沈静化目的だったのか、あるいは根拠がなく無理な報道だったらしく産経等に対する再反論もなく、大騒ぎになった割には簡単にたち消えになってしまいましたが、これは論争を引き起こすこと・・大騒ぎすること自体・・目くらましが目的だったとすれば、合点がいきます。
日本の大騒動が韓国に伝わると・・反日報道には何でも飛びつく韓国の風土から、たちまちセウオール号事件に対する国を挙げての大騒動がウソのように静まってしまいました。
日本のメデイア界では朝日の無茶な主張展開には当然予想される反論があって日本で大騒ぎにする・これが韓国に伝わることだけが目的だったのか?という疑惑の残る展開で、韓国の騒動が収まると日本の論争もあっという間の収束でした。
韓国政府筋の作戦勝ちでしたが、誰が韓国政府の意向に沿って動いているのか?という疑念の残る展開でした。
でっち上げ的根拠のない朝日の問題提起に対する朝日の報道責任問題は一切出てきません。
騒ぐだけ騒がしておいて黙って引き下がりさえすればおしまいです。
中国や韓国で何か国際的に困ったことで話題騒然となるとそれを上回る「日本の方がもっとひどいことが起きているよ!」という日本の疑惑報道が日本国内で何故か持ち上がりそれを否定するための論争が持ち上がる・・その結果中韓不祥事の国際ニュース性が下火になると(もともとでっち上げですので?)日本の論争も下火になるという仕組みですが・・なぜこの種の宣伝を流すメディアが日本にあるのか不思議です。
メデイア〜芸能界にいわゆる中韓細胞の浸透が成功しているとの噂が広まっている・・中韓系人材が幅を利かせていて、まとも日本人が就職しなくなっているとの噂が広まっています。
中国では国有企業にとどまらず民間企業にまで共産党幹部が常駐する仕組みになっていて、これを最近公然と(外資との合弁企業にまで)強制するようになっています。
http://www.sankei.com/world/news/170818/wor1708180055-n1.html
2017.8.18 22:30更新

中国企業に広がる「共産党支配」 3200社へ明文化を要求
【上海=河崎真澄】中国共産党が、上場企業を含む大企業約3200社で経営への介入を急速に強めている。上海のニュースサイト澎 湃新聞が18日までに伝えたところによると、共産党は3178社に対し「党組織を社内に設置し、経営判断は組織の見解を優先する」との項目を、年内に株主総会などの手続きを経て定款(会社の規則)に盛り込むよう要求した。102社が採用済みという。
上記はもともと事実上行っていたものを今回は公然たる要求になったことが大違いです・・違法に知財剽窃していたものを、強制移転を求め始めたのと同じです。

ロイターによれば以下の通りです。
https://jp.reuters.com/article/china-congress-companies-idJPKCN1BA07R
「中国でビジネスを行ううえで、社内に党関連組織が存在することは長年にわたる慣例だった。国営英字紙チャイナ・デイリー  が先月報じたところによれば、同国の民間企業約186万社のうち、70%近くには党組織が存在する。」

上記の通りもともと共産党支配・監視役が事実上存在していたのですが、これの強制を始めた点が大きな違いです。
数十年かけて内々にNHKなどに中国共産党の機関紙である新華社の人材が常駐していて睨みを利かせているとの噂が広がっていますが・・もちろん事実上ですから真否不明です。
https://ameblo.jp/kiyosiro-e/entry-12022695664.htmlによると以下の通りで何の根拠も書いていません。

NHK局内に新華社通信社のデスクがあるのは公然の秘密
   2015-05-05
   テーマ:NHK
  「NHKは29日、日米首脳会談の共同記者会見を伝える同日未明の中継で、
   オバマ米大統領の発言の同時通訳に誤りがあったとして朝のニュースで謝罪した。
   NHKによると、同時通訳では「沖縄の普天間基地の移転について、より柔軟に対応したいと思います」としたが、正     しくは「沖縄に駐留する海兵隊のグアムへの移転を前進させることを再確認した」だったという。
   http://www.sankei.com/politics/news/150429/plt1504290006-n1.htm
   誤訳ってレベルじゃねーぞ!
   また捏造かよwNHKwwwwwwwwwwwwwww
   相当都合が悪いようだ
   「安倍さんの演説に「中国、韓国に対する謝罪がなかった」と
    問題視してますよ。だから”NHKは乗っ取られてる”と言われるんです。
    米国の議会で、特定の国に対する謝罪するものでしょうか。
    場所柄も考えず、日韓問題に言及しなかったと騒ぐ方がおかしいと思います。
    ・・実際乗っ取られているんですよ、
    局内に新華社通信社のデスクがあるのは公然の秘密、だから中国に常に監視され、その言いなりに反日番組を制作し
    ているのが、・・」

上記はいわゆる下衆の勘ぐりの範疇を出ないかも知れませんが、ニューヨークタイムスが、なぜ朝日新聞そっくりの反日記事になるのかの意見について、どこかで誰かが話指定ましたが、多くの国では相互交流制度で人材交流している・日本の場合には代表的メデイアとして朝日新聞の派遣者が常駐していて日本関連では朝日の提供するニュースや意見が日本の意見として優先的に日本発ニュースになるという意見を読んだことがあります・・またニューヨクタイムズが独自に日本関連の特集を発表する時にも常駐している朝日の意見を聞くのが普通とも言われていました。
事実は不明ですが、目の前に報道する国の人がいるとその国の様子を悪し様にいう記事を描きにくいのはわかります。
日本人の場合交換制度で相手の国に行っても本国の意向など主張せず控えめですが、北朝鮮や韓国、中国の場合本国の意向に反した記事がそのまま出ると、「お前何をしてたんだ」と自分一族の生命の危険があるので必死で食い下がってくる気迫が違います。
一緒に仕事をしていると可哀想となってついその意を汲んだ表現になり易い面があるでしょう。
日韓関係では、裏で必死に拝み倒しながら記者会見などでは一方的にまくし立てる・そうしないと国に帰れないと泣きつかれると日本側は可哀想になっていつも譲歩する歴史が続きました。
こんな甘ちゃんばかりしてきた結果、韓国国民は日本にどれだけ世話になっているかを全く知らない・・そのツケが、李民博大統領の増長した言動になり慰安婦騒動が拡大してしまった原因です。
ついに日本が怒ってしまって、慰安婦問題を許さない・スワップ更新に応じないし技術移転にも応じない・・漸くなってきたのです。
個々人の人間関係でも厚かまし過ぎると、そのうち相手にしなくなるのと同じです。
李民博が当時日本に余裕がなくなったからだと言っていましたが、「いい加減にしろ!となってきたことは確かです。
この辺は中国外交も同じです。
このまま国に帰ると首が飛ぶからと卑屈に頭を下げ続けるので、可哀想に思った日本が少しゆずって外交成果を勝ち取る・これの繰り返しで一見中韓政府が得するようですが、堂々たる外交交渉で得たのではなく「コスからい」ことをして得た成果ばかりでは、長期的には国の利益を損なうことになって行くのが分からないのです。

言論の自由(国家民族や集団のため1)

国内企業の場合、支持されない偏った意見は新聞等の売れ行きが落ちるので自然に修正されますが、国外から資金提供を受けている組織や個人の場合国内支持者が皆無でもその活動を続けられるのが難点です。
国外から資金を獲ている場合には、自国のためにする言論とはいえないので、言論の自由がなくなるという制度設計が必要かも知れませんが、その実現は実際には難しいでしょう。
アメリカでロシアによる大統領選挙介入が大問題になっていますが、介入とは言うものの報道を見ると、ロシア政府からいくつかの資金洗浄を経た資金でクリントンの病気情報その他を繰り返しユーチューブなどに流して世論を誘導したと言う程度のことです。
「2016年アメリカ合衆国大統領選挙におけるロシアの干渉」のテーマによるウィキペデア記事からです。

 「フェイスブック社は2017年9月6日、ロシア国内から運営されていた約470件のアカウントを閉鎖したと明らかにし、ロシアによる選挙干渉疑惑を捜査するアメリカ政府当局に報告した。大統領選挙やそこでの候補者、投票について直接言及はしていなかったものの、銃規制などでアメリカ社会を分断するような政治広告を2017年5月までの2年間で約3000件掲載したという[10]。」

言論の自由のその他自由主義の本家とは言うものの、アメリカの場合不正な言論・不正な事業活動に対する感度が高い点が日本とは違います。
この辺は自由主義・人権保障の本家であるからこそ、却って行き過ぎに対するブレーキも用意している・・独占禁止法や不正競争禁止関連が発達し、資本取引金融取引が活発化するとこれの行き過ぎ規制も発達している・・人権保障の進んだ社会の方が却って厳しい規制が発達しているのと同じで、自由な企業活動が何のためにあるかを基礎にしていることがわかります。
表現言論の自由の保証が国家民族社会の発展に資するからこれを保証しているのであって、自国や自民族の発展を阻害し他国を有利にする目的に思想表現の自由を保障しているのではありません。
これを端的に示しているのがロシアの選挙介入疑惑です。
ここではロシアの介入があったかどうかの事実認定の議論をしているのではなく、アメリカの自由主義とは国家のためになる意見や行動の自由であること・・他国の介入を許さないことが当然の前提になっている点を書いています。
武器類も自国防衛のための開発が必要なのであって、隣国等が自国を攻撃したがっている隣国に供給するために武器を生産する国はないでしょう。
薬も健康維持のために服用するのであって、健康を害する目的で服用する人はいません・薬は使い方によっては毒になるという通りです。
企業活動を自由にするのは創意工夫が社会発展に資するところがあるからですが、野放図な自由を許すと却って不正競争等の弊害が起きるのと同じで各種の人権が何のために必要かの理解が必要です。
自由や人権あるいは平和主義の理念輸入国の日本では・・自由や人権尊重を必要とする意義・・平和をどうやって実現するかの実質議論を嫌がって自由だ人権、平和主義か否かの概念論・・レッテル貼りばかりが横行する傾向があります。
左翼系は平和憲法を守れと叫んでいると平和が来るかのような主張ですし、小池都知事の選挙スローガン・日本をリセットするというのですが、何をしたいか実現するかの内容が見えません。
希望の党の場合には立ち上げたばかりなので追い追い具体化するということでしょうが・・。
派手な宣伝文句ばかりをメデイアが持てはやすのでは、真面目に政策実現に取り組む健全な政治ができません。
プライバシーや肖像権で言えばこれを人権に加えるかどうかの議論が盛んなように(判例等を見ているとこの種の議論が先行していますが、なかなか最高裁は正面から認めないのが不満なようですが)、カテゴリーに入るかどうかの議論に関心がある・・カテゴリーに入りさえすれば、後は天下御免的な発想の議論が多くなっています。
この辺は各種人権運動も同じで、何のための人権かではなく(プライバシーその他あらゆる面で)「人権侵害を許すな」と標語さえ叫んでいれば自分は正義の味方だ・正しいことをしていると自己満足する人が多いのと同じです。
売春婦を性奴隷と言い換えるように、レッテル貼りに精出して満足するグループが(「また言ってらあ!」と相手にしない人を同調者と思い違いして)勢力を張りすぎているのではないでしょうか?
ここでは、実際にこのような観念論で満足している人が多いかどうかではなく、メデイアの動向を書いています。
今回の小池劇場・・希望の党が「憲法改正反対・安保法制反対者や外国人参政権要求論者を公認しない」と排除の論理を表明したのですが、民進党のつい最近までの党の公約と矛盾する公認条件を言われても(名の知られた反安保論者以外には)民進党の大多数がこれに応じている状況がメデイアを賑わしています。
昨日の新聞では希望の党の第一次公認だけで全体の6割・民進党からの合流者が110人を超えていて、(第二次公認待ちの応募者がもっといるでしょう)あくまで反安保や外国人参政権を主張するために枝野氏が作った立憲民主党参加想定は今朝の新聞で50人程度の見込みという報道です。
希望の党への合流決定前の民進党公認は過半数獲得目的でしたから、まさか全員当選が無理・・多少の落ちこぼれを見込むと過半数の当選を狙う以上は、定数の6〜7割を立候補させないと無理があります。
衆議院の定数は465人ですから、その6〜7割の公認となれば300人前後公認していたはずですが、この内あくまで「反安保/改憲阻止の節を曲げない」として枝野氏の立ち上げた立憲党への参加予定がわずか50人では、本気でこの主張で支持されていると信じていたのが全体の6分の1程度の少数者だったことになります。
当選するためにはなりふり構わずに所属政党を変更する醜態が報道されていますが、ここで重要なのは醜態かどうかではなく民進党内でさえ当選するには主義主張を変えるしかない・・本気でこんな観念的主張を国民が支持していると思っている人がこの程度しかいなかったことを事実で証明しています。
いわば6分の1の人たちが党の方針を決めていた・・党の公約や方針を決めるにあたっての民進党の党内民主主義・党内意見吸収力の弱さにまず驚く人が多いでしょう。
弁護士会や日弁連で死刑廃止論や反安保論についてアンケートを一切とらない本音がここにあります。
足元の党内意向の反映すらできない政党が、「民主」党とか「民進」党を名乗り「多くの国民の声を無視した横暴国会を許すな」と騒いでいても、まず自分が国民意向の反映していないのでは空疎な大言壮語にすぎません。
言論表現の自由に戻りますと、海外での中国蛮行が問題になると日本の南京虐殺が持ち出されたり、韓国の売春輸出の目くらましに慰安婦騒動をひき起こし少女売買春が横行していると・すぐに日本で人権を名目にこれに呼応する人々・・日本でもっとひどいことが起きていると呼応する人が一定数います。
1昨年の韓国セウオール号事件で遭難時高校生らの避難誘導しないで関係者が我先に逃げていたことで韓国が騒然となっていた時に、タイミングよく?日本メデイアが「日本の原発事故の時でも東電の現場職員何千人もが職場放棄していたという大規模ニュースをいきなり流して話題騒然となりました。
この騒ぎについてはH29年9月13日「戦後平和→道義批判の有効性」のテーマ内で紹介しましたが、朝日新聞社が、原発事故調書を元にこのような無理な推測記事を発表したので当然大きな反響・反論を呼んだものです。

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