サムスン頼りで良いか?5(サムスンの技術力)

以下は、サムスン研究論文一部引用です。
https://www.ide.go.jp/library/Japanese/Publish/Periodicals/Ajia/pdf/2006_03/01.pdf

韓国半導体産業の技術発展――三星電子の要素技術開発の事例を通じて――吉 岡 英 美
・・・三星電子は,DRAMの次世代製品開発(注2)の側面でも,16M(メガ=100万)世代で先行する日本企業に追いつき,1992年に開発に成功した64M世代以降,開発を先導する立場に立つようになった。
・・・微細化の過程では,前世代の技術では対応できない限界にぶつかることが常であり,これをどのように克服するかが開発課題になる。
既存の技術の応用で対応できなければ,新しい技術を創出してそれを装置化することが必要になるが,後述するように,製造装置に体化される新技術のアイデアは基本的には半導体企業(以下,デバイス企業)の側から発せられ,半導体製造装置企業(以下,装置企業)から出されることはない
・・・・韓国において「組立型技術」の高度化と世界市場での急速なキャッチアップが実現し韓国半導体産業の技術発展したのはなぜだろうか。
加工プログラムを製造技術の要と見れば,NC工作機の製造技術の主な担い手はオペレータであるのに対し,半導体ではプロセス・エンジニアが製造技術を担っている・・・製造装置に体化される新技術のアイデアを検討する「技術ニーズの検討」を行うのは,これまでのところ,デバイス企業のプロセス・エンジニアに限られるという点である。
他のデバイス企業が開発に関わった既存の製造装置を導入して,装置企業が推奨するプロセスとレシピを採用し,自前で調達するのがオペレータだけであれば,そのデバイス企業は「組立型技術」しか保有していないといえる。しかし,「プロセス開発」や「レシピ開発」に自社のプロセス・エンジニアが積極的に関与していれば「加工型技術」を保有しているものと捉えることができ,また「技術ニーズの検討」と「原理実験」まで行っているのであれば,そのデバイス企業は新技術を自ら創出する能力を持っていると評価することができるだろう。

とのことで一般に言われている中韓等の新興国による「技術ただ乗り論」(ただし私の勝手な命名で上記論者がそのように言ってるわけではありません)をサムスンのDRM進化に関しては否定しています。
誤解のないようにさらにいうと、上記論文はサムスンのしかも特定DRM技術進化に関しての分析であって、韓国のその他製造業・・造船や製鉄あるいは車等々現在失速中の製造業いっぱんに関しては以下に紹介する服部論文が当たっている可能性があります。
上記論文で前提として紹介されている私の命名するただ乗り論は以下の通り要約されています。

韓国の工業化の構造を技術的側面から捉えようとした服部によれば,韓国において技術の先端化が可能になったのは,機械類の「マイクロエレクトロニクス化や「メカトロニクス」化によって,製品の生産に必要な技術・熟練のかなりの程度が機械設備のプログラムに代替されたため,その製品を生産する企業の側に技術蓄積や熟練形成がそれほど必要とされなくなったことが背景にあるという。すなわち,技術・熟練が蓄積されていなかった韓国企業でも,資金を動員して「ME」化された最新型の機械設備を先進国から輸入することで,当該産業に参入し急成長することができたのである[Hattori 1999;服 部 2001b]服 部は,このような産業発展のパターンを「技術・熟練節約的発展」と名付け,韓国ではその成長の過程で技術・技能的な蓄積がないがしろにされてきたことを指摘している。以上の議論は,後発の韓国企業が生産のための中間財や資本財を韓国国内で調達することができず,そのうえ生産に必要な技術的基盤がなかった状態にもかかわらず,その製品の生産を開始し世界市場で急速なキャッチアップを果たすことができた要因として説得力をもつ。

以上の通りですが、私の誤解に基づいて間違った引用をしている場合もあり得るので、詳しくは上記に入って直接確認ください。
サムスン自身が日米半導体交渉の結果、日本が技術革新意欲を失ったチャンスを生かし日本のベテラン技術者を技術顧問として招聘して手厚い指導を受けて自社技術にしていったのですから、政治の追い風を生かすかどうかは、長期的には企業の実力次第ということです。
日本のネットでは、欧米の反日攻勢に便乗してサムスンや韓国は「うまいことした」だけという一面的見方が主流ですが、上記によれば16メガバイト以降はサムスン独自の研究開発によるようです。
次の工夫ができるようになるまで日本技術者の努力・協力があったことは確かでしょう。
ただしこの成功は一般製造業と違って半導体・DRM産業の特殊性による(NCの例を引いて書いている箇所をちょっと引用しましたのでお読みください)ところがあるという分析ですので、サムスンがその他の半導体製造でもうまく対応できるかは別問題です。
6月1日に紹介したように、今後の半導体需要は非メモリ分野らしいですが、サムスンはこの分野ではほんの4%前後しかシェアーを持っていない・あまり得意ではないことがわかります。
サムスンが他のメモリ分野でも自前開発できる技術を持てるようになるかは、(今度は日本技術者の協力は考えにくいので)韓国人の総合民度によるでしょう。
日米半導体交渉妥結後も米国の脅威になるのは日本しかないという意味で、欧米によるジャパンパッシングは引き続き、いわゆる失われた20年と揶揄されていたのですが、リーマンショック頃から中国の台頭が目覚ましくなったので、米国は今度は対中パッシングの策を練り始めたようです。
昨日書いたようにアメリカはいつも腕力に任せて一方的強迫ばかりですから、日本に限らず世界中で恨みを買っていて敵を作って来たように見えます。
アメリカ式国際政治スタイルの延長で?新たな標的に対するために今度は手のひら返しで日本を大事な同盟国扱いに豹変したので韓国は戸惑っているでしょうが、プラザ合意以降約30年も欧米による日本叩きの潮流に安心して国内反日教育してきた手前、国民向けにどうやって方向転換して良いかわからない状態に見えます。
前朴大統領は前大統領(李明博)の始めた反日運動を継承するしない立場でしたから、就任当初から慰安婦騒動をさらに一歩進めたものの従来の日本政府と違って、安倍政権は安易な謝罪をせずに頑強にこれを拒否して来たので勝手が違ってしまい、しかも米政府の応援がいつの間にか消えてしまったのでやむなく日韓合意に応じました。
これが国民の怒りを買ったらしくあえなく失脚してしまい、このエネルギーを受けて文在寅大統領が政権獲得出来たのですから、彼が政権につくと日韓合意の骨抜きその他何か反日的行為をしないとおさまりのつかない状態+反米鮮明化するしかない状態で政権が始まりました。
文政権がアメリカの思惑無視で慰安婦問題の蒸し返し・徴用工問題の政治問題化とアメリカの意向をはみ出した南北和解に突き進むようになっている基礎状況というべきでしょう。

メデイアの中立報道3

韓国側で日韓関係修復したいと思って何か言うと、片言隻句を捉えた報道されるリスクが高まったので、韓国側ではみんな黙ってしまっている状態がないかの心配です。
韓国民や韓国政治家が言いたいことが言えない状態になると、嫌韓感情に浸っている人にとって感情論としてはなんとなく相手を言い負かしたような錯覚にとらわれて、気持ちがいい人が多いでしょうが、却って日本が相手の本音を読み間違います。
ヤクザ者が啖呵を切り、あるいは感情的な人が興奮して怒鳴り罵っている時には、興奮している相手が落ち着くまで相手の罵りに反応せずに言わせて置くのが普通ですが、だからと言って、第三者から見て罵っている人の方が正しいと思う人の方が少ないでしょう。
だからこそ言論の自由が民主国家の基礎になっているのです。
同じことは社長と社員の関係、国際関係でも友人関係でも言えます。
だから日本では地位あがれば上がるほど、謙虚に下の者の意見に耳を傾けるようになるのです。
相手が言いたいことを十分言えない関係になると、企業運営や顧客対応・商品開発を間違えますので民主主義とか表現の自由とかイデオロギーの問題ではなく、企業側では顧客ニーズ把握に必死です。
最近は言いたいことをいうのは自己実現の権利だという主張が憲法学会では主流のようですが、この点については何回か反対?疑問意見を書いてきました。
表現の自由は、自己実現が主たる権利でより良い社会になる効能が背景に退くと「弱いものの発言を封じればいい」という方向に結びつきやすいでしょう。
「基本的人権を守るべし」という綺麗事だけであれば、法の処罰さえなければいくらいじめてもいいという方向になりガチですが、弱いものの 言論だって役に立つ・・自分の役にも立つと思えば弱いものの気持ちを大切にするようになりやすいものです。
日本の報道機関は一方の感情におもねたり率先して煽るのではなく、嫌韓感情が強いとしても韓国人が本音でどう思っているのか、冷静・客観的報道に徹するべきでしょう。
日本人がいい気になって耳障りの良い一方的報道だけに接していると、もしかして中立の外野(その他諸国)から見ると不合理な嫌韓感情だけ盛り上がっているように思われてしまう危険があります。
意見全部をきっちり報道し、(今はネット時代ですので文字数の制約がないので、メデイアが勝手に一部取り出し報道する必要性がない)枕詞が気に入らないかどうかは、国民が判断すればいいことです。
現在テーマになっているスワップで言えば、慰安婦騒動最中に到来したスワップ協定期限満了時にもともと日本が頼むからスワップ協定してやったので韓国が頼む必要がないと言い張ったニュースが流れたので、日本側が世論硬化してしまった記憶です。
これも本当にそう言ったのか、朝鮮族特有の枕詞だけで判断するのではなく、全体の文脈でどうだったかも検証する必要があるでしょう。
その頃、韓国からお願いしますといってこない限り日本からどうしますか?と聞く必要がないと麻生大臣が公言する状態となり、以来4〜5年スワップ協定が自動終了したままになっています。
困り切った・苦しい人に「大勢の前でお願いします」と言わせる前に、気を配るのが日本の道徳ではなかったでしょうか?
日本はいつもそのようにして韓国に恥をかかせないように陰徳を積んできたつもりだったのにそれを悪用して逆に攻撃してきたので、今回ばかりは許せないということだったすればそれも一つの判断でしょう。
以下によれば「常々」と言うだけでいつの発言か書いていませんが、今から4〜5年経過したような記憶です。
https://shinjukuacc.com/20161207-01/

麻生副総理は今年8月27日の「日韓財相対話」以前に記者団に対し、日韓スワップについて、
「あれは韓国が必要とするもの。(だから)韓国が要請して来ないと(日本としては応じる必要がない)。」
などと常々公言されていました。また、財務省ウェブサイトで公表されている今年8月27日の「日韓財相対話」の議事録上も、日韓スワップ再開の「提案」は韓国側から行われていることが確認できます。

上記の通り見え透いた嘘を韓国(北朝鮮も場合もすべて「〇〇が悪い」という紋切調の記者会見が普通ですが(民族特性でしょうか?)は公式発言で簡単に言う傾向があるのですが、まず、そのように枕詞を言わないと発言者の地位がもたないジレンマで千年単位で政治をしてきた社会であったからでしょう。
スワップの必要性に関してはプラザ合意以降(チャンスさえあれば円相場を上げようとする欧米の意向もあって)「有事の円」として何十年も通用している日本が、外貨流出に怯える韓国にスワップをお願いするような立場ではあり得ないのは、韓国民どころか世界中が公認するところでしょう。
こういう見え透いた主張→嘘を平気で言う国だと言う認識が日本中で行き渡りました。
歴史を紐解けば、江戸時代の朝鮮通信使の時代にもそのようなやりとりが頻繁にあって間に挟まった対馬藩が、やむなく双方に都合の良いような文書に書き替えてしまった国書偽造事件が起きています。
どちらが先に国書を出すかのせめぎ合いを対馬藩が、こう着状態打破のためにどちらにも都合の良いように改ざんした事件です。
対馬藩宗家のお家騒動に絡んで事件化した記憶です。
明治維新でも似たようなことがおきて、結果的日本が怒ってしまい征韓論に発展したものです。
慰安婦騒動最初の頃にも韓国や中国政治家の交渉では、
「国内向けにこう言わないと困るので言いますが、本当はこういうことですのでご協力お願いします。」
という話が中心だったのに、後になると表向きの話だけ持ち出すのは嘘つきだ、今度こそ許せないという論がネットでいっぱい出ていました。
これに対して韓国側では(日本は中韓の成長に追い上げられて)大人の風格をうしなった・「余裕がなくなったという声が聞こえてきました。
日本からすれば表向き勇ましいこと言っては、裏で揉み手で謝ってくる交渉態度に何十年も我慢してきたが、海外で慰安婦運動・日本批判をするようになると、我慢できる限界を超えたから怒っているという立場でしたから、韓国の反応は開き直りのように見えて「ふざけるな!と余計険悪になったのですが・・。
5月9日ころに紹介した小塩氏の主張・・韓国の対日依存度が低下した以上、「仕方ない」という冷静そうな解説もこのような議論形式の亜流でしょうか。

韓国政治家の表向き主張と本音の違い2(メデイアの中立報道責任1)

貴賓の訪問を求める意識の続き・・対トランプ関係の日韓比較です。https://www.asahi.com/articles/ASM4M3CF0M4MUTFK007.html

岡村夏樹 2019年4月19日11時33分
トランプ夫妻、5月に来日 異例の3カ月連続の首脳会談
政府は19日午前の閣議で、トランプ米大統領とメラニア夫人を5月25~28日に国賓として迎えることを決めた。5月1日に即位する皇太子さまが新天皇として初めて会見する国賓となる。トランプ氏は安倍晋三首相と会談し、北朝鮮問題などについて意見を交わす予定だ。
一方、首相は今月26、27日の日程で米国を訪問し、トランプ氏と会談する。トランプ氏は6月28、29日にも大阪での主要20カ国・地域(G20)首脳会議のため来日予定で、異例の3カ月連続の首脳会談となる。

トランプ氏は翌6月にまた大阪に来る予定ですから、そのうち1回くらい韓国へ行くしかないか?という外交儀礼のようです。
さすがにそこまで断れないだろうという安全パイで、韓国はたった2分しかなかたっと報道されているトランプ氏との首脳会談で要請したのでしょう。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190412-00000018-yonh-kr

4/12(金) 4:57配信
文大統領 トランプ氏に訪韓要請

その成果かどうか不明ですが、トランプ氏も外交儀礼上あまりコケにできないので以下の通り日本へ来たついでによりましょうとなったようです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190516/k10011917701000.html

2019年5月16日 9時06分
ホワイトハウスは15日、声明で、トランプ大統領が来月下旬に開かれるG20大阪サミットに参加するため日本を訪問するのに合わせ、韓国にも訪問すると発表しました。

江戸時代で言えば将軍家が大名の屋敷を訪問するとなれば、御成門(東大の赤門は、加賀前田家が将軍家を迎えた時の御成門です)を造営するなど、一世一代の栄誉でした。
天皇制度は敗戦によって神格を否定したとはいえ、世界に冠たる日本の伝統文化に根ざした日本の文化価値を象徴する至宝中の至宝です。
日本文化が憧れを持って受け入れられるレベルに応じて天皇訪問あるいは拝謁できる価値が上下する関係でしょう。
このように日本の天皇陛下が訪問するということは、国内であればその地域、外国であればその国にとって、名誉なことあるいは国際的地位向上に大きな誉れになる大イベントです。
天皇陛下の政治効用が大きいからといって、軽々に天皇陛下がナーバスな政治問題の取引に天皇陛下を利用すべきかは日本国民が慎重判断すべきことで、外国からの要求、仮に要請であってもそれに反応して決めるべきことでないでしょう。
韓国国会議長の発言が仮に全体として、あるいは本音で日韓友好のためにしたものであったとしても、日本人は天皇陛下を利用するなど恐れ多いこととして、おくびにも出せないほど神経を使うものです。
この辺の機微を弁えない・日本統治下にいたはずなのに・わずか40年の経験では韓国人には理解できない?意見となるのでしょう。
日本における天皇の地位は微妙な理解のもとに成り立っている・・・微妙な間合いを図りながら運営してきたからこそ、時代の変化に揉まれながらも天皇制度が古代から連綿と続いてきたのです。
「機微を弁えないから・・話にならない」と否定するならば・天皇利用などの議論にのれないという正面の議論をすべきであって、片言隻句を捉えて嫌韓感情を煽るのは良くないでしょう。
天安門事件後国際孤立した中国からの天皇陛下訪中(必死の)要請に、日本政府が、戦争で迷惑をかけたことを踏まえて?応じた例もあります。
天皇訪中により名誉回復できて、国際社会復帰の糸口を見いだしたのが中国でした。
とはいえ、どういう場合であっても天皇陛下がお出ましになるのはあくまで親善を固める目的であって相手国の対日要求を取り下げてもらうような政治取引に天皇陛下を利用するようなことは、日本国憲法の精神のみならず国民感情に適合しないことは明らかです。
韓国国会議長の発言前後の文脈・本音発言が翻訳されてきませんが、日本メデイア界が、最近韓国で「またこういう暴言が出た」という(嫌韓感情を煽る)刺激的方向での報道に特化してきたように見えます。
昭和50年代に日本政治家が本音を語ると日本メデイアが「また妄言・失言と騒ぎ立てるので、それに対し中韓が日本で反中韓発言・あるいは靖国参拝や教科書の記述が国内問題になっているのに、被害国の中韓メデイアや政府が問題視しないのはおかしい!と国内問題に波及して追っかけて中韓のメデイアが取り上げ、政府間のトゲになってきた経過が知られています。
慰安婦騒動も靖国参拝の政治問題化まず日本国内で火をつけて、中韓メデイアや政府がやむなく追いかけたものです。
例えば、靖国神社に関するウイキペデイア中の中国関係の記事です。

中華人民共和国政府は、1979年4月にA級戦犯合祀が公になった時から1985年7月までの6年4月間、3人の首相が計21回参拝したことに対しては何の反応も示さなかったが、1985年8月の中曽根首相の参拝以後は、「A級戦犯が合祀されている靖国神社に首相が参拝すること」は、中国に対する日本の侵略戦争を正当化することであり、絶対に容認しないという見解を表明し続けている。

中国は合祀後6年模型化してから苦し紛れに戦犯合祀を批判名目にしていますが、上記引用の通り合祀したのは6年前のことです。
慰安婦騒動も、日本のメデイアが始めたものですが。当時の事実を知っている韓国人の多くが相手にしなかった・最初韓国ではそんな夢物語など相手にしていなかったと言われます。
外国・特に中韓の国民感情を刺激するテーマで日本政府批判のキャンペインを日本国内で張る→自国民の被害がひどいと加害国で問題になっているのに自国政府が無関心で良いのか!の被害国とされている国の報道が過熱する・その国の政府が反応せざるを得なくなる関係悪化を煽る・悪習が批判されたことによって、逆方向で嫌韓感情に便乗して復活して来たようです。
反省の方向が違っていないか?
反省すべきは角度をつける報道をしたことの反省であって、客観事実を中立報道する精神を大事にすることでしょう。

韓国政治家の表向き主張と本音の違い1

韓国が外国からカネを借りているあるいは外資支配されている(外資の海外逃避→為替暴落が怖い)経済構造である以上、国内景気と無関係に利上げをしなければならない事情になるのは仕方がないのかもしれません。
ウオンが下がると対外債務支払額が膨らむ損失と外資引き上げラッシュ→ウオン相場暴落が心配になるようです。
続いて年末の記事です。
https://japanese.joins.com/article/389/248389.html

【社説】韓国経済に近づく米利上げの暗い影
2018年12月21日15時23分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
行き先は険しく、日は暗くなっている。現在、韓国経済が直面している状況だ。国内では主力産業の競争力弱化と反市場政策の余波で生産・消費・投資にわたって経済活力が急激に鈍化している一方、外では米国の利上げが続いている。
・・・韓国銀行が先月30日、1年ぶりに政策金利を1.75%に引き上げて韓米間の金利格差が狭まるかとみられたが、米国が一昨日2.25から2.50%に引き上げたことで両国間の金利格差は再び0.75%ポイントに広がった。こうなれば韓国も利上げ圧迫が強くなる。米利上げに伴う国内証券市場での外国資本離脱の可能性を遮断するためだ。
だが、そのような余力は大きくない。今年から来年まで韓国経済は2%台の低成長トンネルに引き込まれているからだ。むしろ金利を引き下げて景気を刺激しなければならない必要性も出てきた。だが、米国がこのまま利上げを続ければ国内でその圧力を避けるのが難しくなる。特に、1500兆ウォン(約149兆円)に達する家計負債は韓国経済の雷管になっている。貸付金利が上昇し続ければ消費は鈍化して都市銀行は不良債権に苦しめられることになる。

二進も三進もいかなくなって年を越して、予定?通り、年初来マイナス成長に落ち込んだことを11日に紹介しました。
不景気がさらに悪化しても、暴落リスクに直面するよりマシということですが、暴落の心配ない金融政策を自由にしてこられたのは、日本によるスワップがあってこそ可能であったこと・・日韓スワップの必要性がわかります。
慰安婦騒動激化までは、日本のスワップ保証があったので好きなように為替操作や金利政策してこられたのですが、日韓スワップ協定期限が次々と期限が来ても日本が後継続交渉に応じなくなったので金融政策の自由度が狭くなってきました。
日本から見れば親の庇護のおかげで自由に振舞えていたのを知らずに、親に悪態ついて家を飛びだしたものの親と縁が切れたらどこへ行っても「おぼっちゃん」と大事にしてくれなくなったように見えています。
おぼっちゃんの信用で受けていた恩恵が切れたらどうなるかの始まりです。
血縁の場合いつ復縁するかしれないので大事にしてくれますが、仲良かっただけの他人が宿敵関係になれば周囲の態度が大幅に変わるでしょう。
産業界も日本技術が際限なく入ってくる前提でしたが、それもほぼ止まりそうです。
なぜアメリカのわずかの金利上げに耐えられずに大騒ぎし・・困るのか?
韓国の外貨準備が本当は少ないからでしょう。
昨日引用した日経ネット記事の冒頭にあるように「韓国の外貨準備高は10月末時点で4000億ドル(約45兆円)と潤沢だ。ウォン相場も安定している」と宣言しながら同じニュースで続けて利上げやむなしと書くしかないと結論づけて、金利上げ実行に移すところがミソです。
外貨が潤沢=債務より多いならば自国の景気動向だけ考えればいいのであって、なぜ景気下降局面でアメリカに追随して金利上げるしかないの?となります。
潤沢だが外資脱出が怖いと矛盾したことを同じ政策決定理由に書いているのは、本音を理解して欲しいという意味でしょう。
この報道を見れば、本音は資金流出が怖い=外貨準備不足が本当の政策決定理由だろうと99%の人が思うのではないでしょうか?
外貨準備不足・・スワップの必要性に戻ります。
日韓スワップ協定期限直前に日本記者からの質問かどこの質問かも私には不明ですが、懇願しないのか?と聞かれたのに対する応答かなど前後の事情にもより解釈すべきでしょうが、日本では白々しいいつものひらきなおりだという激しい反発が広がりました。
スワップの必要性に関してはプラザ合意以降(チャンスさえあれば円を上げようという欧米の意向もあって)「有事の円」として何十年も通用している日本が、外貨流出に怯える韓国にスワップをお願いするような立場ではあり得ないのは、韓国民どころか世界中が公認するところでしょうが、こういう見え透いた嘘を言う国だと言う認識が日本中で行き渡りました。
慰安婦の蒸し返しや徴用工問題で日本人あげて嫌韓感情が沸き起こっている状態で、韓国国会議長が、「天皇が謝れば・・・」という発言があり、日本人の神経を逆撫でして嫌韓感情を余計高めていますが、彼としては韓国流の枕詞を言っているだけで、本音の方を理解して欲しいという立場でしょうか。
彼の経歴紹介によれば元々日韓議連会長など経歴のあるいわゆる親日系政治家代表的立場の印象ですから、何とか打開したい意欲があったとしても日本人の神経を逆なでするような目的で発言をしたとは普通には考えられません。
善意で天皇陛下のお言葉があれば韓国民の感激は大変なものだから・・・一挙に韓国の反日感情が収まるだろうというような気持ちを表明したのかも知れません。
中韓では表向き天皇責任追及の立場ですが、内心では日本人同様に天皇の存在に対し特別な強い系の念を持っている・・行幸に対する期待がものすごく高いことも事実です。
習近平が主席になる下馬評段階で訪日したときに天皇陛下の謁見?にこだわったことも知られていますし、実はアジア諸国では天皇陛下が直々訪問する場合の重み・相手国国民のうける感激?がまるで違うことも事実でしょう。
現在国際孤立下にある韓国文大統領が、トランプ氏が今年6月に大阪で開催されるG20出席のために来日するときに帰りに韓国に立ち寄って欲しいと運動中でしたが、国際的地位のある人が訪問するのは、非常に名誉なこと・訪問される方にとっては、名誉回復になるのが常識です。
たった2分しかなかったと言われる、トランプ氏との首脳会談での要請らしいです。
ちなみにトランプ氏は5月の即位の礼で日本に来てその時に、大相撲観戦や総理とのゴルフなどもするようです。
トランプ氏は翌6月にまた大阪に来る予定ですから、そのうち1回くらい韓国へ行くしかないか?という外交儀礼のようです。
「さすがにそこまで断れないだろう」という安全パイで韓国は要請したのでしょう。

外貨準備とスワップ1

スワップ拡大傾向の結果、スワップさえあれば政府は経済政策の失敗を隠すために安心して外貨準備やGDPの過大発表が安易に行われるようになって来たように思われます。
比喩的に言えば、真水の外貨準備が緊急時に脱出しそうな外債より500億ドル足りない時に(500億ドル分粉飾していても)スワップ協定の枠が500億ドル以上あれば安泰ですから、スワップ分だけ粉飾許容範囲が広がる仕組みです。
スワップとは、経営者相互扶助同盟のようなもので経営者が自己保身のために粉飾を重ねていてこれがバレて株暴落局面がくれば、経営者連合が買い支え資金を出してくれるので仕手筋との資金投入競争に打ち勝てる仕組みです。
言わば企業が粉飾決算しても倒産しないし責任者処罰もないように保証され、粉飾し放題になったようなものです。
流石に私企業にそんな仕組みは許されない・・これでは株式市場が成り立たないのでそういう発想をすることすら許されないのですが、国家経営の場合だけ人民がかわいそうとか、国際経済秩序大混乱を防ぐという名分で行われるようになってきたように見えます。
上記のうち大混乱を防ぐという点は企業の場合「大きすぎて潰せない」という論理と同じでしかないし、大企業ならどんな不正をしてもいいのか?という論理に勝てないのが一般的です。
企業の場合いかに規模が大きくても、国家全体の粉飾と違って法的開示義務情報が多い上に株式市場・債券市場の相場に日々反映されるので国家のデフォルトと違ってバレるまでの時間差が短いので2000年代に入ってからもエンロン粉飾等々時々世界を騒がせてきました。
リーマンショックも結局は潰すと影響が大きいとの理由では、政府が救済できないという判断でした。
この結果、企業では「大きすぎて潰せない」という過去の(大きさにあぐらをかく)変な風潮は一掃されたように思われます。
ところが国家の場合、この風潮が今だに強固に残っているので無責任な国家運営が行われ財務諸表?粉飾が横行する土台になっているように思われます。
国家を企業に置き換えれば、倒産すれば露頭に迷う従業員がかわいそうという論理でしょうか?
異民族に支配されていたならば別ですが、民族国家であればこそなおさら過去の粉飾を許し・・いわば詐欺商法でうまい汁を一緒に吸い、受益したのもその国民ですから、受益した国民が責任をとるべきでしょう。
30年以上前のことになりましたが、豊田商事という大規模詐欺商法事件がありましたが、この企業を潰すと詐欺商法に関わっていた多数従業員が可哀想だから、破産させない方がいいという意見があったでしょうか?
ベネズエラが今年1月には、何万%というインフレ率になっていると紹介しましたが、メデイア論調の主流は現政権が権力にしがみつくことに対する姿勢批判のみですが、まともに働かずに高騰した原油収入に奢って国際常識無視で突っ走る政権を支持してきたのは、その国民だったのではないでしょうか?
企業倒産の多くが積年の弊の積み重ね(過去のブランドに頼ってダラダラと働く社員が増えて)でじりじりと競争力を失い倒産するのが普通ですが(例外的に特定トップの暴走もあります)、その弊を積み重ねてきたのは従業員一人一人です。
5月11日の日経新聞2p「文在寅政権の2年」に出ていますが、ルノーサムスン工場では昨年10月から、60回以上のストライキを実施したとか、現代自動車労組の法外な?要求が代表例として紹介されています。
仮に現代自動車が倒産した場合、最大の戦犯は経営者と労組でないかと思う人が多くなるでしょう。
ルノーサムスンが、工場閉鎖し労働者が仕事を失う場合、労働者を税金で救済する必要があるかの問題に置き換えたらどうでしょうか?
国家破綻の場合も、無責任な行動を支持してきた国民が相応の責任をとるべきです。
過去の政策を支持してきた国民も一定の責任を負うとしても飢え死にするような最悪自体は別途人道的救済対象でしょうが・・。
スワップの拡大は、その限度で無責任同盟のような効能があります。
大きすぎて潰せないという言葉がバブル前に日本ではやりましたが、バブル崩壊では山一証券その他国策大手銀行も姿を消したように、国家運営破綻の場合も、影響の波及をどう防止するかの知恵をしぼるのとは別に、国家会計の明瞭化システムを国際的に整えるべきでしょう。
これに応じない国は、国際決済取引から除外される国家扱いでも仕方ないのではないでしょうか?
戦争原因の多くは国内政治・国民困窮化に由来する(トップの暴走もありますが)ものですから、経済情報を透明化して健康診断のように早期に国内経済の病根を明らかにして国際社会からノーハウ提供を受けるのが合理的です。
不都合な事実を覆い隠す口実として、国際評価を受けるのを国辱として隠蔽するため、対外強硬論や隣国非難に没頭するのは邪道です。
企業粉飾動機同様に、国家運営がうまくいかないのは指導者の無能によることが多いのですから、経営がうまく行ってない評価を市場で受けるのは政権担当者にとっては恥でしょうが、国辱ではありません。
国辱ものとメデイア総動員していきり立つのは自己責任のすり替えです。
韓国では、アジア通貨危機を乗りきれずIMF管理になったのを政治責任としないで?国辱として、これの再来防止を最大の政治目標化しているようですが、指導者責任の問題を「国辱」という民族の恥意識にずらし、国家運営管理をしたIMF支配に対する怨念に変容させているようです。
外国や国際機関の指導・支配?を受けるのは国政運営能力が1人前でないことを赤裸々にされることですから、政権担当者にとっては文字通り赤っ恥をかかされた思いでしょうが、これを国辱問題にすり替えているのではないでしょうか。
こういう争点ずらしは、日本の明治維新頃以降の李氏朝鮮の右往左往ぶり・朝鮮民族は欧米列強到来にうろたえるばかりで日韓併合に至ったのですが、一人前の政府のテイをなしていなかった結果亡国に至ったのですが、この歴史も自己反省よりは、相手批判ばかりです。
当時の世界大激変の嵐の中で、清朝の縋ったりロシアについたり、自己統治能力がないから世界中が放置できない状態になっていたのが諸外国の介入を招く原因でした。
今でも朝鮮問題が複雑化する一方なのは、自分たちの問題を自分で解決しようとしないで周辺大国を巻き込んでうまく・ずるく立ち回ろうとするから混乱するのです

この10年〜20年の動きを見ると関係国が皆辟易して手を引き始めると見捨てられるのが怖くて核兵器やロケット開発等で注意を引く小細工の繰り返しです。
最近では対米交渉が行き詰まったのでロシアを巻き込もうとして金正恩が4月末頃にロシア訪問しましたが、相手にされなかったようでした。

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