都民ファーストの実態4(離党議員の主張2)

昨日引用のhttps://thepage.jp/tokyo/detail/20171005-00000013-wordleafからの続きです。

音喜多氏が離党を決意した経緯
私が離党を決断した理由は大きく3つございます。1つ目は、都民ファーストの会のガバナンス、とりわけ情報公開の不徹底です。そして2つ目は国政政党・希望の党への抵抗感、そして3つ目が小池都知事の都政に対する姿勢への疑問です。それぞれ、ご説明をさせていただきたいと思います。
1つ目のまず都民ファーストの会の運営方針。とりわけ公約の一丁目一番地である情報公開が極めて不徹底な状態にあることでございます。もちろんそれぞれの職責のある方々、とりわけ都議会議員の皆さまが十分頑張っていらっしゃることは、私はよく存じております。しかしながら数度にわたる代表交代の際に象徴されるように、55人もの都議会議員がいながら、この代表人事は密室でたった3名、数名の役員によって行われ、われわれには一切の理由、その過程が知らされることはありませんでした。これでは、いつ、どこで、誰が、何を決めているのか、さっぱり分からない。ブラックボックスそのものではないのか。われわれが非難をしてきた、まさにそのブラックボックスを、今度は私たち自身がつくり出しているのではないか。そのように率直に感じています。
これは情報公開、そして民主的なプロセスという観点からも極めて重大な問題です。議員によって程度の差はあったようですが、少なくとも言論統制、取材規制、こういったものも行われておりました。私に関して言えば、ほとんどのメディアに出ることは事実上、禁じられ、議員個人の自由な意見を述べることはできませんでした。議員が自分の考えを外部に伝えるのは、民主主義の極めて重要な役割の1つです。これを制限されれば都民、有権者に十分な情報を伝えることはできません。政党としてやってはいけない、致命的な、ガバナンスの欠如ではないかと思います。
こうしたことを許す党規約自体も、代表や一部幹部による独裁とも言えるものが可能となっているもので、早急に改善が必要であると考えています。新人が多く、まだ未熟な組織であるから、制約が必要であるということも一定数、理解はいたします。しかしながら、まだまだこのように、公約にあった情報公開、これが不十分なうちに国政政党の選挙に力を尽くすような状態は、私は順番が逆であると思います。
2点目は国政政党・希望の党への抵抗感です。小池百合子知事が代表として発足した希望の党にはまだ詳細な公約も発表されないうちから、右から左まで思想も政策も理念も異なる政治家たちが200名近く集まっておられます。私にはどうしてもこれは選挙目当ての野合のようにしか思えません。仮に私が都民ファーストの会にこのまま残れば姉妹政党として、この希望の党を無条件で応援しなければならなくなる。それは私は政治家としての許容範囲を越えていると、そのように判断をいたしました。
3点目は、以上の2点も含めまして小池知事の政治姿勢に、残念ながら私自身が疑念を持ってしまったことです。国政政党の代表と東京都知事。二足のわらじが悪いというわけでは必ずしもありません。しかしながら今の東京都には豊洲市場の移転問題、オリンピック・パラリンピック、さまざまな課題が山積しています。この状態で国政進出に手を伸ばすことが果たして正しいのでしょうか。そして何より都知事自身が都議選の直後、都民ファーストの会の代表を都知事職に専念するからと言って突然、退任をされました。そういった理由であるからということで私自身も、急な発表ではあったものの自分自身を納得させてここまでやってまいりました。しかしそこから期間を待たずして国政政党を立ち上げて自らその代表に就任される。これはどうしても私は受け止めきることができません。」

上田、音喜多両氏の離党理由を見ると、小池氏が都知事選に立候補した時に応援してくれた大切な当初支持者を大事にしなかった実態・しかも都民ファーストが、都議選で50名だったか?大きくなった結果当初支持者が隅に?追いやられるようになっていった流れや、内部にいたことから、小池氏のグループ統率の仕方が如実に伝わってきます。
http://otokitashun.com/blog/togikai/12196/からの引用です。

通例であれば都議会議長や各会派の代表者が参列する登庁セレモニーになんと、通例であれば都議会議長や各会派の代表者が参列する登庁セレモニーに軒並み都議会議員たちが欠席し、出席したのはかがやけTokyo3人のみ

上記の通り上田議員や音喜多議員は、小池フィーバーによって急浮上した新人ではなく、小池立候補を担ぎ上げたたった数人の都議3人の内の2人であったようです。
文字通り最も大切にすべき股肱の仲間です。
都議選の結果50名もの都民ファーストの議員が当選したことで彼らがはずされ始めたようです。
都議選が終わって9月都議会が始まるとほとんどが新人中心の都民ファーストの会派では、それまでの都の懸案も具体的実情も不明で、どこでどの程度の発言をしてよいか不明・・結果的に都知事の都政方針を黙って聞いて拍手するだけの翼賛機関化している・・議会の意味は何か?という遠慮がちな批判報道が出ていました。
何のための知事と議会との二元代表制か?小池知事前よりも双方の緊張関係がなくなっている批判です。
この辺が議員内閣制の国会との違いです。
国会議員の中から総理が選任されていますが、二元代表制と言われる都知事の場合、与党議員から選任される選任関係がありません。
与党とは言っても公約や思想方向を支持するというだけの関係ですから、行政府の政策は与党意見が政府意見になるのではなくまず行政府内で作りあげた政策に、議会側としてはこれを承認するかという順序の違いがあります。
与党でも議会は議会の職務として、知事とは別個独立して首長をチェックする職務があります。
アメリカのトランプ大統領と共和党の関係は文字通りそういう緊張関係で運営しています。
メデイア情報によれば新人が多いなら当面そういうものだろうと思っていましたが、上記議員を当初都議団幹事長にしていたものの、公的資料要求をしてはならない→議会側の独自政策提言や議員の対外発言禁止しをしていたというのですから驚きです。
(当面野党であっても)所属議員に対外外発言を禁じていたとは国政の一端を担うべき政党の運営方法としては驚きです。
「党ができて間がないので個々の議員が好き勝手な意見を言われては困る」という仕方のない面もあったでしょうが・・。
それは禁止によるのではなく、「発言には気をつけてください」という指導の問題でしょうし、その前提として党内意思統一に努める努力・成果があってのことでしょう。
離党した両都議にとっては政治の「透明化」がキーワードであったようですが、小池氏が都知事になってからの政治手法が真逆だったというのが彼らの主張で、そうなると彼らの政治理念に基づく政治発言は、都知事当選=都議会戦後の小池氏周辺に集まる多数派と相容れない結果あつれきを生み発言禁止となっていったのでしょうか。
ちょっと読むと物言う政治家は邪魔・議会多数を握るコマでさえあれば良いと言わんばかりの小池氏の独善的党運営のイメージですが、小池氏の政治手法がメデイアパフォーマス中心である以上は、小池氏の直感的発言に頼る→意見を積み上げる政治向きではない面もあるだろうなとは思います。
小池フィーバー失速前から内部では都知事選で応援した小グループの政治集団の人材を次々と弾き出している・あるいは遠心力が強まっている基礎構造が出てきましたが、音喜多氏らの所属していたみんなの党といえば渡辺喜美氏の創設した国政政党の流れを組む地域政党でしょうか?
あながち大量得票には右翼や左翼の両端が邪魔になったというばかりではなさそうです・独裁運営するには経験のある政治家あるいは「独自の理想を主張する政治家はいらない」点に共通項がありそうな印象が出てきました。
簡単に言えば自分一人に焦点が当たれば良いパターンでナンバー2は不要というよりも邪魔なタイプです。

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