マスコミの信用失墜16と特定秘密保護法4

原子力施設設置後5年や10年どころか、5〜60年経過でも、原子力発電や衛星打ち上げロケット技術・設計仕様書などは公開すべきではないでしょう。
最初に設置した原子炉が50年経過で廃炉になっていても、同型の原子炉が別の場所に設置していて、そこではまだ設置後10〜15年しか経過していない場合、(自国内でも設置時期がいろいろなだけではなく、他国で数十年遅れで設置することもあります)自分(日本)の都合だけで公開してテロリストにわたるのは危険ですし、原発被輸出国からクレームが来るでしょう。
日本が輸出しなければ良いという意見もあるでしょうが、自分で輸出していなくとも同じ型の原子炉が世界中に一杯あるのに、自分が輸出したのではないから関係がないと公開して良いものではありません。
またある規格・型式の原子炉が世界中で廃炉になっていても、その重要部分が後発機種に利用されていることが多いので、(その一部改良版も一杯あります)機械的に50年〜60年という一定期間経過で公開して良いことにはなりません。
戦闘機やミサイルも同じで2014年1月12日の日経朝刊によると、(この部分はこのころの原稿です)アメリカでのF15の生産が終わったのが1981年らしいですが、今でも日本の主力戦闘機として200機も保有しているようです。
生産終了後50年経過してしかもその使用が世界中で終わっているとしても、その後継機が主要部分を引き継いで改良しているに過ぎない場合も当然ありますし、F15クラスを作るのにはある敵国あるいはテロリストがまだ技術水準として追いついていない場合、敢えて公開して利用させて便宜を図る必要がありません。
テロリストにとっては、アメリカにとっては数十年前に生産をやめていても50年前のロケット技術でも、あるいは50年前に生産をやめた旧型モデルの核兵器でも、50年遅れの武器・・戦闘機やロケットでも、その製作機密を入手できれば,充分に開発が簡単ですし,その程度の性能差程度気になりませんから、50年前の核兵器でも利用価値があります。
各種設計資料などは、発明発見・製図後5年〜10年で公開したのでは(リニアーモーターカーなど研究→設計企画から用地買収〜実用運転での期間を考えれば分りますが・・)まだその施設が用地買収段階で着工すらしていない段階のことすらあり得ます。
研究段階の論文作成から5年〜10年で初期研究資料やデータを公開したのでは、まだ計画を政府決定する前から競争相手に重要な基礎資料がわたってしまうことになります。
最新兵器なども同じで日本の誇る最新技術があった場合、研究論文作成から、内部承認を経てまだ試作品も出来ていない段階から、5年経てば敵国に教えても良いなどということはあり得ません。
国の安全度を見るには,軍事予算規模の差は大したことではありません。
(50年遅れの旧式兵器装備国が日本の2倍の戦闘機や艦船を保有していても大した脅威になりません)
兵器の技術力差・運用ノウハウの差が20年差10年差、5年差などとその格差・時間差があることによって国の安全が守れているのですから、一定期間・・5〜10年〜50年もたったから公開して良いだろうという発想自体が許されません。
そんなことが許されるとする価値観が仮に世界標準であるとすれば、大陸間弾道弾・核弾頭などは既に世界中の国やテロリストが既に持っていることになります。
どこの国もあるいはどこのテロリストも核兵器や大陸間ロケットを持っていないことから見れば、何十年経過=機械的公開制度が世界中に存在しないことを表しています。
(繰り返し書いているように私は本業の暇を見て書いているので、世界中の法令をサーチする暇がありませんので上記のような推測意見になります。)
今や、いろんな分野で長期に秘密にしないと国の安全が保てない・国際競争力が保てない時代に来ている実態・・5年10年などという画一的法規制限が無理な時代が来ていることを前提にすれば、秘密保護法制定に反対するにしても、単純な「知る権利」というスローガンを主張し・戦前の暗黒社会が復活すると宣伝しているだけでは賢明な国民の多くが賛同できません。

マスコミの信用失墜15と特定秘密保護法2

「知る権利「表現の自由」など学生時代に読んだときにはまぶしいような有り難いブランドでした。
実社会に出て見ると、何もかも一緒くたにして「知る権利・表現の自由を守れ!」と叫べば、すべて天下御免・・括れる程モノゴトは単純化出来るものではありません。
個人情報問題で見ても個人のプライバシーを出来るだけ守るべきですが、他方で緊急災害時の救出用に事前に避難弱者の名簿を充実しておく必要があります。
これを公開すると高齢者を狙う悪徳業者の餌食になってしまうし、他方で一定範囲に拡題して周知して置かないと、イザ緊急事態では現場の人がどこへ救出に向かえば良いのか分らない問題が生じます。
このようにモノゴトはきめ細かな配慮・利害調整判断の上に成り立つものですから、単純に「国民主権国家・・国民がオーナーなのに国民の知らない国家秘密を持つ=漏洩禁止するのは許せない」と叫んでさえいれば、解決できる時代ではありませんし、国民もこれをよく知っています。
試験問題・捜査情報その他事前公開できない性質のものが多いし、事後ならば良いかと言うと、これも一概に言えない分野があることも明らかです。
「◯◯の場合にはどこまで開示するか否か」という分野ごとの議論の叩き台を示して議論してその線引きを巡って立場の違いがあるのならばこれを示して自己の立場の方が合理的だという議論をしてくれれば,理解し易い感じです。
秘密にする内容程度にかかわらず、国家が秘密を持つこと自体、民主国家制度に反して全面的に許されないという短絡的な声明をいくつ連発していても、実社会での解決にはならない子供の議論になります。
日本のロケット技術や原子力発電関連の技術情報・リニアモーターカー等の先端技術を5年〜10年経過すれば、国民主権だから国民誰にでも公開すべきとなれば、先端技術が海外に流出して・・あるいはテロリストが入手して大変なことになります。
国家秘密の設定=非民主主義・暗黒政治に逆戻りというストレートな図式的スローガンでは、今どき単純すぎるように思うのは,私一人レベルが低いからでしょうか?
世界中で軍事機密、ロケット技術や原子力技術等々を公開している国がどこにあるでしょうか・・
上記のような対象による区分けしないで国民主権国家だから国民は全て知る権利がある・・区分けする必要すらない・・秘密にすると暗黒社会になると言うのですが、このような論理によれば核兵器やロケット・兵器技術など非公開にしている国は、全て暗黒社会だというのがマスコミや文化人?の主張になります。
世界でこの種の技術情報を公開している国がどこにもない筈なのに、日本だけこれを公開するのをやめるとと暗黒国家になると言うのでは、論者の言う民主国家は世界どこにも存在しない架空のモデル(どんなモデルを理想としているのかも提示されていません)を主張していることになります。
これら先端技術の機密情報を10年経とうが20年〜50年経とうが一定期間で一律公開していたら、国・国民の安全が保てません。
「そもそも各種兵器や原子力技術を持つこと自体が悪いんだから、原子力発電所や兵器の構造・設計資料等を公開して何が悪い」と言う意見ならば主張が一貫します。
そうなると反対論者の基礎思想は非武装平和主義の技術版に連なるのでしょうが、こんな独りよがりを言っていると、どこの国もテロリスト等への技術流出を恐れて兵器供与だけではなく、いろんな技術提携(共同研究)や情報提供すらしてくれなくなって大変なことになります。
日本の研究者がアメリカにいるときは、アメリカの秘密保護法・スパイ防止関連の適用を受けますが、帰国してしまうと日本でいくら情報を売っても日本の法律では無罪となるのでは、アメリカも研究員として受入れてくれないでしょう。
事前は駄目でも事後はどうかと言う問題では、いつかは開示すべきですが、5年ごとの見直しで何回でも更新される・・歯止めのない(更新回数を何回かに限定する規定のない)法案が批判されていました。
一定期間経過後と言っても、試験問題や入札情報の場合には、事後開示を義務づけても大した問題がないでしょうが、先端技術の場合画一・一定期間経過で開示を義務づけるのは問題です。

アメリカの指導力16(引き蘢りのリスク4)

アメリカの軍事・政治的立場縮小の補完を日本が性急に進めると逆に警戒されるので、少しでも長くアメリカ自体の政治力を維持出来るように、アメリカの顔を立てながら(恥をかかさないように)注意して補完を進めるべきでしょう。
ケネデイ大使を無能だとバカにするのではなく、無能ならうまくおだてて利用出来るか敵に回すかこそが、我が国の智恵の出しどころと書いて来た所以です。
裏約束があっても表向きだけでも米中角逐が長引けば、その間に中国も・・もしかしたら共産党政権が倒れて、(ネットウヨの予測ではもうすぐ倒れるとも言いますが・・)民主化される期待が持てます。
民主化されてもアラブや韓国同様に自己統治能力が低いでしょうから、新たな建国後に統治能力不足の目くらましとして再び日本敵視政策が始まる可能性がありますので、この辺は何とも言えません。
現在の中国による対日好戦的態度は民主化されていないから生じているのではなく逆に民意をそらすためのものですから、この辺は民主化によって却って民意重視度が上がるので好戦的態度が上がることこそあれ,下がることはあり得ません。
中国が民主化されて対日攻撃が強化されれば,「民主的価値観共通」という安倍政権のキャッチフレーズによる対中差別化は意味を失い,米中同盟に進む可能性を孕んでいます。
中国共産党瓦解後に東北地方とモンゴル、チベットや沿海部、ウイグル等の4〜5カ国に分裂すれば、日本の安全保障にとって最善です。
東北部(元満州)は日本支配の経験があって彼らは本音では親日ですから、親日国家になる可能性がありますので、朝鮮半島と一部の国だけ今のような反日スローガンでやって来てもそれ程心配がなくなります。
中国地域が分裂しなくとも普通の国・文化を重んじる国になってくれれば、日本が自衛のために必死に軍備拡張に走る必要がなくなります。
その他のアジア諸国同様に仲良くつき合えば良くなれば、今の20分の1も兵力が要らなくなるでしょう。
現在までの経過を見れば、ロシア、中韓を除いた国相手ならば、・・台湾その他を考えれば分りますが・・そもそも軍備がいるのかな?と言うくらい平和な関係です。
非武装中立論者の多くが、平和思考の東南アジア贔屓ではなく、元はソ連贔屓であったし今は好戦的な中韓びいきなのは、不思議な矛盾関係です。
中国人民の価値観を金儲けや恫喝(威張り散らすこと)ばかりではなく、平和を愛し環境を愛する文化国家に善導して行けば日本は安泰ですから、この方向へ努力することは日本に課せられた課題です。
豊かでないと文化や清潔さや礼節の価値観が理解出来ないのですから、お金を欲しがるのも分りますが、現在中国では度が過ぎていることが問題です。
・・日本は明治〜大正〜戦時中とずっと貧しかったですし、敗戦後の貧しいときもお金亡者になりませんでしたし、日本人には理解不能な国民性です。
勿論神戸(阪神淡路)や東北大震災でも困ったときには略奪が起きず、逆に助け合いが生まれました。
この違いは,何回も書いていますが、中国や朝鮮では2000年に及ぶ過酷な専制支配の隷属下にあっていつ理不尽なことでいつ何時命を失うか知れない不安定な生活をして来たこと・・先のことまで考えていられない歴史経験によると思われます。
(その他大陸と島国の気候風土の違い・・これが専制支配を必要とした土壌ですし、これをこの後で書いて行きます。)
いつでも逃げられるように金銭にこだわる・・今の共産党幹部・高官も裸官と言って逃げる準備をしていますが、・・こんな状態で郷土愛が生まれない・・同胞意識が希薄なことは仕方のないことです。
この辺も簡単に町を棄てて行くアメリカ同様・・これでは両国とも環境維持・・町の美化・・インフラ整備よりは、自分のお金の方が大事・・環境に対する心が育たないでしょう。
郷土に子々孫々まで住み続ける気持ちのない・・郷土に対する愛のない・環境に関心のない国民は、ひいては長期的な信頼関係=法を守る意識など歯牙にもかけない・・警備が破綻した災害時に略奪に走るのはこうした結果ですし、国民性に連なります。

アメリカの指導力15(引き蘢りのリスク3)

アメリカは,紛争が起きても巻き込まれるのはイヤだ・・自分の兵力を直接派遣出来ないと宣伝して自国財政負担を減らしつつ、アジア諸国に兵力強化をけしかけて、表向きは日本やフィリッピン等の味方のフリをして緊張を煽れるだけ煽り続けることになるでしょう。
アメリカにとっては,この期間が長引けば長引くほど経済的メリットがあるし、兵器供給を絶たれると中国と対立しているその国は直ぐに参ってしまうので,アメリカの不快感に敏感に反応するしかない・・アメリカの支配欲が満たされる関係ですから,裏で中国に適当に連絡しながら、アメリカが巻き込まれるような本当の大戦争ならない程度にけしかけ続けるのでしょう。
1919年には既に対日戦争計画策定されていたことが最近分って来たように、2100年ころになると2000年代初頭に結んでいた米中密約の公文書が公開されるかも知れません。
米中が裏で結託してしまうリスクが高まると、中韓を除くアジア諸国は、不当な要求でもアメリカに一定の配慮をするしかない・・これがいつもアメリカがトクして来た関係です。
TPPも含めて当面これで収まるのでしょうが、ヤクザのマッチッポンプみたいなことを繰り返して行くと、次第にアメリカの信用が失われて行きます。
アメリカが何をやってもうまく行かなくなった場合でも、イキナリの全面引き揚げや中国との太平洋2分割に走るよりは、徐々に軍事援助削減・・交渉ごとで譲れなくなること等から始まるでしょうから、その補完を徐々に日本が引き受ける段階(・・結局は米軍縮小の代わりに日本に兵器を多く買わせて儲けること)が予想されます。
アメリカは金儲けばかりであまり当てにならないとなると日米勢力圏にとどまるか、韓国のようにアメリカの先はないと見て一足飛びに中国にシフトするかの競争が起きてきます。
多分、裏ではアジア諸国に対して中国からの切り崩しが激しくなっているのでしょう。
政治は信頼が第一ですから、(政治家が病気を秘中の秘にするのは先がないと思われると周囲が言うことを聞かなくなるからです)近い将来アメリカが政権(パックスアメリカーナ)・・国際警察力を投げ出す可能性があると分ると、先を争って中国の軍門に下る動きが加速してしまうでしょう。
これを見越して韓国は中国シフトを始めたのですから、露骨過ぎる難点がありますが、一応これも1つの「利口な?」選択肢です。
アメリカは兵器購入先が減るのは困るので、イキナリ投げ出さずにそれなりの引き止め努力はするでしょう・・。
上杉謙信が小田原を攻めたことがありますが、しょっ中関東に来ると北関東の諸将がどちらに着いて良いか分りませんが、もう来ないとなれば競って北条方に帰属するようになります。
日本は元々信義を守る国民性ですから、アメリカが落ち目になったからと言って手のひらを返すようなことはしません。
まして、まだまだ山賊的で粗暴な(権力を握ると何をするか知れない怖さ)中国の支配を受けるのはリスクが大き過ぎるので、アメリカには今後50年くらいは相対的強国として世界の秩序維持責任を分担して(投げ出さないで)頑張って欲しい立場です。
その間は,高い兵器でも買い続けるしかないでしょう。
アメリカは国際信義など問題にしない国であるとしても、世界の警察権を投げ出すのが少しでも長引けば、その間に日本の自衛力充実期間があるしインドや東南アジア諸国も成長するでしょう。
またその間、アメリカの補完勢力として日本の軍備拡張にアメリカも協力するしかない(金儲けになるし)でしょうから、この間に日本の自衛力や国際発言力が強化されます。
1月24〜25日以来書いて来たように、米中は国民の価値観が共通で体質的に親しみがあるので、日本に陰で助けてもらうことによって日本がジリジリと発言力や軍事力を強化する・・次第に政治面でもアジア諸国のアメリカ離れが進むことにどこまで精神的に耐えられるか、途中で中国に投げ出してしまうリスクを頭に入れておく必要があります。

韓国民の行動様式15(話し合い社会とねじれ国会1)

9月3日書いたように日本の場合行政決定段階でも各大臣が支持母体を独自に持っている関係から、内閣構成員との間で利害調整が必要なのに対して、大統領制の場合は閣僚が全員大統領から政治決定の指示を受ける配下に過ぎない(選挙で選ばれていないので、日本では長官と翻訳されています)違いがあります。
日本では政府決定が複雑なだけではなく、議会も簡単に強行採決が出来ないルールになっているので、揉みにもんで進めなければ本会議上程にこぎ着けられない・・悪く言えば決められない政治に陥り勝ちです。
2院制である結果、違った時期の選挙・・時期が違えば微妙に民意が変化しますし、選出単位が違えばこの面でも衆議院と違った票の出方をします。
2院制の場合違った選出である以上は違った民意を反映するようになるのは当然です。
2院制である限り、原理上多数派のねじれがおき易くなりますし、もしも同じ結果を期待するならば、2院制の必要がないでしょう。
ねじれ国会になるから2院制不要あるいは改正すべきだという議論は、問題のすり替えか道義反復論です。
元々違う角度からの民意吸収を期待して制度が成り立っているのですから、必要なのは意見が違った場合の優劣・妥協の着け方にあると言えます。
これに関しては「決められない政治」と揶揄することによって、マイナス面ばかりマスコミによって強調されていますが、きめ細かく丁寧に弱者の意見を吸収するためには時間軸の差・選出方法・単位の差は有効な制度です。
きめ細かな民意吸収の結果,国民間の同質性・・民族の絆を維持している効果を軽視すべきではありません。
議論すべきは、きめ細かく国民各改革層の意見を吸収してゆっくり改良して行く必要を認めるべきか否かです。
何事もアメリカやIMFの御託宣どおりに、これが良いと言われると敗者を蹴散らしての迅速実行・拙速ばかりが良いとは限りません。
仮に良いことでも、じっくり納得の上で5年10年かけて周辺準備を周到にしながらゆっくり変えて行けば良いことです。
百年単位で続いて来た社会の慣習を変えるには、多様な意見や痛みを聞きながら変えて行く時間軸が必要でしょう。
何故、そんなにマスコミや識者が急ぐのか理解出来ません。
昨日まで書いたとおり韓国での即断即決(拙速)が国民を家畜のような対象にしていてこそ出来ることであって、我が国のように国民こそ大事という国ではそんな乱暴なことは出来ません。
韓国では国民の福利を無視して来た咎めが大きく出ていることを考えれば、我が国が拙速せずにゆっくりやって来たのは恥ずかしいことではなく、やはり2千年も政権が続いて来ただけの深い智恵が我が国にあると思い直すべきです。
韓国では大統領制なので政府決定は大統領単独で可能・・閣僚は部下・相談相手でしかないので、即決出来る上に、国会は1院制ですから与党と議会多数派は同時に選挙すれば普通一致しますし、そのうえ国会手続きさえも強行採決が簡単に出来るようになっていました。
選挙で勝った方=大統領=多数派がいとも簡単に強行採決出来る・・これが常態化している社会では、ことの善悪よりは、専制君主の意見にあうかどうかが基準であった時代と思考基準が変わりません。
国家運営・・国内でのいろんな場での意思決定が、強弱・勝ち負けかあるいは白か黒かの単純基準で動いている社会では、対外主張でも勝者敗者(・・どちらが上位者・アメリカの覚えが良いか)の基準で押して来るのは、仕方がなかったと言えます。
今後議長職権による法案の本会議上程要件に絞りを掛けたので、話し合い解決が必要な場面が増えるような手続きを国会で議決したのは、(多数派・強者かどうかだけを基準にするのではなく)話し合い=善悪・合理的か否かの基準で決める社会にして行こうとする韓国の決意表明です。
話し合い解決の経験が少ないので直ぐにはうまく運用するのは無理としても、こう言う法律が出来たことで、今後韓国の思考様式が合理化して来る・・何かと無茶苦茶言って来られて困っている日本にとっても、プラスになることです。

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