対外強行主義の限界2

対外強行主義は、弱い相手を選んでやるので正面だった抵抗が少ないので言わば破竹の勢いで始まります。
対外強行策は国内不満そうの支持率が上がることが多いので,国内政治上のブレーキが利き難い問題があります。
不満の根源解決の代わりに弱い者イジメをして一時的フラストレーションのはけ口にしているだけですから、これによる支持はいつまでも続きません。
お腹がすいて泣いている赤ちゃんにミルクを与えないで,ガラガラッと音をたてて気を引いてもすぐに泣き出すのと同じです。
政権が支持を維持するには,際限なく外国侵略または過激な強迫を繰り返すしかありません。
侵略ならば,圧倒的武力さえあれば無抵抗なので際限なく?できますが,アメリカ国民もこれ以上領土を欲しくないので(世界中から基地を引き上げたい状態です)やるとすれば、・・既存労働者保護のための輸入規制や移民規制しかありません。
ところが,1月30日に入国規制が始まると、直ちにアラブ諸国の反発が始まったように相応の報復を受けるのを防げません。
国内からも有能なアラブ系開発要員が流出する・・結果的にアメリカ企業の競争力低下が始まりますので国内企業からも不満が出ます。
今では,対外強行主義は国内政治・利害に波及する時代で,国内一丸として支持する関係ではなくなっています。
1月30日に紹介したようにクリントン政権は対日100%関税課税で日本を脅したもののその先が続かなかった・・クリントン〜オバマ政権はこの繰り返しを出来ず国民不満を蓄積してしまったので、トランプ氏はこの不満を引きつけて当選したので,簡単に撤回出来ません。
民度を挙げて中間層から非正規雇用へ転落して行くのをふせぐのが本来ですが,基礎レベルの低い国民が多過ぎてこの政策を打ち出せないのが苦しいところです。
かなり有能な政治家でも低い民度を引き上げるのは困難です・・学校で言えば、底辺校に優秀な先生が来ても偏差値20を30に引き上げるのが限界で,イキナリ進学校に引き上げるのは不可能でしょう。
内政充実策がない・あるいは複雑な利害調整能力のない政治家が対外強行策や国内スケープゴートを探しを好むことが多いのですが,国内少数派は文字どおり少数で政治力が弱いので,標的を決めればナチスのようにいくらでもエスカレート出来るので簡単です。
1月30日から問題になっているアラブ7カ国からの入国制限措置実施について,米国内でアラブ系は目立ったデモなどの抵抗が出来ていませんが,国外でアラブ諸国の反発がすぐに起きたように対外的には一定のところで壁にぶつかります。
国内的にも人材利用阻害が経済活動に大きな影響を及ぼすことも時間の経過で明らかです・・その分白人雇用が増える・・それこそが目的だと言うのがトランプ氏と支持者の主張でしょうが,ゾンビ企業温存のマイナスと同じことが労働市場で起きる・・この心配自体行き過ぎ・・その修正をしたいのがトランプ氏の主張ですから,当然の結果・・驚くことはないと言うことでしょう。
理屈はそのとおりですが、輸入や立地規制の外、人材採用規制まで始めるとアメリカ企業の生産性がじりじり下がらないかの疑問がありますが、その辺の政治判断は日本の移民受け入れ政策同様にその国の国民がすることです。
国力低下よりは「人民ファースト」とすれば一貫しているかも知れません。
一見乱暴そうに見える決定もその先の波及効果を読んだ上でやっている場合もありますから、結果が出ないと分りません。
対外強行策に戻りますと、ナポレオン,ヒットラーその他地域大国が傍若無人に振る舞えたのは,地域内だけ・境界内を制圧した結果、地域大国同士の戦いになると勝率が急激に下がります。
波及効果のマイナスが内外から出て来て対外強攻策が行き詰まってから、泥縄式に内政対応に切り替えてもうまく行くわけがない・・殆ど全ての場合,無理があって失速します。
近くは朴大統領による慰安婦外交失敗による内政転換→職務執行停止に至った現状を見れば分ります。
国際紛争が起きると多くの場合,内政の対立をそっちのけにして「先ずは一丸となって戦おう」と言うことで支持率が上がります。
任期最後の数ヶ月〜半年で対外強硬策・対外紛争を起こせば、まだ勇ましいことの言い合い程度で勝敗が決まっていない段階で任期満了ですから、めでたしめでたしです。
相手の方が少し強くても・・(とりわけ日本のように直ぐ反撃しない国相手では)勝敗が出る頃には任期満了ですから,失敗しても元々・・退陣まで支持率を維持出来るのでやるだけやって損がないカードです。
このように、対外強行策は政権支持率が下がった政権末期に政権浮揚効果を狙って最後にイチかバチかの賭けでやれば仮に競り負けそうな状況になったとしても、その前に任期が来て次の政権にバトンタッチすれば良いので気楽です。
次期政権がマイナスになってもすぐにやめる予定の自分の任期は全う出来るので、任期満了直前で紛争を起こすのは損がありません。
韓国では毎期のように大統領任期満了直前に反日カードで大騒ぎの繰り返しでした。
最後に使うべきこのカードを朴大統領もトランプ大統領も就任最初から出しているのでは,乱暴な政策に対する波及効果が出て来る1年〜1年半経過で見事に対処出来るかどうかになり、リスクが大きくなりますが,もしかして混迷するとその先長い任期がどうなるのか・・最初から後がない・・,最低の弱体政権発足となります。
ゾンビ企業や競争力の低い労働者温存のマイナス効果が出て来た場合の政権安定度ですが、経済制裁を受けても言論自由度の低い北朝鮮やロシア・イランなどでは,国民生活に徐々に利いて来る程度では支持率が失速しません・・逆に強国の横暴・・悲壮感を煽って団結アップに利用出来るのが普通ですが、言論自由度の高いアメリカで同じように行くとは思えません。
この辺の違いについては昨年のロシア空軍機撃墜事件直後に世界中から経済制裁を受けて弱っている筈のロシアが対トルコ経済制裁を実施した際に、自由化度の進展度合いと買う方と売る方の差を含めて制裁耐久性を考える必要があることをSep 19, 2016「フラストレーション度2と中華の栄光復活」でと書きましたが、その続きが先送りになっています。
経済制裁打ち合いの耐久度は自由主義国・生活水準の高い方が弱い・・余程の格差・・ダメージ度7対4程度では無理・・10対1程度の差が必要で、消費国の方が強いと言う当時の予想通りエルドアンが直ぐに屈服しました。
トルコは農業産品を買って貰っている外にロシア人の観光に頼っていた面も弱みでした。
中国が気に入らない国に対しバナナ輸入制限や観光客を絞って攻勢をかける(・・これが国際司法裁判所で折角完勝したのにフィリピンが黙ってしまった主な原因です)ことが多いのと同様で、日本も中国人観光客増は大きなリスクになります。
強力な輸入制限は相手国からの輸出規制を受けているのと経済効果が同じですから、消費レベルが高く民主化の進んでいるアメリカで、トランプ氏がロシアや北朝鮮の耐久度を参考にしていると誤算になります。
朴大統領やヒットラーあるいはナポレオンは,対外強行策が限界に来て行き詰まった歴史ですが,トランプ氏の場合、国力背景の強行策は世界相手でも一応貫徹出来るでしょう。

対外強行主義の限界1

国境の壁をなくすと自国立地の不利=人件費その他総合コスト高を嫌って,アメリカ系企業まで皆自国を棄ててメキシコへ工場移転していました。
これに対してトランプ氏が反発して企業には35%の関税をかけると脅したのです。
自国内企業が高コストでもメキシコ立地企業と競争出来るようにするには,相手国の貧困を理由に批判するのではなく相手国も豊かにしてやって同じ「高コスト体質」同レベルで来競争したらどうなるかのテーマをきっちり考えるべきことです。
アメリカの伝統的中南米政策は「相手を搾取し尽くして窮乏化に追い込んだまま究極の貧困状態で物事を考えらないほど追いつめて絶対に立ち上がれないようにする」ものでした。
モンロー宣言はこれを確かなものするためのもの・・囚われの「南北アメリカ大陸に口出しするな」と言うものだったように見えます。
新興国の各競争力に戻りますと,公園・・駅舎や道路工場設備も貧弱であるなどインフラコストがかかっていない・・人件費も何十分の1と安い分に比例して割安に物を作れますが,(その代わり技術レベルが低いので粗悪品が多い)それは一時のことです。
新興国が成長軌道に乗るとインフラが充実して来て(職場にも空調が効くようになり)負担経費がいるし,人件費も上がる・・私が年来書いている世界平準化が進みます。
国際平準化の流れについては,02/21/07「生活水準の国際平準化14と格差社会5(キャピタルゲイン2)」その他で繰り返し書き、平準化進行後の世界については,October 15, 2012「世界平準化後の世界ランキング6(民度2)」まで書いたことがあります。
賃金も上がる→今の中国のように賃金アップ(中進国の罠)で苦しむようになって大きな貿易黒字がなくなって行くのが普通ですから、不公正だ何だと言わずに自然の流れに委ねてその帰趨に任せれば良いことです。
このシリーズで書いているように、市場原理に委ねれば民度レベルまでしか給与やインフラレベルを上げられない・・これが正常な姿です。
自国民の給与・所得水準を上げたければ、民度を上げて行く努力しかありません。
先進国は産業革命の先行者利益の結果実力以上の所得水準を謳歌していたのですが、産業革命の成果が新興国にも及ぶようになるとメッキがはがれて行くのは当然で,将来的には自らの民度レベルに下がるのは仕方のないことです。
ラーメン屋で言えば,味付け能力が低くともラーメンにトウモロコシを乗せるアイデアだけで売上を伸ばすことは可能ですが、それは一時のことで,トウモロコシを乗せる方法が普及すると元々味付けの良い同業者に負けてしまいます。
スーパーダイエーはスーパー方式で先行しましたが,同業者が増えると販売能力の高い方に淘汰されました。
東南アジアや中国の安い人件費に目を付けて先行進出し大成功していた中堅家電メーカーがありましたが,その後実力のある大手が進出するとすぐに負けてしまいました。
いろいろな事例を見ると技術などの実力がなくて目先が利く程度では,一時的に大当たりしても中長期的には結局実力の限界で落ち着くしかないのです。
アメリカの民度は出身地の西洋諸国に比べてかなり低い・低レベル層が基礎集団と言う基本理解でこのシリーズでは書いていますが・・これを前提にすると、将来的には西洋平均以下の生活水準+資源販売益レベルに落として行くしかないと観念すべきです。
日中その他相手の場合には,関税以外の不公正慣行がどうのと言う言いがかりをして来ましたが,不公正と言う言いがかりをつけられない・・何の障壁もない国内同様の物流が実現しているNAFTA相手ではそれが通用しません。
そこで已むなく自国の雇用を守れと言うしかなくなった・・遂に本音が出たと言うべきでしょう。  
昨日書いたように輸入規制でホンの一時的に息をついても、外資が国内生産に参加すると一定期間経過で実力のない民族資本が負け始めるのが目に見えていますので,その内相手国に一定数以上の輸入受け入れを強要するしかなくなります。
政権発足当初に設定した輸出規制・・クルマの例で言えば、アメリカの輸出受入れ台数以上の輸出を相手国に認めない(たとえばフォード車を1万台以上輸入しないと日本から1万台以上の輸出を認めない場合)と強制的に決めさせていた場合、数年後にアメリカが輸出台数を増やすには,同数の輸入枠拡大を認めるしかなくなります。
結果的に同数を輸入するしかないならば,国内需要以上の生産が出来ないことは同じですから、国内生産を結局は国内需要以上に増やせない点は同じです。
まして特定品目別ではなく総額交渉の場合(貿易赤字を問題視するならば,これが普通の交渉でしょう)、日本が米国から食料品や燃料等を輸入すると,その分クルマ等工業製品の輸入を強制される量が減少します。
フォードの頼るピックアップトラックで言えば,トヨタもアメリカ国内で生産を始めると,結局は競争力・生産効率の差になって行くので,多分短期間でフォードの販売数が減って行くでしょうから、政商的利権で(日経新聞の推測記事の真偽不明ですがそのパターンで)動くフォードの栄華はそれまでの短期間になります。
トランプ氏の輸出入規制を煽る過激言動は一見目覚ましいように見えるものの、アメリカの信用を傷つける割に実はアメリカのビッグスリーにとって大した効果を生まないことが明らかです。
昨日紹介したように35%のトランプ以上の過激規制・・ビッグスリーの要請に答えて日本製クルマ輸入に100%課税の脅しを掲げたクリントン政権は,結果的にビッグスリーのアメリカ国内シェアーを落として終わったのですが,メキシコから国内回帰強制してもビッグスリーが現地生産の進んでいる日系その他海外勢に勝てるようにルトは思えません。
このままで放置ではオバマ政権と同じですから,国内でも自由競争による淘汰を認めずに(移民排斥同様に)民族資本かどうかで差別する方向に行くしかないのでしょうか?
こうなって来ると自由主義や人権思想の適用を国内外で分ける欧米の二重基準の人権思想の御都合主義の矛盾が国内でも起きて来ます。
中国が外資を導入しながら他方で何かと嫌がらせするのと、どう言う違いがあるのか分らない・・中国レベル以上の恣意的基準・・専制政治をしたいと言う意思がはっきりして来ます。
1月17日のダボス会議で世界一の横暴・恣意的政治をして世界からひんしゅくを買っている中国の習近平が、アメリカを名指ししないものの保護主義批判演説をしたので世界中が驚きました。
報道印象では「お前に言われたくない」と言う基本姿勢でしたが、私はそうは思いません・・まさに時代の変化・・アメリカが中国以上の恣意的政治に入ろうとしている危険を象徴していました。
中国でさえ霞んでしまうほどの恣意的・強引政治出現に,専制支配ナンバーワンの地位をアメリカに奪われるのが許せないと言う意味だったのでしょうか?
ウエストファーリア条約のシリーズで欧米の内外・人種や宗教で人権基準を分ける矛盾をこのコラムで書いて来ましたが、最も民度の低いアメリカで真っ先に露呈し始めると思われます。
私は安倍政権の外交が成功していることは認めますが,アメリカの価値観は表向きとは別に実質は無法者価値観・こん棒外交であるから、これと一緒は困る・・価値観外交は方便として利用する範囲だであるから、あまり言うと危険だと言う趣旨の意見を書いたことがありますが,こんなに早く本音を露骨に出して来る時代が来るとは思いませんでした。

アメリカンファーストとは?4(取引外交の限界1)

アメリカの通商政策は,クリントン政権〜ブッシュ〜オバマ政権と連続した保護主義強化の流れ(アメリカ経済の実際的落ち込みを背景にする)を受けているものであって、トランプ氏はこれを(手順を践まずに)乱暴・品なく言い表しているだけの違いです。
欧米の人権思想・自由平等主義と言っても、生産方式の近代化と関係していることを1月21日に書きましたが,欧米の自由平等の人権尊重のかけ声は,産業革命で先行した優位性を最大限発揮するための主張に過ぎなかったコトがアメリカの身勝手な保護主義の歴史を見ても明らかです。
欧米がアジア・アフリカ諸国より競争力があるときには自由競争・能力主義が正しいと言って,ドンドン侵略し、植民地支配する名分に人権を使っていただけのことであり、自分が競争に負け始めると相手国を不公正障壁のある国となじって高関税をかけるコトの繰り返しをしてきました。
自分が弱くなると,品質競争で負けているかどうかではなく結果として国際収支黒字国を許さない・・結果的に自国の既成国力の相対的低下防止目的ですから,現状固定の主張に外なりません。
自由競争とは実力に応じて地位も上下する前提です。
スポーツ選手で言えば実力の上下に応じてランキングも上下する、企業も株式市場で日々評価が上下する仕組みですが,結果重視のアメリカ基準によれば企業価値の上がっている企業は不公正なことをしていると認定し課徴金をとることになりますし、練習努力の結果前年より世界ランキングの上がったスポーツ選手は陰で不公正なことしていると認定し処罰してランクアップを認めない社会になります。
アメリカの言い分は自分の地位が下がるのは許せない・相手に輸出自主規制(あるいは相手国のいらないものをもっと多くの輸入)を要求する=相手選手に「負けろ」と要求する八百長試合の強制です。
昨日紹介した論文によると国力低下防止のために競争力向上を目指す・練習に励むのではなく、腕力で阻止する・強権発動主義を既に1970年頃から始めていたのです。
国際競争力維持強化には、このシリーズで書いている民度を上げるのが正攻法ですが、アメリカは戦前大恐慌時から国際競争を切り抜けるために民度を上げる方法については考えもしないで腕力で解決しようとする傾向が今も変わっていません。
逆に新興国台頭に対して、低レベル移民を多く入れて,低賃金競争をして来たから余計苦しくなって来たのです。
民度を上げることに努力しても「アメリカの民度では無理」と観念しているからでしょうか?
今では,アメリカの突出した強みは軍事力と巨大消費市場のみ,・・まさに中国のよって立つ足場と同じです。
この力を利用して市場に参入したいならば,かなり無茶な要求でも聞くしかないだろうと言う立場を前提に何かとイチャモンをつけては金を巻き上げる・・中国同様の恫喝外交がアメリカの基本でした。
これまでは、一応紳士のフリをして「衣の下に鎧を隠していた」(大統領は議会の突き上げを口実に自主規制を要求し,ピープルを煽って日本車をハンマーでぶちこわすテレビ報道をする・・口実をつけて巨額課徴金を凸など)のですが,トランプ氏になると格好つけていると間に合わないほど追いつめられて来た・・アメリカ経済に余裕がなくなったので,トランプ氏は,モロにダンビラを振り回し始めた印象です。
メキシコ国境に高い塀を作るのはアメリカの勝手ですが,その費用を持てと言うのは行き過ぎ・理不尽な強者の横暴です。
1月22日にアメリカは世界の警察官どころか,中国やロシア、トルコなどの地域大国の横暴をアメリカもやりたくなって来た・・仲間入りしたい本音がトランプ旋風の基礎だと書いて来たとおりの展開になって来ました。
アラブの石油でもスエズ運河でも,そこで騒げば世界は放置出来ない・・一時的には大きな効果がありますが,そう言うことをすれば長期の目で見た信用がなくなる点が大きなマイナスです。
だからアラブ石油連盟も石油禁輸の劇薬をその後1回も行使できていません。
中国がレアアースの禁輸をしたり反日暴動を仕組んだことは,そのトキには,溜飲が下がった気がしたでしょうが、その分大きなトラウマになって残って行く筈です。
日ソ不可侵条約違反の侵攻→シベリア連行も日本人は決して口に出しませんが,こういうことやる国と言う日本人のトラウマは数百年単位で消し去ることは不可能です。
ソ連がこれによって得た利益・・樺太・千島占領+奴隷労働強制の利益と数百年単位以上に及ぶ日本人のトラウマとどちらが得かの計算がたたなかったのです。
このマイナスイメージを日本人の心から消し去るには,得た利益の何百倍の努力が必要になる筈です。
ヤクザも1回大声を出して威張れば、その後普通の付き合いをして貰えなくなります。
アメリカは競争力低下に合わせて徐々に地位低下して行くのを素直に受入れるべきですが,地位低下を阻止するために強引なエゴの主張を続けていても、(すぐにはどこのクニもアメリカ打倒とは言えませんが,)その分着実にアメリカの威厳が損なわれて行くのに気が付かないのです。
先進国労働者が職を失って行く現状は,日本の歴史で振り返ると社会安定を重視する徳川政権による永代売買禁止令によって,明治までは農地売買が厳しく禁止されていた(無産者輩出を厳しく制限していたことになります)ことを紹介して来ましたが、明治政府による農地流動化政策によって,独立自営農民・中間層の多くが小作人や都市労働者に没落して行ったときと現在の状況が似ています。
この辺の流れについては,04/10/04「イギリスの囲い込みと我が国の自作農崩壊との相違・農村の窮乏化政策」08/26/09「土地売買の自由化1(永代売買禁止令廃止)」その他のシリーズで紹介して来ました。
明治維新の頃には、都市で新たな産業が勃興していて農地を失って都会に出た人も適応能力のある人は生活に困らなかったので,秩父困民党事件など地元に残った農民だけの散発的騒動で終わり、没落士族中心に各地の不平士族の乱になりましたが,それも線香花火で終わりました。
西欧のラッダイト運動がすぐに落ち着いたのと同じです。
今の先進国は新興国による低賃金競争に曝されて,従来どおり多くの中間労働者を抱え込む余力がなくなりつつあります。
知財等の発達があっても大規模工場縮小後の労働者の受け皿になれない・・力不足ですから、単純低賃金競争に入って行くと失業者が増える一方・・新しい受け皿産業が充分に育っていません。
根本的解決には日本のように個々人が工夫して,良い物を少量生産して行く社会+マルチ技能工を養成して行くしかないでしょう。
この努力を怠って廻りを強圧で押しきろうとするのですから、赤ちゃんが駄々をこねて一時的に自分の意志を通そうとているようなことでは文字どおり一時的線香花火に終わり将来性がありません。
中台関係を例にすれば,トランプ氏が中国を激しくパッシングしてくれてもそれは飽くまでも見返りを求める取引外交である以上、これに喜んで舞い上がるのは危険となります。
パッシングが強ければ強いほどパッシングされる国は交渉に応じるしかなくなると言うより,トランプが何を求めてパッシングして来たのかがすぐに分るので、正面抵抗するよりはトランプ氏の気に入る内容で妥結する方向に動くのが普通です。
過去数十年間ス−パー301条の脅しで世界中のクニが WTO違反だと言いながらも戦うことが出来ず事実上屈服して来た結果(1月26日にウイキペデイアの記事で紹介しました)を見れば明らかです。

規模追及の限界2と民度4(PeopleとCitizen1)

欧米では,ギリシャ・ローマの昔から,民主主義と言っても市民だけのことで「市民」でない人に対しては人間扱いして来ませんでした。
PeopleとCitizenの語源の違いです。
http://daruyanagi.jp/entry/2012/12/15/142304市民概念の歴史的解剖からの引用です。
実際には複雑な歴史変遷がありますが,長文になり過ぎるため部分引用ですので正確に知りたい方は,全文を御読み下さい。
「市民」は、城壁と秩序の「内」にあり、それ(≒社会)を支える資格*1と気概*2をもつ人のことを言う。それをとくに「公民」と訳す場合がある。なので、「市民」とは「~であるもの」ではなく、基本的に「~になるもの」だ。つまり、自覚的・能動的存在であり、この点で「民衆、庶民(people)」とは異なる。」
今後中間層の総合的レベル・民度差が国力・各国の生活水準の差を決めて行くとなれば,民度が重要です。
欧米では,被支配層に主体性を持たせない政策・・ピープルを他動的自主性のないものと決めつけて、あるいは自主的思考を持たないように動物並みの扱いをして来ました。
古くは商品の1つとしての奴隷は売買対象であり、近代では機械や羊のように入れ替え可能な人「材」として、ここ100年前後では流れ作業を黙々とこなすだけの役割しか与えないで来たツケが出て来たのですから、急に頑張っても数百年単位程度の期間では人材レベル引き上げはほぼ不可能でしょう。
国民がはらからで成り立っている我が国は欧米とは違うので、移民受入れによる低賃金労働者と入れ替える安易な方法はクニを誤ると言う私の基本的立場による介護に限る移民受け入れ論に戻します。
以前書いたことがありますが本当に介護や保育士人材が必要ならば,移民にたよらずに介護人件費・保険点数アップ・・彼らの能力に応じた人件費を払えるように介護や保育料金アップを政府が認めれば済むことです。
コストに見合う料金にすればいくらでも開業する事業主が増えるでしょう。
高すぎれば,その批判をうけて,コスト削減努力の工夫が業界内から自然に生まれて来るでしょう。
別の角度から見ると、次世代人格形成にに大きな影響を与える大切な乳幼児教育こそ、優秀な人材が必要で、低賃金外国人に入れ替えるのは危険です。
本来はコストに見合う保育料や介護料を払うのが経済原理ですから,これをコスト以下に抑える政策は社会保障の分野ですから,所得と関係なくコストに見合う負担しない・・中高所得者の場合負担額が上がりますがそれでも、本来のコスト全額を負担していません・・・政策が許されるかも総合的議論をすべきです。
料金をコストの何分の1に押さえるから民間参入が進まない・・不便な場所にしか出来ないなど結果的に有能な人材が集まらないので(日本では最も重要な)現場発のシステム改善工夫も進まない悪循環に陥ってるように見えます。
国鉄の失敗で分るように「官」が料金からサービス内容全てに関与すること自体に無理がある・だから保育所や介護事業関係の需給バランスが崩れているのです。
人件費相場で見れば,仮に周辺職種よりも大幅アップになれば周辺の人材が高い方に流れますので、結果的に周辺労働力不足・・賃金水準がアップします。
保育士や介護士の人件費アップを避けて移民に頼ろうとする意見は、結果から見ると国内全般の人件費相場のアップを嫌っている主張・・欧米並みに移民と競争させる低賃金政策となります。
国際的な低賃金時代に対して同レベル・低賃金で競争に入るのではなく、別の角度からの対応努力しなければ,あるいは個々人の努力するのを妨害し,努力や工夫に水を指し続ければ,いくら優秀な民族でも千年単位経過でレベルが低下して行くのは,10日に西洋と日本の民度差が生じた理由の1つとして書いたとおりです。
教育界やマスコミがアメリカ方式・大量・粗放生産方式が如何に素晴らしいかを賞讃しこれにに従わせようと戦後70年間も営々と教育・努力していて、大学までマスプロ教育と称して私の学生時代には数百人の大教室での講義が普通でした。
ところが、細やかな店員対応を度外視して大量仕入れ大量販売方式を導入しただけのスーパーダイエーはなくなってしまいました。
これをやっている限り日本は欧米の猿真似人種と揶揄され2〜3流国として下風に立ち続けるしかありません・・。
戦後農政・・その中核であり具体化である農協の役割を見ると個々人の品質改良努力をマイナス評価して量のみの評価=標準価格米の生産誘導・・量のメリット・農機具や肥料などの協同仕入れ販売も共同販売・・量だけを追及する農協方式の限界が明らかになっています。
日本の農業は広大な農地牧場を擁するアメリカやオーストラリアなどと対等な競争が出来る訳がないと言う前提で、いつも農業に関する特別枠を求める結果、折角競争力のある工業製品の輸出条件で割を食っていますが、これは広大な農地・牧場で粗放・大量生産している両国基準の真似をする前提に立っているからです。
何事も相手の体格や基礎条件に最適の土俵・・ルールで戦って勝てる訳がありません。
現在日本の生き残りに役立っているのは(量での勝負ではなくおいしい銘柄米やサクランボや果物、トマト、人参や和牛など)農産物であれ、食品(ロイズのチョコレートなど)・工業品であれ医薬用機器・介護用品であれアニメ等の文化面その他全ての分野で,高品質製品を「お宅的に」作る能力を発揮した結果によるものばかりです。
新興国と共存を図るには,汎用品は新興国に任せて張り合わずに,先進国は長年の伝統に基づく工芸品的な生産・・手間暇かけた教育などに特化して行くべきです。
農産物(各種果物や和牛その他)が,個々人の努力によって,高品質品としての評価を得るようになって,世界に活路を見いだしつつありますが、これは農協が切り開いたどころか・どちらかと言えば農協は,農協を通さない個性的出荷に対する妨害勢力でした。
低賃金新興国の工業生産参入による国際環境激変に対しては,(本来間違っていた)大量粗放品生産方式に見切りを付けて日本人の得意な「おタク」的な手間ひま掛けるもの,アニメ方面や文化的方面あるいは精密作業を増やして行く・・大量画一生産方式から手を引いて産業構造を変えて行けば良いことです。
粗野で効率ばかりの医療や教育よりは手間暇かけたきめ細かい保育や教育、手厚い看護も世界の富豪が日本に求めるインバウンド消費になるかも知れません。
12月11日(日曜日)ブルゴーニュ地方で愚直に昔からの手法を守って再起を図る?ワイナリーを主人公にするフランス映画を見て来ましたが,隣のワイナリーの娘と結婚したアメリカ青年がまじめ一杯にアメリカ式農法で奮闘するのですが、頑固な手法を守りたい?(結婚相手の娘の)経営者・母親から追い出されてアメリカに帰ってしまう顛末も出て来ます。
このような映画が出て来ていることから、フランスでもアメリカ式大量・合理的?生産で勝負するより個性的品質で勝負する方向へのノスタルジア・・大量生産方式への見直し機運が芽生えていることが窺われます。
アメリカは中級技術者層のレベルが低い・・ベルトコンベアー方式の大成功によってレベルアップ努力を放棄してしまったので?社内訓練の歴史経験がありません。
日本は何の資格もない青年を採用して社内で仕込んでエキスパートに仕上げて行く社会ですから、転職すると通用性が低い難点があります。
アメリカでは各人が就職前に持っている資格別採用・・だからこそ画一資格を持っていれば転職フリーな社会になります。
社会構造の違いを無視した雇用流動化論は、結果的に中間層の底辺層への転落誘導政策になり兼ねません。
欧米では身分制度がなくなってもその代わりに企業別ではなく職能別組合が発達するなど,今でも階層別資格社会ですから、その分レベルアップの困難な社会構造です。
November 16, 2016「民主主義の基礎4・信頼関係3(governmentとは?1)」以来,ガバメントとピープルとの関係・・支配、被支配の対抗関係を書いて来ましたが,両者が対抗的関係で隔絶して来た・・ひいてはピープルの権利強調に走ります・・欧米では,governmentを構成する支配層とピープルの間には同胞意識がありません。
ピープルのレベルを引き上げて自分たちに近づける工夫をすれば,自分らの支配的地位を危うくするので避けたい意識があります。
これがアジア、アフリカに対する接し方・・日本の場合には現地人が自分でやれるように懇切丁寧に教え込むので喜ばれますが、欧米や中国は「お前らに出来る訳がない」と差を強調する目的で現地インフラ整備してやる?方式との違いです。
日本企業がプラザ合意その他で欧米市場から閉め出され始めた結果、生産基地として東南アジア展開(迂回輸出)するようになると、パンドラの箱があいたように世界中の新興国の産業勃興が始まりました。
日本が行くまで欧米は何百年も支配していながら現地人には格差の大きさを強調して絶望感を与える努力ばかりで、(この辺はシンガポール元首相が日経新聞連載の「私の履歴書に来書いてるとおりです)何らの技術移転もしていなかった・・日本の台湾や朝鮮半島統治との根本的違いです。

規模追及の限界1と民度3

米英やEUに比べてこの矛盾が極端に出ているのが韓国(良いとなれば極端に動くのでひずみもダイナミックに出る社会)ですから,今回韓国の反朴運動の原動力は低賃金化の流れに対する不満にあることを無視出来ないでしょう。
アメリカ式経営を極端に追求して来た韓国経済は今や危機状況ですが,危機状況下においてもいわゆる労働貴族は立ち位置を修正することはありません。
長年のヤンパン支配に無理が来ていたのに、明治初めに日本からの政体変革必要性の提案を無視して、頑迷に旧体制維持に固執していて結果的に民族の独立を失ってしまった轍をもう一度践もうとしているかのようです。
現在韓国の国際競争力はサムスンと現代の2枚看板で成り立っていますが,その2強がそろって躓き(昨年あたりだったかの燃費偽装と今夏のスマホ発火事件)、もしかしたら将来の大きな危機に発展する可能性に瀕しているのですが,こうした反省・危機感が従業員には乏しそうです。
この危機状況下で・・現代自動車労組の非常識な賃上げ運動が労組の勝利で終わったことから見ても分るように、そのコストは全て下請けや非正規賃金に転嫁する仕組みです・・この結果個人負債は増加の一途らしいです。
韓国では財閥社会ですから,財閥系に就職するのとその他ではまったく違う・・この結果財閥系に就職するための就職塾があって就職浪人が当たり前の社会と言われています。
失業率の取り方が国によって違うのでイチガイに言えませんが,実際には無職若者が一杯いる社会になっているようです。
ヤンパン支配に対する憧れが背景にありひとたび労働貴族なれば,庶民生活など気にする必要がないと言う風潮・これを許し憧れる庶民の気持ちがあるからでしょうか?
韓国では隠れ失業者が溢れているので,最低賃金が守られていない悲惨な状況が報道されています。
ネット情報なので,引用出典自体が正しいかどうか・・事実か否か不明ですが,一応以下のような情報が氾濫しています。
「また、1時間当たりの最低賃金は今年から5210ウォン(約490円)に引き上げられたが、ほとんど守られていない。先日、あるコンビニに面接に行くと『うちは時給3000ウォン(約280円)。働きたい奴はいくらでもいる』と言われた。働ける場所は限られているので従うしかない」(20代・男性) 出典NEWSポストセブン|韓国現役世代に貧困の波 113万人リストラされ再就職率43%│
最低賃金は東京の2分の1にも関わらず、スタバのコーヒーはほぼ同額。ビッグマックにいたっては韓国の方が高い。これはキツイ! 出典韓国のバイトが不憫すぎる! 5人に2人は最低賃金420円すらもらえない
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2014年5月2日、韓国紙・朝鮮日報によると、「消費期限を過ぎた食品は売ってはならない」という法律を悪用し、食品を故意に販売せず消費期限切れにして自分のものにするアルバイト店員が増えている。このため経営難に陥る店舗もあるという。
3日付でチャイナネットが伝えたhttp://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=87565
配信日時:2014年5月5日
上記はオーバー表現が含まれる..ネット情報の真偽は別としても海外へ韓国女性売春婦が大量進出している実態が何年も騒がれていることや移民願望の高さなどからも国内での困窮が窺われます。
日本のマスコミ文化人は欧米の真似をして低賃金移民を入れないから負けているのだと言い,これを失われた20年とバカにした論調が繰り返されて来ましたが,移民→低賃金競争に参加する間違いが白日の下に曝されてきたと言うべきです。
新興国参入=今後は低人件費時代だと言うことで,安易に低賃金移民を入れる競争(これをグロ−バル化と言うまやかし標語にしていますが本質はこれです)に参加していたのでは民族(アメリカはピープルしかいない・民族がないから気にしないと言うスタンスに対するピープルの不満が出て来たのです)の将来がありません。
移民を入れても元々の居住者と差別しない平等の人件費だから、低賃金化を狙ったものではないというのでしょうが,3k職場に大量に労働者を入れることによって,求職者が増えれば3k職場の改善が遅れ賃金抑制に働くのは当然です。
日本の場合,実習生と称して僅かに移民が入ってはいますがそれほど大量ではなかったので、業界が必要に迫られて3k職場の改善が進み女性の参入が進むなど・・やせ我慢した結果,改善が進んだ面があります。
諸外国並みに移民受け入れをを日本の政府や業界が望んでいたのですが、国民の強い(と言うよりは古代から国民や従業員のための政府であり企業です)日本では業界の思うように(産業革命時にイギリスがエンクロージャー・小作人と羊を入れ替えたのですが、日本では小作人が強くて出来なかったように、低賃金移民と国民を入れ替えることは出来ません)実現出来ないイラダチが,国内マスコミで氾濫していた失われた20年論の背景です。
アメリカの政策結果に戻りますと、移民をドンドン入れて来た結果、・・昨日人口変化を見たようにこの約20年でアメリカは6000万もの人口増・・働かないでいられる移民は滅多にいないので3kでも何でも必死に求職活動をしますので,・・大雑把に言えば移民の数だけ既存住民の職場が奪われ、結果的に失業者か非正規層へ転落したことになります。
下がり切った最低賃金階層には最早これ以上の損はない・・後はフードスタンプ受給条件緩和を期待したりセーフネット整備期待程度?でしょうから、最低賃金引き揚げや生活保護レベルの引き揚げ、保険その他社会保障基準アップなどを言ってれば良い政党・・アメリカの民主党には有利でした。
ヒラリー氏で分るように民主党は,貧困対策を宣伝するものの実際の政治資金はウオール街・富裕層経営層から得ているのが現実です。
結果から見ると資本家代弁による移民受入れ推進→低賃金化政策と転落した最低辺層代弁政党のマッチポンプ政治がこの数十年間(民主党は資本家と庶民層双方に良い顔が出来たので強くなり,共和党は資本家代弁だけしていたので支持が減ったと言う構図です)続き中間層代弁政党がなかったので,中間層は非正規階層にドンドン沈んで行きましたので、まだ生き残っている非正規に転落しそうな中所得労働者の怒りが爆発したことになります。
トランプ氏は共和党の弱点を補うためにヒラリー氏同様に移民排斥論で庶民を煽って当選し、当選後は工場海外移転阻止のパフォーマンスなどをしていますが,工場移転決断するには相応の理由・競争力低下が基礎にあるのですから,移転を阻止しただけではその工場の競争力が低下している方向性は変わりません。
工場移転阻止は,先送り強制の強制に過ぎず中間層が生き残る政策とは直接の関係がありませんから,どうやって中間層のための政治をするかの展望が見えません。
日本のような高レベル中堅層の努力工夫に頼る・・中間層の活躍できる社会に切り替えて行くには流れ作業向きレベルに満足していたのではピープルの人材レベルが低過ぎるのが難点です。
数日前に人材レベルを10点〜5点2〜3点と比喩的に分類し、アメリカの流れ作業方式は5点前後の人にも出来る職場提供であったと書きましたが,今では5点前後の人は2〜3点の人と同様の仕事しかない社会です。
中間層が中間層として生き残るには、比喩的に言えば8〜10点の能力の必要な時代です。
現場の工夫によるおいしい料理提供や高級みかんやトマトの果物,嗜好品,高級牛肉等の生産工夫能力次第となって来ると,奥の院の研究所にノーベル賞級の研究員が大勢いても・・現場人材が5〜2〜3点ではやって行けません。
日本では現場的研究からノーベル賞受賞者が出る社会です。

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