無制限検査とCDC賞賛意見

先進社会が重視しているのは、中国による価値観戦争・・専制支配・その一方法である監視社会の方が良いという思想の代理運動を許さないということではないでしょうか。
中国のやり方をほぼ踏襲したこのような方式を韓国が採用できる基礎には、日本支配〜米軍政下にあった期間を除けば古代からずっと専制支配下あった民族性があってできることではないでしょうか?
朝鮮族は当時(幕末から明治)清朝の属国として満足していたのに欧米の開国要求や日本の圧力で無理やり中国(清朝)から独立させられてしまった・・以降現在に至る外からの近代化について行けない苦痛が朝鮮族の苦労の基本です。
下関条約・日清講和条約は冒頭に朝鮮の清朝からの独立が宣言されていますが、日清間で朝鮮独立が決まった瞬間でした。
https://docs.google.com/document/d/1B_k-2lcstvNhZWWRqkWpEo0Evf1mJlU7NLjlDEZOEak/edit#

下関条約1895年
第一條[編集]
淸國ハ朝鮮國ノ完全無缺ナル獨立自主ノ國タルコトヲ確認ス因テ右獨立自主ヲ損害スヘキ朝鮮國ヨリ淸國ニ對スル貢獻典禮等ハ將來全ク之ヲ廢止スヘシ

朝鮮独立を第1条に掲げるとは最重要事項・・日清戦争は朝鮮の独立をめぐる戦争だった本質が見えます。
韓国民の本心は無理に親から引き離された悲しさ・一刻も早く慣れ親しんだ中国支配下への復帰でしょうが、まだ米国の力が強いので実家の傘下に戻れない・・様子見の状態にあると見るべきです。
蝙蝠外交を見抜いている北朝鮮によるこの1週間〜数日の激しい韓国ユサぶりでしょう。
北朝鮮が、古代の専制支配そのままの体制で安定しているのは、これが民族性レベルにあっているからです。
こういう社会では、任意協力に頼れないのでスマホ等の位置情報で追跡して何時何分にどこにいたという人を根こそぎ追跡する韓国式調査(日本で言えばプライバシー侵害の遣り過ぎ)が必要なのでしょう。
米国は流石に個人監視まで真似できないので、得意の物量作戦・発症者が出れば無制限に検査に応じる方式しか真似できない・・感染源に届かないので拡大を防げない状態のままです。
これでは医療資源の無駄遣いで国費・人材の浪費です。
米国の物量作戦方式を手放しで称賛するのが、我が国大手メデイアであり、CDC賞賛意見です。
2月末から3月初め当時の米国CDC賞賛意見の例を紹介します。
以下の例を見ると、ちょっとブームになると時流に遅れまいと旗を振る学者(メデイアの勧誘にそのまま乗る・・自分の考えがないのかな?)が多いのに驚きませんか?
ちなみに、このコラムでクルーズ船対応批判シリーズを始めた6月13日「暫定的隔離の必要性2(岩田氏の豪華クルーズ船対応批判1)」に紹介した岩田氏のインタビュー記事を東洋経済が掲載したのも3月12日でした。
https://toyokeizai.net/articles/-/335971?page=7

岩田健太郎「非科学的なコロナ対策が危ない」
クルーズ船の失敗を繰り返してはならない  2020/03/12 5:30

https://www.nippon.com/ja/news/l00270/

新型コロナウイルス:専門家が政府に提言-日本版CDCの創設や、医療コンテナ導入を
社会 医療・健康 2020.03.04
大きな予算と人材をそろえ、米国の感染症対策の陣頭指揮をとるCDC(疾病対策センター)の“日本版”の創設や、病院内などにウイルスを持ち込むリスクを低減する「医療コンテナ」の導入などを盛り込んでいる
感染症危機管理システムを構築する必要があり、感染症だけの専門家ではなく、情報学や、免疫学など幅広い分野の人を集めた専門家チームを結成し、政府に提言する仕組みを作る。
米国のCDCは人員が1万数千人、年間予算8000億円を超え、情報収集、国民への説明、検疫作業まで幅広く行っている。これに対し、日本の国立感染症研究所は人員が約300人、予算が約80億円と大きな差がある。感染症危機管理の司令塔となり、人材や施設の充実したCDCを手本とした新組織の立ち上げを急ぐ。

http://blog.ricoh.co.jp/RISB/new_virus/post_548.html

日本に求められる感染症対策「司令塔」
=米国はCDCとカリスマ所長が主導=
2020年04月15日

CDCの巨額経済規模に仰天している論調・子供の憧れ表現のようで、大金を投じてだから?何が日本より良いのかが見えません。
ざっとこんな具合でなんでもかでも米国流が良い、この基準に合わない日本の制度は時代遅れ、頑迷固陋集団かのような論調でした。
岩田氏のツイッターに始まる厚労省官僚批判はこのお先棒担ぎになる快挙!だったように見えます。
岩田健太郎氏のクルーズ船対応批判論に戻ります。
何が船内検査に決めた理由が何であったかの論争前提をボヤかしたままでは、「こういう結論を採用する以上はこのようにすべき」という論拠が成り立ちません。
入国させて仕舞えば、内国人待遇しかない・・国内法はお願い以上の強制ができない日本の法制ですから、外国人も入国してしまえば陽性の証拠もないのに外国人だけ入院や隔離強制(ホテル収容?)できません。
「日本人は要請に応じる率が高いが外国人は応じない率が高いから」という理由で外国人だけ特別不利な法律を作って強制するようなことは許されません。
そもそもそういう法律ができるとしても今回のクルーズ船対応には間に合いません。

米韓式コロナ対策

PCR検査の韓国や米国の大量検査方式がなぜその方が良いかの説明がないまま大量にやった方が良いというイメージが流布され日本方式・政府に対する根拠ない批判が流布されています。
濃厚接触者を辿り検査する・・日本の狙撃方式に対して、米国は物量に任せる散弾銃や機関銃の大量発射方式であり、国民対処方法としては自粛要請・・個性対応重視・国民信頼社会と自主行動に委ねるとほとんどの国民が守らない・災害等で治安が緩むとすぐ略奪に走る社会経験から、国民不信が前提にあって画一的に外出禁止するしかない社会の違いが結果に現れたのです。
命令による奴隷労働の方が効率が良いか、自分で考えて働く方が効率良いかの違いです。
幕末に米国の外交官だったかが、日本人は命令するとあまり働かないが、任せると頼んだ以上のことをしてくれるという日本人気質が現在にそのまま繋がっているのです。
濃厚接触者を一人一人辿っていく調査が効果を上げているのも、国民の多くが調査に気持ちよく協力するから成立する方法です。
この1週間ほど新宿区のホストクラブを中心とするクラスターが相次いで発見されていて東京都の感染者が昨日41人に増えています。
ニュースでは、いかにもイカガワシイ場所で起きている悪いイメージ流布ですが、逆から見ればいかがわしすぎる?場所でも、都が検査協力を求めれば出入りした人の流れが早期に把握できる有難い国民性です。
このような流れがあるので、都は最近の新規感染増加に拘らず、20日頃予定通り全面解禁すると発表しています。
この意味が重要です。
米韓は、感染源を辿るより最末端で発症すれば検査希望に応じる・不安に応じる受け身形→来るもの拒まずの大量検査方式採用の点で共通ですが、原因を断つ方式でないといくらやってもキリがないでしょう。
クラスターになりそうなホストクラブに目をつけて自主検査を求めてこれに応じてもらい、無症状の感染者を早期発見に結びつけたのはいわばホームラン・・日本独得狙撃方式の深化というべきです。
クラスター発生前に先制検査方式に進化しているのが日本です。
こうして見つけた潜伏患者を大量に出たのを危機の高まりと評価するより、1〜2週間放置して数百人に広がった感染者のうち最初に出た5〜6人の発症者が発見されその後急拡大するのを待つよりも高効率です。
先に出る大きな芽を積んだという評価で予定通りの緩和に進んでいます。
韓国の場合、大邱で最初に大規模発生したときに集会参加者の把握に教会が協力しない点が大規模拡散の原因と報道されていましたし、最近ソールでの第二波の震源地になったナイトクラブの名簿記載の住所や偽名が半分ほどいたために7次感染までひろがった原因と言われています。
https://www.newsweekjapan.jp/kim_m/2020/06/2-1.php

新型コロナウイルス再発の大きな原因は「気の緩み」

今回、梨泰院のクラブや富川の物流センターで起きた集団感染の大きな原因は「気の緩み」である。
・・・・約5500人のクラブ利用者のうち2000人ほどが虚偽の連絡先を記載したため、連絡がとれず現在も多くの利用者に対する検査が行われていない状況である。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5e660e71f82e27930d91f753e0d51c7bfeb08c6f

韓国で巨大クラスターが続々発生の悲劇…「文在寅が威張るたびに感染爆発」
6/10(水) 11:16配信
新型コロナの大規模なクラスターが相次いで発生、時計が逆回転したような韓国に何が起きているのか?
“感染再発”の経緯を少し詳しく見てみよう。この第2波の中核となってしまったソウル市内のゲイクラブでは、270人のクラスターが発生。入店の際に義務付けられていた名前と連絡先など個人情報の記入も、約5000人分のうち2000人は虚偽。感染防止には初動が大きくものをいうが、追跡ができないために初動が遅れてしまい、7次感染まで拡大させてしまった。
・・・K防疫とは、いかなる手法なのか。日本が取った手法とは異質であることがすでに報じられているが、感染経路をたどる際、個々人の携帯電話の位置情報、防犯カメラの映像、クラスターが起きた現場付近のクレジットカードの決済記録などを当局が把握、警察官を多数動員して追跡する。日本から見ると、法制度上の問題に加えて、プライバシーを度外視したにわかには受け入れ難い手法に見える。

米国が大規模拡大を抑え込めない原因は、初動調査ができずどこに広がっているのか特定できないので発症者が出てから発症者の自己申告(検査希望者)?対象の闇雲な検査(散弾銃方式)に頼っているからです。
検査に応じられないと国民不満が高まるので大量化しかない因果関係です。
大量検査方式の韓国と一部似ていますが、共通原因は初動調査成功率の低さにあります。検査を大量化・ドライブスルー方式で簡略化しても、それは自発的希望に限られ、新たな感染防止にはほとんど効果がないでしょう。
韓国はデータ監視網利用によるコロナ退治成功と称して世界に売り出し中のつもりらしいですが、中国のしらみつぶしの監視網をほぼ民主国家で再現したものですから、強権支配に馴染む後進国は別として、先進諸国でこの方式を採用する国は出てこないでしょう。
中国がコロナ禍の元凶である責任にほっかむりして世界に自国のやり方を宣伝して世界の顰蹙を買っていますが、韓国は元凶でないからその批判を受けないのでその代役を勤めている気持ち?になっているのでしょうか?

豪華クルーズ船対応批判6

昭和40年代には何かことが起きると学者が出てきて「西欧で〇〇」と留学経験をひけらかして解説するパターンが流行りましたが、(サザエさんの漫画にも出て来るほど一般化しています)これの再現を見るようでした。
このパターンの延長で米国で学んできた岩田氏のツイッターが重宝され指令塔のない日本のクルーズ船対応が悲惨な結果になっている・・クルーズ船乗客(外国人乗客の母国には訴求力があったでしょう)がひどい目にあっているというイメージが岩田氏による外国人特派員協会での記者会見を経て、これが世界に拡散されたと思われます。
この後で紹介しますが、それによると記者会見は日本語は終わりころに少しあった程度で原則英語で行ったらしく記者会見内容は日本語訳(文字起こし)が出ていませんので内容不明です。
岩田氏自身内容を説明する必要がないということでしょうから、削除したツイッターと骨子が同様と見るしかない・勝手に想像してしてくださいということでしょうか?
ウイキペデイアに出ている削除前ツイッターの骨子は、感染症専門家でない厚労省官僚が仕切っている結果ぐちゃぐちゃで感染拡大が止まらない・乗客がかわいそうというものですから、これが特派員から乗客の家族が待つ本国に一斉打電される・・自国民が被害を受けている被害者というイメージ報道(具体論がなく)が欧米でかけ巡り、それを日本大手メデイアが逆輸入し国際批判がされていると言うだけのホットニュースが日本国内で駆け巡りキャッチボールされていたイメージです。
批判内容を書かない・「日本の専門家が言ってる」というだけの内容の報道では引用できないでしょう・・で海外批判があるという程度の抽象報道に日本メデイアがシフトしていたように見えます。
米国のコロナ対策の失敗?・現在も世界最大の被害者続出中のせいで、さすがに客観事実無視のイメージ賞賛(裏からいえば根拠ない安倍政権批判)は続かず、CDC賞賛記事が今は下火になりました。
厚労省報道資料の過去1週間の日米の推移比較を見ておきましょう。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11934.html

新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年6月11日版)
によると日米の比較は以下の通りです。
4.国外の発生状況について
・海外の国・地域の政府公式発表に基づくと、6月10日12:00現在、日本国外で新型コロナウイルス関連の肺炎と診断されている症例及び死亡例の数は以下のとおり。

国・地域 感染者 死亡者
日本 17,251 919
米国 1,979,089 111,876
カナダ 96,653 7,897
フランス 154,591 29,296
ドイツ 186,506 8,736
イタリア 235,561 34,043
英国 289,140 40,883
ロシア 484,630 6,134
スウェーデン 45,924 4,717
スペイン 241,966 27,136
ベルギー 59,437 9,619

これが1週間後

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11934.html

新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年6月17日版)
4.国外の発生状況について
・海外の国・地域の政府公式発表に基づくと、6月17日12:00現在、日本国外で新型コロナウイルス関連の肺炎と診断されている症例及び死亡例の数は以下のとおり。

日本 17,628 931
米国 2,136,043 116,917
カナダ 99,147 8,175
フランス 157,716 29,547
ドイツ 188,252 8,820
イタリア 237,500 34,405
英国 298,136 41,969
ロシア 544,725 7,274
スウェーデン 53,323 4,939
スペイン 244,328 27,136
ベルギー 60,155 9,663

米国は213万超の感染者で、まだ最近1週間で15万人以上も増加しているし、死者数も1週間で五千人も増えています。
対する日本の感染者はこれまで累計で17000人台でしかなくこの1週間で増えた数も377人、15万人増えている米国に比べれば可愛いものです。
死者も1週間で米国5000人以上に対して日本はわずか12人です。
累計死者数は米国11万6917人に比べて日本は931人で100分の1以下です。
感染1週間差比較  日本  17628ー17251=377
米国  2,136,043ー1,979,089=15万6954
死者1週間差比較  日本   931ー919=12
米国  116,917ー111,876=5041

もの事は結果が重要で、自粛要請だけでこれといった強制措置を取らなかった日本が米国の百倍以上の好成績を挙げているのに対し、(一時優等生と言われてしきりにメデイアが持ち上げていたドイツは日本より人口が少ないのに8800人も死亡です)世界に誇る陣容を擁していた米国が、ロックダウンという全面的外出禁止例を採用して国民に不自由を強制した挙句に欧米諸国が惨憺たる結果になっています。
これでは「日本では、専門外の官僚が仕切って、「ぐちゃぐちゃ」になっていてクルーズ客船・国民が酷い目にあっているイメージ情報キャッチボールの魔力が弱まるわけです。

豪華クルーズ船対応批判5

岩田氏の論法を前提にすると上陸後の処遇・・厳選して陰性、陽性、不明の3分類をして隔離可能なことを前提にしているように見えますが、収容施設があったにしても検査前には、感染後潜伏期間中の人と未感染者の区別もわかりません。
その上、入国後検査のため外国人を拘束し、羊のように思うままに隔離収容し検査受検を強制できることを前提にしていることになります。
しかし、武漢チャーター機帰国者の検査拒否は1月末のことであり、クルーズ船入港は2月3日で、検査拒否・移動制限待機要請拒否問題はホットな時でした。
日本政府の骨折りでようやく帰国できた恩義を無視して、検査拒否する人が出るとは驚いたものですが、まして自分の費用で大金を払って旅行に来た外国人が、100%約束を守る保障がありません。
承諾を得て入国直後に検査拒否してどこかへ行こうとするのを、どうやって拘束できるかです。
これについて岩田氏がどういう論陣を張ったのか・・重要論点に対する自身の立場を明らかにしていません。
もう1度引用します

「感染リスクが高いクルーズ船の中に14日間とどめ置いて検疫をするという判断を日本はした。その判断が間違っていたのかどうかわからないが、そういう選択をしたのであれば、船の中の感染対策は完璧にする必要があった。」

「その判断が間違っていたのかどうかわからないが」と何故か逃げているものの本音はそれが不満だったのでしょう。
分からないのではなく、「木を見て森を見ない」というか、「米国で習ってきたセオリー通りに対策を取らないのは間違い・低レベル」というステレオタイプ的主張にこだわったのでしょうか?
米国の立派な隔離施設や指揮命令系統を実態を経験に基づいて説明して日本が参考にするのは良いことですが、そのままにしないと遅れているとの批判をするのが良いかは別次元です。
日本法制の特殊性・・国家権力が弱く原則として先ずは「国民の協力お願い」・現場応用力に頼るしかない国柄・社会意識を前提とすると、米国のように何かあると強力な司令塔を立てて、一糸乱れない統制下で断行すべきかは別問題です。
(米国映画で見た知識で恐縮ですが、事件現場では、現場指揮官の旗が立てられるといろんな救急部隊が集結してもその場の現場指揮命令は全て指揮官の命令に統一され軍事作戦現場のような運用でした)
米国ほど極端でないにしても西欧諸国では、何か事件が起きると日本のように自粛〜個々人の応用的自制に委ねるのではなく画一的な戒厳令や外出禁止令→刑事罰とセットの規制が行われ、警官や軍人が物々しく検問する・要するに軍事作戦形式が主流です。
要するに民主主義といっても一時的軍事支配に戻る仕組みと一体になっているのです。
西欧思想家がいきなり人権などと言い出した底の浅い歴史によるのではなく、古来からボトムアップ・衆議で決めてきた地についた個々人の考え方重視社会との違いです。
西欧の価値観を露骨に体現している米国では、コロナ対策を防疫「戦争」と表現するなど、大事件があると?何々戦争にしたがる社会です。
https://www.technologyreview.jp/s/201103/if-america-is-at-war-with-covid-19-its-doing-a-bad-job-of-fighting/by Mike Orcutt2020.05.18

・・・・ドナルド・トランプ大統領は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のアウトブレイクを「目に見えない敵」による「侵略」と呼び、自らを「戦時下の大統領」と何度も呼んできた。ホワイトハウスが広く伝えようとしているメッセージは明確だ。つまり、米国は新型コロナウイルス感染症と戦争中である、ということだ。
新型コロナウイルス感染症との戦いを戦争に喩えた政治家はトランプ大統領だけではない。3月17日、マサチューセッツ州のエドワード・マーキー上院議員はボストングローブ(Boston Globe)紙に署名入りの論説を共同執筆し、「マンハッタン計画型のアプローチ」(マンハッタン計画は第2次世界大戦中に米国が主導して実施した原子爆弾開発プロジェクト)を採って、人工呼吸器、防護マスク、検査キットといった不可欠な医療器具の全国的な不足に対処する必要があると呼びかけた。・・・・

トランプ大統領が新型コロナ対策に国防生産法を発動、マスクと人工呼吸器の増産を約束

トランプ大統領が新型コロナ対策に国防生産法を発動、マスクと人工呼吸器の増産を約束
2020年3月19日 by Darrell Etherington
国防生産法の発動は、あらゆるハードウェアを製造する米企業に広範囲な影響をもたらす可能性がある。国防生産法は、何であれ国防に必要な物資の生産を優先させるために大統領に非常に幅広い権限を与えるからだ。大統領は新型コロナウイルスとの戦いに有益であると認めれば企業にその生産の優先を命じることができる。当面、国防生産法に基づく命令は人工呼吸器とマスクの増産に絞られるようだ。しかしこの権限は臨時の病院、診療所、またそれらに必要を機器を含め、緊急医療施設を新設することにも拡大できる。

CDCを理想とする考え方は、この方式を防疫戦争→戦争→一元的司令塔の強力権限を期待するイメージです。
日本は強権で抑え込む社会でないし、米国流強権政治そのままを理想化されても困ります。
草木が自然環境の中で育っているのと同じで、個々の法はトータルの法制度・社会の価値観の中にあります。
戦争中の軍司令官のような権限を持つCDCの仕組みを作れば良いのではなく、社会全体の法意識との整合性が重要です。
岩田氏の影響か?コロナ禍初期には米国CDC体制が如何にすばらしいかの賞賛記事があふれ、日本には防疫専門組織がなく指令系統がない・・岩田氏の表現によればグチャグチャという批判が溢れていました。
その勢いを利用して安倍総理が果敢な政策を打ち出せない混迷・指導力不足(お願い・自粛ではどこまでして良いかわからないとか、ズルイという形)の批判が溢れていました。
岩田氏のツイッターや記者会見が安倍政権のコロナ対策批判勢力に対する格好の火付け役になって?安倍政権がお願いばかりなのは、政治責任回避のためというイメージが流布していました。

豪華クルーズ船対応批判4

同様にクルーズ船入港前から受け入れ研究が進んでいたでしょうから、武漢からのチャーター機帰国者の行動が大きな先例であり検査拒否者をどうするかが重要テーマになっていたと想像するのは、外野の思い込みに過ぎないと言えるでしょうか?
自粛要請を無視して格闘技大会を強行すると巷では(経営者が日本人でないのでは?)というひそひそ話が出回るように、クルーズ船は英国船籍の船でもあり外国人観光客が多数を占める場合、何%の造反が出るか、その場合感染拡大に対する防御策があるか、あるとしても有効性がどうかなどが大きな議論になったと見るのが普通です。
武漢からの帰国者の場合検査拒否しても自宅に帰っただけですが、観光目的乗客が拒否して国内各地を移動しまくる場合の感染拡大リスクは桁違いです。
クルーズ船乗客の場合・例えば4〜5日〜1週間程度の旅行日程できた人が、上陸後2週間も船外のどこかのホテルにステイしてじっとしているのに協力しかねる気持ちになるのは当然・非難性が低い→拒否し易いでしょう。
往復船で来た人は帰りの船が2週間後まで待ってくれるか2週間後に自分で帰国用の飛行機予約できるかも不明です。
クルーズ船客が黙って2週間の滞在に応じる確率が低いし、それに日本がこだわると法的根拠があるのかなどの国際的紛争を引き起こしかねないリスクなどの総合判断が行われたと見るのが普通でしょう。
今は入国解除するにしても2週間待機を前提条件にするのが国際慣例(相互主義)なっていますが、当時まだ二週間待機要請が議論の初期段階で入国条件として一般化していない時期だった記憶です。
下船=入国許可後の検査と船内検査の利益衡量をすると、下船後検査の場合、外国人観光客に下船後検査を拒否されると手の打ちようがないのに対し、船内検査の場合検査拒否すれば入国拒否すれば良いだけで単純順明瞭です。
船内検査に時間が掛かる→その間感染者が増えるかもしれないが、陽性結果者には法律上全員強制入院させられる・どちらを選ぶかの政治判断による選択だった(設備優劣でなく)と見るのが素直でしょう。
国際法で考えると入国前の防疫審査で一定の時間がかかっても・・中国がフィリッピンに対する嫌がらせにバナナ検疫に時間をかけることなどがしょっちゅう行われていますが、ズバリWTO違反になりません・・妥当性の問題です。
入国審査(防疫検査)に2〜3時間並ばせようと結果が出るまで5時間〜翌日までかかろうと妥当性の問題ですが、入国条件に2週間の移動制限や検査協力を求めるのはこの情勢下では妥当性はクリアーできても、拒否された場合強制できる法が存在しない点が致命的です。
武漢帰国者検査拒否者の論理を法的に考えると検査承諾の誓約は民事契約に過ぎず、契約による身体に対する直接強制はできない・・契約違反の損害賠償請求されてもいいという程度の意味でしょうか?

民法
(履行の強制)
第四百十四条 債務者が任意に債務の履行をしないときは、債権者は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定に従い、直接強制、代替執行、間接強制その他の方法による履行の強制を裁判所に請求することができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 前項の規定は、損害賠償の請求を妨げない。

一般的に身体強制は上記間接強制しかできない解釈です。
間接強制は、「違反1日当たりX円を払え」という判決を求めるしかないことになっています。
弁護士に頼んで訴状を出し、それから1ヶ月後に裁判が始まり・・そんな悠長なことをしているうちにどんどん感染が広まったらどうするかが喫緊の課題でした。
こんな悠長な裁判を(国内移動目的の住居不定の外国人旅行客相手にそもそも訴状・呼び出し状送達をどうやってするのかの事実上の不可能性があります)しているうちにコロナが広がってしまうので上陸後検査拒否されれば政府としてはお手上げです。
そもそも一般的入国条件を満たしているのに外国人相手に2週間の移動制限や検査を受ける事前承諾を求めた場合、これが国際法上有効かすら俄かにわかりません。
違法の主張が起きて・・いうだけタダですので、承諾拒否された場合どうするかの問題が起きます。
これが国際報道され違法行為をしていると日本は国際非難を受けるリスクがあります。
当時は今のように2週間自粛要請がまだ一般的ではありませんでした。
さらに承諾しても、いざ下船後武漢からの帰国者のように検査に応じ、結果出るまで外出しない約束を守るかどうかすらわかりません。
船内検査した方がよいかどうの判断基準は、設備の優劣にあるのではなく、入国を認めても下船後外国人全員に検査強制できるか、一定期間待機強制できるかの問題があるのに対して、船内=今回のクルーズ船は英国船籍内にいる外国人=入国前の検疫であれば強制する必要すらない・検疫に応じなければ入国拒否できるのが国際法上の権利ですので、検疫検査結果が出るまで入国手続きに応じる義務がないという出方をすれば法的に単純明快です。
選択にあたって比較すべき項目は検査設備や受け入れ態勢の問題でなく(独りも逃さず)全員検査できるかのテーマ比較だったと想定されます。
以上は事実経過の公表がないので何が事実か不明ですが、結果から見ればそうなるということです。
岩田氏は持論の正当性を主張するならば、「最初のジレンマ」だけ出さないで当時議論された問題点を全部出すべきです。
彼は感染症の専門家の立場で、検査できる所与の環境下でどのような感染予防策がよいかの比較をした経験→関心が主だったでしょうし、厚労省役人は国際条約や国内法規の制約のもとで何ができるかできないかの前提条件のチェックがまず気になる点が大きな違いです。
医師の場合、患者が医師に見て欲しくて病院に来る前提・経験が多い・・見て欲しくない人のところへ押しかけて行く必要が滅多にないので、拒否されたらどうするかのテーマに関心が低かったのではないかの疑問を抱いています。
岩田氏の主張を見ると上陸させて分離管理して検査すれば良いのに・・設備不十分な船内検査を(厚労省役人が)選択した以上は、上陸後の検査以上に完璧であるべきとの主張になりそうです。

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