超格差社会・韓国3

昨日サムスンの国外移転の実態を見ましたが、日本代表的企業トヨタで見ると、今なお国内生産比率が、約3割台を維持しているのとは大違いです。
(民族資本か否か・・・目先の利ばかりではなく、国内生産をなんとか維持しようとする「根性」の違いでしょう)
https://www.toyota.co.jp/jpn/company/about_toyota/data/monthly_data/j001_18.html

2018年 トヨタの自動車生産台数(単位:台)

上記によると、1〜11月までのデータで世界生産9,775,324台で国内生産約390万台(関連企業別データになっているので国内合計は私が概略計算したものです)ですから、18年でもまだ国内生産を3割以上を維持しています。
日本の方が韓国や台湾等へ早くから国外進出してきたのですが、それでもこれだけの国内生産を維持しているのです。
韓国は諸外国と比較して内需が振るわない理由は、国内生産比率を維持する政策採用の差にもよるでしょう。
http://japan.hani.co.kr/arti/economy/29282.html

登録:2017-12-19 06:55 修正:2017-12-19 21:51
韓国の内需比重はOECDで下位圏
・・・韓国の内需の割合は下落傾向を見せた。1996年には78.4%だったが、2015年には53.4%で、20年間で25.1%pも下がった。10年単位で分析してみると、1996~2005年の平均は70.1%だったが、2006~2015年には56.0%と、やはり14.1%p下落した。
18日、国会予算政策処が発行した「内需活性化の決定要因分析」報告書によると・・・消費支出成長率を引き下げたのは、国内家計消費支出だった。この10年間、家計消費成長率(1.91%)は非営利団体消費成長率(7.21%)、政府の消費成長率(3.70%)より低かった。家計消費の成長を妨げる障害物は、相対的に低い可処分所得と消費性向、高い物価水準だった。

金融危機以降内需が縮小する一方・・その原因は家計の消費率が過去10年間で1、9%しか上がっていないことによると言うのです。
この間の韓国名目GDPは下記引用グラフの通り、1直線で(目見当で約1、8倍)上がっているのに家計消費が10年間累積で1、9%しか上がらないのはGDPアップの恩恵が一般家計に行き渡らない仕組みになっていることを表しています。

この10年間で韓国GDPがどれだけアップしたか?(1、9%なら整合します)


世界経済ネタ帳です。
https://ecodb.net/country/KR/imf_gdp.html

上記は「名目」GDPですから、極端な例で仮に物価が1、8倍になっているとして、この間家計手取り・「借金等支払い後自由に使えるお金」が1、9%しか増えていないと極貧化が進んでいることになります。
この間の物価上昇率がゼロとしてもGDP伸びの1割しか生活水準がアップしていない点は同じです。
企業の儲けを外資が国外に吸い上げ、その残りでもらった給与を更に町金融や銀行あるいは教育費に持っていかれる社会です。
韓国の場合、進学率が異常(産業構造に合わない・・卒業しても就職先がないい)に高い上に、サムスン等の大手企業や国家公務員等への就職予備校に通わせる(合宿形式が多い)ために親は莫大な教育費を負担しています。
売春稼ぎが一般化しているのはこの教育関連債務返済のためとも言われています。
2月4日に紹介した通り家計債務が多いので、「教育費負担➕借金支払い後自由に使えるお金が名目?1、9%しか増えていない」ということでしょう。
高利貸しへの返済のために売春して1日10万稼いでも、9万5000円が高利支払いになっていれば食うや食わずですから、給与統計やエコノミストのいう可処分所得だけ見ても本当の生活水準はわかりません。
実際の消費水準が国民の本当の生活水準でしょう。
http://blog.livedoor.jp/rakukan/archives/4797491.html

にピーナッツ事件の背景(一生懸命勉強して大企業に入ってもちょっとしたミスがあれば生まれつきのオーナー一族に土下座させられるどうにもならない格差)と教育費負担による老後資金枯渇・家庭崩壊を活写した朝鮮日報の引用記事が出ています。

企業利益は金融利益として株主や社債の保有者に還元されるのですが、韓国の場合多くが外資支配ですので国外流出・・財閥系等特定階層以外で金融資本を持たない国民に恩恵が行き渡りません。

超格差社会・韓国2

韓国では財閥に就職し損ねた人材は、行き場をなくし日本へ押し寄せたり海外脱出や国外売春に走るのでしょうか?
・・超格差拡大の結果、現在大卒の日本への大量就職運動や売春婦輸出に見られる激しい格差社会を生み出していると思われます。
https://www.sankei.com/world/news/180907/wor1809070001-n1.html

韓国人の日本就職急増…2万人突破 雇用環境悪化で韓国政府も後押し、目標は「今後5年で1万人」
2018.9.7 07:00

反日感情を率先して煽っている政府が、日本への就職活動を後押しすると言うのですから異常です。
格差拡大で栄耀栄華を尽くしている支配層(主として財閥)に対する格差社会化に対する国民不満が積もる一方・・ピーナッツ事件やセウオール号沈没事件その他何かあるとすぐ大規模騒動に発展する下地です。
経済が拡大基調の時には庶民の懐も潤っていたのでそれほどの不満がなかったでしょうが、アジア通貨危機以降庶民への分配が減ってきたことが大きな違いです。
特にサムスンその他財閥も生産基地を中国や東南アジアに移転しつつるあるので、サムスン等財閥企業の成長がそのまま国内労働者の所得向上に反映しなくなっている点も無視できません。
アメリカの例で言えば、アップルの儲けは以下の通り巨額です。
https://www.apple.com/jp/newsroom/2018/05/apple-reports-second-quarter-results/

2018年5月1日、カリフォルニア州クパティーノ、Appleは本日、2018年3月31日を末日とする2018年度第2四半期の業績を発表しました。当四半期の売上高は611億ドル・・

4半期の売り上げが611億ドル=年間2450億ドル・・円でいえば約30兆円と巨額であっても、その生産基地が中国にあるし、部品供給も多くは日本企業が担っていますので、米国民への売り上げ増や利益の恩恵は金融資産保有者にしか還元されません。
生産工場の国外移転が進み国内工場が減っていく一方では、労働者にとっては逆に職場が狭まる一方です。
この結果、工場系労働よりも低賃金のサービス業への移動が起きているので、失業率が上がらなくとも低賃金化が進みます。
(数年前にウオールマートの正社員が、フードスタンプを持って並んでいる状態が報道されていました)
欧米や日本の場合、世界の生産工場として長年蓄積がある・・国外生産移転が始まるまでの期間が長かったので(年金資金を含めて)中間層の蓄積が厚く、元中間層の多くが金融資産を手厚く保有しているので、老後資金の蓄積なく定年を迎えるのは少数派でした。
旧先進国では低賃金化の嵐にあっても国外の儲けを金融利益として補填ができる人が比較的多いのですが、(日本人の個人金融資産は1800兆円です)韓国等元新興国等では輸出基地としてゴツく稼げる期間が短かった上に、せっかくわずかに蓄積した金融資産をアジア通貨危機による金融資産の暴落を安く買い叩くチャンスと見た国際金融資本家の駆け引きの翻弄された結果「すっからかん」にされてしまったのが韓国です。
マレーシア等東南アジア諸国は過酷な植民地支配経験があるので、IMFによる巧妙な金融支配・第二次植民地支配を免れるための知恵を絞り、韓国のようにストレートな受け入れをしなかったと言われます。
この違いは、韓国が実は日本支配が緩かったので、東南アジア諸国のような植民地支配に対する警戒感がなかったことによるようです。
中国の場合、韓国香港台湾等の第一陣〜タイ等の第2陣に遅れて参入した第3陣で当時金融市場を解放していなかった(今も不完全です)ので、その痛手(売り浴びせ)からはまぬがれましたが、次々と輸出基地としての役割が移転していくローテーションからは逃れられません。
この結果国内生産工場が減っていく・・参入が遅れた分移動期間が短くなるので蓄積期間が短い点は同じです。
新興国は、低賃金を売り物にして輸出基地として一時期繁栄しますが、賃金上昇に合わせて次々と次の新興国へ生産拠点が移動していく(までの期間が短くなる一方)ので、中間層が十分に広がる期間が短く少ない上に金融資産保有率が少ない(国家的に見れば高齢化進行が早く年金の積立てが進まないうちに高齢化社会に突入してしまうのと同じ原理・・先老未富)のが難点です。
新興国で輸出基地が次の新興国に移り始めると、資本蓄積がない結果緩和要素が少ないので結果的にアメリカ国民不満がもっと極端に出てくる傾向があり、これがまっ先に出てきたのが韓国の現状です。
まずは韓国生産基地の国外移転の様相を見ておきます。
https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/rim/pdf/9497.pdfの論文の一部引用です。

サムスン電子のベトナム生産拡大が変える貿易関係―韓国の「過度な」中国依存是正につながるか―要 旨調査部上席主任研究員 向山 英彦
環太平洋ビジネス情報 RIM 2016 Vol.16 No.611
サムスン電子に供給している部品メーカーによれば、10年のサムスン電子の工場別計画生産台数は、 天津( 中国)が約8,272万台、 恵州(中国)7,326万台、 亀尾( 韓国)4,836万台、ベトナム3,415万台、 ブラジル1,395万台、 深セン(中国)897万台、インド827万台であった。
海外での生産拡大に伴い国内生産比率は2005年の約75%から07年に約52%、08年に約35%、09年には20%台に低下した。15年1月時点ではベトナムの生産比率が50%、亀尾が8%と報道されている。
ベトナム(2工場)、中国(現在は2工場)以外にインド、ブラジル、インドネシアで生産を行っている。亀尾工場のマザー工場としての役割は現在も維持されているが( 注14) 、プレミアム機種の生産はベトナムに移管されている。

詳細は上記論文に詳しいので上記に入ってみていただきたいですが、16年の論文・データはもっと古いかな?国内マザー工場の比率が8%しか残っていないとは驚きです。
サムスン電子の移転にともない関連工場もほぼ同比率で国外移転しているようですから、これが国家全体の傾向でしょう。
サムスンが世界的大企業として発展したのは、アジア通貨危機後に政府のテコ入れ・・半官半民化以降です。
本日現在のサムスンのウイキペデイアの記事です。

2000年代から現在まで
サムスン Samsung Galaxy
1990年代までの韓国国内におけるサムスン電子の位置づけは、主要企業の中の一社に過ぎなかったが、上述の半導体事業での躍進などもあって2000年代以降は韓国国内の事業規模や韓国経済に与える影響面などは圧倒的なものを持つようになり、また、世界の電機メーカーの中でも有数の大企業に成長した。

この短期間に、あっという間の国外生産基地移転では、国内で中間層が厚く育つ暇もなかったでしょう。

超格差社会・韓国1

外資中心だと利益手取り・本国送金中心で、国家のために尽くす気持ちは義理で表現するだけで本音では「1円でも多く利が乗るか」ですから、(株が下がれば人より早く売り逃げたいでしょう)現地国民の幸福に関心がありません・韓国が経済植民地支配を受けていると言われる所以です。
私たち個人が外債や外国企業の株式を保有している場合の心理を考えればすぐにわかります。
通貨危機以来IMF体制の優等生?になった気分の韓国が日本を馬鹿にするようになったのは、明治維新の頃まで李氏朝鮮では華夷秩序にどっぷり浸かっていることが自慢で、これを一部しか採用しないで独自文化発展をしていた日本を野蛮・後進国扱いで根拠なく見下していたのと同じ思考形式(自信を取りもどした?)と思われます。
江戸時代に何回か来日した朝鮮通信使時代には、貴族層に列しない武士階層が支配している未開・野蛮の社会であるという帰国報告していたと何かで読んだことがあります。
こんなふうだから例えば、日本では鎌倉時代から進んでいた曲(まげ)物技術を学ぶことが出来ず、こっそり、見様見真似で作っていたものの水車や荷車一つ自国でまともに作れずにきたのです。
もともと朝鮮族は中国由来の専制.格差支配しか経験がないというか、格差で差をつけるしか支配層を地位を守れない社会ですから、将軍様一族や取り巻きと庶民との格差が大きけれ大きいほど政権が安定する構造であり意識の根付いている社会です。
経済制裁で北朝鮮が最貧国になっていると政権が倒れるかのような意見は幻想です。
こういう意識社会では、欧米系資本論理の二項対立・分離→格差社会実現が馴染みやすい面(受け入れると庶民までホッとするのではないでしょうか?)もあるでしょう。
韓国・南朝鮮族社会・・ヤンパンに代わって外資が大手企業の大半を支配している社会・・儲けを少しでも多く外国に持ち出すインセンチブ・・サムスン等限られた財閥企業の儲けに関与しておこぼれをもらえる人以外は最低生活を強いられる社会が受容されてきたのは、この意識社会の民主主義・資本主義的表現でしょう。
ちなみに韓国GDPの2割がサムスンと現代自動車の2財閥系で占められるというおどろくべき偏在社会です。
「平家にあらずば人にあらず」と言われた時期があったようですが、まさにサムスンに就職できないとまともな生活ができない社会になっていて、サムスンに就職するための浪人がいて、そのための予備校まである社会です。
https://careerconnection.jp/biz/studycom/content_1373.html

2014-04-23
サムスン入社試験に10万人殺到 専門予備校や対策本も
韓国大卒者の3割が受験
東洋経済日報によると、採用試験はソウルを中心に韓国国内85か所、海外ではニューヨークやロサンゼルス、トロントでも実施。試験の実施にあたり、サムスンの役職員1万人が動員された。
聯合ニュースは、この「サムスン職務適性検査(SSAT)」の受験者向けに専門予備校が増えているほか、一部の大学で特別授業や模擬試験を実施。関連書籍も約50種類出版されていると紹介している。

https://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/entry-11651652168.html

2013-10-30 04:49:07
韓国、「サムスン」就職希望は20万人「事大主義」が民族の特性
サムスン就職用の予備校も
学歴偏重が生むミスマッチ

 韓国を代表する世界企業は2社だけである。サムスン(電子機器)と現代(自動車)だ。大学生にとって憧れの的の就職先であることは当然である。
009年、韓国の大学進学者は74万人である。このうち、20万人がサムスンへの就職希望とすれば、大学生卒業生の3割弱にもなる。宝くじを買うにも等しい。この就活に殺到する韓国学生の心理状態は、「勝ち馬に乗る」というものであろう。もっとはっきり言えば、朝鮮民族特有とされる「事大主義」の表れとも読めるのである。強い力の元に身を寄せて、あたかも自分の力のごとく誇示する心理状態を指している。

私とは少し意見が違いますが、根っこでは似たような意見です。
ずっと読む進むと偶然か?私とそっくりの「平家にあらずば人にあらず」の故事を引いた意見を書いています。
(私の方は、だいぶ前に勝俣氏の意見を読んで上記故事が記憶の底に残っていてこの故事を思いついたのかも?)
2大財閥が支配している構図については、韓国経済に関する本日現在のウイキペデイアの記事です。

韓国の経済は、そのほとんどを三星財閥、LGグループ、SKグループおよび、分割された現代財閥、解体された大宇財閥の系列企業で占められており、その構造的な問題点を指摘する声もある。
2011年の財閥(チェボル、ko:재벌)10社の売上高は946兆1000億ウォン(約66兆円)で、韓国の国内総生産の76.5%に及び、その比率はサムスングループが21.9%、現代・起亜自動車グループが12.6%、SKグループが11.7%、LGグループが9.0%、GSグループが5.4%、現代重工業グループが5.0%、ロッテグループが4.5%、ハンファグループが2.8%、韓進グループが1.9%、斗山グループが1.7%となっている[4]。
サムスンへの依存の高さ
韓国のGDPにおいて三星財閥に依存する割合が高く、現在韓国のGDP(国内総生産)の18%、輸出の21%も占めている[5]。

https://president.jp/articles/-/23376

017.10.19  著作家 宇山 卓栄
韓国のGDP(国内総生産)の4分の3を占め、そこに就職できなければ人生の「負け組」が確定するとも言われる韓国の「10大財閥」
・・・韓国の受験競争が熾烈なことはよく知られています。受験で失敗し、自殺する若者もいます。一流大学に入学し、「10大財閥」と呼ばれる一流企業に就職し、いわゆる「勝ち組」に入ることが目標とされます。「勝ち組」に入れるかどうかで、年収などに大きな開きが生じ、人生の明暗が決定付けられます。
・・・それ以外の企業はダメなのです。なぜならば、韓国では「10大財閥」の売り上げがGDPの4分の3を占め、事実上、韓国経済を取り仕切っているからです。「10大財閥」以外の会社で、たとえ懸命に働いたとしても、報われることがほとんどない社会構造になってしまっています。

社会変化=価値観・ルール変化1

社会の仕組みが変われば文化も変わります。
旧文化=価値観に染まったあるいは旧支配層から籠絡された清盛の息子重盛が清盛の新機軸に反発したものの夭逝した結果、旧支配層は内部浸透を諦めてカウンター勢力の源氏を盛り立てて再興させ平家打倒に成功しました。
源氏が勝って見ると旧勢力の期待した旧体制への復帰にならず却って武士の時代への流れが強まり、鎌倉幕府というはっきりした別組織まで出来上がってしまいました。
当時朝廷直属国軍皆無の時代でしたから、平家打倒には武士や僧兵の力が必須であったのですから、武士団や僧兵を朝廷の味方につける必要がありました。
後からかんがえると各地武士団の平家に対する不満は、武士代表であるべき平家一族が、貴族化・公達化してしまった・地下人の期待にそう行動をしなくなったことが反平家勢力盛り返しの基本であったと言われ、旧支配層から見れば平家一族の振る舞いが旧支配層のしきたり・文化を破り新秩序への移行をはらんでいることに対する危機感を基礎にして反平家機運を盛りたてていたのですから反平家の理由が相反していたことになります。
実力組織の一翼を担う僧兵は寺社権益代表ですから旧体制・公卿権益もさらに古層に位置する・・叡山の僧兵撃退に清盛の父忠盛が活躍して後白河院の覚えめでたくなっていく経緯があるように・・ものです。
宗教組織は、世俗の争いから一歩引いている・・直接当事者にならない関係で・・南都焼討や信長の叡山焼き討ちなどもあり、戦国末期には実力組織は完全消滅しましたが・・源平の争乱〜明治維新〜対米敗戦を経た今でも一定の教団を維持しています。
旧政治打倒に成功した場合の政権運営の特徴ですが、一般的には急進的改革を進めるの無理があるので一般的に新旧妥協政策が政権樹立後の運営方法になりますがせっかく革命的動乱に参加したものにとっては、これでは裏切り行為と思い不満です。
平家も「薩摩守忠度都落ち」で知られるように、旧支配層の文化秩序にも参加して和歌を詠み、旧文化に迎合しながらも、一歩一歩武士の地位向上に努力していたと見るべきでしょう。
政治というものは「言い分が100%通るものでないのが原則です」から、武士と貴族層は荘園支配の実利でずっと対立していたのですが、(この対立は実力でとったもの勝ち・中央の裁定ができなくなった戦国時代に入るまで続きます)対貴族の紛争裁定に不満な人はいつもいます。
不満な方・負けた方は貴族寄りだと不満を持つし、貴族の方も負けた時には武士に有利な裁定が多くなったという不満を持ちます。
これが武士層から見れば貴族におもねて貴族化した生活態度は鼻持ちならないとなるし、貴族からすれば「地下人の分際でけしからん」となるのでしょう。
特に八条院領が急速に広がった平安末期では、清盛でさえも後白河法皇の権勢には正面から歯向いにくかったので八条院関連では、武士層の主張が通り難くなっていた不満が蓄積していた可能性があります。
八条院に関するウイキペデイアの本日現在の記述です。

暲子内親王(しょうし/あきこないしんのう、保延3年4月8日(1137年4月29日) – 建暦元年6月26日(1211年8月6日))は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての皇族。初めて后位を経ずに女院となり、八条院(はちじょういん)と号した[1]
・・・彼女自身には特別な政治力は無かったとする説もある[4]。その後も異母兄である後白河法皇の院政を影から支えており、平清盛でさえも彼女の動向を無視することは出来なかった。
八条院の政治閨閥?関係は以下の通りです。

後白河院の異腹の妹・八条院翮子(あきこ)内親王は、美福門院を母として鳥羽天皇の第五皇女として生まれた。彼女は夭折した近衛天皇の後継女帝にとも考えられたほど鳥羽法皇から寵愛され、両親亡き後は二人が残した広大な荘園と近臣の大半を相続し、時の政権から一定の距離を置きながらも、摂関家・源氏・平氏の何れもが無視できない独自の存在感を発揮した。

八条院の経済力は「八条院」に関するウイキペデイアによると以下の通りで、平安時代どころか、後醍醐天皇〜南北朝時代までの政治活動の屋台骨となっていたことがわかります。
政治といっても経済基盤がないと何も出来ません。
上記引用の続きです

・・所領は八条院→春華門院昇子内親王→順徳天皇→後高倉院→安嘉門院→亀山院→後宇多院→昭慶門院憙子内親王→後醍醐天皇に伝わり大覚寺統の主要な経済基盤となった。

源平合戦は革命直後で言えば、革命精神そのままの実現を求めて不満を持つ勢力と反革命・王党派の合体した革命政権打倒運動であり、今で言えば、左右両極支持による現政権打倒運動であったことになります。
新政権打倒に成功して具体的政治に踏み出すと元々の方向性が違うので、文字通り血を血で洗う抗争となる(クロムウエル独裁やジャコバン恐怖政治〜ロシア革命後の抗争など)のが普通です。
日本では新政権発足後の血なまぐさい抗争は起きませんが、それでも民主党政権は方向性の違う集団であったことが(野合と言われ)政権の寿命を縮めました。
朝廷は平家打倒を画策したものの鎌倉府成立により、朝廷権威は逆に低下しましたが、文化による影響力行使・・内部籠絡・・貴族社会価値観浸透を試みたのが、(平家を公達化して骨抜きにしたように)三代実朝の文化的籠絡・取り込みであり、これを拒絶したのが尼将軍政子の(我が子を殺してでもせっかく獲得した武家政権を守ろうとした)英断でしょう。
実朝暗殺は1219年ですから、鎌倉幕府成立後わずか20年あまりのことです。
内部浸透戦略に失敗した朝廷側は、そのわずか2年後の1221年外部から反鎌倉不平武士団を組織して「承久の変」を起こしますが、これは清盛政権を内部から切り崩す重盛籠絡作戦失敗後のカウンター勢力を煽る焼き直しだったことになります。
承久の変(1221年)では、カウンター勢力の棟梁(スター)がいないので二度目の反革命が失敗し、蒙古襲来後の三度目の正直では、(蒙古襲来で活躍した武士の広範な不満を背景にしていた結果騒乱が大きくなり)再び源氏の貴種足利氏担ぎ出しに成功したので、建武の新政となりましたが、政権が始まってみると不満武士に応えることができず、時代錯誤性・貴族有利裁定(広大な八条院領はなお存続していて後醍醐天皇の財政基盤になっていたなど)が命とりで、結局短期間で崩壊しました。
ちなみに「観応の擾乱」の主役・直義の政治も、どちらかというと武士に不利な裁定が多かった(教養が邪魔して?思想が古かったようです)ので短命に終わりました。
応仁の乱以降足利将軍家自体衰微すると、公卿経営荘園の管理料納付争いなど裁く機関すらなくなり、足腰になる公卿の収入源が途絶えると天皇家の収入もなくなります。

継続契約保障と社会変化4(離婚法制の変化・破綻主義へ)

継続的契約関係ではDecember 9, 2017の「継続契約保障と社会変化3(借地借家法立法3)」で書いた続きになります。継続関係解消で似たような事例では、偕老同穴の誓い・共白髪の末まで・・と契ったはずの夫婦関係も何かの事情変化でわかれる(離婚)しかない事態が起きます。
この場合も戦前の旧法では、法律上は相手に契約不履行・・不貞行為等の違反・落ち度がないと離婚を求める権利がありませんでしたが、戦後は破綻主義といって、破綻している以上無理にこれを維持させるのは意味がないし逆に害悪があるということで離婚できるようになりました。

民法旧規定
第二款 裁判上ノ離婚
第八百十三条 夫婦ノ一方ハ左ノ場合ニ限リ離婚ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
一 配偶者カ重婚ヲ為シタルトキ
二 妻カ姦通ヲ為シタルトキ
三 夫カ姦通罪ニ因リテ刑ニ処セラレタルトキ
四 配偶者カ偽造、賄賂、猥褻、窃盗、強盗、詐欺取財、受寄財物費消、贓物ニ関スル罪若クハ刑法第百七十五条第二百六十条ニ掲ケタル罪ニ因リテ軽罪以上ノ刑ニ処セラレ又ハ其他ノ罪ニ因リテ重禁錮三年以上ノ刑ニ処セラレタルトキ
五 配偶者ヨリ同居ニ堪ヘサル虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ受ケタルトキ
六 配偶者ヨリ悪意ヲ以テ遺棄セラレタルトキ
七 配偶者ノ直系尊属ヨリ虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ受ケタルトキ
八 配偶者カ自己ノ直系尊属ニ対シテ虐待ヲ為シ又ハ之ニ重大ナル侮辱ヲ加ヘタルトキ
九 配偶者ノ生死カ三年以上分明ナラサルトキ
十 壻養子縁組ノ場合ニ於テ離縁アリタルトキ又ハ養子カ家女ト婚姻ヲ為シタル場合ニ於テ離縁若クハ縁組ノ取消アリタルトキ
第八百十四条 前条第一号乃至第四号ノ場合ニ於テ夫婦ノ一方カ他ノ一方ノ行為ニ同意シタルトキハ離婚ノ訴ヲ提起スルコトヲ得ス
2 前条第一号乃至第七号ノ場合ニ於テ夫婦ノ一方カ他ノ一方又ハ其直系尊属ノ行為ヲ宥恕シタルトキ亦同シ

上記の通り相手方になんらかの原因がないと離婚の訴えが認めれない仕組みでした。
民法現行規定

(裁判上の離婚)
第770条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
《改正》平16法147
2 裁判所は、前項第1号から第4号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

上記「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」がこれ(破綻主義採用)にあたるという解釈が定着しています。
第二項の「一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。」場合とは、離婚に至った事情を総合し、離婚請求される方の生活保障等のバランスを考慮することになっています。
破綻主義と言っても当初は有責配偶者(例えば浮気している方)から、自分の浮気や暴力が原因で「夫婦関係が破綻した」という理由の離婚請求を認めない・・いくら高額慰謝料・終身の生活保障をすると言っても)妻が「懲らしめや復讐のために?」拒否すると離婚が認められない解釈でした。
この間の研究については以下の論文がネットに出ています。
ただし、論文発表時期明示がないのですが、かなり古い時期の分しか引用されていないので、現在の参考にならないかも知れませんが、問題点が十分に掘り下げられていますので深く知りたい方は、以下を参照してください。
https://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20181112095822.pdf?id=ART0001408704

いわゆる制限づき破綻主義の判例法理について(その1)梅木茂
1聞題の所在
2 有 責配偶者の離 婚請求拒否法理 の背景
3.判例の動向 な らびに考察
「法 は かくの如き不徳義勝 手気儘 を許すもので は ない.道徳 を守 り,不 徳義 を許 さない ことが法の最重要 な職分である.総て法はこ の趣旨にお いて解 釈されな け れ ば な らない、・・・前記 民法の規定は相手方に有責行為のあることを要件とするもの でないことは認 め る け れ ど も,さりと て前記の様な不徳義 得手勝手の請求を許すものではない.(最高裁 昭和27.2.19判決最高民集6.2.110)

借地借家法成立前には、相場の数倍の立ち退き料支払いを申し出ても借地人が拒否すればどうしょうもなかったし・・労働契約解約のために契約上の退職金の数倍の上乗せ支払いを申し出ても労働者が応じなければそれまでだったのと「軌を一」にしていました。
その後(昭和62年)破綻後一定期間経過と子の養育や相手方の生活保障等のセットで有責配偶者からの請求でも離婚が認められる最高裁判例(いわゆる破綻主義)が出て、これが定着しています。
離婚を認めるかどうかは離婚後の相手方や子供の生活がどうなるかの問題であるという実態を直視してその面の判断が重視されるようになってきたのです。
こういう判例が出る前から庶民の世界・・現場労働系低所得階層・特に職を転々とする傾向のある男相手の場合には、相手が浮気でいなくなったのであろうと理由が何であろうと、慰謝料を1円も払わないからと離婚しないと頑張っていてもどうなるものでもありません。
こういう場合には早く離婚して母子手当て・母子優先のいろんな制度(公営住宅の優先入居その他)利用をして生活の安定を図り、場合によっては次の男と再婚した方が有利なので、どんどん別れていくのが私が弁護士を始めた昭和40年代でも普通でした。
仮に相手の居所がわかってもあちこちフラフラ職の定まらない(こういう場合生活費も入れない男が普通)男相手に「慰謝料を払わない」から「払え」と裁判しているよりは早く別れて社会保障手続きする方が簡明ですし、次の相手と再婚する方が手っ取り早いからです。
たまたま夫が行方不明で離婚届けを出せない場合に、(再婚前に次の子供ができると大変なことになるので)はやく離婚するために弁護士費用を払ってでも法的手続きするのが普通でした。
長々とした裁判になる事件の多くは、相手が高額収入・・安定職業に就いている場合で話の通じない・ほどほどのところで手を打つ能力のない・・同士の争いが普通でした。
最近家事事件が多くなっているのは、男も子育て参加の掛け声によって男性も子供に対する愛着が 強くなってきた結果、親権者や子供との面会にこだわる人が増えたことによります。

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