政府と国民4(2項対立2)

2項対立論者は、何かあると国民が困ると見るか、政府や与党=抑圧者だけが困るだけと見るかの2択視点を前提としていて、不祥事や災難が起きるとこれを喝采する方が正しいか困ったことだと思うかによってどちらの側かの区別をしようとするものです。
社会実態はもっと複雑多義であると思う国民が圧倒的多数でしょう。
熊本地震当初ミノモンタ氏のように根拠なく政府批判的アタマごなしの論調(現地応援の政府高官による弁当差し入れ希望のツイッター批判など)が頭出しされていましたが、昨日あたりの報道では政府の対応をプラス評価する意見が多かった世論調査結果が出ています。
ミノモンタ氏のツイッター炎上に関して、政府批判の揚げ足とりに精を出すよりは先ず助け合うことが必要だろうと書いておきましたが、ネット世論発達で、マスコミによる一方的な政府タタキが出来なくなって来た様子・・2項対立論を煽るよりは一丸となった同胞救済が先と言う意見の方が多かったようです。
万年単位で人智が遅れているアメリカ人が乱暴な2択基準を持ち込んで教育強制したために、この70年間世社会を2項対立でしか判断出来ない人材がアメリカのトラの威を借りたマスコミを筆頭にエリートとしてのさばっていたに過ぎません。
今日の風情・・春めいた気分とか初夏らしい空気などにあわせてどのような装いが良いか、どのような色柄が良いか迷っているときに「今日は春か夏かどちらかだ!」「晴れるか雨か」と言う基準で早く決めろよ!と夫に言われると黙ってしまうしかありません・・。
黙っている人(女性・・サイレンとマジョリテイー)はモノゴトの基準が分らないのではなく、大雑把な基準しか分らないテーマ設定者を議論にならないとバカにしているだけです。
単純化・・ミノモンタ氏流に良く考えもせずに一刀両断的に発言する人がもてはやされて来た)に適している戦後エリートを基礎的人材源とする革新系・・民主党政権時代にいわゆる二者択一的判断・・(曖昧模糊とした主張が許されない)吊るし上げ・人民裁判的「事業仕分け」が同政権の目玉だったことがその本質を如実に物語っています。
2項対立的仕分けによれば、政府が何のためにあるのか犯罪摘発は国民のため必要なのか、政府に抑圧・搾取されている国民反抗抑圧のための「摘発組織」としてあるかのテーマとなり、政府をフランス革命前の抑圧組織として理解しているグループは政府統計処理などの充実に対して、何でも反対に傾き易くなります。
テロや災害のない平和安心社会を望む庶民はこれに必要な装置・・プライバシーとの比較の上で街灯設置数が多く街路や公園が明るい方が良いし、防犯カメラ設置場所が多い方が有り難い・・ひいては仮名取引などの不透明社会を望みません。
引っ越せばそのとおり住民登録するし、自分の行動を秘密にしたいと思う人は少ないでしょうからいろんなデータ化に協力的・寛容→アングラ系が跋扈しない社会を望みますが、2項対立図式・・秩序は人民抑圧のためにあるとするグル−プでは現在日本を現在中国社会そのものと見ていて、政府と人民は対立関係にあるべき・・・現に対立していると理解しているように見えます。
社会を権力に連なる階層と非抑圧者の2種類に単純化してみる・・現実の日本を見ずに数千年単位で遅れている中国社会と同視しているからです。
日本社会は昔から(フランス革命よりもずっと前から)、そんな単純な社会ではありません。
食中毒事件1つ例にとってみても、庶民が安心して外食出来なくなる点では社会の信頼関係破壊ですし、地震災害、交通機関混乱や爆破テロもすべて政府権力者が困るだけではなく国民も等しく困るので避けるべき・・事前情報収集体制の整備を求めます。
情報収拾・・預金残高の動きが政府に分っても自分が何も悪いことしたくなければ少しも困りません。
ちなみに、マイナンバ−制度や防犯カメラ、航空機搭乗者者名簿、ホテル宿泊名簿も同様で伝染性疾患患者が出た場合その足取りを調べるためなど必要性があれば調査するだけであって、近所の人が、自分の行動を自由に知ることと同じではありません。
隣近所の人に一々自分の行動を知られたくないのと、統計処理とプライバシー保護とは直接関係ありません。
マスコミが大量データ漏洩を如何にもプライバシー侵害のように宣伝しますが、業者は自分が個人的に知っている友人知人のデータを欲しくって情報を買うのではありません。
漏洩したビッグデータを各種業者は更に加工して成人式直前の女性だけの名簿とか化粧品購入層など需要に応じてダイレクトメール業者に売るのが普通で、商品販売業者(例えば資生堂)でさえその名簿を入手する必要がない・・ダイレクト業者に何万人分として発注するだけでしょう。
このように漏洩名簿は専門業者ごとに加工されて行き、抽象化されて行くのが普通で、隣近所の知り合いが隣の人の情報を欲しくてこれを入手するなど滅多にあり得ない仕組み・・マスコミが喧伝しているようなプライバシイー侵害リスクに直結しないのが原則です。

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