中国と西欧接近1(信義の重要性1)

西欧企業は日本企業に比べれば不親切なので、日本企業と入れ代えるのは経済発展全体にブレーキになるとしても兎も角日本の抜けた穴を埋めて欲しい・・背に腹は代えられないのが中国の事情でしょう。
それと、日本が技術移転しないならば・・と言う当て馬的利用を考えている様子が見えます・・日本企業にとしてもある程度競争環境がある方が刺激になって良い面があります。
新規進出する企業があれば(フォルクスワーゲンの追加投資の記事を20日に紹介しましたが・・)当面工場新設など資本投下するので中国の外貨準備減少の穴埋めにはなります。
中国民度の限界・・中進国の罠に陥るのが目前・・しかも爆買い・・債務を膨らませるだけ膨らませているリスクを見て日米が見限って次々と退いた後に、「その隙に!」とばかりに遅れて参入した独仏等の西欧諸国は最後のババを引く可能性があります。
正々堂々と戦って負けたなら負けた方も受入れ易いし、勝った方も実力がありますが、競争相手の弱みや隙をついて進出するのでは(本来の実力がない場合が多いので長期的には)何事もうまく行きません。
戦争に引きずり込んだアメリカの陰謀・狡さ・原爆投下に限らず人民を焼き殺し尽くす全土にわたる焼夷弾攻撃は許し難い気持ちがあるとしても、戦いそのものではアメリカとは正々堂々と「戦って負けた」と言う日本人の気持ちがあります。
5月26日からの伊勢志摩サミットのために来日したオバマ大統領が広島訪問計画が発表されたときに、原爆投下についてオバマ大統領に謝罪を求めないのか?と何故か煽るマスコミ記事がときどきありましたが、多くの日本人は、「慰霊碑に献花してくれたらそれで良い」それ以上に謝罪を特に求めたくない」と言う人が圧倒的多数でしょう。
日本人には「勝敗はトキの運」・・どちらも戦った相手を道義で責めない・・良く戦ったと相手を讃えあう古代からの美意識があります。
日露海戦に勝ったときも日本軍はロシア軍司令官を武士道に従って讃えました。
戦犯問題の根底には、太平洋戦争が良かった・悪かったかの価値観は人によって違うとしても、あるいは裁判は事実無根か、事後法かどうかの論理以前に「負けた方を裁いて道義的非難するなんて許し難い」と言う美意識があります。
オバマ大統領が仮に仏壇に手を合わせたいとして来た場合、日本式の謝罪・・畳に手をついて謝罪までされたら日本人の方が戸惑う・・「まあまあそこでは・手を挙げて下さい」と言うのが普通ではないでしょうか?
アメリカと違いロシアは戦う相手ではなかったのに、ソ連軍の満州侵入は背後から斬りつけられたような関係ですから、はっきり謝罪して欲しい国民が多いし、謝罪さえしたら良いのかと言うもやもやが残ります。
ソ連が日本の敗戦が決まってから、なだれ込んで何十万人も連行しそのうえ領土まで奪ったことを日本は恨みに思うようになっているだけでも、ロシアは火事場泥棒をした結果帳尻的には損をしています。
北方領土問題はわだかまりの象徴に過ぎず、領土返還よりはこの信頼破壊行為を許せない国民の方が多い筈です。
北方領土だけ返してもらって仲良くしたいと言われても困る人の方が多いでしょうし、まして領土を返してもらうためにお金を使うなど論外です。
言葉の上でロシアが謝っても許さない訳ではないが、人として「信用出来ない」と言う烙印が消えることがないでしょう。
西欧的価値観・・人民と指導者の峻別論理で、スターリン一人の悪行としたいところでしょうが、東日本大震災で弱ったときに中韓と語らってイキナリ北方領土へワザワザ大臣が上陸したり列島周辺ギリギリに威嚇飛行を繰り返したのは、何だったの?となりますから、ロシア人の民族特性として日本国民に焼き付いてしまう損害に気が付かない民度です。
ソ連→ロシアほどではないにしても、中国共産党も韓国も日本と戦った訳ではないのに相手が敗戦した「弱みに付け込んで」竹島を占領したり「敗戦国ガー」と威張っている最低人間の集まりだと言うのが日本人の認識になったでしょう。
正々堂々の競争で勝って進出しているアメリカ軍と違い、相手の隙をついて弱みに付け込んだ進出でうまく行く訳がないと言うのが日本人的価値観です。
反日騒動につけ込んで進出した企業は一時的にうまく行っても長期的には大したことにはならないでしょう。

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