韓国民の行動様式7(紛争解決能力1)

前回(22日)紹介した李庸吉氏論文では、和解率だけはなく、(取り下げ率が低いのは)紛争があると民事の訴えよりはまずは集団暴行や刑事告発する社会・訴訟の目的が賠償よりは医療者に対する怒りや恨み・制裁にあることが原因とも書かれています。
朝鮮社会はハン・恨みの文化・社会とも言いますが、恨みの感情の強さに驚かされます。
ハン・恨みの社会は言うべき正当なことが抑圧され、不正義がまかり通る社会構造が長く続いたことによって形成されたものでしょう。
世界中で抑圧されて来た民族はいくらもありますが、民族の特性としてハン・恨みを公言している民族が外にあるでしょうか?
専制君主制・圧政の歴史としては中国の方が歴史が長いのですが、ハン・恨みの文化になっていませんし、その違い・原因は何でしょうか?
02/21/10「日本の都市と都市国家の違い1」で過去に書いたコラム意見を引用しているように、中国地域は古代商業社会から始まって発展して来た社会だからではないでしょうか?
この辺が物造りに基礎を置く日本とは根本的に違うことを書いて来ました。
朝鮮半島はこうした商業時代や物造り時代をあまり経験しない・・自発的改良行為が殆どないままで来たことと関係があるのでしょうか?
朝鮮半島は漢の時代に楽浪郡その他の出先根拠地として発達して、以降三韓時代を経て高句麗など地元支配者が生まれましたが、高句麗以降を見ても結局は唐〜宋〜元〜明〜清と、中国地域の専制君主の出先機関から始まって属国・・・近代風に言えばずっと植民地支配を受けて来ただけでした。
地元の李氏朝鮮の専制君主制と言っても・その上に更に明や清朝等の上位権力者がいるという圧倒的圧政構図しか知りません。
二重の圧政下にあった結果、自発的工夫を凝らすインセンチブが生まれず、長年停滞したままで来ました。
中国地域の人民も秦始皇帝以来ずっと専制支配下にありましたが、基本的属性が商売熱心ですから、専制君主制の現在版である共産党独裁下にあっても、毒入り餃子であれ毒入りミルクであれ儲けるためには何でもする・・商魂の逞しさには日本人が驚くところです。
・・1週間ほど前では動物園で大型犬をライオンと偽って展示していたところ「ワン」と吠えたので、犬だったことがバレたとCNNで報道されています。
道義を問題にしないところは問題ですが、商魂逞しさこそが中国人のバイタリティの根源です。
「上に政策あれば下に対策あり」と良く言われる国民性・・逞しさがあります。
朝鮮族では古代から圧制に押しひしがれてしまうだけ・・逞しさの欠如が、朴大統領出さえもが公式に「千年忘れない」と言い放つハン・恨みの精神の醸成になったのではないでしょうか?
18日から昨日まで紹介して来た論文は、一般民事事件ではなく医療事件ばかりの統計ですが、一般民事の場合文書偽造されたとか、騙されたなどと相手が悪い・許せないという感情が先立つことがあるのも一応分ります。
一般民事事件では交通事故のように相手の過失よる事件もありますが、圧倒的多数・・債務不履行は故意の事件です。
(借金して返さない・・返さなければないことを知らなかった人は皆無でしょう・・即ち債務不履行は過失ではなく故意の事件です。・・売買代金を払わないののも同じで、故意の事件です)
医療事件の場合、原則として医師に悪意・故意がある場合はごく稀で、100%近くが過失による事故である点が一般民事とは大きな違いです。
医療を施してくれた医師にタマタマ過失があったのではないかと疑い(この段階ではまだ素人の思い込みに過ぎません)を持ったからと言って、集団で押し寄せて施設を破壊したり医師に暴力を働かねばならないほど、感情的に恨んだり許せなくなる合理性がありません。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC