マスコミの信用失墜3(やらせ報道の基礎)

でっち上げ・やらせ報道が・・珊瑚礁保護番組のためにやらせていたという程度では大したことがないと思っていた人が多いでしょうが、それが慰安婦問題や台湾過酷統治演出をしていたこと・・やらせ報道と根が同じだったとなるとその重要性・・事実報道に徹するべきだと言う意義の重要性が明らかになります。
上記のNHKの台湾報道がでっち上げとすればの話ですが、仮に報道していることが実際にあった・・事実としても、何故そんなことをNHKが海外出張までして取り上げて大々的に報道する必要・・国益があるかの疑問もあります・・。
韓国による日本の植民地支配に対する(ナチスのユダヤ人大量虐殺と同視する)過激な批判の世界攻勢に呼応して恰もこれを応援するかのような結果なっているのが問題です。
どんな政治にも(国内政治でも)不満分子が一定数いますし、末端で不当な行為が行なわれることが皆無の国はありませんから、(職権乱用防止のために刑事訴訟法や国家賠償法等があります)・・今でも日本国内で警察権力の不当行使が時々問題になっています。
重要なことは日本統治以前に比べて台湾で不当行為が多くなったか・・当時の日本国内での権力行使(・・今のように民主化されていなかったのは周知のとおりです)に比べての比較です。
公平な比較をしないで、ごく一部を探し出して不当な行為があったことを述べさせるのはそれを主張したい国がやれば良いことで、日本の税(強制徴収)で維持しているNHKがやる必要性があるのか・誰のために国費を投じているのだと言う疑問が当然起きてきます。
ましてその報道に出た台湾人が言ったことと逆のことをでっち上げられていたとなればさらに問題です。
この問題は訴訟で争われていましたが、東京高裁で台湾人による事実無根の報道をされたことに対する慰藉料請求が認められたことから、右翼の主張が一部裏付けられたことになります。
裁判で一部認容というのは文字どおり言ったこと自体を客観的捏造した場合しかテーマにならない・・そんな文脈で言ったのではないと言うような主観的主張は、番組編成権者の裁量ということになってしまうからだと思われます。
ですから本来の政治テーマは、国益を守るべき公共放送機関のあり方・・編成者の意図が妥当であったかですが、こういうことを裁判所が判断すべきことではないので裁判のテーマにはなっていないと思われます。
昨年末頃に判決が出たばかりで、まだ判例時報等に公開されていないので、事案の詳細が分っていませんのでココは推測だけです。
いずれにせよ、NHKの虚偽報道があったことが事実として裁判所でも認定されたのですが、・・事実報道すべきマスコミの生命線が腐っていると言うこの重要な事実をマスコミは黙殺してまともに(小さな記事として隅の方には書いているでしょうが重要性の割には大々的報道が皆無ということです)報じていません。
マスコミは何が国益に資するかの自己判断によって(政府におもねても、外国政府におもねてもあるいは広告スポンサーにおもねてもいけない)事実報道を曲げてはいけない・・ある事実をそのまま公平に報じて国民の判断に委ねる限度・・節度を守ってこそ存在意義があるのです。
薬は毒にもなると言いますが、マスコミが節度を守らないと(薬だと言って毒を飲まされているような疑いを国民が感じ始めると)社会の不信感を増幅させマイナス作用が大きくなります。
韓国大統領による竹島上陸や尖閣諸島に対する中国の侵犯繰り返しによって諸国の善意を信じるばかりでは生きて行けないと国民の大方が悟ったばかりですが、この結果はっと目が覚めてみると実はその何十年も前からしこしことマスコミ支配・・マスコミ界への中韓勢力の浸透実態が漸く分り始めたところです。
現在大問題になってる慰安婦問題はそもそも韓国マスコミが仕掛けたものではなく、朝日新聞がでっち上げ報道を始めたのが切っ掛けだというのですから(真偽は今のところ知りません)驚きです。
平和ボケと言いますが、日本は相手の善意ばかり信じて情報操作に関しても無防備のママだったので、国民意識を形成すべき頭脳部門とも言うべきマスコミが国民の知らぬ間に敵国に占領されているような状態に陥っていたのです。

信頼社会とマスコミの信用失墜2

海外では日本で発生した大きな事件に関して犯人が韓国系日本人として報道されているのに、これが逆輸入されないと日本人には真実が分らない変な社会になっています。
(今回は暴力団幹部氏名をアメリカの報道(英文)で日本人が知ることが出来ましたが、マスコミは事件が起きても何故か日本名・・偽名しか報じません)
大事件や世界的に有名な悪人だけではなく、普通の事件でも何系人(◯◯系アメリカ人というような)が起こした事件くらいは世界標準に従って報道すべきでしょうし、◯◯系別犯罪統計も発表すべきです。
海外情報を参考にしないと政府発表や国内報道だけでは真実が分らない状態では、表現の自由のない独裁国家の国民が、海外報道にアンテナを巡らしているのと我が国民の置かれている状況が似ています。
昨年末の安倍総理の靖国参拝に関しては、アジアで孤立する心配という報道が主流ですが、そうであればアジア全体の反応の報道をすべきなのに、何故か中韓の反発ばかり報じています。
日本では表現の自由があり、国家のデータも自由に見られると思い込んでいる人が多いのですが、実際には、日本のマスコミは、中韓両政府に遠慮して中韓両国に都合の悪い情報を出来るだけ報じない運用・・これを積極的に隠し続けて来たから、却って実態が不明・・憶測社会になっています。
その結果、逆に在日韓国人や中国系の犯罪が増えているのを隠しているのではないかと言う排外・中韓差別意識の助長に繋がる逆効果が生じ始めています。
日本の高度な信頼社会を維持するには、マスコミが一定の意図(・・特定勢力に繋がっている疑いをもたれないようにする必要もあります)を持ってデータを取捨選択しないで、ありのままを報道することによって健全な国民判断を妨害しないことが求められます。
マスコミは世論の指導者ではなく、データ提供者にとどまる本分を忘れない・・謙虚な姿勢が求められています。
マスコミが世論を一定方向へ誘導し始めると権力者が自分の都合の良い情報だけ流して不都合な情報を秘密にしてしまう言論の自由のない社会と同じ結果になります。
戦後マスコミは第4の権力とおだてられたものですが、マスコミが自社の期待する方向に国民を指導・誘導し始めると、報道の信頼性がなくなって自滅行為になります。
マスコミ各社が自制心を失い、自社の特定意見を垂れ流し世論を好きなように誘導すれば良いとなれば、・・これを利用しようとする勢力が見逃しません。
ナチスヒットラーに始まり権力がまずこれに目を付けたのですが、この弊害に気づいて民主主義国家では、公共放送の中立性を法で規制するようになりました。
しかし、マスコミに自制心がないと権力行使そのものではない・そのダミー機関や営利企業による食い込み競争の標的になります。
日本人の場合マスコミは中立であるべきだという理念そのままに運用されていると国民が信じ込んでいたのですが、・・この無防備状態の隙を衝いてアメリカや中韓勢力がひたひたとマスコミの人脈にいろんなルートを通じて影響力を行使して来た疑いが議論されるようになってきました。
20〜30年ほど前からマスコミによるやらせ報道疑惑が次々と表面化していましたが、これはまさにマスコミが事実報道から逸脱していてこれが常態化した結果溢れ出した・・氷山の一角が表面化したに過ぎなかったようです。
以後街角のインタビュー報道もマスコミの気に入らない意見を述べる通りがかりの人のインタビューは載せない・・一定方向の声ばかり報道しているという批判が増えてきました。
珊瑚礁の実情等のやらせ疑惑程度が発覚しても・・仮に虚偽でも社会に及ぼす影響が少ないですが、これが政治問題でマスコミの気に入った意見しか報道しない・同じやらせでも慰安婦問題等のでっち上げやらせ報道等(とすれば)になって来るとことは重大です。

信頼社会とマスコミの信用失墜1 (ヤクザ幹部氏名)

アメリカが2013年12月19日金融取引禁止等で指定した暴力団組織幹部の氏名公表を見ると、その殆どが韓国名を別に持っていることが明らかになりました。
英文では、姜とか朴などの別名も表記されていますが、NHKではこれをそのまま発表せずに暴力団の組名だけ報道しています。
以下はアメリカ財務省ホームページとされているネット報道からの引用(原典に当たっていません)です。
※・・→以下は私の和訳です
Treasury Sanctions Members of Japanese Criminal Organization
12/19/2013
Actions Target Senior Members of the Largest Syndicate within the Japanese Yakuza Criminal Network
(中略)
Identifying Information
Individual: IRIE, Tadashi→いりえただし
DOB: December 9, 1944
POB: Uwajima, Ehime, Japan
Individual: HASHIMOTO, Hirofumi→はしもとひろふみ
AKA: KYO, Hirofumi
AKA: KANG, Hong-Mun
 →通称?キョーまたはカン(姜)ホンムン
Date of Birth: January 8, 1947
Individual: MASAKI, Toshio→まさきとしお
AKA: PARK, Nyon-Nam→パク(朴)ナム
DOB: January 13, 1947
Individual: ISHIDA, Shoroku→いしだしょうろく
AKA: PARK, Tae-joon→パク(朴)たえジュン
AKA: BOKU, Taishun→ボク(朴)たいしゅん
AKA: PAK, Tae-Chun→パク(朴)たえちゅん
DOB: October 30, 1932span>
何かと言いがかりをつける・・絡み付くやり方等韓国政府の特徴は日本で町のダニと言われるヤクザと同じ行動様式から、暴力団員や右翼集団構成員の殆どは韓国系人が占めているように思われると「ヤクザと街宣右翼」Published August 16, 2013、「中韓の行動とアメリカの選択肢1」November 24, 2013に書いたことがあります。
世界に名だたる組織暴力団トップ層を韓国人(日本名のみの人も元は在日で帰化した人かどうかまでは分りません)が占めていることがアメリカ政府発表で裏づけられました。
勿論日本の警察は、融資に当たって金融機関に対して指定暴力団組員か否かの照会に回答することになっている関係で、アメリカ政府よりももっと早くからその実態・・構成員どころか準構成員までその氏名本名など把握しています。
しかし国内ではいろんな犯罪が発生しても(日本人なら本名公表しますが)何故か在日に限って本名を公表しないままです。
「信義を守る世界9(価値観の共通)」Published December 11, 2012でも書きましたが尼崎を中心とする角田という犯人の連続殺人事件・・異様な事件は、実は在日またはその帰化した一族間で引き起こしていた事件であることが、親族被害者氏名に「李」などの韓国系氏名が出て来るので推測出来る程度でした。
(被害者なら韓国名を書くのに加害者になると韓国名を伏せるマスコミルールです)
今回のアメリカ政府の発表によれば犯罪集団トップ層の殆どが在日系であるとすれば、その構成員も殆どが韓国系であることがある程度推定され、更には一般犯罪者に占める韓国系の犯罪比率もこれに比例して高いだろうと言う憶測が広がります。
この後に書いて行きますが、在日または帰化した元在日に限って客観データの報道をしないから、こうした憶測または推測がはびこる弊害があります・・。
報道の正確性・・信頼性の確保が、デマやあやまった推測の広がりを防ぐ、信頼社会の基礎資産です。
日本に対して敵意を持っているのは中韓だけなのに、日本ではマスコミが「アジアで孤立すると言って」アジア全体から敵意を抱かれているかのような表現に終始します。
何故か在日に限って日本名公表にしていて在日か否かが分らないようにしていますが、大事件(残虐な殺人事件等は世界の注目を集める関係で英文記事になると、そこには殆どが韓国名が併記されているようです)の殆どでは、◯◯系アメリカ人等とアメリカ国籍の有無よりはどこから移民して来た人かが分るようにする表示が普通に見られます。
これが日本では、逆に通称と言うか偽名しか報道しない・・偶然ではなくアメリカが発表しているニュースの転載報道なのに韓国名だけわざわざ抜いた報道しているのは、積極・意図的に犯人の国籍や元韓国系の帰化人であることを隠す意図があることが明らかです。
千葉県の例では在日イギリス人女性に対する残酷な殺人事件が数年前に大々的に報道されたことがありましたが、この事件でも国内では日本人名の発表だけでしたが、被害者の祖国イギリスでは犯人の本名である韓国人名がそのまま報道されていたようです。

マイナス利回り4(消費信用3)

話題をマイナス金利に戻します。
全く劣化しないように思われる金貨の保管でも、その管理費・・警備その他に年間1%コストがかかるならば、金貨の価値が年1%ずつ(経費として金貨をカジって行くしかないので)目減りして行くべき筋合いです。
ウラン等放射性物質も半減期が長いのですが、その間の保管・管理コストが莫大です。
(結果的に原子力発電は安くないじゃないの?と言う疑問が噴出しています)
種モミのように生産に利用しない限り万物は時間の経過で価値が目減りするのが原則です。
元々お金でも何(家)でも本でも道具でも貸すのは、お願いされて「貸してやる」と言い、「お貸し下さい」と言うように、消費目的の場合目減りを前提としているので貸すのは本来的に「恩恵関係であって」金儲け目的ではあり得ません。
建物に関しては高度成長期以降、ビジネス(商)としての賃貸ビル等が発達しましたが、それまでは、家作と言って余裕のある人が恩恵的に貸してやる(民法の人間)関係でした。
大正から昭和に掛けて出来た借地法や借家法では、借り手を弱者として保護する法律になっているのはこうした現実を前提にしています。
他方で、平成に出来た借地借家法では、恩恵ではなく業として経営する人が増えて来たので、借りる方が顧客として強い場合があることを前提に定期借地権や定期借家制度が創設されました。
スーパーやファミレス等の出店にあたって、1000坪単位の土地を借りる場合、恩恵ではなく、投資資金の運用として土地購入資金としてまとまったお金を使うよりは借りる方が得だからか借りるに過ぎず、企業にとっては一種の投資行動になります。
生活必需品としての土地貸借・消費から投資になって来た分野も出てきました。
農地で言えば企業参入の必要性が出て来て、小作制度復活阻止至上命題の農地法(戦後直後はこれで良かったのですが・・)とは違ったコンセプトに切り替える必要が出て来たのと同じです。
貸金と金融の違いを見ると、消費目的に貸すのが貸金であり、投資資金として貸すのが融資(資本の融通)という棲み分けでしょうか。
種モミの供給のように何かを生み出す資本の融通ならば、元金プラス利回り回収を期待するのが当然ですが、消費目的の貸金は恩恵・・消費してしまう目的である以上、元金回収や利息を期待するのは無理があります。
この無理を通すために親族を連帯保証人にしたり、(黙っていると返せる訳がないので)自ずから取り立てが厳しくなるので余計金貸しは嫌われます。
金貸しが忌み嫌われるのは、消費目的で貸した以上は元本でさえ回収を期待するのは不合理である・・恩恵で(元本の何割かが帰ってくれば上出来)しかないのを承知で貸しておきながら、これを金儲けにしようとしているところに無理があるからです。
返す当てがないからこそ懇願されて貸すのですから、返せないことを知りながら恩を着せて貸しておきながら、満期が来たら鬼に変わって、厳しく取り立てるのでは一種の詐欺みたいなものです。
金貸し(あるいは個人の小金持)に言わせれば「あれだけ毎晩のように来て泣いて頼んだから貸してやったのに・・」返すときになって返さないのは詐欺じゃないかと言い募るのですが、上記のとおり元々返せっこないのが分っていて貸しておいて、満期が来たら約束とおり返せ」という方が、だまし討ちみたいなものです。
僅かの貸金で返さないなら家を渡せなどと強欲な要求する例が増えたので、これらは民法90条の公序良俗違反として無効にする判例が昭和30年代に出そろいました。
その後(無効にするだけでは借金と不動産価格のバランスが極端に違うときだけしか救済されないために、判例による解決には限界があるので)50年代に入って仮登記担保法が出来て不動産を取るときには無効まで行かないときでも借金と清算をしなければならないことが法で決められました。
(この法律は不動産価格がうなぎ上りに上がっているときに意味がありましたが、平成に入って下がる傾向になって来たことと、殆どの人が先順位で住宅ローンによる抵当権が設定されていて超過債務状態が増えたので実際的意味を失っています。)

仮登記担保契約に関する法律
(昭和五十三年六月二十日法律第七十八号)

最終改正:平成一六年一二月三日法律第一五二号

(趣旨)
第一条  この法律は、金銭債務を担保するため、その不履行があるときは債権者に債務者又は第三者に属する所有権その他の権利の移転等をすることを目的としてされた代物弁済の予約、停止条件付代物弁済契約その他の契約で、その契約による権利について仮登記又は仮登録のできるもの(以下「仮登記担保契約」という。)の効力等に関し、特別の定めをするものとする。
(清算金)
第三条  債権者は、清算期間が経過した時の土地等の価額がその時の債権等の額を超えるときは、その超える額に相当する金銭(以下「清算金」という。)を債務者等に支払わなければならない。

マイナス利回り3(消費信用2)

消費信用(南欧の資金手当問題は昨日書いたとおり、借り換えに使う資金ですから一種の消費信用に変質しています)と金利問題に戻しますと、市場原理に委ねれば、苦しいところには資金が流れ難くなって高金利となり、お金が余っている豊かな国に安全を求めて資金が流入するので、豊かな国は更に低金利で資金運用出来て益々有利になります。
ちなみに日本の企業は円高その他で6重苦などとマスコミが宣伝していますが、物ごとには裏表が必ずあります。
日本の円独歩高とは(貿易黒字あるいは投機資金流入によるものであれ、いずれにせよ)資金流入超過ということですから、資金流入→その分資金余剰で低金利になり、国内企業は資金調達が世界一有利になっています。
この話は何回も書いていますが、ある国で同じく数百億ドルの投資をするのに高金利国の企業は例えば5〜6%の金利負担で工場を新設するしかないのに、日本企業は1%前後の超低金利で資金調達して新規工場稼働出来ます。
仕入れ価格を約5%安く仕入れて競争相手と競争しているようなもの(仕入れも多くは銀行融資や保障でしていますので、金利負担の差が大きい)ですから、もの凄く有利な競争をしています。
その上仮に1割円高になると現地貨幣への両替に際しても、従来5000億円必要だったのが4500億円で済むのですから、現地への投資資金元本自体が1割少なくて済み、現地企業よりも当初から競争も同率で有利になります。
ちなみに今朝の日経朝刊11面真ん中囲み記事には、「トヨタの普通社債の発行金利が0・186%と記載されています。
大手企業のお多くは0.2%以下で資金調達していることが報じられています。
その他書き出せばキリがないですが、円高は消費者にとって有利なだけではなく企業にとっても悪いことばかりではありません。
バブルで高額の土地を買って損した人がいれば、その対極に吊り上がった高値で売り抜けて得した人がいるし、国債が1000兆円があればその対極にほぼ同額の国債保有者が国内にいて、更には国債によって形成した資産(公共工事によって出来上がった資産・・学校用地の買収など)があるのに、これを報道しないで債務ばかり報道しているのを批判してきましたがこれと同じです。
物事には裏表・バランスシート的に双方の事象があるのにマスコミはいつも一方ばかり強調する傾向があって、国民の判断材料提供者としては問題があります。
話がそれてしまいましたが、生産向けの投資資金融資の場合利潤を生むのでその分け前としての金利を期待するのは合理的ですが、低成長社会では成長率に合わせた低金利にするしかないし、・・消費者向け融資には利潤を生む余地がないのでプラス金利は合理的ではありません。
生活に困っている人に対する消費者向け融資は、本来元本の何割か返せれば上出来と言うマイナス金利であるべきです。
市場原理主義・新自由主義批判論者は、消費信用分野では正しいことを言っていることになります。
生活に困って借りたとすれば「御陰さまで、これだけ残りましたありがとう御座いました」と借りたお金の何割かだけ返せば上出来という経済原理ですから、本来消費者信用は社会保障分野の問題で市場原理を働かせては行けない分野です。
約10年前、06/04/02「社会システムの大型化と細やかなサービス4」前後で「サラ金は生活保護の一変形である」(社会保障システムの不備がサラ金禍を招いている)と言う意見を連載したことがありますので参照して下さい。
(2002年〜2010年8月31日までの旧バージョンコラムの検索は、この表紙の写真の下についている「このサイトについて」というところをクリックすると以前の方式によるコラムのアドレスが出ますのでクリックしていただければ検索できます)
サラ金問題は社会保障分野であると書いたのは上記のとおり約10年前の意見ですが、その後(私の意見が浸透したのかどうか不明ですが・・)サラ金に頼る生活苦は社会保障分野であるという認識が広がった結果、最近では(地元市会議員の配布して来たデータによると千葉市で言えば約1、8%)生活保護受給者が増え過ぎて困るほどになってきました。
私は、サラ金苦問題はその殆どが社会保障分野の問題であると書きましたが、だからと言って直ちに生活保護需給に走れと主張したのではありません。
その解決策としては06/07/02「社会の大型化と細やかなサービス7(公営住宅家賃未払いと貸し付け制度)」前後のコラムで社会保障の一環としての貸し付け制度の創設が合理的であると提案して来ました。
貸付金を社会保障の一環として考えれば、全額回収出来なくとも8割でも5割でもあるいは3割でも・・少しでも回収出来れば上出来です。
消費信用・・使ってしまう資金の場合、マイナス金利(元本割れ)で良いのじゃないかと言う応用編です。
病気高齢・障害等に入らないいわゆる「その他受給者(健康な若者がタマタマ職がないだけ)」の場合、生活保護だと一旦受給者になってしまうとそこで安住してしまうリスクがありますが、社会保障的貸付金の場合、何とか返そうと努力する人が多いので社会復帰が期待出来ます。
元金全部と利息を付けて返せと言われたら、消費信用の借り手は夜逃げか破産または生活保護に逃げるしかありません。
利息を付けて返すか破産するか、あるいは生活保護に逃げ込むかという二者択一ではなく、返せる限度で返せば良いという(これはそのとき考えついた一例に過ぎず、外にも似たような解決案があるだろうという意味で)06/07/02「社会の大型化と細やかなサービス7」を提唱していました。
私の提唱した(パソコン利用が出来るようになってコラムに書いたのは約10年前ですが、こうした意見は昭和50年代から事件処理の度に関係者に言ってました)消費信用は社会保障分野の問題であるという意識が社会一般(法律家)に一般に根付いたのは有り難いですが、苦しければ生活保護しかないという短絡的方向へ進んでしまったのは、国民や行政・関係者の工夫不足ではないでしょうか?

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC