民主主義の基礎3・情報の正確性1

今回のアメリカ大統領選の事前報道でも同じですが、日本に伝わるマスコミ報道を前提に判断していると本当のアメリカ人の心・・民意を読み間違えます。
韓国がマスコミに出ない日本人の気持ちを読み間違えて取り返しのつかない大失策をしてしまったのと同じで、日本もマスコミ報道に頼ると痛い目にあいます。
マスコミ報道では、安倍総理とクリントン氏との選挙期間中の会談ばかり取り上げていましたが、幸い安倍政権は水面下でトランプ氏にも面会要望を事前に出していてトランプ氏の都合で会えなかっただけだったたらしく、(むしろ貸しがあった結果?)世界で真っ先にトランプ氏との会談予定が入ったと報道されています。
安倍政権は外務省ルートだけに頼らずに独自情報収集に努力していたと言われます。
1両日の株式や円相場の乱高下を見ると、日本のマスコミの予想どおりトランプ氏当選の場合の株式の「売り」「円買い」を仕掛けていた大方のプロ?はみんな大損害を出したようです。
トランプ氏に対する否定評価のマスコミに従って、トランプ氏当選結果で想定どおり即時の売り仕掛けで東証日経平均株価は約1000円も下がり円も急騰しましたが、日本市場終了後に始まったアメリカ市場では逆の動きでしたので、(・・トランプ氏の穏健な発言があったようですが、選挙前からある程度こう言う事態は読み込まれていた筈です・・アメリカのトレーダー・プロはマスコミに踊らされずに冷静に実態を読んでいたことになります)その翌日の日本市場ではあわてて買いに戻り1000円以上値上がりで往復2000円の読み間違いとなって大損の結果に終わったようです。
(それ程の損がないようですが、解説によるとプロは売るときは買い予約を入れ、買うときは売り予約を入れるのが普通ですので、その読み違いで2倍の損になるようです)大損らしいです。
トレーダーが恥をかき、大損をした程度では金銭次元に留まるので、慰安婦騒動で韓国が日本マスコミを信用し過ぎて日本人の奥底の心理を読み間違って受けたダメージほどの大損害ではないにしても、経済界も世界から直接データを仕入れる・・日本マスコミ報道に頼る姿勢を改める必要を感じたでしょう。
大手マスコミの偏向を日頃主張している人を含めた政治経済系評論家も藤井厳喜氏を除いて殆どの人がクリントン有利を前提に、しかもトランプ氏が当選すれば世界経済が大変なことになると言う前提の議論するしかなかった弊害をどうすべきかが重要です。
金融の場合、その日のうちに株式・為替相場に結果が出ますので、成果が分りよくて良いです。
政治の読み間違いの損失は複合的にじんわりと出て来ますので、マスコミが誤った報道をし、評論家がそれを前提に議論を重ねる弊害は大きなモノがあります。
第一次世界大戦後じんわり日本包囲網が始まった世界政治の動きをどう読み解くか・希望的観測と違った結果を見て「欧州情勢は複雑怪奇」と言うしかなかった日本の世界情勢把握力によって日本が戦争に引きずり込まれた教訓を学ぶべきです。
慰安婦騒動での朝日新聞の検証でも「角度付けが過ぎる」と言う批判があったことを紹介しましたが、今回のアメリカ大統領選挙報道では、(これを反省せずに)大手マスコミは客観事実報道をしないで、アメリカの支配的マスコミの偏見(国際秩序や社会のあり方がこうあるべきと言う1つの意見)をそのまま転送するような「事実?」報道をしていたことが今回もよく分りました。
11月13日あたりからトランプ氏の支持者には中高所得層に多いと言う報道がされるようになりましたが、選挙前は移民に職を奪われる白人負け組貧困層が非合理な不満を言っているだけと言う印象的報道ばかりでした。
事前報道では、双方共に低レベル主張ばかりでアメリカ国民の多くがこんなことで満足しているのか?何故支持するようになったか・・聞いていると余程アメリカ人レベルが最低の印象を受けますが、プロたる日本の政治評論家としてはそんな漫画っぽいことが本当にあるのかと言う疑問を持つべきだったでしょう。
我々事件処理でも相手弁護士の主張があまりにもレベルが低いように見える場合・・こちらの方でスジの読み違いがないか・・何か隠し球を持っていないか最悪事態を想定して検討するのが普通です。
これだけ接戦になるにはマスコミ報道にない合理的な主張が隠れていないかという疑問を持った人がいなかったのが不思議です。
選挙前に中間層がトランプ氏を支持していると言う分析報道を、どこのメデイアもあるいは政治評論家も何故一切しなかったのか・・現場報告に読み違いがないかの疑問を言う意見がなかったことの疑問です。
今頃になって、中高所得層が支持していたと報道するのでは、アメリカ支配的メデイアが選挙前に如何にも「トランプ氏を支持するのはみっともない」と言う印象操作をして選挙を特定方向へ誘導しようとしていたのを、みんなで鵜呑みにしていただけではないか?疑問を抱くのが普通でしょう。
日本が敗戦してから、ルーズベルトがコミンテルンに侵蝕されていたと解説してもトキ既に遅しです。
民主党のバラマキ政策が嫌われていると言う噂を私も個人的に聞いていましたが、肝腎の政策論争がマスコミでは報道されず(パラパラとこんな非常識なことを言っていると言う程度のマイナス評価に結びつく情報が出て来ますが・・)個人的中傷合戦ばかり大きく報道されていました。
政策面でヒラリー氏あるいは既成政党全部が批判対象になっていたので、これの論争になるのを避けるためにマスコミとの合作で低レベル中傷合戦に持ち込んでいた疑いがあります。
中高所得層の不満と言う報道を前提に私なりに考えると客観事実とかなり符合して来ます。
すなわちヒラリー氏・・何とか財団が金融街から巨額資金を得ていることから分るように、国際資本・グローバリストを富ませると共にバラマキ強調で貧困層への手当増額する政策です。
如何にも格差救済・・人権重視政党のようですが実質は逆でしょう。
民主党は人道・人権がどうのとキレイごとを言って移民をドンドン入れる→未熟練労働者=(中国に対抗するために)低賃金労働者を増やして行けば低賃金で食えない階層.民主党支持者が増えます。
その代わりフードスタンプ支給基準緩和や増額・・医療費免除〜保健制度完備(オバマケア)など社会保障政策を人権派として約束する・・一種のマッチポンプ政党です。
その財源としては、巨額献金を受けている法人税や資本所得税を上げないで逆に下げる→中高所得者の累進課税のカーブを引き上げ保険料負担増などで補充する政策です。
中国対抗のために2000年代に入って、共和党含めて民主党政権(既存政党が)がやって来たことは、移民受け入れ.低賃金化政策→中高所得者=サラリーマンに対する累進課税の強化=中間層に不利益で、貧困層と累進制が打ち止めになっている超高収入層にとって利益のある政策でした。
累進課税制度は中高所得者に不利に働くことを2003年に書いたことがあります。
累進課税制度は身を粉にして働く人はいくらうまく行っても長島のような人で1〜2億で、サラリーマンでは役員クラスまで言っても数千万円で打ち止めですが、資本所得はその何十〜何百倍も儲けられるが、累進制が課税対象が身体が資本と言う人の最高年収・3000万前後で終わってしまう仕組みがおかしいと言うことです。
サラリーマンが頑張って役員クラスになっても打ち止めになる3000万円が累進税率の最高所得でそれ以上になると税率が上がらない仕組み・・当時の税制・・では才能のある努力するサラリーマンには不利で、資本所得者には有利になること・食べる時間も惜しんで働いたり努力した人に報いるために逆に3000万までは累進税を課さないで、1億以上・・資本所得者に累進課税すべきだと01/18/03「55年体制7(税制2)で書いたことがあります。
トランプ氏支持層必死に働いて一応成功しているサラリーマン層の不満が爆発・・怒り(高学歴で企業内である程度成功していても勤務先の倒産その他で・・直ぐにも路上生活に転落する弱い立場)が(私の推測では)トランプ旋風の基礎らしいです。
日経新聞13日朝刊1面の記事は以下のとおりです。
「2008年リーマンショック以降の回復局面で収入が増えたのは2割でそれ以外は増えていない・・上位1%が全米所得の2割を独占している。
格差は第二次世界大戦前に逆戻りした。
年収20万ドル以上の所得者はクリントン氏よりもトランプ氏に票を投じた」
我が国で言えば、格差拡大反対を唱える野党系が賃金引き上げに熱心ではなく(・・累進カーブ強化に熱心・・労働者仲間同士の妬みを刺激するレベルの低い政党です)安倍政権が賃金引き揚げの音頭を取るようになって久しい・一見逆の関係が起きている原因がこれで分かります。
働く人を増やし、あるいは既存労働者の月収を2〜3万増やす政策は、生活保護費引き揚げや児童手当増額などの運動よりも健全ですが、それでは弱者の味方・・野党の主張が霞んでしまうから面白くないから(人道の立場から?)生活保護基準が低過ぎる、児童手当を上げろとかの主張ばかりです。
失業者が月15万〜20万でも働くようになると、正規雇用を総合した一人あたり全国平均賃金が下がりますが、個々人は生活保護を貰っているよりはその方が幸福ですし、児童手当などを5000円増やしてくれるよりも出勤日数が増え月収が数万増える方が良いでしょう。
働く人が増えると、生活保護支給基準を上げろとか児童手当を増やせと言う野党の出番が減るので、野党とマスコミは安倍政権の賃金アップ努力を冷ややかに見ていました。
アベノミクスでは実質賃金が下がっていると言うキャンペインを張っていましたが、(好景気が来て失業者が20万前後で働き始めパートに出る人が増えれば平均賃金が下がるのは当然です)このコラムで何回も批判を書いている内に最近その主張はマスコミに出なくなりました。
重要なのは平均賃金の上下ではなく、労働者の総収入が増えたか減ったかです。
アメリカ民主党や共和党・・従来政治家は労働者の総収入を減らしてフードスタンプ受給基準を緩和し、(アメリカでは、フードスタンプ利用の買い物客で賑わうウオールマートの従業員の多くがフードスタンプ受給者であると言う報道を見たことがあります)社会保障を引き上げる・・比喩的に言えば総賃金支給を減らして(企業利益は高まります)国民を困らせておいて、その半分ほど還元して社会保障を増やしましょうと言うことですから、国民が怒るのです。
フードスタンプを貰う権利より、自分の働いた賃金で生活したい人の方が多いでしょう。
国民は社会保障費の増額よりは労働収入を増やして欲しいのです。
アメリカでの格差反対論は中高所得者との格差ではなく超高額所得者との格差不満を言っているのに、(上記新聞記事にある上位1%とは数千万程度の所得者ではありません)中高所得に対する課税強化で誤摩化すから中高所得者が怒っている図式が分りました。

民主主義2の基礎・信頼関係

西欧的近代社会に適応しようとした帝政ロシアが農奴解放に徐々に践み切ると,・・構造改革は普通は既得権益層・大貴族との利害衝突になりますが・・大貴族に対する配慮の結果、農奴の方はそれほど解放がすすまないと言う不満があり・・社会が大混乱に陥るのが普通です・・が帝政ロシア失速の始まりです。
この結果金融的にユダヤ系に締め上げられていった経緯についてはロシアのデフォルトのテーマで最近書きましたが、社会がうまく行かなくなると騒乱→革命になったのが帝政ロシアでしたし、第一次大戦の敗北でドイツ帝国も崩壊しました。
うまく行かなくなると騒乱→革命になったのが帝政ロシアでしたし、第一次大戦の敗北でドイツ帝国も崩壊しました。
中国清朝も変法自彊運動に始まり時代適応しようと努力すると、却って内部混乱が始まり軍閥が横行して結局瓦解してしまいました。
蒋介石軍も、共産軍も最後まで勝ち残った軍閥の生き残りだったと見るのが正確でしょう。
韓国はアメリカ支配下にあった関係で、実力不相応に民主政体化しましたがその無理が出て来ていますし、台湾もアメリカの影響で国民党一党独裁からうまく脱皮しましたが、北朝鮮や中共・・共産政権ではまだそのままですから、軍閥的発想が未だに抜けないから昨日紹介した孔子の策によれば、最下策にあたる軍備増強第一に考えるのです。
アメリカでは何年か前のミズーリの水害のときの報道を見ると,混乱に乗じてすぐに略奪が始まる程度の国です。
昨日の報道では反トランプデモがすぐに暴徒化しています。
野口英世を例にしてこのコラムを書いた頃・・アメリカ社会を見た直感では、少なくともアメリカは日本より500年前後遅れていると書いていた記憶ですが、その後相次いだ縄文時代の新発見を参考にすると数千年単位前から助け合い・循環型社会が出来ていたことが分って来ました。
今ではアメリカ(に限らず世界中)は日本に比べて数千年単位・・何周回遅れの社会が日本に教訓を垂れるなどおこがましいと言う考えで意見を何回か書いています。
循環型社会・公害に敏感な社会・・ゴミ処理能力と社会の相互信頼関係は根っこが同じです。
我が国の場合、あれだけ戦争で無茶苦茶に負けても、国民の側から政府に対する不満や責任追及論は全く起きませんでした・・。
不満を言う前に占領軍が来たので、それに対する対応に追われて不満を考える暇がなかっただけと言う意見もあるでしょうが・・。
日本に将来がないからと言って国外脱出するどころか、食うや食わずになっている本国に海外から何百万人も帰って来て復興に精出しました・・。
ウイキペデイアの記事です。
「敗戦時には軍人・民間人計660万人以上が海外に在住し、引揚げした日本人は1946年末までに500万人にのぼったが、残留日本人の数や実態については現在も不明である」
その分食糧難が一時的に酷くなりましたが、「困るから帰って来ないで」と言う人・・文句を言う人はいませんでした・・お父さんや弟が戦地から無事返って来てみんな喜んだものです。
食糧が絶対的に不足していたのに騒乱も犯罪もそれほど起きず、みんな黙って復興に励んでいましたし、裁判官が配給だけに頼って飢え死にした事件もありました。
(ただし、後記のとおり無茶な要求をして皇居に押し掛けた「共産党員」もいましたが・・ほんの一部でした)
1911年3月11日の東北大震災でも、みんな黙って救いを待っているのを世界中の人が驚いていましたが、戦後一時期田中角栄氏のようなゲンキンな人が幅を利かす社会になっていたように見えていたのですが、民族の血として脈々として繋がっていた同胞意識が底流で全く変わっていなかったコトが分りました。
(このときもホンの一部とは言え、泥棒していた人もいました・終戦直後犯罪率は当然上がりましたし(食糧不足・配給だけでは生きて行けないので、配給がいの食糧を求めていたので、やみ取り引きの検挙・・犯罪も増えます・・全員が海外から引き上げた訳ではないでしょうが、民度を言う場合ゼロを言うのではなく、こうした危機時に起きる比率が重要です。)
戦死者を悼む心・・靖国神社についてもアメリカや中韓を刺激すると言う間接的追及論や失言騒動をマスコミが起こすのが限界です。
このマスコミの煽りに対して共感しないで不愉快に思っている人の方が多かった結果が出たのがいわゆる慰安婦問題に対する大反撃です。
アメリカの攻撃に完敗しても天皇制を死守し、勇敢に戦った自分の父を尊敬している人が大多数・・そういう民族です。
「朕はたらふく食ってるぞ!なんじ臣民飢えて死ね」と言うプラカードの標語が何故か心に残っているのは、あまりにも日本臣民の心からかけ離れた不届きで罰当たりな標語を掲げて皇居に押し掛けた違和感からでしょうか?
本日現在のウイキペデイアによると以下のとおりです。
「プラカード事件(プラカードじけん)とは、1946年(昭和21年)5月19日の食糧メーデー(米よこせメーデー、正式には「飯米獲得人民大会」)の際、参加者の一人である日本共産党員の田中精機工業[1]社員・松島松太郎が掲げた「ヒロヒト 詔書 曰ク 国体はゴジされたぞ 朕はタラフク食ってるぞ ナンジ人民 飢えて死ね ギョメイギョジ」
そもそも国内の食糧総生産量が人口に見合わず、戦前は台湾や朝鮮半島から輸入していたため、また外地からの復員の分、人口が増えるわけであり、満足な供給には無理があった。農民も復員してきているとは言え、今すぐに食糧が増えるわけではなく、誰が大臣になっても解決策は無かった。大会翌日の5月20日、GHQ最高司令官マッカーサーは「組織的な指導の下に行われつつある大衆的暴力と物理的な脅迫手段を認めない」と声明を出し、社会党と共産党を牽制した。これによりデモ隊は霧散した。
既にGHQはこの食糧不足の危機的状況を把握しており、最も欠乏していた北海道から順次、食料供給を始めており、食糧問題の特別使節団として派遣されていたハーバート・フーヴァー元大統領は、90万トン近い食料を日本に供給すべき、と進言しており、実際に実行されている。 このデモはそれらを無視した形で、当初から政治的目的を持って行われた。」
戦争に負けたからと言って(恐れ多くも)天皇陛下の名を呼び捨てに書いて、皇居に押し掛け天皇に対して直截面会を求めるなどるなど日本国民の多くにとってあるまじき行為ですから・・その表現にショックを受けた人が多かった・・共産党系はソモソモ日本民族の一体感を持っていない人の集まり・・権力が弱ればその隙を突きたい人たちであることを自己証明した事件だったかも知れません。
「イザ鎌倉!」と言うときに「待ってました!」とばかりに敵方に馳せ参じる武士のような人も一定率いるでしょう。
今でもそうですが、選挙の結果を無視したデモ呼びかけで国会前に5000人〜1万人も集まると民意を証明していると左翼系文化人が自慢しますが、当時の1億人口の内暴徒が皇居前に1〜2万人集まったとしてもそれが当時の日本人の大方の意思だったことには到底なりません。
民族分断したいアメリカの入れ知恵で、戦争責任追及論に迎合するグループは今でも文化人には多いですが、そう言う使嗾に乗る人は国民の中の例外に留まっています。
選挙結果こそ掛け値のない民意ですが、社会党支持率が2%前後しかない状態が、実際を証明しています。

信頼社会の再評価2(コーポレートガバナンス4)

トップダウン否定のコーポレートガバナンス論が実態に妥当する制度ではないのは、日本や中国・台湾などアジアだけはなく、アメリカでもアップルのジョブス氏の例を見れば明らかです。
日本社会は原則としてボトムアップアップ社会ですが、創業者や中興の祖があって企業や組織が成り立っていることをみると、ときにはトップダウン型の人材を必要としていることを表しています。
アメリカでもジョブズ氏の先見の明があってこそアップルの成功があったのであって、誰もが納得する多数が決めた製品しか作らないのでは、アップルの大成功はあり得ませんでした。
アップルのiPhoneが昨年秋発売新製品が想定外どおり?の苦戦に陥っていることが4月16日の日経新聞1面に(1〜3月期に続き4〜6月期も前年同期比3割程度の減産)と出ています。
ジョブズ氏亡き後の新製品がどうなるか?と言われていた危惧がそのとおりになって来た印象です。
人権派は、秘密保護法や組織犯罪処罰が近代法原理に反するというのですが、秘密保護法のない国・共謀を処罰しない近代国家がどこにあるかの質問に革新系文化人が答えられないままです。
西欧近代の法理と言っても、喧伝されるギリシャ・ ローマの民主主義が一握りの市民だけのことだったように、西欧の近代法理はきれいごとでしかない現実があります。
死刑廃止と言いながら,一方でちょっとして事件でも犯罪者をその場で原則として射殺してしまう乱暴な実際の運用を紹介したことがあります。
西欧かぶれの文化人が集団自衛権容認が戦争法だと宣伝していますが、そのような解釈をしてどこの国とも相互防衛条約を結ばない国が(スイスを除いて)いくつあるかを明らかにすべきです。
ベトナム、フィリッピンが日本や米国を頼りにし、小碓とラリアまで日本と防衛協議するようになったのは、中国による事実上の侵略実行に危機感を抱いて始めたことであって,中国を侵略しょうとしていると思っている人はいない・・そう言う主張している国があるとすれば、世界で中国だけではないでしょうか?
国際紛争に関連する主張はどこの利益を代弁しているかが重要です。
企業のコーポレートガバナンス・・トップダウンに戻りますと、うまく行ったときには黙っていてタマタマ失敗するとオーナの暴走と非難するのがこれまでのマスコミ姿勢でした。
何回も書くようにどんな名人上手でも一定割合での失敗があるものです。
その失敗を前提にしても成功率の高い人に5〜10年先に進むべき計画を委ねるしかない・・結果的に取締役会が追認機関になっていることを理由にして、何か事件が起きると取締役会の無責任?運営を批判するのですが、西欧伝来の元々法制度に無理がある・・取締役には元々そのような実質的権限がないとするべきです。
法を悪用して?形式権限行使すると逆に実質的権限濫用の疑いが生じます。
セブンイレブン騒動では、最終的に動きが見えてきましたがその後の人事案も社外委員2人の意向によって、全て覆されて決まって行く様子です。
社外委員制度が機能していて、(今回は鈴木氏が耄碌して、老害が出ていた可能性がないとは言えませんから)目出たいのかも知れませんが、今年の2〜3月ころに就任したばかりの部外者が人事案についてまで最終決定するのって、タマタマその結果が正しいとしてもこれが社外役員の本分だと言う認識が広まると口の出し過ぎと言う批判がその内出て来るでしょう。
取締役が監督権限を行使しないので、屋上屋を重ねて?社外委員会などの承認がないと何も出来ない仕組みにしても,社外委員会も結局はその会社の実態不明なので、カリスマ経営者の提案を実際にはその委員会も追認するしかないのが実務の世界です。
屋上屋をかさねるたびに追認機関が増えているだけです。
カリスマ経営者の独断による経営政策がタマタマ失敗したとしても、それはリーダーの暴走でもガバナンス失敗でもありません・・企業人としては失敗する場合も読み込み済みでカリスマ性のある人にリスク込で委ねていると言うべきでしょう。
勝率が下がれば単に「最近カンが悪くなったようですから交代して頂きましょう」と言うだけでよいのであって「違法」だとか、道徳非難する必要はありません。
新規事業挑戦の可否はトップダウンを認める代わりに失敗すれば結果責任をとるのは必要ですが(任期等で身分保障する必要はありません)、道徳非難をすべきではありません。
本来リスク込ミで監督や企業トップに方針決定を一任するものですから、試合に負けたり投資失敗したときに道義非難(・・東京裁判のように違法と称して刑事処罰する方向を煽る傾向がありますが・・)する方がルール違反です。
西欧で発達した統治に関する近代原理は公共団体に妥当する論理・・公的団体の場合議会等の監督を受けた範囲で行なうべきですから、これを逸脱すること自体で違法ですが、日進月歩の事業体統治には妥当しません。
スポーツの監督はコーチ陣の合議で指揮するのではありませんし、軍の指揮命令も同じです。

コーポレートガバナンス3(信頼社会の再評価)

韓国人が対馬のお寺の仏像を盗んで行ってこれは元々韓国のものだと開き直っている現状は、罰あたりはいないと信じて厳重に鍵をかけていないお寺・・盗まれる方が悪いのではなく、「盗みにはいる方コソ悪いでしょう」と言うのが我が国の価値観です。
「価値観の違う人は来てくれるな、仲間にしたくない」と言うのがわが国の法原理です。
価値観共有社会とは本来こういうものではないでしょうか?
少なくとも信頼で成り立つ日本の価値観・・実態に合わない制度・・相互不信で運営する原理を無理に導入するのを進歩主義のように唱えるのは、何でも欧米流儀が素晴らしいという刷り込みによるものか、価値観の違う人を多く引き入れたい深謀遠慮によるものです。
ヘイトスピーチ論はその点だけみれば一見人権配慮っぽいですが、その前提には「価値観が違っても違う生き方を認めましょう」という基本思想があります。
抽象論を言っている限り進歩的な意見のように見えますが、民族間で違う価値観の具体論になると何でも許容して行けるのでしょうか?
最初に中国人にアパートを貸すと汚くて困ると言うことが問題になりましたが、具体的になると意外に難しいものです。
民族の尊厳の触れる問題・・喩えば、「神社仏閣が文化財の盗難被害や放火被害に遭うのは、異民族にとっては神道を理解する義務もないしそんなものに価値を置いていない、だから立ち小便しようと勝手だし、夜も自由に出入る出来るようにしている方が悪い」と言う場合,違った意見を尊重?して許容すべきなのでしょうか?どうなるのでしょうか?
天皇の顔写真に竹槍のようなもの突き刺してデモ行進しても許容すべきなのでしょうか?
落とし物が直ぐに戻る・・時間を守るきちんと順番を待ち、公共空間を綺麗にする社会は、一定の共通価値観で成り立っています。
ゴミ分別に協力しない、道路の掃除をしたくない・・税金でそんなことはやるべきである・・列に割り込むなど民族が違うから良いのだ、犯罪にさえならなければ落とし物を届ける必要がないと言う価値観の人が増えるとその内犯罪になっても捕まらなければ良いと言う段階に進むでしょう。
掃除をコマメにしないことや約束の時間に遅れるのが何故悪いの?日本人は自分の価値観を異民族に押し付け過ぎ(自分の国で3〜40分くらいは遅刻にならないとか)・・と抗弁を認めずに遅刻扱いするとヘイトになるのでしょうか?
しょっ中遅刻する人が大めに見てもらえるなら日本人も遅刻する人が増えるでしょうし、それまで自宅の廻りを掃除していた人も目の前で気楽にゴミを捨て歩く人が増えると掃除するのがイヤになってしまいますし、カギをしていなければ泥棒されるのが普通の社会になるとみんなが厳重にカギを掛けるしかなくなります。
夜道は危ないに決まっているじゃないかとなれば夜道を歩く人が減るでしょう。
「人を見れば泥棒と思え」と言う社会になります。
その内「エ!護身用のピストルを持たないで出掛けたの?」と言う時代が来るのでしょうか?
「友は類を持って集まる」と言うように、共通価値観で集団を作るのが人類普遍の原理です。
友は選べますが、居住空間にいる異民族を選べない・・その意味では重要な民族集団に異民族を積極的に受け入れる必要があるのか不思議です。
民族とは、人種別概念ではなく価値観・行動様式が一緒になった集団のことです。
何のために価値観の違うグループがワザワザ1つのコミュニテイを作らねばならいのかが疑問です。
不幸にして一緒にいるしかないときには寛容の精神で共存するしかないですが、折角別に住んでいるのに、何の目的で異民族=生活価値観・行動様式の違う人をワザワザ引き入れようと主張しているのか分りません。
家族でなくともタマに他人をお客に招くことはありますが、その程度で他人・お客と交われば良いのではないでしょうか?
欧米の異民族受入れ政策・・(植民地支配・・奴隷制度の代わりに異民族を安く使おうと言うエゴを隠した)人道主義?が今回のテロ頻発で壁に打ち当たっているのは当然です。

中国の国際ルール破り6(信頼関係破壊)

遅れて世に出た人には都会的教養の欠如=洗練された礼儀作法の欠如もありますが、その代わり都会の俗塵にまみれていない素朴な良さもありますし、単に粗野なだけの人もいます。
貧しく育てば弱者の気持ちのよく分る思いやりの深い人もいますが、逆に意地汚くなっているだけの人もいます。
平家物語に出て来る木曽義仲殿最後までの描写は、田舎出身の純朴さ・純朴な精神が活写されている点に人気があるのでしょう。
一方で都会人は、みんな洗練されている訳ではなくて、世俗にまみれて(ずる賢くなって)薄汚くなった人(庶民)の方が圧倒的に多いことも事実です。
ただ中韓両国を除けば、高潔な人の方がどこの国でも少ないとしても、高潔な行動が価値の基本となっていて国家や社会組織としてはそう言う思想で運営されていることが大きな違いです。
米英のやることは汚いことで知られて・・言ってることやってることが違い過ぎるので世界の信用を失いつつありますが、表向きは一応人権重視など正義を標榜している分だけまだマシです。
中国の場合表向きも専制体制を標榜しています。
習近平氏は中華帝国の栄光の復活と称しているので、日米から独裁運営の疑問が指摘されて日米が透明性がない限り参加しない・・様子見の状態にも関わらず、結果的にAIIBを露骨な中国一国支配体制の機構として設立していまいました。
国際社会に遅れて出て来た中国・韓国に愛すべき純朴さがあるのでしょうか?
彼らは世界に出たのが遅かったのではなく、中国2000年の歴史(自分たちでは4000年と誇大表示していますが・・)と言うように、日本よりも早くから世に出ていたのですが、この間に人倫の道を学ばなかったようです。
この間に学んだのは、「権謀術数」の限りを尽くすこと・「如何にして権力者に取り入るか」「相手を狡猾に騙して蹴落とすか」、政争に勝てば「如何にして相手人格を貶めて卑しめるか」、「残虐に苛めるか」の工夫ばかり発展していて、言わば「悪の道」を極めるために長い歴史経験を積んで来たことが分ります。
4〜5日前に決着のついた世界遺産登録(明治の産業遺産)の問題で、直前に韓国外相が訪日して「相互に文句言わずに相互同意しましょう」と合意したので、日本が先に韓国遺産登録の審議で同意した後で、日本の遺産の審議になったトキにイキナリ韓国が徴用工の問題を持ち出して反対演説を始めたので、日本遺産登録審議が長引いてしまいました。
数日遅れて漸く決着がつきましたが「こう言う信義のない国とマトモな交際をするのはお断り」と言う人が余計増えたのではないでしょうか?
韓国はいつも相手を信用させて背後から斬りつけるやり方が特技として知られていますが、今回もそれを実行して、まんまと成功したとほくそ笑んでいることでしょう。
中韓両国は遅れて世界に参加したのではなく、早くから参加していたが悪い方の智恵ばかり磨いて来たから、今になって世界秩序撹乱者と言われるようになったのです。
従来は中華秩序と言う変則世界・・対等者のいない世界秩序しか知らないので、一君万弱世界・・強い者を中心にして君主に気に入って貰う競争・・相手を蹴落とす程度の競争しか知らないで来た「井の中の蛙」だったことになります。
こう言う世界では・・身近な同僚とさえ信頼関係が生まれようがありません。
日本では紙幣・・藩札や手形が、江戸時代から発達したのは、高度な信頼社会が構築されて来たからです。
ゴミを捨てる汚い行動をすればその場で注意出来ますが、偽造紙幣のように陰で不正をする人が増えると取締が追いつかなくなって最後は紙幣に対する信用がなくなり、貨幣経済が崩壊します。
ネットもしょっ中乗っ取られると怖くて使えなくなって、ネット社会が大混乱します。
現在社会で言えばサイバー攻撃がしょっ中行なわれると社会組織破壊面では、爆撃による鉄道網や道路網寸断に匹敵するような効果があります。
今回の年金記録窃取事件も、金儲け+日本のシステム混乱・・内政混乱(野党が政権批判の種に利用するので内政が停滞する・・)マイナンバー法施行対象拡大阻止による日本の行政効率化を少しでも妨害するなどの多目的犯罪と見るべきでしょう。
「信頼こそ大事」と言う価値観で生きている日本の安心・信頼社会を根底から覆す試み・・破壊活動とも言えます。
ちなみに、マスコミは自然現象・あるいは関係者が故意に漏洩したかのように年金「流出」「漏洩」事件と表現し、被害者の社保庁→年金機構と言うのかな?の責任追及ばかり熱心ですが、おかしな現象です。
この報道姿勢は、被害者を加害者のごとく責め立てる・・・レッキとした犯罪被害の本質・・犯罪者が如何に悪質か・今後世界の発展に必須の信頼社会の基礎を破壊する悪質なものと言う視点があまり感じられません。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC