同胞意識と排外的民族意識の違い1

昨年12月30日まで書いて来た日本と比べて中国やアメリカの公害防止意識の希薄さの続きです。
中国では連日のPM⒉・5の報道で明らかなように同胞意識があろうとなかろうと、結果としてこれ以上大気汚染等環境破壊を知らぬ顔・・無視していられなくなった・・痛い目に遭って漸く環境保全の重要さに気づかされたようです。
目先の利益中心・・守銭奴的中国人といえども目先の死活問題に繋がって来れば、日本の公害防止技術を学ぶしかないようになって行くでしょう。
彼らは必要になれば、日本の技術さえ盗めば良いと思っているでしょうし、クリーンルームを作らないと先端商品が作れないとなれば、クリーンルームの制作費を負担するし、省エネでないと車が売れないとなれば省エネ技術を導入するのでしょう・・・。
彼らの行動指針は、自分が儲かるか否かだけであって、見知らぬ同胞に迷惑をかけない・・・弱者をいたわる視点がありません。
目先の儲けに必要ならクリーンルームを作リましょうと言う発想と結果は似ていますが、自分の儲けにならなくとも、「みんなのため」という日本人的価値観の重要性に目覚めることではないでしょうか?
ココまで行くには政治・社会意識の進歩・・いつも書くことですが、中国社会では日本のように一回も同胞意識が育ったことがない・・数千年単位の遅れを挽回する必要があります。
この辺はアメリカも同様で、「都合が悪くなればその町を棄ててゴーストタウンにして逃げ出せなば良い」というアメリカ流の生き方である点も同じです。
何かあるたびに星条旗を掲げて団結心を煽っていますが、公害防止等に関してはまるで意味がありません。
アメリカの愛国心は排外的意味→そのための団結心・・内部争いをやめようという現役指導者に有利な心情を煽っているだけですから、日本の同胞意識に裏付けられた愛国心・郷土愛とは本質が違います。
排外的団結を煽る民族意識の高揚・・これは政治家が失政を覆い隠すために用いる常套手段ですが、しょっ中星条旗を掲げては歓声を上げるアメリカ式の団結心の誇示は,内部論争を中止して「まずは団結!」ということですから、対外排外意識を煽るための効果としての意味しかありません。
多民族の移民によって成立している社会であることから、個々人間の信頼関係構築が出来ない社会になっていて、歪んだ愛国心を煽るしか社会がまとまらないのでしょう。
中国や韓国の場合は同じ土地に長く住んで来た民族ですから,本来は信頼関係を構築出来た筈です。
秦の始皇帝以来約2千年にわたる専制君主制による専横政治が国民間の信頼するべき土壌をぶちこわし続けて来た結果、不信社会・・目先の金銭にしか価値を置かない社会にしてしまったのです。
アメリカを中国並みの守銭奴社会と言うか否か別として政治であれ何であれ尤もらしく市場経済と言いますが、結果としてマネー次第の国であることは大方の一致した意見ではないでしょうか?
この辺も現象から見て中国とは五十歩百歩ですし、結果的に公害対策に無頓着な点も同じです。
私の書いている同胞意識・郷土愛はそんな狭い意味・・マスコミのよく使うアメリカ式の偏狭な愛国心ではありません。
アメリカの指導とおります込が日本の軍国主義批判・偏狭な愛国心と言いますが実はアメリカこそが日本に対する虚偽報道を国内で繰り広広げて偏狭な愛国心を煽って反日世論ををまとめあげて、その極め付きが真珠湾攻撃の奇襲性を演出することによって、対日開戦に持ち込んだのです。
外部から民族が攻撃を受ければ一致して防衛するという意味では、わが国の同胞意識は対外的団結心の基礎でもありますから、アメリカ式の偏狭なナショナリズムとは一見共通していますが、敵がいなくとも公害や天災・飢饉等々から同胞を守るために日頃から育まれている郷土愛による基礎意識があることこそが重要です。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC