覇道の限界と日本の補完性3

幕末、井伊大老による安政の大獄〜桜田門外の変→政体的には諸候会議化した後→平行的第一次〜第二次長州征伐につながる武断政治の採用と失敗による撤収とその後始末の政局混乱に対応するのが、アメリカによるブッシュのイラク〜アフガン侵攻→事実上の失敗によるISIS台頭によるシリアの混迷です。
徳川将軍家が諸候や民間有志の意見を聞くようにすることと、テロ取締行為とは矛盾関係・・正義に反することではありません。
その意味では幕末当時も今も皇室に兵を向ける行為が許されることではない・・禁門の変に対する懲罰行為・・第一次長州征伐は大きなテロに対する反撃であって、言わば正義に反する兵ではありませんでした。
アメリカの第一次イラク戦争はだまし討ちのような感じですが、クエートに対するイラクの侵略に対するもので一応名目が立ちましたが,第二次イラク戦争は大量破壊兵器があると言う虚偽・言いがかりによるもので、正義の名目すらない100%不正な侵略行為でした。 
覇道政治とは言ってもある程度の正義・・大義名分が要請されているのですが、第二次イラク戦争は誰の目から見ても(石油資源枯渇論に慌てた石油資源略奪目的?)不正が明白な戦争であったことが・・現在の中東での混迷を招いた直接の原因です。
歴史上王朝末期の混乱の多くは、国力低下が混乱の始まりですが、今回の中東混迷は、世界1強のアメリカが腕力に任せて不正な戦争を仕掛けたことが切っ掛けで混乱が始まり、結果的にアメリカの国力低下があらわになって来たと言う逆の構図です。
ブッシュによる正義のないイラク〜アフガン侵攻作戦の事実上の失敗・・これによる国力疲弊を市場評価として明らかにしたのがリーマンショック事件でした。
この事件の結果、アメリカ・イギリスの虎の子である金融資本が大幅に毀損し,欧州諸国も大損害をしました。
独り日本だけが資本的に殆ど無傷でしたが、無傷であった分日本の超円高が続き結果的に日本も国際競争力が大幅に低下しましたが、競争力がないからの低下ではなく、競争力があるから円高になったのですから、競争力ある技術と資本力を持って海外展開したので、結果的にトヨタその他が世界企業として雄飛する下地になりました。
繰り返し書いて来たように円高は日本企業の海外展開コストを低くする応援団のような効果がありました。
昨年の国際収支を見ても海外収益・・所得収支の黒字が巨大になっています。

平成27年中 国際収支状況(速報)の概要
平成28年2月8日
        財務省
I 経常収支

金 額 前年比
貿易・サービス収支 ▲2兆2,062億円 +11兆2,755億円 (赤字幅縮小)
貿易収支 ▲6,434億円 +9兆7,582億円 (赤字幅縮小)
輸出 75兆1,773億円 +1兆 756億円 (+ 1.5%増加)
輸入 75兆8,207億円 ▲8兆6,826億円 (▲10.3%減少)
サービス収支 ▲1兆5,628億円 +1兆5,173億円 (赤字幅縮小)
第一次所得収支 20兆7,767億円 +2兆6,563億円 (黒字幅拡大)
第二次所得収支 ▲1兆9,292億円 +637億円 (赤字幅縮小)
経常収支 16兆6,413億円 +13兆9,955億円 (黒字幅拡大)
「経常収支」は、「貿易・サービス収支」が赤字幅を縮小し、「第一次所得収支」が黒字幅を拡大したこと等から、黒字幅を拡大した。

円高の結果貿易収支が赤字になっても、所得収支は上記のとおり巨大な黒字を稼いでいます・・この状態だとドンドン円高が進むのは仕方がないところです。
円高をバネにして海外雄飛の糧にして来た・成功して来たことが分ります。
リーマンショックで世界経済停滞・縮小時の受け皿に役になったのが中国で、4兆元の巨大国内投資で世界経済(需要)縮小危機を吸収した功績は多とすべきですが、威張り過ぎたので、マイナス効果になってしまいました。
受け皿としての巨大輸入によって資源輸出国等への発言力を拡大したのが、現在の中国の姿です。
需要を無視した巨大投資がいつまでも続く訳がないので、国内過大投資の副作用によって今や中国が青息吐息になっているのは周知のとおりですが、リーマンショック後4〜5年間、中国の爆買いが日の出の勢いのように見えたことが中国の態度を大きくしてしまい、世界を敵に回すほどの傍若無人ぶり・厄介者になってきました。
上記のように臨時に大食らい競争に参加した程度で、買い付け出来なくなるとおしまいになる・・中国経済はまだまだひょろひょろっと背が伸びただけのような弱い存在です。
臨時的4兆元の国内過大投資のひずみが数年前から出て来たことによって、(不良在庫の増加→バブル崩壊)国内政治・経済が行き詰まって来たことによって、政権は国内危機の高まりに比例して、対外冒険主義に走るしかない→対外的にも追いつめられているのが中国の現状です。
対外的には新常態の成長と発表していますが、昨年夏の株式の大暴落と年初来の大暴落・外貨準備の急減等の市場判定は、誤摩化すことの出来ない実態を表しています。
内部が苦しいだけでも大変なのに、対外冒険主義の実行(南沙諸島での埋め立て強行など)によってより無駄な出費が増える・・しかも周辺から嫌われるなど悪いこと尽くめです。
上記のとおりアメリカが正義なき戦争で信用を落としたところで,カウンター勢力としての中国の(ヤミクモな?)台頭によって、アメリカ1強時代が終わり中長期的に相対的強国に立場が弱くなって行く方向性が明らかになりました。
腕力剥き出しの対中競争が始まり、他方で、ロシアがクリミヤ・ウクライナに剥き出しの武力で侵攻しても、アメリカが圧倒的戦力による押し返しが出来なくなった以上は、部分的に正義の基準に従う方向へ舵を切り替えて国際優位性を保つしかなくなったのが、近年の国際政治混迷の原因です。

覇道の限界と日本の補完性2

15年5月13日の中段あたりから中韓バブルに話がそれていましたが、ここから世界中が日本の政治(対等者間で合議して決めて行く)技術や各種技術の「補完」に頼る現状を書きかけていたコラムに戻ります。
米中ロの覇道政治の限界・・May 4 2015「覇道と日本の補完性1」の続きです。
以下特に断らない限り「日本の補完性」テーマのコラムは、昨年5月ころに書いてあった原稿を基礎にしたものとご理解下さい。
日本マスコミ各社は安倍総理の訪米前には、「先の大戦に対する謝罪のベンを述べるかが問われる」としきりに世論誘導していました。
安倍総理の謝り方がはっきりしない場合とか演説次第では如何にしてケチをつけるか手ぐすね引いているかのような報道ぶりでした。
戦後70年の節目を強調してどのように謝罪するかばかり焦点を当てていたのがマスコミです。
戦後秩序重視・・60年節目、65年の節目と称していつも日本の「悪事」の再確認を求めて以前に比べて少しでもニュアンスが後退していないかに目を光らせて来たのがマスコミです。
中韓とその意を受けたマスコミは、いつまでも過去思考で日本を追い込むことが利益ですが・・。
覇道に頼る点では、中国もロシア(これに追従する韓国)も同じですが・・世界中で覇道支配がうまく行かなくなったアメリカが、今回(この基礎原稿は15年5月初め安倍訪米直前のものです)アメリカ訪問した安倍総理に対して、上下両院での合同演説(・・戦後日本の総理としては初めての名誉だと言う触れ込み)させてやるから、日本を旧敵国と言い「どんな謝り方をするのだ」と条件を付けるどころではなかった筈です。
極論すれば先の大戦に付いて「明白な謝罪の言葉を貰いたいのは日本の方です」と言う時代が目の前に迫っています。
(この時点の原稿では上記のとおり過去志向で謝るかどうかではなく、(アメリカは謝ってもらうより協力を必要としているので)前向きにアメリカに対する協力姿勢を示せば良いと言うスタンスで書いていました)
維新後榎本武揚など有能な旧幕臣を使おうとしたときに、あいつは旧幕臣だと誹謗し続けるひとがいたとすれば能力競争に負ける人材の方でしょう。
人種差別や学歴などをひけらかす人も同じ傾向です。
世界中の紛争地でアメリカの推進する構想は・・元々覇権主義・・正義の基準がなく、自国の都合で・「戦略的に」いろんな勢力を利用するだけ利用してはポイ捨ての歴史でしたから、(テロ組織アルカイダはアメリカが対ソ連用に訓練していたのが不要になったと切り捨てたものが育ったと言われています)結果的に双方から信頼を失う・・全てうまく行っていません。
この数ヶ月〜半年間(昨年5月基準)に韓国主張には都合の悪い慰安婦関連データや報告書がアメリカから頻りに出るようになってきました。
日本にとっては有り難いことですが、アメリカは戦争終結時・・日本軍解体時に一緒にいた慰安婦に関する聞き取り調査したデータがあるのに、(韓国の虚偽主張を黙認して日本を困らせるために)これまで隠蔽して来たことになります。
こう言うご都合的やり方が多過ぎて、アメリカは世界中の紛争地で信用を失い不信感を持たれるようになって来たのです。
この辺で割り込みで書いておきますが、アメリカ外交のふらつきはオバマ個人の責任と言うよりは、アメリカがは国力低下でどうだけ名どうにもならなくなったので、遅まきながらも一部でも王道政治に向けて手を付け始めざるを得なくなった客観状況にあります。
ロシア革命は、皇帝が世論に圧されて半端に(旧勢力を無視出来ないので、改革はいつもどこの国でも半端なものか始めるしかない)農奴解放をやったことが、致命傷になった例です。
日本でも、幕末に徳川家が井伊大老による専制的決断に無理が出て軌道修正・・諸候会議を招集しているうちに、収拾がつかなくなって、最後は小御所会議でのクーデターを経て明治維新になったのもその一例です。
覇道政治の場合、アメリカの意向だけソンタクし,アメリカに都合が言いように付き従っている国・・世界的にアメリカの御先棒担ぎをしていた国にとってはアメリカの意向に従えば良いので基準がはっきりしていて安心でした。
強者に従う・・正義の基準を度外視して邁進していたのが、中東ではイスラエルや革命前のイランパーレビ王制やサウジであり、アジアでは韓国であり、欧州ではイギリスだったでしょう。
ソ連崩壊後2番手に仏独や中国や首長国連合やエジプトであったでしょうし、3番手がその他日和見国と言う順でしょうか?
私が長年批判するように覇道政治や専制政治は武力・権力を基礎にしているだけで、正義の基準がないので、強い者の気持ちを押し測って周囲が行動するしかありません。
皇帝(権力者)に取り入って相手を蹴落とす術(権謀術数)に掛けては、(馬を鹿と言うほど極端な不正義でもトキの権力者の言うとおり賛同することが、中国高官の生き残り智恵として2000年間言い伝えられてきました・・バカの語源)専制政治の経験が長い中韓には得意の分野です。
覇道政治下の行動基準では正義の裏打ちが不要ですから、権力者の都合=戦略次第ですが・・アメリカや中国の戦略的思考に比べて日本には戦略思考がないとマスコミがいつも日本の政治家や経営者をバカにしていました。
マスコミ人は、中韓的価値観にどっぷり浸かっているので、権謀術数が良いと心底思っていたのでしょうが、日本人は古来から正義だけが行動基準で立身出世その他の邪な戦略で相手を騙したり陥れたりする気持ちがないし、正義に反して権力者にこびる発言・行動は卑しまれる社会ですから当然です。

道義違反と慈悲の心

アメリカもあちこちの組織が日本に対する絶大な信用によって運営されるようになると面白くないから自分から出て行くか仲間に残り、あるいは新たに入るしかなくなります。
日本の助力が必要になって来ると虚構の歴史観・・日本人が非人道行為をして来たと言う意見を裏で言い続けることが可能か・自分が悪かったと謝らなくて済ませられるのかの疑問です。
まして資源販売程度しか収入源がない上に、世界的に元々孤立しているロシアにおいてオヤ!と言うところです。
日本人は声高に相手に「謝れ」とまで言いませんが、安倍総理はワザワザロシアでプーチン氏と合う予定らしいですが、相手が孤立して弱っているときでさえ、ここまでサービスするから相手が誤解してしまいます。
日本は「相手が困っているときに、過去のことを言わないで観音様の慈悲の精神で対する」のが普通です。
年末に日韓合意した内容では、韓国の謝罪がない限りこれまでの悪質な行為を許せないと思っている日本国民が圧倒的多数(・・アメリカに強制されたと怒っている人が多いでしょう)ですが、面と向かっての合意では、あまり相手の顔を潰さない・・内心反省しているようだから文書で反省しているとまで書かせて恥をかかせなくても今後やらないと言う気持ち程度で良いよ!」と言うのも日本人の心です。
しかし、内心許していないので、(今後反省の態度を示さないで)日本が謝罪を要求しないことを奇貨として相手が良い気になるならば、韓国への技術支援その他の協力は進められないことになりますが、将来対アメリカやロシアでも「日本がはっきりと謝れと言わない」ことを良いことにして,今度は少女像なら良いだろうとか大きな態度を続けて行けるのか?の疑問で書いています。
弱いと見れば徹底的に相手をやっつけることしか知らない世界では、困っているときにも(天安門事件で困っているときに救いの手を差し伸べました)仕返しすら出来ない「日本の弱さ」と誤解してしまった結果、中韓はここまでやってしまったに過ぎない面があるでしょう。
アメリカもロシアも日本人が怒らない限り日本人の本心を理解しないまま、「相手が喜ぶから友人の家にただで泊めてもらい御馳走になる権利がある」と厚かましく無神経なままになるのでしょうか?
現在トルコであれメキシコであれ、いろんな中小国の日本詣で・・日本とは昔からこんなに親しいとか、遭難したときに助けてくれた美談とか古い話を掘り起こして来くる・・ラブコールが引きも切らない状態になっています。
東南アジア諸国では、日本軍が支配したときには、地元振興の産業育成や教育ばかりではなく、日本兵が如何に独立戦争に手を貸してくれたかの美談が盛んに出てきて顕彰する動きが出てました。
このような世界情勢の中で、アメリカの作った虚構の歴史・アメリカによるフィリッピン空爆で大量の犠牲者が出たのを日本兵の虐殺だったと強制して来たことや、(韓国の慰安婦は米兵相手だったことも知られています)インドシナ半島ではフランスの植民地支配の牢獄が日本の弾圧だったと噓を教えるなど・・アメリカの強制して来た虚構だらけの歴史がほころび始めています。
中韓を除くアジア諸国で本当の発言が出て来ると、行く行くは第二次世界大戦は何の戦争であったか・・欧米の植民地支配を維持するためのアメリカの参戦であったことは客観的に明らかになります。
こう言う時代が来ると、居場所がなくなり面白くないのでモンロー主義のように引き蘢ってしまうか、(アメリカ大統領選挙候補のトランプ氏はどちらかと言うとこの主張です)潔く謝るか、真実や正義を問題にしない中韓と組んで最後まで日本批判を続けるかの選択になります。
極東軍事裁判が正しいと主張し続けるためには、南京大虐殺があったか否かは中国と手を組めば良いだけで他国には分らないことですから、最後まで手放さないカードになる選択肢があります。
真実や正義に関心がなく自国利益・対日交渉材料として使いたい中国と韓国だけが、アメリカのでっち上げ歴史認識に関しては、唯一最後までの同盟国であり続けるでしょうが、中韓は利益で動く国ですから日本の国力・世界での地位・信用が上がって来るとどちらに着くかは分りません。
中韓はアメリカの使嗾に応じて反日運動に励んだ結果、莫大な経済損失を被っています。
中国が素材産業や低賃金に頼る生産や公害無頓着生産からレベルアップするには、日本の協力が必須ですがこれが思うように行かなくなっています。
韓国も中国の追い上げを受けて更なるベルアップには、日本企業の協力が必須である点は同じです。
技術移転は盗めば良いとは言え、手取り足取り教えてくれる職人のスカウトが、うまく行きません・・嫌韓嫌中感情が激しいと韓国企業に土日にアルバイトに出掛けてこっそり教えて小遣い稼ぎする「非国民」?は少なくなります。
このためにサムスンが日本国内に来研究所(技術窃取拠点?)を設けると言う報道が昨年出ていました。
慈悲の心で許してやってることを日本人が弱いからどんな悪どいことしても良いと錯覚するにしても度を過ごしています。
「仏の顔も三度まで・・」と言うように、さすがに日本人の多くが怒り始めたのが、今回の慰安婦騒動です。
嫌中韓感情の高まりに、中韓両国が参って来たのが現状です。

道義に反した国々の代償1

日本民族の特性として繰り返し書いてきましたが、縄文の昔からの連続性の結果、千年単位で子孫繁栄を考える性質・・子孫も千年前に先祖が受けた恩義やひどい仕打ちを忘れません。
日本民族は、長期スパーンでモノゴトを考える国民性ですから、ちょっとやそっとのことで目先のことで怒ったりしませんが、その分将来の判断資料として深く残して行く国民性です。
ソ連の日ソ不可侵条約の一方的破棄→侵攻→シベリヤ抑留やアメリカの戦争犯罪について、70年経っても何もモンクを言っていませんが、これは米ソ両国にとっては大変なマイナス遺産を残したことになっています。
今後日本を中心に世界が動いて行くようになっても知らんぷりで付き合って行くつもりでしょうか?
日本が、まさかここまで立ち直って来るとは両国共に想定していなかったでしょうが、今や世界で危機が起きるとドルよりも信用があって円の方がより上がる・・経済界の信用は世界一になっている外、世界中でモノゴトの運用においても日本の信用の方が確か・・アメリカがどこかで何かをしようとすれば、日本の協力・精神的後ろ盾がないと何も進まない時代が来始めています。
日本の協力がないとまとまらなくなって来た点については2014/02/22アメリカの指導力16(引き蘢りのリスク5)ころまでと〜May 4 2015「覇道と日本の補完性1」まで書きましたが、別の話題が挟まって先送りになっています。
最近の事例で言えば、TPP交渉がアメリカ主導の強引な運営ではまとまるものもまとまらなくなって漂流していたのですが、弱小国の言い分を良く聴いてあげる日本参加で漸く昨年末ころにまとまった経緯を見れば明らかです。
(対中国集団結成になるので参加拒否していた民主党政権から安倍政権になって参加方針に変わりました・・韓国も中国に遠慮して参加拒否していましたが、北朝鮮のロケット打ち上げに厳しく対応してくれないのでアメリカ陣営に戻ろうとしています)
アメリカがアジア戦略として、日中韓離間策と合わせて日本台頭を阻止するために中韓を使って、長年日本を怒らせるための悪宣伝をさせて来たものの、中国の台頭によるプレゼンス低下と日本の協力がないと進まない場面が増えて来たので、遂にアメリカの代弁をしていた韓国を切ってはしごを外すしかなかったのが、慰安婦騒動の結末であり中国の反日行動でした。
安倍政権を歴史修正主義者だとして裏で反日を煽って来た手前、韓国を切り捨て切れないのでアメリカの圧力で日韓合意を昨年末に強制的にまとめさせられましたが、無理に合意させられた日本国民の不満は(何で日本が10億円払うのだ、逆に韓国に慰藉料を払わせないと承知出来ないと言う国民が大多数でしょう)裏で煽って来たアメリカにも当然向かっています。
国際紛争で言えば、シリアを中心とする中東の混乱を、米ロも欧州諸国も、まとめる能力がないことは明らかです。
将来的には道義による政治をしている日本が出て行ってこそ、尊敬され、まとまる時代が来ると思われます。
米中ロ欧州・トルコ・クルド族、サウジ・イラン等々全ての関与者が、現地民のためを考えずに、自国利益誘導ばかり考えているから誰も信用出来ないし、利害で動く関与者が増えれば増えるほど利害が錯綜して混乱する方向になります。
正義の基準で解決するならば、参加者が多い方が文殊の知恵が出ますが、利害で決める場合、利害関係者が多くなれば複雑になるばかりでまとまりません。
利害がAB2者ならば足して2で割れば簡単ですが,上記のように利害関係が多くなればなるほどあちら立てればコチラ立たずで無理が出ます。
日本のように正義の基準で決めるしかない・・覇道政治の限界がその内分ってくるでしょう。
現地が長年の戦乱の結果、完全廃墟化して諸外国が介入するメリットがなくなってしまい、撤退した後で廃墟になった現地再興のために日本が最後に復興に手を貸す方向になるのでしょう。
カンボジアの戦後復興でも、荒し回った中ソは地雷など放りっぱなしで知らん顔で、日本人が黙々と地雷撤去や法制度整備に協力してきました。
一方で中国は産業支配に向けての協力・資本進出?は盛んで、今やカンボジャは中国の鼻息をうかがわないと何も出来ない状態です。
目先の利益ばかり追及している国々は短期的には奏功しますが、その内信用を失って行くでしょうから日本はゆっくりと正しいと思うことだけしていれば良いことです。
この地道なやり方が戦後70年も続いたので、(本当は戦前も同じでした)今や日本の信用が絶大になってきました。
TPP交渉に限らず日本に頼れば頼よるほど日本の存在が大きくなって行くばかりですし、世界中が日本と仲良くしたいと言う競争状態になっているので、アメリカが多数諸国の声を無視出来ないし、アメリカ自身何かしようとすると日本の信用を利用するしかなくなってきます。
アメリカはTPPが発効すれば思うように支配出来ると思っていたでしょうが・成立交渉の経過を見れば分るように、弱小国はアメリカの自分勝手な運用が怖いので何かと運用段階で日本を頼るしかなくなります。
中国は日米主導の国際金融機関で肩身が狭いので独自にIIBを作り肩をイカラせていますが、除け者の集まりになりかねないかと言うところです。
従来中国を頼っている国は世界の除け者になった独裁者や人権侵害の酷い国ばかりです。
AIIBに西欧諸国が雪崩を打って参加したのはちょっとした驚きでしたが、欧米諸国には正義の基準がなく目先の利益打算だけで動いている点については後で書いて行きます。

マスコミと民主党は真の愛国者?2

今回の中韓を中心(ロシアはすぐに離脱しました)とする一連の行動によって、日本が中韓両国のためになると思って援助しても、中韓にとっては援助で得た技術や資金は,日本からうまくだまし取った・・自分の腕の良さを自慢する材料にこそなれ、何の恩義もない・・日本侵略の目的にしか使わない気持ちであったのかなと思う人が増えたでしょう。
マスコミ界と文化人は、長年にわたる努力・・「日本弱し」論の誤った(虚偽)報道を続けてくれたので、中韓両国にこの印象を持ってしまったかのように見えます。
言わば、籠城方は攻撃軍の夜襲に備えているのに、「今は、おお酒を飲んで寝入っているから今こそ総攻撃すべき」と噓の報告する二重スパイのような役割をしたのが日本マスコミや民主党政権でした。
・・日本人はハニートラップに簡単に引っかかる心底腐った人間ばかりになった・・原発事故で弱った今こそ、ロシア中国、韓国共同の圧力・・一撃で崩壊するだろうと思ったようです。
3ヶ国の脅しに屈し、属国化すると言う・・安心感を与え続けたばかりか、一説によれば(すなわち真偽不明ですが・・)民主党政権時代には、自衛隊機密文書を丸ごと中国へ横流ししていたとも言われています。
日本では歴史上このような大それた裏切り経験はありませんので、多分デマだとは思いますが、もしも本当にあったとすれば、徳川の備えの機密を持って、秀吉に走った(これは開戦を阻止する秘策だったと言われていますが・・小説を読んだ知識しかありません)と言われる岡崎城代だった石川数正氏以来の大事件です。
ここまで誘いをかけられれば、元々色気のある周辺三ヶ国が軍事圧力をかけたくなるのが人情です。
こうしてどこの国が中心になって同時圧力行為になったの分りませんが、中ロ韓三か国の同時的軍事行動・・ロシアによる日本列島周回威嚇?飛行開始と北方領土への首相訪問・韓国大統領の竹島上陸と軍事基地化工事着工、中国漁船による尖閣諸島侵犯開始が一斉に始まりました。
国際世論工作として、如何に日本が過去に残虐なことをしていたかの慰安婦や南京大虐殺宣伝開始も一緒でした。
中韓露の予想どおり、日本政府・・民主党は何の抵抗もしない様子・・国民にはあまり知らされない状態が続きました。
・・慰安婦・南京虐殺などに対する政府の対応や国民が反発するからいけないのだと言う・・もっと誠意を示す必要がある・・謝れば良い式の対応を模索する姿勢?で終始していたのかな?
中国漁船?の乱暴な侵犯行為のビデオすら公開出来ず,折角検挙した船長を中国の要求どおりに釈放してしまう・・これのやり方は、年来の非武装平和論を絵に描いたような対応でした。
こんな対応を見て、中韓は余計自信を持ったでしょうが、実は中韓に根拠なく謝る対応の模索ばかりしているように見える政府対応に国民不満が発火点に来ていました。
野田政権は韓国との間で、慰安婦解決に向けた巨額積み増し合意寸前で、韓国が更なる譲歩を要求をして再協議途中で安倍政権に変わってしまったと言われています。
この辺は韓国川から、「まとまる寸前だった野田政権のを守れ」と言う要求が出て来たと言う新聞報道だったように思いますが、今になると、単なるネットの噂だったかどうか思い出せません。
国民不満・危機感の発火点着火によって、本来は派閥支持がなくて泡沫候補扱いされていた安倍氏が、突然総裁選挙に勝ち上がり、続けての総選挙で安倍氏が総理に就任しました。
以後の展開はご承知のとおりですが、中韓の思惑に反して安倍政権による正面からの対抗処置によって中韓の方が、今や青息吐息になっています。
防衛努力があってこそ国の安全は守れるのであって、非武装平和論・・「相手の言いなりになってれば良い・・謝り方が足りないから相手が怒っている」と言う対応ばかりでは国民の安全を守れないことが証明されました。
中ロ韓3カ国が日本人の怒り・・日本古来からの火の玉のような愛国心を理解出来なかったのは、マスコミや文化人の中韓協力姿勢の結果、中韓に対する日本人の本音の意見・気持ちが表面化しなかったからです。
中韓政府による日本マスコミ浸透に成功すればするほど、日本人の本音を知る眼鏡を自ら曇らせていたのです。
中国政府が国民に言論の自由を認めない統制が成功すればするほど、あるいは統計誤摩化しが成功すればするほど、却って自国の国民意思や経済実態を読み違えてしまうのと同じです。
結果的に中国や韓国にとっては日本人を甘く見過ぎてしまった大失敗→日本にとって早めに彼らの真意を知るチャンスがあったことは、大きな利益があったと思われます。
今回の慰安婦騒動や中国の反日暴動に始まる反日行動は,日本人に彼らの意図の早期おびき出し成功・・(おとり捜査みたいなものです)意図が早めに知られてしまった・中韓両国にとって取り返しのつかない大失策ですが、これは情勢把握の失敗によると思われます。
ロシアはすぐに引いたのですが、中韓はなお強引に攻勢を拡大して行き、引くのが遅過ぎたのは、マスコミ浸透が強過ぎて(親中韓勢力の方が多いと言う)誤った情報が伝わり続けたからでしょう。
2月20日(今朝)のmsnニュースからの引用です。
http://www.msn.com/ja-jp/news/world/「東北の魅力」紹介行事、急きょ中止に=市民団体の反発考慮か―ソウル/ar-BBpIATh
「東北の魅力」紹介行事、急きょ中止に=市民団体の反発考慮か―ソウル【ソウル時事】東北地方などの魅力を紹介するため日本外務省が20、21の両日ソウルで開く予定だった行事が、開催直前に中止になった。外務省が20日発表した。外務省当局者は「韓国当局と調整を続けてきたが、開催許可が下りなかった。背景について説明する立場にない」と述べた。

上記のとおり、いまなお韓国では、市民感情が許さないと称して原発事故被害を煽って、東北地方産品輸入を禁止を続けている外東北地方魅力紹介行事開催さえ許さない状況です。
このように攻撃を強めれば、日本がまた折れて来ると言う長年続いて来た読みがあると思われます。
年末の政府間の慰安婦合意を受けて今度は、世界中に少女像を造る運動など次々と繰り出してきますが、やれば金が出ると言う根っこの思想は同じです。
執拗な日本攻撃が、日本国民感情にどのような影響を与えているかの理解が進まないのは、ひとえに日本マスコミや文化人・民主党などの巧みな連係プレーによる(後一押しで日本が折れる筈と言う誤報告の)大功績と言うべきです。

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