外貨交換=政府不信→(流民化の現在表現)1

中国地域人民の場合、元々異民族支配が原則・・支配・被支配・・2項対立を絵に描いたような社会構造で数千年以上もやって来ましたから、政府・民族に対する忠誠心がありません・・。
制度がおかしければ・あるいは不正を正す・・など地域・社会を良くするために努力するよりは自衛が先・・遠くにいる一族を頼って流民化によって王朝が滅亡を繰り返して来た歴史です。
ソモソモ社会と言う概念が育っていないかも知れません。
中朝では、宗族の紐帯が強い・・宗族間の助け合い中心と言われていますが、言わば古代の氏族共同体意識・血族だけが頼り・助け合いの必要性がそのまま残っている・・地域共同体・一体感・絆が育たないまま現在に至っているように見えます。
日本では「遠くの親戚より近くの他人」と言うように地域での助け合いが基本になっています。
日本人が大事にしている信用とは、他人間で共通価値観を保有することですが、血族以外には信用出来ない民族では、一般的な信用概念が育ちません。
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-3381.html
「人を信用しないことで成り立つ文化」によれば以下のとおりです。
「そのような社会で生き残るためには、兎にも角にも、自分だけが生き残るために、生き馬の目を抜く強欲さが必要となります。
そしてそのためには、決して人を信用しないという文化が育ちます。
私たち日本人にとって、商業も工業も、およそビジネスは信用がなければ成り立たないものですが、支那においては違います。
信用しないことがビジネスの最大の要件です。
従って誰かに何かを任せるときには、相手に余程の弱味があるか、完全に自己の支配下に在る者でなければならず、このことは、周辺国への統治にも現れます。」
中国人は命よりも金が大事と言うほど「カネカネ」重視の世界ですが、まさに人間同士の信頼がないことが(金は裏切らない)そう言う行動様式にさせるのでしょう。
血族よりも裏切らない・信用していた金の値打ちが下がるとなれば、天地がひっくり返るような驚きでしょう。
人民元が下がりそうとなれば、金こそが信用の源泉である以上・・より信用のある紙幣に変えたいのは当然で我勝ちに人民元をドルに替えようと殺到するのは当然です。
社会・「公」意識に戻りますと、地域一体感がないと環境保全の意識が育たないのは当然・・近代以降の社会人として必須の「公」を重視する精神段階に至らないまま近代社会に突入してしまったことになります。
自分自身の次に漸く一族の助け合い程度しかないのですから、その外周に位置する地域貢献・・もっと遠くの環境維持などに思いが及ばないのは当然です。
日本人が中国まで出掛けて行って自己資金を投じて折角植樹しても来ても、漸く育ちかけると伐採して薪にしてしまう例が後をたたない・・砂漠化の進行を気にしないのは、仕方がないことでしょう。
現在呼吸すらマトモに出来ないほど空気が汚くなって、漸く環境保護の必要性に気が付いた程度です。
日本のように一族〜集落〜地域共同体〜民族一体感へと広がりがあって最後の到達点である「公」の精神が身に付いた結果、町や村、里山を綺麗にするようになったのとは違い、中国の人民に取っては、飽くまで呼吸が出来ないと言う結果・功利主義によります。
空気や水の汚染は「損」だと気が付いたでしょうが、砂漠化の進行についてはまだ「損得」が分らないからか、個々人はその防止のために出費する必要性を認めていません。
・砂漠が迫って来れば首都北京を事実上移転すれば良いという発想になっているようです。
人民は中国の大地を綺麗にするために税を徴収され・・費用を負担するならば既に空気や水の綺麗な日本等へ移住した方が「得」だと言う功利的意識が基本です。
北京は既に人が住み続けるには適していない・改善するには巨大な資金・高度技術が必要・・そんな苦労するよりは、新首都建設の方向へ舵を切り始めました。
千年の都を周近平が作ったとなれば、歴史に残る偉業ですし、景気対策にもなると言う中国人の大好きな例の一石二鳥3鳥の政策です。
https://mainichi.jp/articles/20170404/k00/00m/030/088000c
河北省に巨大新都市 習氏ゆかりの地
雄安新区は、北京から南西へ100キロ、天津から西へ100キロに位置し、人口38万人の雄県、40万人の安新県、26万人の容城県の一帯を開発する。北京市の過密緩和のために天津、河北省を一体化させる構想の一環だ。・・・この時期に大規模な都市建設を発表したのは、習氏の訪米を前に、内需拡大につながる野心的な政策を打ち出し、トランプ米大統領との貿易交渉に役立てる思惑もあるとみられる。
投機マネー殺到で騒ぎ
 だが、現場では「習近平ブランド」の都市開発に投機マネーが殺到。3日付の北京地元紙の新京報の現地ルポによると、発表直後から不動産を購入しようと北京や天津の富裕層が殺到し、2日午前には混乱を恐れた地元当局が不動産売買を一時停止し、不動産会社の出入り口が封鎖される騒ぎになっている。」
マンションバブルの限界が見えて来て種切れになりそうと見れば、次から次へとバブルを煽る逞しさには驚きます。
歴代王朝末期に大量発生した流民化は居住地を離れて足手まといの幼児や高齢者を連れての移動では、1〜2週間歩いても大した距離を進めない・・食糧が尽きれば・・途中野盗の襲撃を受ける危険を冒して漸くたどり着いた先の一族も同じ王朝内である限り治安が乱れて困窮化している点は同じ・・頼った先も流民化してすでにいなくなっている確率が高くなります。
海上交通の発達した明末の混乱以降は、王朝外の別の社会に住む宗族を頼るようになれば、行った先も動乱下とは限りません。
先に東南アジア諸国で住み着いて成功している同郷・同族出身者を頼って行けば、助かる確率が上がり簡単に逃げられる時代が始まりました。
これが華僑が世界に広がった基礎構造です。
人民が簡単逃げられるようになった結果、不満分子は出て行ってくれた方が政権に取っても楽・・ガス抜きになり・・支配者にとっても流民化による政権崩壊現象を免れるようになった(元、明、清といずれも異民族侵入を契機とする王朝崩壊です)メリットもあります。
異民族支配の香港へドンドン人が集まったことなどからも分るように、中国地域の人民にとっては異民族支配かどうかよりは、自分にとって良い政府・環境かどうかが基準です。
海上交通の発達によって、沿海部住民に取って域外への脱出が可能になって以降は、王朝域内で命がけの流民化するよりは、いわゆる華僑として中国地域生活圏外への脱出に変わって行きますが、支配体制から逃れることによる解決を求める本質は変わりません。
住む地域を良くする意欲がない・・そんな命がけの苦労をするよりも別世界に逃げた方が良いと言う気質です。
この辺はアメリカ人がその街や地域にしがみついてその街や地域をより良くしようとして努力するよりは、ゴーストタウンにして、逃げて行くのと気質が似ています。
アメリカ人と中国人は発展段階的親和性が高い・気が合うので直ぐに裏で手を組む傾向があるから警戒すべきと繰り返し書く所以です。

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