夫婦の信頼関係

夫婦の信頼関係

鳥類では子育て期間が終わればツガイ解消が原則と聞いていますが、人間の場合子育て期間が長く、そのために常在戦場・・女性の発情期が恒常的になり、それだけでは足りなくて夫に対する身の回りの世話、更には老後の世話等のサービスが発達して来ました。
とは言え、長寿化時代を迎え子育て期間だけしか夫の世話をしないで後は放り出してしまう・・あるいは家庭内別居することが多くなれば、とてもじゃないけれども世のオスは何十年もせっせと家庭に貢ぐ気になれないでしょう。
子供がある程度育って妻に追い出される前に、早めに浮気(次の就職先を探)して家出して、次の妻のところで次の子を作り、そこでも子供がある程度の年になるまで大事にしてもらい子供が育ち上がりそうになったらまた逃げ出して、別のところで子をつくるのを繰り返していればその都度新しい妻から大事にされます。
このやり方はチャンスさえあればいくらでも種付したいオスの動物的本能にも適しているし、しかも行く先々で大事にされるしでこんないいことがないように見えます。
その代わりオスの方も生殖能力が終わり、子育てに必要な経済力が衰えればそれまでですから、高齢化(とは言い換えれば生殖能力がなくなった後の人生が長い時代のことです)時代には悲惨です。
老いて群れを追い出されるライオンのようです。
雌雄ともに自分勝手な生き方の社会になれば、子供が育ち上がる前にオスに逃げられる若いメスは大変ですし、オスは若いときにはいいですが、その代わり老後が大変です。
そこで、乳幼児期が終わっても子供が大学を出て一人前になるまで更には老後まで妻も夫を大切にする仕組みでこれまで続いてきました。
子育てと言うか経済的必要性が終わった後(次世代の結婚後)・・まさに熟年離婚がはやって来ると、夫の方も自衛のために若いころから家庭を大切にする方向ヘ行く夫と、逆にお互いの相互不信に陥る場合の2種類になってきます。
相手を利用出来るときだけ利用する現金な社会にすると、相互のメリットが時期的に先後しますので後で老後を見てもらえない男性の不安が増して婚姻制度が破綻します。
ましてこれからは90歳くらいまで生きるのが普通の時代になると、子育て完了どころか生殖能力退化後の期間だけでも30年前後になります。
女性の方も昔のように引退後5年前後なら子育てに協力してくれた義理で夫の面倒を見られるとしても、30年も一方的なサービスをし続けねばならないとなると子育ての間夫に威張られて悔しい思いで我慢してきた場合、ここでぶち切れてしまう可能性が高くなります。

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