大義(共同体)を滅ぼす小義の強調4

ctober 7, 2016以来書いてきた「大義(共同体)を滅ぼす小義の強調」シリーズから、October 9, 2016「小義強調3・・悪しき個人主義1」へさらに国防政策に関する自治体の拒否権などへと横に入っていましたが、その続きです。
社会混乱を招く目的集団・グループが、戦後米軍やその支配下にあるマスコミの応援を受けて大きな顔をして来たのですが、マスコミがいくら煽っても縄文の昔から共同体を大切にして来たDNAを変えるところまで浸透出来ませんでした。
さすがに戦後70年以上も経過すると逆に???と言う人が増えて来ました。
何やかやと言っても、「共同体があってこその自分があるのじゃないか」と言う人が発言出来る時代が来たのです。
ネット発達が、マスコミ支配・・共同体利益を守れと言う意見をタブー視する雰囲気を崩したことが大きな原因です。
南シナ海紛争に戻りますと、米軍は年に1〜2回しか現場に出向いてくれない・そのとき補給などを応援する程度の集団自衛権論では、日本へ向けて日々切れ目なしの航行している大量の船舶の安全を守れません。
南シナ海航路封鎖またはこれに準ずる事態発生の場合における自衛隊の独自出動・・米軍をどう言う場合に応援するかのテーマではなく、ニッポンが独自に自衛権発動時に米軍がどの程度応援してくれるかの議論や事前協議で詰めておくことこそが安保同盟有用性論の基本でしょう。
アメリカは元々大した協力をする気持ちがないことを(予算を含めた)態度で示しているのですから、アメリカがどうしてくれるかの議論をするよりは日本人自身が自分の国をどうやって守るのかを国内で決めておくべき問題です。
イキナリの南シナ海の航路封鎖はインパクトが大きいので中国はそこまですぐに踏み切らないで多分数十年かけて既成事実を積み上げて行く戦略をとると思われますが、やられる方としては、危機管理として段階的対応を予め研究・議論しておく必要があります。
当然極秘研究をしているでしょうが・・何をするにも民主国家に於いては法整備が必要・・ひいては国民の理解が必要ですから、極秘研究さえしていれば良いものではありません。
予め国民に問題点を公開して日頃から充分な議論をしておき、国民に心の備えをさせておく必要があります。
地震の避難訓練に1回も参加したことのない国民でも、地震の怖さを百回も聞いて知っているのとまるで聞いたこともないのとでは対応が違って来ます。
コトが起きてから、議論を始めたのでは遅過ぎます。
国民世論の動向を見極め・・法整備や予算付け・・それから艦艇建造や訓練開始ではとても間に合いません。
日本のマスコミや思想界は、アメリカの置き土産・・「人命尊重」と言う小義にこだわり大義に関する思考停止状態にどっぷり浸かっていますので、予め準備しておくべきマトモな議論が進みません。
反安保論者は国民支持獲得は二の次・・16年10月9日に書いたとおり反安保論が最大2割しか支持されていないのを知っていますので、今はイザと言うときにどうするかの議論・シュミレーションが進むのを一刻も先延ばししたいと言う戦略で動いているように見えます。
事前準備がなければイザと言うときに、ニッポンが準備手足で中国に後れを取るようにするのが狙いでしょうか?
米軍占領の後遺症に悩まされている我が国では、個々の人権は祖国の安全があってコソ守られるという「大義」の自覚覚醒から進める一定の時間が必要です。
ところで南シナ海での紛争激化はアメリカ海運業界や石油産業等(中東からの運輸激減→アメリカ産原油への需要が高まる)には利益ですが、中国にとって何か利益があるでしょうか?
イキナリ南シナ海封鎖と違って、「許可申請せよ」の要求から入れば、中国には(国際的非難を受けるのは別として)大したリスクがなく日本への嫌がらせになるだけです。
許可申請要求や将来の封鎖可能性による脅しをテコにして対日交渉を有利にしていろんな技術移転を要求し、南京大虐殺を認めさせて巨額賠償金をとることでしょうか?
こうした実利目的も当然あるでしょうが、慰安婦騒動で分るようにごねて不当な金をとると長期的損得勘定では、却ってマイナスになるのが普通です。
対日本で何か派手なことを仕掛けて来るのは国内的に切羽詰まった時期・内政混乱回避が最大目的・・経済のハードランニングが迫った時期が最も危険なときと見ておくべきでしょう。
嫌中派にとっては、中国がいつ大破綻するかを楽しみしている人が多いと思いますが、大破綻は目前には対日挑発が起きるリスクの外に、難民の殺到その他日本にとってリスクが大きいことであって、歓迎すべきことではありません。
(シリア難民と同じではない・・中国の場合観光や留学名目で来て日本にそのまま居着く・・20年ほど前に多くいた中国から来た窃盗集団その他犯罪集団化の繰り返し・・韓国の場合・・売春婦の流入など灰色難民が増えると思われます)
16年10月9日日経新聞には同年8ヶ月間の外国人犯罪が出ていますが、これによると2004年が犯罪ピークとなっていてその後大幅減で16年は昨年比微増とのことです。
14〜5年頃からの中国経済失調が始まるとすぐにこのように犯罪者数が増える・・今後中国の不況が進む・今のところ国内投資等で先送りに成功していますが、先送りした場合には先送りした分だけ破綻の規模が大きくなってくるはずですので、その時には大変です。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG07HDT_Y6A001C1CR8000/

訪日外国人犯罪3%増 1~6月6776件、中国籍最多 2016/10/8 21:11
「警察庁が統計を始めた1980年以降、半期ベースの摘発件数のピークは2004年の2万4487件で、10年からは横ばい傾向となっている。摘発人数は05年の1万800人が最高で、11年から横ばいの状態が続く。
今年上半期の摘発件数を国籍別で見ると、最多は中国の2126件、次いでベトナムの1515件。摘発人数も中国が1553人、ベトナムが1020人で、いずれも両国で半数以上を占めた。」
「窃盗の手口別では、万引き(1497件)はベトナムが53.0%に当たる793件を占め、侵入窃盗(533件)は中国が全体の半数近くの257件。」

万引きは怖くないですが、侵入盗中心の中国人犯罪は怖いですね!
ただし上記外国人とは「来日」者だけで永住者等を除くらしいので、日本人の多くが関心を持つ実態が分りません。
外国人と普通に聞けば、ニッポン国籍を持たないか又は外国籍を有するものですから、永住資格者等を除くのでは客観的統計としては不自然です。
この種の統計の取り方は永住者等の犯罪数を国民に知らせたくない政治的意図があるのでしょうか?

小義強調3・・悪しき個人主義1  

南シナ海問題に戻ります。
ソマリア沖海賊対策では、世界有力国の利害が一致していたので何とかなりましたが、南シナ海の場合、中国自身が秩序破壊の元凶ですから、関係諸国が一致して妨害排除行為することを想定出来ません。
国際司法裁判所判決が出ていても国際会議で非難決議さえ出せない状態ですから、国際機関決定できる訳がないでしょう。
まして、フィリピンベトナム等周辺コクには相応の餌を撒いたり脅したりして日本だけ標的の通行妨害をした場合、周辺国が連合艦隊を編制して中国軍を追い払ってくれるとは思えません。
言わばいじめっ子が怖くて廻りが傍観している・・中国がこれを利用して日本イジメ行為を実行しようとしていることは明白です。
ニッポン(は強い?)を直截攻められないから、ニッポンから遠く離れた公海での航行妨害をして周辺国に応援させないようにする程度ですが・・。
アメリカはせいぜい「航行の自由を守れ」「仲良くして下さいよ!・「暴力は行けません」と言うリップサービス・・犬の遠吠えしかやる気がないコトを今から(予算を含めた)態度で表明しています。
中国は当然アメリカの船は自由に航行して下さいとなるでしょう(・・言わなくともアメリカの船を拿捕・撃沈する勇気はない)から、結果的にアメリカの船だけは航行自由となれば、日本はアメリカ籍の船に輸送を頼むしかなくなる関係です。
昨年までのいわゆる安保法案に関する議論では、こうした新事態に備えた議論がなかったように思えます。
ソモソモ自国・・自宅に押し入る強盗からの「自衛」だけを関心にして戸締まり・自衛戦力・SECOMなどの契約や防犯カメラ(集団自衛権)さえ不要論が幅を利かしているニッポンの議論は、世界でも特異な思想状況にあると言うべきです。
http://todo-ran.com/t/kiji/18471
「各都道府県選挙管理委員会の発表から、2014年12月に行われた第47回衆議院選挙比例代表の民主党得票率ランキング。
民主党の得票数は977万5991票で、有効投票数5333万4447票に占める得票率は18.33%。」
上記のとおり実際の選挙結果では民主党→民進党の支持率20%あるかないですが・・マスコミ報道になると「圧倒的市民の声を無視した横暴を許さない」など「文化人」の応援一色です。
マスコミを見ていると、憲法学者も作家その他文人の殆どが反安保法の意見で一致しているイメージですが、この洪水的思想教育に共鳴する不心得者?が20%前後しかいない・如何にニッポン民族の共同体意識が根強いかが分ろうと言うものです。
元々社会には言って率のはみ出し者がいるのですが、そう言う傾向の人が「お前のやっていることは素晴らしい・・意識が高い!」と大義名分を得てクレーマーやモンスターに育っているように見えます。
私の家も製品不都合があるとメーカーに連絡しますが、データが少しでも多く集まれば改良チャンスが増えるだろうと期待するからであって、苦情?を言うつもりは全くありません。
戦後70年間も洪水的反共同体思想を宣伝しているのに共鳴しているのに約20%どまりですから、如何にマスコミや文化人が国民意識とズレているかが選挙結果で明らかです。
ただしズレが大きいほど彼らのエリート意識がくすぐられてやる気が出るのかも知れません。
非武装平和論者と支持母体を同じくする団体は何かと新しい分野・・社会の変更発展に人権等を理由に世界基準を持ち出して批判を展開するのですが、重要問題になると全く世界標準を無視しています。
この辺は秘密保護法・・スパイ防止法反対論でも防犯カメラ(肖像権)でも人権侵害されると宣伝するのですが、スパイ防止法のある国は人権侵害国家なのか?集団安保・・相互防衛条約のある国は皆軍国主義国家なのかと言う疑問には全く答えません。
先進国で相互防衛条約を締結していない国がどこにあるかも答えません。
公海の安全航行権の保障に戻りますと・・最寄り駅から自宅に至る公道・・公の空間で何があっても「知らん顔をしている」といつの間にか誰かが?解決してくれる・・「自己中心主義だけで世の中の秩序が保たれるのか?」と言う基本に立ち返った議論が必要です。
ここ数日書いている大義を重視する精神の欠如・・・・小義強調・共同体維持の価値観否定運動がいつから蔓延して来たのか、マスコミや文化人・学者の多くが何故これに共鳴しているかの疑問です。
自宅などの個人範囲を超えた全体・公けの秩序を誰が守るのか?軍が出動した場合に兵士の生命の危険を心配して反対するなど・・世界でも稀なニッポンの民族・共同体意識(国民意識に牢固として根付いていますが・・)を破壊する思想宣伝がいつから始まったのでしょうか?
ニッポン民族は元々自己利益よりも共同体利益を最重視する社会であるからこそ、今でも道路・公共空間は掃除が行き届き、電車の時間が正確で環境保護に敏感ですし犯罪も少ないのです。
個人利益ばかりを主張し全体がどうなっても良いような主張が素晴らしいと応援するマスコミ宣伝と実際社会のあり方や選挙結果とは大きくズレています。
我が国では、古来から蒙古襲来時の地元武士団の奮戦や前回戦争でも、特攻隊員の意識や1分1秒でも長く米軍を足止めして祖国への侵攻を遅らせるために硫黄島や沖縄で死闘を繰り広げたコトから分るように、「公」共同体・一族のために命を棄てることを惜しまない民族性です。
戦前にこう言う宣伝するマスコミや学者が全くなかったことは公知の事実ですから、共同体破壊運動への転換の始まりは米軍占領政治が起点であることは争いのない事実と思われます。
ニッポン民族の強固な共同体意識・・負けが決まっていても最後まで死守するニッポン兵に手を焼いた米軍の経験からして、米国の占領政策の第一に強固な共同体意識の解体があったのが必然です。
米国はニッポン民族自体を他の被植民地以下の境遇にしてしまう目的で始めた戦争でしたから、占領後これに抵抗されないようにする第一目標が「公」共同体意識の破壊にあった・・占領後最初の仕事が神道敵視政策であったことその他やって来たことに共通項があります。
共同体を命がけで守る意識を解体し自己中心主義社会になって行けば、自然に治安が乱れます・・これが狙いであったでしょう。
占領軍が治安悪化を望むのは異例ですが、占領政策の手足として在日を利用しようとしたことに原因があったと思われます。
欧米植民地支配の常套手段ですが、英仏等の支配者が恨まれないように過酷な現地人搾取や弾圧などの汚れ仕事(中間管理職?)を他所から連れて来た異民族にやらせていました。
アフリカではインド人を使い東南アジアではインド人と華僑を使ったので現在でも支配階層に華僑・イン僑が浸透しています。
中国人がアジア諸民族の代表として正義を主張し欧米と戦ったことがない・逆に欧米の手先になり易いのは、専制支配下の生き方しか知らないので正義の基準よりは強い者の手先になる競争精神が染み付いている外にこうした長年の経験・実績によっています。

大義を滅ぼす小義の強調2

マスコミの宣伝に合わせている政治家の方が本来無責任・オポチュニストと言うべきですが、マスコミ支配の世界の言論では、マスコミに迎合せずに大義を主張する方がオプチュニストにされています。
中韓の主張を見ると、自分が日常やっている卑劣なことを全て日本がやっているかのようにすり替え主張するのに驚きますが、マスコミによるオポチュニスト論のレッテル貼りもその一例です。
我が国もいろんな分野で小義がはびこっていて実は大変です。
死刑廃止論や平和運動のような政治分野だけはなく、経済分野でも同様です。
喩えば、一人1年間に何千万とかかる薬を保険適用するとその人には朗報・・小義でしょうが、可哀相論だけで保険適用を拡大して行くと社会全体が成り立つのかの議論・・大義の議論が抜けています。
この辺は保険赤字の原因として・・マスコミが頻りに行なっている高齢化による保険赤字のイメージ宣伝とは違っていないか?保険適用拡大が大きな原因になっているのではないかと言う趣旨で、February 13, 2016「ダイジェスト報道4と正確(中立)性担保3」で書いたことがあります。
たまたま10月6日の日経新聞朝刊では、高額薬「オプジーボ」(一人年間約3500万円)の薬価基準をようやく25%下げる合意が出来たと報道されています。
収入にもよりますが、原則月額医療費が6〜7万円以上は無料(還付)ですから、使えば使うほど薬品業界が儲けるだけで患者の負担はそれほど大きくありません。
医師の勧めで我も我もと服用すれば、仮に1万人の患者がいると1つの薬だけで年間3500億円です。
透析等の高額治療方法や高価薬品がドンドン出て来ると高価過ぎる薬や治療法は保険適用除外すべきか?と言う議論をタブー視している余裕がなくなって来ました。
「貧乏人は死ねと言うのか!」と言う決まり文句で言論封殺していたのでは済まない事態・・「薬が効けば良い」というものではない・・社会的上限・大義が議論の対象にならざるを得ない状態になって来たものと思われます。
6日の報道はこの大義を正面から議論するのではなく値下げして何とかする弥縫策ですが、利用者がドンドン増えることを前提にすれば25%や30%下げれば済むものではありません。
生活保護受給者の乱診濫用・・これを目的に生活保護受給者ばかり集めて儲けている特定医療機関の存在・・マスコミに出るのは暴力団と提携している特殊な事例だけですが本当はもっとある筈で・・以前から問題になっていますが、これも検討課題の一種です。
我々弁護士業務で散見する例では、アパート経営者にとっては生活保護受給者の方が家賃延滞リスクがなくて最良顧客になっている実態があります。
ヘイトスピート(移民導入論)か人命軽視を許さない・平和を守れと言うスローガンで全ての合理的チェック・議論自体を許さない運動の背後で儲けたり世界秩序を特定方向へ誘導したい集団が背後にうごめいているのです。
ガン特効薬の記事です。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49379?page=3からの引用です。
週刊現代
「オプジーボが保険適用されている非小細胞肺がんによる死者は年間約6万人。彼らの全員にオプジーボを投与すれば年間約2兆円もの保険負担が増える。」
肺がんだけではなく今後「他の病気の人も使いたい」となって来ると莫大な保険負担になります。
上記引用記事の一部です。
「免疫治療薬は適用外の様々ながんへの効果も期待できるので、保険が利かない自由診療でもオプジーボを使用した治療を望む患者が増えている。星野氏のクリニックでも、適用外の処方が進む。
「末期の歯肉上皮がんの患者さんに使用したところ3ヵ月で完治したのです。こんなに早く治るとは驚きでした。他にも膵臓がん、大腸がん、胃がんなど多様ながんの患者さんが当院にいらっしゃいます。」
上記は噓か本当かわかりませんが、いろんながん患者が自費で使い始めると、その内に何故肺がんだけ保険が利くのだと言う議論が起きて来て、その圧力で保険適用が広がって行くのでしょうが、そうなると何兆円では済まなくなって来ます。
個人が可哀相と言う思いやり?=小義をのさばらせて行くと、全体・大義が維持出来なくなる分野が、社会の隅々に広がっています。
当たり前ですが、小義と大義のバランスをどうするかの議論が必要な時代が来ています。
今まで当然あるべき議論がタブー視されて遮断されて来たのが不思議です。
私は、「高額治療や高額薬品全て保険適用に反対とか、死刑制度を何が何でも維持しろ」と言うのではなく、この種の冷静な議論の結果適正な保険適用・・刑罰のあり方を決めて行くべきだと言うだけのことです。
保険で言えば国家・社会として負担出来る限度があるのですから、その枠内で割り振って行くべきでしょう。
死刑廃止論も秩序を重視する人や被害者側の立場・・死刑がなくなれば欧米のように検挙現場で射殺して行く弊害・・双方凶暴化して行き却って社会が荒れて行きます・・。
ニッポンでは大したことをされないと知っているから暴力団員でも大人しく逮捕されているのです・・。
http://blogos.com/article/183840記事
THE PAGE
2016年07月18日 11:21
「年間1000人が警官に殺される米国 「銃を持つ権利」と市民と警察の間の溝」
自国で年間1000人も射殺している米国がフィリッピンを批判出来るか疑問に思う人が多いでしょう。
ちなみにニッポンでは死刑執行されているのは概ね年間10人以内です。
https://www.amnesty.or.jp/human-rights/topic/death_penalty/statistics.htmlアムネステイのデータでは以下の通りです。

日本の死刑執行数推移

死刑廃止論に戻りますと、多様な意見を前提にして解決して行くべき職業団体の弁護士会が、何故犯罪者の人権ばかり一方的に主張するのか不思議に思う人がいるでしょう。
弁護士会の総意をどうやって反映するか?のテーマで以前から以下のとおり書いてきました。
ここ数年で言えば、October 19, 2014,「弁護士会の政治活動2(弁護士自治破壊リスク1)」以来弁護士会自治のあり方を連載し、民主的手続さえあれば、弁護士の総意と言えるのか?と言う趣旨でサイレンとマジョリテイーの重要性をOctober 19, 2015,「サイレントマジョリティ10(会内合意のあり方3)」あたりまで書いている途中でテーマが横に逸れていますが、その内再開するべき原稿はその当時に書いています。
要は「全学連が、民主的手続で執行部を選出しているから革マルや中核派が早稲田などのマンモス大の学生総意を代表していると言えるか?」と類似した問題です。
中韓等が国策として国際機関事務局浸透作戦を継続し事実上いろんな事務局が中韓人脈ばかりになり、ここぞと言うときに賄賂攻勢で牛耳るようになった場合、その内国際機関の権威がなくなって行きます。
この辺は専制支配社会と権謀術数→人脈造りの重要性・・共産主義者との親和性で書いて来ましたし、国際機関の信頼性欠如については「国連報告のいかがわしさ」と言うテーマで書き掛けの続きを再開する予定です。
現在EU不信の高まりも官僚機構がグローバリストに牛耳られている弊害に我慢出来なくなって来た声なき声の噴出によります。
昨日のニュースを見るまで日弁連大会が開催されていることを忘れていましたが、タマタマ昨日のニュースで死刑廃止論が大会宣言になっていることを知りました。
ま、こんな程度の認識・・全学連同様と言うと大分違いがありますが、「活動家に任せておけば良いか」と言うのが一般認識ですから、総意の代表を目指すならば、大会宣言するほどの重大事ならば投票で総意を聞くべきです。
上記連載で「アンケーとくらいとるべきではないか」と書いたことがありますが、この意見に触発されたのか独自の意見か分りませんが、今年の5〜6月ころ千葉県弁護士会の会員が政治的意見の分かれる問題では「アンケートで会員意思の把握をして欲しい」と執行部に申し入れたところ、執行部は適正手続を経て意見表明しているので必要ないと言う趣旨の回答をして応じていません。
本当の会員意思が分るのが怖いのでしょうか?
10月7日のニュースでは、日弁連が死刑廃止論を強調するために瀬戸内寂聴氏の過激な表現を引用したことについて、犯罪被害者団体に謝罪したとのニュースが出ています・・。
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6216935
「作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(94)が、日本弁護士連合会のシンポジウムに寄せたビデオメッセージで死刑制度を批判し、「殺したがるばかどもと戦ってください」と発言したことについて、日弁連は7日、福井市内で開いた人権擁護大会の中で「犯罪被害者への配慮がなかったことは、おわび申し上げる」と謝罪した。(産経新聞)」
瀬戸内さんの発言について、あすの会顧問の岡村勲弁護士は「被害者はみんな加害者に命をもって償ってもらいたいと思っている。そのどこが悪いのか。ばか呼ばわりされるいわれはない」と話した。」
世の中は多様な利害で成り立っているのに、これらの利害を慮る能力もなく、マスコミ受けする・マスコミの意向を代弁する軽薄な人物が派手に言えば有名人になれていた人たちが、ネット批判によってこれから淘汰されて行くと思われます。
ミノモンタ氏が熊本の地震に関するツイッタ−で如何にもマスコミの期待する方向に迎合して?上から目線で根拠ない決めつけ発言をして大失敗したばかりです。
http://www.rbbtoday.com/article/2016/04/23/141646.htmlみのもんた、熊本地震のツイートを謝罪
「支援のやり方も甘い。自衛隊きちんとして欲しいね。」
何の実態調査もなしに「自衛隊を邪魔扱いさえすれば良い」と言う安易な主張でした。
これまで歯切れの良い左翼的主張(根拠ないスローガン)がマスコミ受けしていたのでしょうが、今はネットが発達しているので何を前提にしているのだと言う批判が渦巻いてしまったのです。

大義を滅ぼす小義の強調1

10月5日「小義」と「大義」の違いを書きましたが、マスコミ論調ではイラク特措法派兵に関して「自衛隊員に犠牲が出たらどうするのだ」と言う変な議論がまことしやかにされていましたが声明の危険があるから軍が派遣されるのであって、生命の危険を理由とする反対論は自己矛盾です。
そんなことを言い出したら国防のための応戦も出来ませんし、強盗が民家を占拠しているときに警察官に犠牲が出たらどうする!などと言っていると強盗排除の大義を実現出来ません。
犯罪者や警官個人の人権も重要ですが、安全社会を守る大義ためには場合によっては警察官等に一定の犠牲が出るのはヤムを得ない・・その代わりその職種の人は地域社会を守るために命をかけてやってくれていると尊敬され死後は石碑を建てて讃えるなどの敬意を払われて来たのです。
この辺日弁連の推進する「死刑廃止論」のおかしさも同様で、個人の生命や人権が大切なことと、秩序維持のためにどの程度までの刑罰(犯罪者にとってはどんな刑罰も人権制約になります)が必要かは別に議論すべきことです。
人命・人権尊重からただちに死刑廃止論を導くのは、平和を希求する心から軍備不要・・戸締まり不要論を導くのと共通で短絡的過ぎます。
この種の主張論者の組織が共通集団化している点から見ると、推論・思考レベルが共通だから疑問に思わないのでしょう。
個人の生命は大切と言う小義を重視し過ぎて死刑がよくないとか、警察官も人命尊重の対象だから危険を避けるために強盗がいなくなってから・・騒乱が鎮静化してから出動すべきだと言い出したら、現行犯罪の摘発がないのですから、犯罪や騒乱を誘発し却って多くの人命・人権が失われる(大義を滅する)元になります。
オバマのフィリッピン大統領非難の問題点は犯罪容疑者の人権ともっと大きな公けの秩序維持=大義と犯罪者の人権・小義のどちらを重視すべきかの判断(主権行為)に余計な介入をしていることにあります。
フィリッピンの犯人検挙方法がどこまでどの方法が許されるかは優れて内政問題・・その国民が被っている被害状況・・犯罪集団の凶暴性等々の状況との兼ね合いで決めるべきこと・主権行為なのに、オバマはいわゆる人権屋の重視する小義を重視して他国の内政批判・・干渉しすぎて主権尊重の大義を考慮していない印象を受けます。
中東ではリビヤやイラクやシリアの政権を倒しあるいは倒そうとして大混乱を招くなど近代社会秩序維持に最優先であるべき主権尊重の大義を破るものである上に、結果ら見ても欧米の介入が原因でシリア難民の悲惨さを見ても・・大規模な人権侵害が起きています。
独裁が良いか民主政治が良いかについても、社会状況に応じた政体があるのですから腕力に任せた余計な介入によって生じたリビアやイラクの混乱を見れば、フセインやカダフィの独裁政権の方が国民にとってはずっとマシだった筈です。
小義のために独裁制を倒すのと秩序崩壊による大混乱で失う大義(大量の人権侵害発生)との比較衡量の必要性すら分っていない・・狂信的煽動集団がマスコミであり、これに政治家が迎合した結果です。
マスコミがこぞって何故大義(秩序維持・大量の人権保護)を無視し、大義を言うと偏狭な民族主義とか、オポチュニストとして貶めるのか・・大義を無視し尽くして結果的に世界混乱を引き起こそうとするメリットは何か?どう言う勢力がこういうことを煽るのか?の関心に移って行きます。
アメリカが世界の警察官をやれないと言い出したのは、独裁政権でも折角まとまっているイラクやリビアの秩序破壊を遣り尽くした結果、大混乱が始まって手に負えなくなって無責任に投げ出しただけの話しです。
ここで何のためにこんなバカなことをやったのか?マスコミを牛耳るユダヤの陰謀論が出て来ますが、ここではそれがテーマではないのでこれ以上書きません。
小義と大義の違い・・小義を強調して行くと、大義(社会秩序)が緩み破壊される関係の分らない人が大統領や世界の指導者になったことが、アラブの春に始まる大混乱の原因です。
メルケルに代表されるEU指導層は、小義と大義の区別がつかないように訓練を受けた文化人的判断・・マスコミ受けする人道主義と言う「小義」を重視し過ぎて、シリアの混乱拡大を応援し、結果的に難民の大量流入と言う仕返しを招きました。
この頭でっかちな文化人の個々の人権尊重・これが行き渡って来ると難民大量流入の奔流となり今になって慌てていますが・・個別処遇が全体に及ぶとどうなるかの思考力が欠如しているコトが分ります。
(大量移民歓迎論→民族国家否定論者には予定どおりの流れだったので、メルケルは当初これを歓迎するかのような発言して国民の総スカンを食って慌てて軌道修正に大わらわですが・・)
この行き過ぎ政策に抗議を始めたのが、イギリスのEU離脱決定ですし、アメリカやEU内のグローバリズム反対論の表面化です。
目先困っている人を拡大・センセーショナル報道する・・難民・乳幼児の報道写真が実はヤラセだったと言う事実が、最近ネットに出るようになって来ました。
マスコミ迎合のインテリがみんな人権主義者・・小義を重視して大義をバカにするばかりで、全体のあり方を議論しない・・全体のこと心配している真っ当な庶民の不満を代弁してくれないので、已むなくありきたりのグローバリズム・格差反対と言うスローガンになっていますが、本音は行き過ぎた「小義」重視の人権論に対する反対であり、大義を重視せよと言うことです。
正義には善悪の単純区別ばかりではなく、双方共に実現出来れば善であるが実際には政策優先順位をつけるべき微妙な色合いの差があります。
左翼系文化人やマスコミの議論は「生命を最大限尊重し平和を守るべき」と言う段階で止まっていて、あまりに単純過ぎて具体的な政策優先順位をつける段になると思考停止しているように見えます。
これが戦後の社会党政権や4〜5年前の民主党政権が実務能力がないと批判された最大の欠点です。
世界中の政治指導層が、マスコミに煽られて?マスコミを敵に回せないので?大義を棄てて小義に着く・・逆転させていることが昨今の庶民大衆不満・世界大混乱の大もとです。
小義の主張・・個々人の人権を言うだけならば、難民も高額医療の保険適用推進運動も「可哀相だ・」と言うだけで済み、(「(沖縄基地の)少なくとも県外へ」のスローガンが象徴的ですが)全体の利害調整無視の主張ですから気楽です。
外国人も日本にいる限り日本人と同様の待遇をすべきだと言うのは個々の判断では人道的に正しいですが、(不法滞在かどうかに関わらず)これをやって行くと高度な生活水準を求めて際限なく移民が入って来るのをどうするかの議論がありません。
警察官や自衛官の人権尊重と強盗を実力で検挙しなくて良いのか?犯罪者の人権=死刑廃止論では被害者の人権や全体の秩序がどうあるべきかの議論が見えない・・大義・・全体の視点が無視され過ぎています。
えん罪リスクを理由に死刑廃止を言う意見もありますが、その他の刑罰だってえん罪リスクの可能性は同じですから、全ての刑罰を科すことが出来なくなる・・刑事手続をなくせと言うのと同じです。

南シナ海封鎖リスク2(大義と小義1)

中国の南シナ海の利用方法は、当面通行許可申請を要求する程度から中国向けの船だけ通行許可するが日本へ行く船の通行許可しないなどいろんなバリエーションがあり得ますが、ドンドン強化して行き最後に無許可航行船舶を拿捕するところまで行くとどうなるでしょうか?
アメリカが中国の領海を認めない・・ここは公海だと言って、従来のように年に1〜2回だけ自国海軍が強引に通行する・・「航行の自由作戦」を実行するだけでは、日本向けの船が日常的に航行出来ない状態が変わりません。
中国が違法に南シナ海を占拠して好き勝手に通行妨害するようになれば、法的にはソマリア沖で跳梁した海賊グループと同じことですが、タマタマ大国が公然とやっている点が大違いです。
ゲリラ勢力は神出鬼没・・警察が来たら逃げ回るのが本領ですが、ついにISと言う国家?を樹立したようなもの・・公海に海賊の基地を公然設営していてこれを黙認している状態です。
この無法状態を解決するために年に1〜2回米軍海軍艦艇がデモンストレーション行為をするだけでは、フィリッピンやベトナムの漁船が怖くて現場に日常的に近づけていません。
中国が南シナ海=公海を自国領海と勝手に決めて軍事基地を設けているのですが、これを利用して気に入らない国だけ航行妨害をした場合、ソマリア沖の海賊対策のように公海の自由航行権を守るためにはどうするべきでしょうか?
日本は自国領土領海を侵されていないので、従来型(日本特有解釈?)自衛権の範疇に入りません。
今の(過去の?あるいは戦後の)法理論では、対応出来ない事態が始まっています。
日本がソマリア沖に自衛隊を派遣したのは、自衛権発動ではなく公海航行の自由を守るための国際正義実現(自警団参加?)の活動だったように思われます。
湾岸戦争に大義があったかどうかは別として(私はなかったと思っていますが)日本独特の狭過ぎる?自衛権概念の結果、日本だけ参加出来ずその代わり莫大な金額の拠出をさせられたのですが、国際的には「日本が貢献しなかった」と言う評価を受けました。
非武装論によれば、自国侵略軍に対する自衛の武器・準備すらもいらない・・戦うことが許されない前提ですから、公海上の安全を守るための出動などは論外になるのでしょうか?
ソマリア沖のやり方・・国際合意を得てから海賊排除すべきと言うのは一見綺麗な形ですが、関係国一致しないと実現出来ないので、一定の力のある国が違反している場合、元々実現不可能な条件・・無秩序状態放置・・強い者が何をしても良い社会・・「万人の万人に対する闘争」と言われる原始社会復帰を前提にしています。
一見平和解決の理想論を言う人は実は理想と反対の力の強いものの実力行使を誘発し、是認する意見・・・結果を期待している場合が多い一例です。
戸締まりしているから泥棒に狙われるのか開けっぴろげで出かけた方がいいのか…信用して無防備な人を襲うのは恥ずかしいと思って被害を受けないか逆に犯罪者を増やすのかは、人によって意見が違いますが、物語の世界としては「恥ずかしいことをしない」生き方が素晴らしいですが、この種の話は1万人の内一人でも恥ずかしくない人がいると社会が成り立ちません。
物語では百万人一人でも素晴らしい人がいれば主人公・ヒーローになりますが・・現実世界では、一人だけ善人では、廻りが犯罪者だらけになってしまいます。
今の常識では普通に施錠するだけではなく、金をかけてもセコムや防犯カメラを設置する人が増えています。
非武装平和論も同様で結果的に善人が少ししかいない現実を前提にした場合、侵略誘発論になります。
圧倒的強国・・覇権国があってこそ・ヘゲモニー・指導力発揮出来る国を覇権国と言う以上当然です・・・・国際合意が形成されて世界秩序が守られますが、まとめる力が衰えると全会一致など無理・・不可能になるに決まっています。
覇権国の意向で決まる社会・・パックスアメリカーナには、覇権国〜ムラの有力者に至るまで采配を振るう地位に応じて采配権者に都合の良い(役得)秩序が混入するのが避けられませんが、これも程度問題で、無秩序・大混乱よりは良い(ある程度の役得が生じるのは目をつぶる)と言うのが、これまでの歴史経験です。
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この程度を超過したり、覇権国であることによるうまい汁を全く吸わないで、持ち出しばかりになると覇権国自体がこれ以上警察官役をやっていられないと投げ出すようになったのが現在のアメリカであり、中国が太平洋の半分は引き受けると言い出してアメリカはだんまりで日本が異を唱えている図式です。
覇者がその役割を果たせなくなり、その後の棲み分け・区割りがはっきりしないときに王朝末期の大混乱発生・・新秩序形成までの戦国時代に入って行きます。
現在は覇権国アメリカが覇権者の地位を維持したくないと言い出したので、(アメリカ国内でも大統領になるのはマイナスばかりでイヤだと言う風潮が数十年前からあるようです)世界中で強い者勝ち・・ISやロシア、トルコその他地域大国が色めき立って来た・・言わば群雄割拠時代・・山賊、海賊などやり放題時代が来たということでしょう。
公海での規制は諸外国一致が必要と言うルールでは、圧倒的力を持つ覇権国がない状態では、一定の力のある国は、周辺弱小国に対する個別撃破による切り崩し能力も高い(先秦時代の合従連衡の故事によって証明されています)のでやりたい放題になります。
中国が頻りに利害関係ある国同士のこ別交渉で決めれば良いと主張し、他所の大国(日米)が口出しするのを嫌う所以です。
折角司法判決が出てもフィリッピンやラオス、カンボジアそれぞれの国に対して輸入制限するなどの強迫で、個別に切り崩して行く戦法が実際に成功しています。
日本固有の自衛論や非武装論は、強大な権力下で安全が保障されている特殊状態下で偶然に成り立つ議論であって、国際警察力が衰えて、市街(自国)を出ると護衛が必要あるいは暗闇では危ないとなれば、自宅の施錠だけでなく、状況に応じて護衛を連れて歩くことも自衛権の行使です。
護衛の必要があるとすれば強盗が襲いかかって来れば護衛隊が応戦する権利があるのも当然です。

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