総選挙と民度1

都民ファーストとは言うものの、希望の党の名称や「しがらみをリセットする」という内実なしのキャッチフレーズと同じで具体的に何をどうするのか見えない・トランプ氏のフレーズをあんちょこに借用している印象がぬぐえません。
東京都民の稼いだ富が地方に投資されて使われ、都民が汗を流して稼いだ富が地方に収奪されているのかと言えば、逆でしょう。
これ以上東京都が富を独り占めすべきか?富の東京集中の方向性こそを、このままで良いのか論じなければならない段階です。
地方収奪・地方の工場生産による企業利益や地方支店売り上げ等が本社所在地の大都会の収益になってしまう・・富が集中する社会システム全体こそ長期的視点で議論されるべきです。
2003年10/02に「地方自治と人材3(憲法38)」前後のシリーズで地方疲弊の仕組みの一つとして、地方の親が大金を投じて次世代を養育してようやく一人前にすると都会に就職して人材を奪われてしまう・・親が死ねば相続で地方のお金を都会に持って行ってしまう・・肥料をやらないで農地から食料を収穫し、樹木から果樹をとっている一方的関係に似ていて(肥料を補充しないと)土地が痩せるのと同じで地方が疲弊するに決まっていると書いたことがあります。
この肥料に相当するのが地方交付税その他繰り替えし行われている地方振興策です。
いくら振興策を繰り返しても効果がないという尤もらし批判が多いですが、果樹園や農地から毎年収穫する以上は、収穫に見合った肥料や種まきも土地を耕すのも毎年(際限なく)必要なのは当然です。
地方工場出荷・販売代金を本社経理部で管理する以上は、現地工場経費・資材購入費も本社から送金・払うのは当たり前でしょう。
小池氏の都民ファーストのフレーズは・・地方の営みの成果が大都会に集中するのを今以上に地方から富を都に吸収して良いかの大きなテーマを検討した上のフレーズとは到底思えません。
こうした実質変革の内容を伴わない流行語に軽く便乗する「都民ファースト」ではなく、日本列島全体の首都・王者として列島全体の指導者として振舞ってもらわないと困るのですから、「都民ファースト」の標語は心無い都民のエゴに訴えたかも知れれませんが、我が国民族一体感の実態に反したもの・・イメージ誤流用の誤った戦略と受け止めた人が多いでしょう。
マスメデイアは、「安倍政権の支持率を下げられれば大喜び」という立ち位置なのか?この党こそ「希望がある」とばかりにしきりに小池氏の立ち上げた「希望の党」を持ち上げていましたが、10月22日投開票の衆議院選挙の結果を見ると一般庶民はメデイアの宣伝に乗らずに冷静に見ていたようです。
護憲・革新という矛盾概念を標榜する超保守勢力を囃し立てるメデイア界では、総選挙で小池氏が国政に打って出れば、保守系として知事戦を戦った小池新党が都議選並みに保守票を何割か食うに違いない・・保守分裂選挙で自民党が大負けするとの読みでした。
安倍政権が倒れる前提で大喜びのシュミレーション・小池氏を軸にしたいく通りかの連立政権の組み合わせ議論がメデイア会では一色になっていました。
そのためには小池氏地盤の東京都内だけではなく、自民党議員大幅減にならないので希望の党が全国的に立候補させることが必要という議論が進んでいました。
・・ただ小池新党が各地の自民票を食うために全国的に候補者を立てるには資金力がないし組織もない・・(二百人以上の立候補になると供託金だけでも巨大です)・・・これがネックでした。
安倍氏による想定外の?奇襲攻撃的解散のために慌てて立ち上げた急ごしらえ政党のために全国で200名もの候補者を発掘する作業が間に合わない・候補者すらいないばかりか手足になるべき地方組織・・足腰も資金もありません。
そこでまず資金供給源として編み出されたのが民進党公認予定の候補をそっくり受け入れてそのまま希望の党の公認と切り替える・連合の運動員(組合員)もそのまま引き継げる「見え透いた』奇策でした。
この合流決定は連合も交えた三者協議だったといわれるのは、選挙に必須の手足となるべき運動員確保のためでもあったでしょう。
一般に政党で公認すると選挙資金・公認候補者に供託金程度・数百万円以上出すのが普通らしいですが、「希望の党」の場合逆に、公認条件として巨額資金を提出させる報道が出ていました。
その手順として、希望の党へ公認申請/民進党員脱退直前に、民進党は民進党各支部長(原則として公認予定者)宛に一人当たり2000万円配布したという報道がありました。
その資金を希望の党公認御礼として希望の党に拠出する手順です。
この種情報が漏れ始めて民進党の資金を希望の党へ事実上移し替える脱法行為?の裏工作が、合流発表の舞台裏で行われていたイメージが浸透し始めました。
全て民進党に頼るのでは、民進党党首の顔を選挙の時だけ臨時に「雇われマダム・小池氏」にしたのとどのように違うのか?と国民多くが疑問を持ったのがこの奇策の弱点でした。
マスメデイアが表面上「小池よいしょ」的記事を洪水のように流している裏で、こういう裏情報も客観情報として並行して報道されていた事実を見ると、メデイアが一方に偏っていたという批判が当たらないのかもしれません。
あるいは大見出し等では小池人気を煽っているものの、内部でこれを不満な中堅がいて小さな情報としてそれとなくパラパラと流す反骨人士がいただけかもしれません。
民度レベル・表題等のイメージに左右される層が厚ければ、大手メデイアの動向・芸能人をスター化するようにメデイアが作り上げる虚像が人気投票・・世論を決めて行きますが、民度が上がってくると虚像だけでは動かない・・内容をじっくり読む・・ネットの方が詳しいのでこれを読み比べる人が多くなると実際の行動を見て自分で総合判断する人が増えてきます。
メデイアの評価(イメージづくり)を知りたいのではなく、国民はデータさえ提供してくれれば自分でどう言う人か政党かを判断する時代です。
民進党の両院議員総会では前原代表は「全員合流できるように努力します」表明したということで(民進党立候補予定者全員合流を期待して)満場一致で合流方針支持したのは(その他の党員はそのまま民進党に残して)まず希望の党へ合流する意味は、希望の党の公認候補になりたい「だけ」と言うやり方です。
(選挙となればそのノウハウ・問い合わせに対する指導などのバックアップが必要ですが、希望の党は9月25日に立党宣言をしたばかりで党組織・代表選定過程やとか幹事長やその他各種決定手続きや機関そのものすら決まっていない・「排除論理」もどういう機関決定を経たのかすら不明・小池氏の思いつきでコロコロ変わって行くイメージです)そもそもバックアップするほどの能力のある党組織や事務局というものがありません。
民進党の党組織がそのまま残って立候補者だけ移籍するということは、喧嘩別れの離党ではなく満場一致の全員合流目標ですから、事実上彼ら立候補者のために後方部隊として動く意味があるのでしょう。
民進党が希望の党に資金協力や運動員で協力するメリットは、民進党は党勢の激しい落ち込みを理由に蓮舫代表が辞任したばかりで党勢はジリ貧の一途でしたから、このまま選挙戦突入では大規模落選?解党的結果になるリスクが予想されていました・・・。
直前民進党の支持率はhttps://matome.naver.jp/odai/2149310737439254701からの引用です。

支持層の高齢化が進んでいるのが民進党だ。今年12月の調査で、民進党支持層の60歳以上の占める割合は、62・0%に達した。共産党の60・5%も上回っている。旧民主党政権時代は50%前後で自民党と大差なかったが、徐々に増加。
出典【政治デスクノート】自民党に異変 “シルバー政党”化が進む民進党を尻目に若者の支持を獲得(3/3ページ) – 産経ニュース
政党支持率は、民進党が6・6%(同1・8ポイント減)で、昨年3月の結党後、最低となった。
出典世論調査で民進党の支持率「大きく下落」に皮肉続出「森友頑張ったのに」「審議拒否と騒いだのに」 | BuzzNews.JP

このままで選挙になると現職続々落選?大変だという恐怖感から、蓮舫氏が代表を辞任せざるを得なくなり、17年9月1日代表選が実施されたのですが、前原代表選出後の支持率は以下の通りです。

代表選とは何だったのか…民進党支持率、さっそく低下7%→5% 「前原氏に期待せず」39%

代表選とは何だったのか…民進党支持率、さっそく低下7%→5% 「前原氏に期待せず」39%
毎日新聞は2、3両日、全国世論調査を実施した。
1日の民進党代表選で選ばれた前原誠司代表に「期待しない」との回答は39%で、「期待する」の31%を上回り、「関心がない」も24%あった。
上記の通り同党の支持率は5%と低迷したままで、代表交代による浮揚効果は今のところ出ていない。」

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