金融政策の限界7

以下金融政策の限界論です。
不景気とは、・・経済原理上投資するメリットがないと言う市場判断によって、投資が停滞しているのが現在の世界経済です。
昔は需要があっても資金がない国では、インフラ投資出来ませんでしたが、今では需要があれば先進国から資金が流れ込みますから、需要がすべてを決める時代になっていると言うテーマでこのシリーズを書いてきました。
日本は世界最大の純債権国・資金余剰の国ですから、投資が増えないのは資金不足によるのではなく市場的関心による需要がないからです。
これ以上トンネルをくりぬいて10数人規模の小集落間の移動を便利にしてもコストパフォーマンスが悪過ぎる・・公共工事による経済効果を期待するのは限界が来ていることは20年前から分っていることです。
今は財政目標は公共工事からいろんな方面へ拡散していますが、民間の創意工夫・・智恵を結集しても採算取れないものを、政府が作っても需要が想定より増えることがありません。
第二階東京オリンピック設備計画同様にやってみると、想定以上のコストがかかる逆の結果になるのが普通の成り行きです。
特定成長分野を政府が決める(太陽光発電への補助など)のは計画経済のようで無理があるし利権の温床になりがちなので、全国民に公平に効果が行き渡るように規制や金融緩和で公平にみんなのハードル(コスト)を下げる・・水平面をさげる(下駄を履かせる)努力が規制緩和・金融緩和論です。
しかし市場原理に委ねると民間がやる気が起きない分野については、公共投資であってもあるいは金利下げによって少し投資が増えても(元々需要が乏しいのですから)これによる経済成長効果が殆どない見込めません。
金利下げによって無理に後押ししても投資乗数・・経済成長効果がないことに変わりがない・・世界水準から見て高度にインフラその他が行き渡っている先進国・・しかも資金が余っている我が国では、金利が下がり紙幣増発しても本来の需要が増える訳がありません。
我が家で言えば金利が下がっても借金する気がしないし・・牛乳やコーヒーの値段が1割下がっても昨日より多く飲みたいとは思いません。
景気対策として人為的に需要を引き上げようとして財政投融資や金融緩和するのは、結果的に経済合理的に見て必要もない資金利用を煽ることになります。
※生活に必要なインフラ整備は終わって今後はレベルアップ用の整備・・街路樹の植栽、駅プラットホームの防護冊やエスカレーターなどの増設、電線地中化・・公園便所のレベルアップなどは経済成長効果を望めませんが、豊かな国では税でやるべきでしょうし、ロケット開発や南極派遣など)長期的展望による資金が必要なために民間で出せない分野を国家地方政府が出すのは必要ですが、目先の経済成長を求めるとおかしなことになります。
財政の使い道は豊かになった程度に応じて快適な生活を増進する目的で行なうべきであって、経済対策として行なうべきないと言う視点で書いています。
私見によれば即効的景気対策・・経済成長目的の財政出動政策は不要であり誤り(害)ですが、(為替相場対策→その結果として内需が増える効果としては意味があることは認めますが・・)これを間違って?利用する人が増えた場合、我が国のバブルの教訓だけではなく、どこの国でも何らか(長野オリンピック景気も本来その社会地域の需要を越えた人為的需要でした)のバブルが発生し、崩壊する法則?を直視すべきです。
日銀が金融緩和しても物価が上がらない(物価が上がらないのは良いことです)とか国内投資が増えていないと批判する意見がありますが、元々そう言う直接的効果は予定されていないと言うべきです。
何回も書くように開かれた世界ではある国の物価が上がれば物価の低い国から輸入される・・中期的には国際相場以上に物価が上がることはありませんので金融政策に物価上昇効果を期待するのは無理があります。
同様にいくら日銀が紙幣を発行しても(日本が輸入資金を持っている・債権国である限り)ハイパーインフレは発生しません。
赤字国債論議で財政赤字が続くと必ず出て来る「将来払えなくなればどうする」と言う議論に対して何回も書いていますが、赤字累積がどうなるかは、日本全体の赤字の場合の議論を一部組織でしかない「政府財政赤字」の議論にすり替えているのです。
日本経済全体のために必須ならば(体全体を助けるために一部ちくりと注射して痛い思いをしても良いように)「政府」と言う部分団体の赤字も我慢すべきかは別問題です。
金融緩和論に戻りますと、リーマンショックに対して世界中が金融緩和で対処したのに、日本だけが緩和しなかったので超円高になり、リーマンショックの被害が最も少なかった日本が一番回復が遅く・・大きなダメージを受けてしまいました。
金融緩和は国内投資を直截増やすよりは為替相場の引き下げ効果があって、輸入抑制・輸出環境好転→国内投資環境の好転、・・結果的に緩和しなかった日本だけが割を食ってしまったのです。
インフレ期待を日銀が掲げたのは(私見によれば)間違いですが、金融緩和競争に日本だけ泰然としているべきではない・・これを改めたのは正解です。
マイナス金利もEUが早くから実行しているしEUの方が、マイナス金利ハバが日本よりも大きいのに、これとの比較論が一切なく日本のマイナス金利だけ「害が大きい」と批判しているのは学者としてはマトモな議論とは言えません。
移民のテーマでも、西欧等での移民増加のマイナス効果を全く論じないで人道論だけ煽っているのも同じです。
人道論は既に移民してしまった人の救済論であって、これから移民を入れてよいか否かの議論とは関係がない・・すり替え論です。
マスメデイアは「日本経済が沈没するように期待するバイアスがかかっているのではないか」「日本が損するような提言しかしない」と言う批判にも説得力がありそうな状態です。

金融政策の限界6(韓国のミニバブル2)

マスメデイアでは中国バブル崩壊を懸念する声が漸く大きくなってきましたが、韓国の場合世界経済や日本への影響が小さいからか殆ど注目されていません。
以下はhttp://seoul123.seesaa.net/article/121402277.htmlからの引用です。
「6月13日韓国銀行によると、韓国人の個人負債は、昨年末基準で1650万ウォン、アメリカは5795万ウォン、日本は3626万ヲン(260万円)、オーストラリアは5150万ウォンと集計されました。
一方、個人金融財産はアメリカ1億6557万ウォン、韓国3451万ウォン、日本1億5617万ウォン(1120万円)で、韓国と経済規模が同じオーストラリアは8254万ウォンです。
韓国銀行は、個人の負債を判断する時、単純に負債の増加だけを注視するのではなく、金融財産の増加を含めて考え、個人の財産健全性と負債償還能力を判断しなければならない。また、個人の負債が増えるのは経済成長に伴う自然な現象なので、それ自体を否定的に見てはいけないと指摘しています。
金融財産を金融負債で割った比率で見ると、昨年末の時点で、日本が一番高く4.31、アメリカ2.86、韓国2.09、オーストラリア1.60になり、日本が一番安定した経済状況にあることが解ります。」
(ただし何年のことか分らない書き方です・・2009年頃に書いたものかも?・・韓国の個人負債激増が問題になり始めたのはここ数年のことですから今のテーマとしてはちょっとモノ頼りないですが・・・。)
上記のとおり急激な個人負債の膨張の心配に対して金融資産も増えているから心配するな?と韓国銀行が言い訳しています。
しかし、GDP比の増加率を昨日紹介した「日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)」の記事(これは新しいデータです)から見れば以下のとおりです。
「韓国の家計負債は、2015年末に1,200兆ウォンに達していて、負債の規模もさることながら、増加スピードが速いことで懸念されている。韓国の家計負債は04年に494兆ウォンであったが、15年には1,200兆ウォンに膨らんでおり、年平均8%ほどで増加をしたという計算になる。同じ期間中に、韓国の経済の実質成長率が3.6%前後であったことを考えると、経済成長に比べて負債は2倍以上のペースで増加したことがわかる。」
これによればGDPの拡大の2倍のスピードで個人負債が増加していることが分り、韓国銀行の説明に無理があることが分ります。
上記記事は全国民をごっちゃにした統計数字で見た場合でも負債率が2倍にふえていると言う指摘ですが、韓国の場合、いわゆる財閥一族に富みが集中し・勤労者も大手企業・公務員とその他零細企業従業員との二極化が激しい・・ヤンパン支配再現のような同様の大きな格差があると言われている社会構造を直視すべきです。
アメリカの格差拡大不満同様に財閥オーナーとその周辺だけがGDP拡大の恩恵を受けている不満が大きい・・これがイギリスのEU離脱論の根底にある世界の潮流ですが、財閥社会の韓国ではその矛盾がもっと大きくなっている筈です。
ただ韓国は前近代意識が強いと言うか庶民が弱い社会ですから、どんなに不満があっても意思表示出来ない・・精々移民や売春婦になって海外に逃げる算段しか出来ない点(北朝鮮でもあれだけ貧困で苦しんでいても誰も反抗しません)が欧米との大きな違いです。
格差の大きい社会では国全体の統計を平均するのでは意味をなさない・・末端庶民の苦しみを見るには、負債比率をGDPで割るとしても、その何倍かの倍率をかけないと本当の意味が分からない状態です。
消費者金融が拡大し続ける社会構造=庶民の方は金融資産など殆ど持っていない・・老後資金がないばかりか国レベルでも年金制度が充実していない現実こそが重要です。
金融資産を持っている人・・例えば500万の預金を持っている人がサラ金やヤクザから10〜30万借りることはあり得ない・・あるいは借りても預金を崩せば返せるのに娘の身売り・・海外売春に追い込まれる人はいない筈です。
借りる人は金融資産など元々持っていない・・(サラ金の顧客も通信料金など引き落とし用に預金口座を持っていますが)金融資産といえるほどのものを持っている人と持っていない人に厳然と別れているのが普通です。
(いつも書きますが一定の例外はありますが原則で書いています)
国民の苦しみ・程度を見るのに、財閥の持つ巨額資産+消費者金融を全く利用していない中間層(年収数千万円以上の階層)の金融資産合計と負債の比率を見ても意味がないことは確かです。
金融資産とのバランス論は、対外でフォルト可能性・・国内資金で賄えているかが分る程度・・国家のデフォルトリスクが多いか少ないかの基準にはなりますが、2極化された国民不満・・国内治安リスクは読めません。
日本の財政赤字リスクの判断には、国内金融資産残高と国債残高の関係が重要ですが、財政赤字の議論になると何故かエコノミスト・マスコミは個人金融資産残高との比較を報道したがりません。
いつも書いていますが統計はどの場面で切り出すかが重要です。
以下はhttp://www.sankei.com/west/news/141118/wst1411180004-n1.htmlからの引用です。
1000兆! アジア最悪の個人負債 2014.12.31 17:00
 リーマンショック以降、金融危機の恐ろしさが身に染みた多くの国では、金融機関が個人向け融資に慎重になっているが、韓国ではむしろ国内総生産(GdP)に占める個人負債の割合が増す現象が起きているのだ。
 韓国メディアの毎日経済新聞(電子版)が伝えたドイツ金融会社アリアンツが発表したデータによると、昨年末時点の世界主要53カ国のGDPの個人負債比率は65・1%で、09年に比べて6・4ポイント下落した。
 ところが、韓国はアジアで最も高い92・9%で08年比で10%上昇。負債規模は08年からの5年間で、1・4倍に急増したという。」

金融政策の限界5(韓国のミニバブル1)

まだ中国韓国人には、近代的モラル・ルールが国民の心の芯に定着し切れていないことを7月28日に書きましたが、人民の価値観にとっては金利が安いならば今のうちに借りられるだけ借りてしまおう・・最後に払い切れなくなれば、踏み倒せば良いと言う魂胆でしょうか。
7月28日に書いたように中国や韓国では、借りたら返す必要があると言う近代法意識が未成熟(・・韓国では何回も借金棒引き令が行なわれて来たと言われています)だから1昨日紹介したような野放図な金融緩和政策が大手を振っていられると思われます。
現在中国の野放図な借金拡大傾向については、ちょっと日付が遡りますが勝又氏経済時評5月9日からの引用です。
「「フィナンシャル・タイムズ』(4月28日付)は、社説で「経済改革に苦闘」と題して、次のように論じた。・・・
(2)「巨額の債務がもたらすリスクは明らかだ。負債総額は国内総生産(GDP)の約240%に相当し、大半の新興国の比率をはるかに上回る。赤字の国有企業がかなりの債務を抱えているため、この数字が長期的に持続可能であるはずがない。さらに懸念されるのは債務増加の速度である。もっとも、現在では深刻な金融危機のリスクは限定的だろう。閉ざされた資本市場、高い家計貯蓄率、潜在的経済成長力を考えると、中国の全体的な負債水準は警戒レベルを下回るだろう。また、政府には企業債務(実際には国有企業や地方政府関連が多い)を国庫のバランスシートに移し替える余裕がある。政府の財務内容は依然、巨額の公的準備に裏付けられ、健全である」。
以下は勝又氏の意見です。
「中国の抱える債務総額は、この記事では対GDP比で240%としている。だが、マッキンゼー国際研究所の調べでは、282%(昨年4~6月現在)である。その後の債務増加を勘案すれば、300%超えも間近であろう。決して、安心できる水準ではない。「政府には企業債務(実際には国有企業や地方政府関連が多い)を国庫のバランスシートに移し替える余裕がある」と指摘しているが本当だろうか。」
(3)「不良債権処理の包括計画をまとめないうちは、問題の先送りにすぎない。国際通貨基金(IMF)が警告したように、政治的に微妙な分野を含めて産業の再編に取り組まなければ、(債務の株式化や証券化を通じて処理する)現政府案は逆効果ともなりかねない。中国経済のリバランス(消費主導型への再均衡化)は極めて難題で、当局は予見しうる将来、刺激策を続けなければなるまい。これまではゾンビ企業にあまりにも肩入れしてきた。重要なことは保健、教育、都市の住宅、輸送、大規模な環境浄化など、より社会的に有益な分野に支出することだ。最も衝撃の小さいシナリオでも、債務負担の軽減にまだ10年近くはかかるだろう。その間、世界各国は中国の改革の遅れのあおりを覚悟することになる」。
この勝又氏の引用するリポートによって債務の合理的再編に取り組んでも(先送りをしていればもっとかかります・・)今では、中国の病人状態脱出には、10年以上かかると言うのが常識になっているようです。
まして中国の場合、統計さえ正確な発表が出来ない・・不正確な状態ですから文字どおり合理的対応出来る筈がない・・その場しのぎになるのは目に見えています。
今年2月26日のG20で鉄鋼石炭などの過剰生産を整理すると発言したのに、その直ぐに金融緩和した結果、休止したばかりの設備が再稼働始めたりマンションバブルが再発生している状態です。
上記記事では、「債務の株式化を図る」となっていますが、要は(株式化すれば返済義務がないから)返済を免れようとする方向へすり替えて行く魂胆であることが明らかです。
その後の経過はを見れば合理的再編・起業淘汰を計るどころか1昨日紹介したとおり、ゾンビ企業延命のために社会融資総量の激増になっているのですから大変です。
韓国も、ここ数年の成長率鈍化打開のための金融緩和が模索され少しずつ実行されていますが、金融緩和すると国民の反応が良過ぎて?債務が増え過ぎる・将来へのリスク拡大が心配される状態・・日本の国民のように金融緩和しても返す当てもないのにお金を借りない自律性が低い点が懸念されています・・中国同様に借りられるなら借りておこうとする点では同じ体質でしょう。
以下は、http://www.data-max.co.jp/280218_ry02からの引用です。
  日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
「日本のようにローンを組むことによって金融機関の審査を通るのではなく、契約金だけを用意できれば、まず住宅購入ができるようになっているため、これが後で負債として負担になるケースも多い。現代は、昔のように一斉に不動産が上がるような時代ではなくなったので、値上がりを見込んで無理して購入した住宅が値下がりし、融資残額にも満たないことでハウスプアになったりしている。
 とくに現在の朴謹恵大統領時代になって、不動産を活性化させて、内需活性化の呼び水にしようという狙いで金利を下げ、不動産の規制を緩和したところ、政府の予想を上回る急激な不動産過熱が発生し、その期間中に家計負債は急増してしまった。政府では「お金を借りてでも住宅を買いなさい」と奨励した覚えはないと否定しているが、いずれにせよ、家計負債が膨大に膨らんだことは紛れもない事実である。」
政府が煽ったかどうかは別として国民が簡単に借金に飛びつく体質である点では日本との大違いです。
国民をたぶらかして大儲けする中韓の企業や政府と国民の方がしたたかな日本社会との違いでしょうか?
日本のバブル崩壊を大騒ぎしていますが、急上昇した高値で売り抜けた農民や旧地主が不動産屋等が大幅値下がりで損をしたのと同額を儲けている・・国内での資金移動に過ぎないとう意見を連載したことがあります。
中国の場合企業家(日本からの投資家を含めて)から地方政府(共産党幹部)に所得移転したことになります。

金融政策の限界4

買い替え需要循環に入ると、たまに同一商品(・・例えばクルマやクーラー掃除機)についてちょっとした工夫商品が出て多く売れても他社製品の交換需要を食うだけであって、トータルでは同じ(一家に洗濯機や掃除機は1台しかいりません)です。
タマタマある商品が(画期的な省エネタイプの冷蔵庫が開発された場合)ヒットして多く売れても2〜3年分の買い替え需要の先食いでしかなく、その後却って低迷期に入ります。
冷蔵庫の改良程度と違い新機軸の例・・アップルの大成功がありましたが、その分従来型パソコンやガラケーの売れ行きが減ってしまいました。
消費税増税前の駆け込み需要、タバコ値上げ前の需要あるいはオリンピック景気後の低迷など皆同じです。
ヒット商品を開発すれば国内だけではなく海外にも売れるのでヒット商品開発力の有無は国際収支上有用ですが、国内トータル需要は変わりません。
一時輸出が伸びますがその内現地生産に移るので、(ユニクロで言えば、中国の工場〜東南アジアで生産していますし、アップルで言えば、その殆どが中国での生産と言われています)ホンのちょっとの期間しか輸出が増えないので、輸出用に増産投資すると1〜2年後には国内設備・従業員過剰に苦しむようになります。
ユニクロやアップルの例で言えば、ユニクロのフリース製品ヒットの最初から中国での生産だったように記憶していますが、これでは、始めっから国内生産が1つも増えません。
アップルの大成功もアメリカこの国内生産が増えなかった点は同じです。
金融緩和しても、例えば当時のユニクロの中国への工場新設資金融資に使われただけだったのではないでしょうか?
富士重工のクルマが世界で大人気になっているときに円安になったのですが、国内増産投資しないでアメリカでの現地生産を増やすと言うニュースを見たことがあります。
ホンダもその前から国内増産投資しないで、海外で売れる分は海外投資する方針と言う基本方針が知られています。
私は海外投資が良くないと思っていませんので、その点誤解されると困りますので繰り返し書いておくと、要は(世界の工場の地位は無理・・)どんなヒット商品を開発しても国内需要を越えた投資は成り立たない時代が来ていると言うことです。
買い替え需要循環に入ると普及期の生産力そのままでは、供給過剰になりますから企業はいくら内部留保があるからと言っても、増産投資は出来ません。
企業内の余剰資金はインフラの整わない・・あるいはクルマやクーラーの工場を造ればもっと売れそうな資金需要のある海外に投資するしかないのであって紙幣大量発行しても国内需要が伸びるワケがありません。
ヒット商品を仮に開発しても国内で売れる限度の設備投資しか出来ません。
借金までして国内で売れる以上の国内投資する訳がない・・借りたい人・企業もいないのに、じゃぶじゃぶと供給すると・・貸し手の地位が下がります・・マイナス金利になって来ると既存金融機関の役割が大幅に低下して来る・・紙幣自体の意味がなくなって来る可能性が目の前に迫っています。
紙幣も商品の一種であって供給不足状態であったから金利を払ってでも借りる人が出るのです。
紙幣大量発行してインフレになったらどうする?と言う議論を直ぐにしますが、これはモノ不足時代を現在に当てはめる時代遅れの議論です。
IPhoneでもポレモンCOが飛ぶように売れれば増産すればいいだけで、インフレになることははありません。
供給過剰になれば供給者・・紙幣発行者の地位が低下する・・紙幣発行量の調節や金利調節などの金融政策に意味があるのかと言う事態になります。
規制強化するべきは新たに浮上して来るビットコイン等の別の決裁手段ではないかと言う関心です。
新たに登場して来るフィンテックなど新システムは既存規制がないので、技術や利用方法の進展に合わせて順次後追い的に規制を作って行くしかないのが普通です。
紙幣の方は、(紙幣の足りない貧困国ではまだ有用ですが)資金豊富な日本経済に与える機能を失いつつあるのですから、これを今更がんじがらめにしたって?「羹に懲りてナマスを吹く」ような滑稽な事態になりませんか?
クルマの時代になっているのに、荷馬車の構造が危険かどうかを熱心にしかも国家の大事のように議論しているような印象です。
日本ではいくら金融緩和しても借りる人がいないで困っている報道ですが、他方中国・韓国の経済危機リスクに関して対GDP比の債務率拡大が議論されています。
見方を変えればまだ量的不足国・・あるいは法の支配・道徳律が定着していない中国や韓国が「野放図に」(バイキング料理で食べもしないのにお皿にとるように)利用しているに過ぎません。

金融政策の限界3

資金あまり・・内部留保が多過ぎると思った企業は株主還元と称して自社株買いをしています・・配当出来るような有望投資先がないと言う意味でしょう。
株式会社は、資金を集めてその資金で何かの事業をした儲けを配当するのが本業ですが、折角手元に集まっている資金を新規事業に使わずに、株主に還元・・返した方が良い・→持っている資金の使い道がない状態です。
国内に有望な投資先がなくともよその国に投資して儲ける可能性があるならば株主還元・自社株買いをしないで海外投資すべきです。
世界中どこにも有望投資先がない・・世界中どこにも投資する勇気がないならば、経営者をやめるべきでしょう。
(日本の場合内部留保があっても投資先がない(・・本当かどうか信用していませんが・・そのとおりとすればの話です)ので投資出来ないのですが)中国の金融緩和はもっと深刻化した状態で、ゾンビ企業の借金支払に利用するための資金需要があるだけで新規投資には向かいません。
こういうやり方では、いつまでたっても供給過剰が解消しないばかりか、不良債権が膨張する一方ですから最後には貸し手(金融機関その他)が参ってしまいます。
http://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/day-20160726.html勝又氏の記事からの引用です。
「債務で支えたGDP
『ブルームバーグ』(7月16日付)は、次のように伝えた。

(1)「中国人民銀行(中央銀行)が発表した、6月の経済全体のファイナンス規模(社会的融資総量)は1兆6300億元(約25兆7866億円)で、ブルームバーグ調査の市場予想(1兆1000億元)を上回った。6月の人民元建て新規融資は1兆3800億元で市場予想は1兆元だった。今回の統計では、政策当局が債務リスク拡大という代償を払っても、従来の成長の原動力を維持する決意を変えていないことが浮き彫りになった。今年1~3月期(第1四半期)の与信の急増後、指導部は金融リスクを阻止するため与信の伸び抑制に動く意向を示唆していた」。
「社会的融資総量とは、マネーサプライよりも幅広い概念である。元建ておよび外貨融資、トラストローン、銀行引受手形、社債、非金融会社の株式発行を含み、さまざまな手段を通じて市中にどの程度の流動性があるか、より良く把握できる。特に流動性供給源としての国有銀行融資の重要性が低下するなか、このデータの重要性が増している。
6月の社会的融資総量は1兆6300億元(約25兆7866億円)で、ブルームバーグ調査の市場予想(1兆1000億元)を上回った。実に、予想を48%も上回る資金が実態経済に流れ込んだ計算である。この増加ぶりは異常な伸び率であり、中国政府が大慌てでGDPの低下を食い止めるべく、緊急事態で「土嚢」(社会的融資総量)を積み上げた感じである」
勝又氏の意見に多いに賛同です。
日本では資金余裕のある企業が多いものの、需要以上の増産投資しないと言う結果で見れば過剰生産能力・過剰供給・在庫の山で苦しんでいる中国と同じです。
赤字になるような立地店舗の場合、家賃タダでも出店しませんし、金利が安いくらいで何故国内投資するの?と投資すれば収益の上がりそうな海外に資金が逃げて行くばかりです。
デイズニーランドの近くに似たような施設を作る計画で言えば、いくら投資資金があっても既存設備との競争で勝ち目もないのが分っていれば、競合するレジャーランドを直ぐ隣接地に作る人・企業はいないでしょう。
採算取れる見込みがあってこそ、事業を買収したり新規投資するのであって、企業内にいくら蓄積があっても将来性のない投資をしません・・まして借りてまで投資する企業はありません。
需要を増やすには、金利上下や紙幣の供給量によるのはなく、面白いモノや持っていない珍しいモノがあってこそ気持ちが動くのです。
江戸時代には、変わった斑入り植物や鯉や金魚・・面白いものがもてはやされ、いろんな文芸が発達しました。
エコノミスト・マスコミは資金余力・・内部留保の大きい企業に吐き出させようと躍起ですし、今朝も日銀の判断動向が大きく報道されています。
時あたかもポケモンCOが大人気ですが、これは金融政策効果、金融緩和によるものではありません。
金融政策よりは需要を増やす・紙幣を配るのではなく、面白いもの珍しいものの文化発進力の向上こそが重要です。
クルマで言えば、これ以上増産投資しても紙幣を配っても国内でこれ以上売れ行きが伸びる訳がない・・となれば国内増産投資を誰もしません。
家電やクーラー、ピアノでも何でもみんな行き渡った社会では、金融政策や一定期間の補助金政策(太陽光発電)は需要の先食いでしかありません。
・・一旦普及すると紙幣を配っても(洗濯機を2個もいりません・・精々需要の先食い・・半年〜1年早めに買うくらいでしょう)買い替え需要以外にありません。

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