協力要請の日本文化と強制力前提の米国方式1

「日本人は要請に応じる率が高いが外国人は応じない率が高いから」という理由で外国人だけ特別不利な法律を作って強制するようなことは許されません。
公式意見として外国人の協力度が低いからとは言えないのでこの種の合意は暗黙の了解・前提ということだったでしょう。
日本はもともと納得さえすれば協力する社会なので、欧米のような戒厳令その他の強制装置を必要とせず、緊急事態を理由にする強制装置をあらかじめ用意すること自体に国民が簡単に応じない社会です。
これに対して入国前の防疫上の検疫は国際法上の権利ですので、入国前に検査すること自体どこの國も文句言えません。
入国検査の結果法定の指定伝染病であれば国内法に従って隔離、治療強制できます。
以上を比較すれば、船内での検査ならば隔離が難しい上に検査前の隔離期間中は感染者と未感染者の隔離は(検査前なので)論理的に不可能な上に、設備の整った病院とも違う問題があり検査完了までに感染が一定数広がる可能性がある点はほぼ同じです。
日本が潜伏期間の2週間観察するために同一船内に留置したことが感染拡大したと批判されていましたが、どこかホテルを借り切った場合でも、検査完了プラス2週間の待機期間中は誰が感染者か不明のまま同じホテルに同宿(夫婦の場合同室が原則・・しかも豪華客船の客の場合高齢夫婦が主流です)しているリスクは50歩100歩です。
クルーズ船の部屋別隔離ではホテルより隔離成功率が低いという批判でしょうが、こういう批判に対して、米国派遣チャーター機での帰国便利用者は豪華客に比べて何十分の1もないほどの狭い空間で座席一つ間隔くらいでどうやって隔離していたんだ?という批判が日本のネットに出ていました。
仮に陰性になっても(検査の正確性が低いこともあって、2週間経過しないと潜伏期間中か検査の正確性が低い結果か?不明というのが当時(今も)の常識で、日本でのクルーズ船下船許可後米国帰還者は帰国後そのまま2週間隔離されたということでした。
米国その他どこの国だって、検査前に発症者か否かの区分けしかできない点は同じで未発症者同士を隔離する基準がないので、日本社会での外出自粛要請程度・船内パーテイをやめてもらいできるだけ室内にいてもらう程度しかないのは同じです。
船内隔離不合理を指摘し非難していた米国が自国民を帰国させるのに、個室のない狭いチャーター機で10数時間も大勢同じ空気を吸わせたのか?というツッコミです。
米国で一ヶ月後に発生したグランドプリンセス号事件でも、バスに詰め込んで軍事基地、ホテルへの移送をしていましたが、狭いバスにどんどん乗せて行くなどその間の隔離など問題にしない姿勢でした。
パーテイといえば、今回船内感染が拡大したのは、何日もかけて船内検査していたことよるというより、横浜入港前夜船会社主催のサヨナラパーテイみたいなものが、催されていたことが大規模クラスター発生につながった・・検査初日分は10名前後しか陽性がなかったのに1週間ほどで尻上がりに増えたのはその可能性が指摘されています。
緊急事態になっているにも関わらず船会社側の危機意識が低かった・自粛要請では効果のない(英国主権下にある船なので日本政府の要請に応じる必要がないという法律論でしょう)気質がここにも現れています。
政府間交渉で入港を認める代わりに入港後は日本政府の船内管理を認める合意ができたのでしょうか?
明日から日本政府管理になるので、最後の息抜きパーテイを盛大にしましょうということだったのかな?
日本場合、船内検査する代わりに全員検査できる→検査結果陽性反応がでればすぐ入国を認めて指定病院へ直送することが法律上可能です。
横浜市内指定病院への直送用バスをクルーズ船に横付けしていて、そういう運用を実際にしていました。
船内検査の場合、陽性反応の人に対してすぐ入国を認めても即強制隔離が法律上可能で陽性反応者が一人も国内で野放しにならない(拡散防止可能)のに対し、無検査下船=入国後検査を求める方式では外国人から承諾書を得ていてもそれを守ってくれるか・結果は外国人の気持ち次第になるリスクがありました。
外国人観光客がそもそもせっかく観光地に上陸してどこも行かずに観光地の安ホテルで2週間も時間を潰すのに協力するのでは何のために日本にきたのか不明ですし、武漢から帰国者以上の拒否者が出るリスクがあると想定するのが合理的判断でしょう。
国費で救出された人たちでさえ検査拒否者が出たのですから、外国人主体の外航船の場合、一旦入国を認めてしまえば、任意協力する比率が大幅低下することは容易に想像できます。
入港を認めるにあたっての事前交渉で英国政府が非協力で困ったという噂が流れていますが、入国後の任意協力に対する英国政府の協力を求めても相手にされなかったということかもしれません。
3000人を超える人員収容可能なホテルを数日間で手当てするのは物理的に不可能な時間ですので、これも船内検査に決定した大きな理由でしょう。
豪華客船の贅沢な客をビジネスホテルに長期間閉じ込められるか、食事レベル言語その他大きな問題ですが、同じ船内場合、相応の厨房その他外人対応人員も揃っているので過ごしやすいことは確かです・・・。
やはりここは入国前の検疫検査権に頼るしかなかったと見るのが常識的です。
入国前であれば、入国手続きのために2列に並ばせようと3列に並ばせようと1時間かかろうとその国の裁量権の範囲内(英国の出方が国際法を縦に協力しない・・横柄だったのでこういう方向に進むエネルギーになったかな?)です。
検疫検査拒否者(物品輸入を含め)には入国(輸入手続き)拒否する権利があるのも国際公法上の常識です。
日本人として考えれば、船内検査=環境劣悪→検査中の同室者感染が仮に5〜10〜50人増えても陽性と決まれば全員入院させることの可能な仕組みの方が良いと考えるべきか、(5〜10人が検査や自粛に応じないリスク)どうかや英国の出方に業を煮やして入港拒否するかの判断は感染症専門家の専門外の分野です。
感染症専門家・どういう場所ごとに手洗い設備がいるか、防護服体制の準備・一般病棟との出入りの基準、防護製品供給体制を含め・防護品着脱ルールなど手順に詳しい人が、国際法の判断や一定数国内野放しにしても良いか、入国前の検疫をした方が良いかを判断する専門家ではなくこれは高度な政治判断の分野です。

新型コロナの実害比較5(日本の成績2・勝又氏経済時評)

以上メデイア紹介による国外の日本のコロナ対策に対する評論を見てきました。
昨日見た文化論は私の個人的思考に合うものの、素人のイメージとどこが違うのか?大学の歴史学者という違い程度か?・・内容は今一つでした。
たまたま、勝又寿良氏の経済時評が目に止まったので読んでみるとこれが私の感想にぴったりし、かつ具体的ですので、要約紹介しておきます。
https://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/page-3.html

2020-05-24 05:00:00
日本、「25日」全面的コロナ宣言解除が有力、3つの「成功要因」
米『ブルーンバーグ』(5月23日付)は、「新型コロナ、日本独自の要請対応が奏功ー緊急事態全面解除迫る」と題する記事を掲載した。
この記事を執筆した記者に、日本人は一人も入っていない。3人の記者は全員、外国人である。自画自賛的な記事ではないことに注目して貰いたい。
(1)「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言は、21日までに首都圏の1都3県と北海道を除き解除された。安倍晋三首相は、新規感染者数の減少が続けば、これらの地域についても31日の期間満了を待たずに解除する方針を示している。日本の新型コロナ感染症死者は22日時点で808人未満。海外のように厳しい外出制限や罰則を伴わない独自の「要請」対応は、成功裏に終わりを迎えつつあるように見える」
(2)「専門家会議副座長の尾身茂氏は、日本の医療制度、初期のクラスター対策、そして国民の健康意識の高さの3つの要因が寄与したと分析する」
3つの要因とは、次のような内容だ。
1)医療制度の充実
2)初期対応でクラスターを捕捉できた
3)国民の健康意識の高さ

私のニュース捕捉力未熟の故か?日本のコロナ対策を担う中枢専門家の意見が具体的に紹介されているのを見たのはこれが初めてです。
「お前の能力が低いんだよ!」と馬鹿にされて終わりかも知れませんが、尾身氏の意見が国外ニュースで具体的に紹介されて、国内メデイアの多くが報道しない?報道していたにしても目立たない形になっていたとは驚きです。
メデイアの役割は、政府のすることは何でもマイナス評価すれば良い・何かしたり発表があれば、粗探しに特化する・粗探しの前提として政府施策の紹介をするがケチをつける点が見つからないときには報道もしない・・黙殺すれば良いという信念で動いている場合、政府主張の焼き直し意見など紹介する必要がないということかもしれません・・。
上記3点については、勝俣氏が上記記事で敷衍し解説していますの引用します。

以上の3点についてコメントしたい。
1)は、今回のコロナ禍が全額、国費負担であること。患者は、経済面の負担を恐れずに治療を受けられ、これが感染者の拡大を防いだ。海外では、患者負担もありこれが感染者を拡大させている。経済的貧困者に、死亡者が多い理由である。
2)は、保健所が初期段階でクラスターをしらみつぶしに調査して感染源を把握した。東京湾の釣り船では、感染源突き止めた。成功例と指摘されている。
3)は、日本国民の健康意識の高さである。日本人の清潔好きは世界的にも有名である。この日々の生活態度が、ロックダウンをしないでも感染拡大を防いだ。
日本人の寿命は現在、世界で1~2位である。結局、すべての要因は、日々の生活態度がコロナ感染拡大を防ぎ、世界最低の死亡数に止まった。
(3)「ワクチンが市場に出回るまで世界各地で新型コロナの影響は当面続くとされる中、感染症が沈静化に至っていない他国や国内で次の波に備えるために、今回の緊急事態宣言は示唆に富む。まず、早期の対応が大切だ。政府の対応が遅れたとする声がある一方で、1月に国内で初の感染者が確認された時点から保健所が、感染者との濃厚接触者の追跡に動いたことが効果を発揮したとの見方がある。北海道大学公共政策大学院の鈴木一人教授は、日本の方法は「アナログで、シンガポールのようにアプリを使った追跡ではない」が、「とても有効だった」と話す」
(4)「厚生労働省の資料によると、2018年時点で全国の保健師数は約5万3000人で、そのうちの15.3%が保健所に勤務し、普段はインフルエンザや結核などの感染症対策に当たっている。北海道医療大学で感染症を研究する塚本容子教授は、「日本にはCDC(米国の疾病対策センター)のような機関がないとよく言われる」とした上で、「各地の保健所がCDCの役割を果たしている」と指摘した。保健所による感染者の追跡は、ライブハウスやナイトクラブでの集団感染対策にも貢献した」
((3)(4)部分はブルームバーグの引用のようです)
日本では、保健所が米国のCDCの役割を果たしている。全国に8100人余の人々が、感染症対策に従事しているという。この人々が、今回のコロナ禍でフル回転してくれた。(勝俣氏のコメント?)
(5)「2月に横浜に到着したクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号では、乗員乗客含め700人以上が感染し、13人が死亡した。欧米諸国が「対岸の火事」として中国での感染拡大を見守る中、日本は他国より早く新型コロナの集団感染に直面することとなった。このことが国民の危機意識を高めたと指摘する声もある。早稲田大学政治経済学術院の田中幹人准教授は、「各国の多くの人々が、新型コロナはいずれは収まる病気だと楽観視していたころ、日本にとっては家の目の前でクルマが燃えているような状況がしばらく続いた」ため、国民は「コロナに対する警戒感を高めていた」と述べた。専門家らはクルーズ船での対応の経験を生かし、「密閉」、「密集」、「密接」の3要素がそろうと感染リスクが高いと指摘し、政府は「3密」を避けるよう国民に呼び掛けた」
((5)もブルームバーグの引用?)
横浜港に到着したクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号が、日本人にコロナ感染症への警戒感を植え付けたという。ここから、「密閉」、「密集」、「密接」の3要素が揃うと危険という「3蜜警戒」が合い言葉になった。(勝又氏コメント?)
(6)「世界保健機関(WHO)事務局長上級顧問を務める英キングス・カレッジ・ロンドンの渋谷健司教授は、感染者の追跡方法にも改善の余地があると指摘。「時間のかかる聞き取りによる追跡は、小規模の地域限定的な感染には有効」とする一方、「記憶の偏りがある上、アプリで接触者や利用施設を特定するよりは効率的でない」と答えた」。
日本のコロナ第一波は収束するが、第二波、第三波への準備が必要である。それには、下線のような保健所の人海戦術でなく、アプリなどのIT利用を勧めている。国民の意識改革で、受入れるかどうか、議論すべきだろう。経済・生活の行動を制約する現行コストより、はるかに少なくなるメリットはある。(勝又氏意見?)

ブルームバーグ紹介記事と勝又氏のコメントを読むと昨日紹介した抽象的文化論では素人の感想との違いがはっきりしないモヤモヤ感を吹き飛ばしてくれる点で、優れています。
日本は中韓のように当初から個人行動監視では国民が納得しなかったでしょうが、第二波が大規模にやってきたときには、人海戦術では間に合わないことが確かです。
それまでの時間の経過で日本も第二波に対応する心の準備が整うのではないでしょうか?
幕末、アヘン戦争を見てこのままでは植民地にされるという危機感を持っても、産業構造の変革→兵制の近代化や幕藩体制廃止に行き着くまでには時間がかかりました。
時間をかけて納得した結果の明治維新であったからこそ、挙国一致で近代化に邁進できたのです。
今回もコロナ第1波(幕末で言えば、薩英戦争や長州の四国戦争などテストシリーズ)を民族の応用力でなんとか防げましたが、第二波は抜本的産業構造や兵制改革に成功したので本格的開国に対応できたのです。
以心伝心で民族の方向性が一つの方向に向かうと魚群行動のように一糸乱れず統一行動の取れる民族性の解体を目指してGHQはなんでも反対粗探しの批判勢力をメデイア界や教育界に構築して独立を認めました。

新型コロナの実害比較4(日本の成績)

目先の戦略としては合理的な積りかも知れませんが、見え透いた戦略的行動は
長期的に見れば、個人であれ国家や企業であれ底が浅すぎる行動は信用を落すデメリットの方が大きくなります。
日本の東北大震災の時にはロシアが日本列島周回飛行を行い、南西諸島では中国による尖閣諸島侵犯行為が始まり、韓国はこれに呼応して同時に李民博大統領自ら不法占拠中の竹島に上陸して対日強硬姿勢を誇示しました。
「もう日本は終わり」という宣伝が韓国に行き渡ったのでしょう。
その後韓国では反日運動にブレーキがかからなくなり、韓国の行動の幅を狭区してしまいました。
弱った隙に!と言う分かり良すぎる政治は、これら日本周辺3国にとって何か、プラス効果があったのでしょうか?
米国はやられっぱなしでは黙ってられないので、トランプ氏はイキリたっているので、米中間は抜き差しならない争いに発展していく兆しになってきました。
コロナ禍によって今後の産業構造や経済のあり方がガラリと変わるし、これに対する適応力の差によって世界企業の上位も入れ変わるでしょうし、経済大国の顔ぶれも様変わりする可能性があります。
中国はコロナ後の新たな時代への適応に自信を持ち始めたように振舞っている点が後戻りを難しくしそうです。
ゴードン氏の次のテーマ引用に進みます。
https://www.msn.com/ja-jp/news/coronavirus/

(3)文化的・歴史的な要因
・・・「マスクの着用」「玄関で靴を脱ぐ」「誰かと会った際には(握手や抱擁、欧州人のように両頬に口づけをするのではなく、むしろ)お辞儀で挨拶をする」など。
日本の国内外において多くの論者が、日本の比較的ソフトな緊急事態宣言の「特殊さ」を指摘している。
日本の緊急事態宣言は法律に基づくものではあるが、命令や強制的な罰金・拘束を伴うものではなく、あくまで「要請」や「指示」に基づいている。これは他の地域に類を見ないものであり、私自身、特筆すべきことだと感じている。この政策の背景にはいったい何があるのだろう。
・・・・現在、日本政府がCOVID-19への対策として行っている比較的ソフトな緊急事態宣言は、他のアジアの地域や欧州の多くの地域、または米国で行われている厳格な規制とは明らかに異なる。そして、日本政府がかつて行ってきたコレラやハンセン病への対策とも異なる。
・・・・私は今回の日本政府の政策は、個人の自由への介入をけん制するリベラルな価値観へのコミットメントのみによるものではないと捉えている。その源流は明治時代にまでさかのぼり、近代の習慣として「説得による誘導」が国家と社会との関係性において重要な意味を持ったことに端を発している。
という文化差によるという結論的説明は私の持論と一致ですが、この人は明治以降の国策で植えつけられたメッキのように理解しているようで、この点は私見(古来から連綿と続く超長期的民族意識論・・素人論・・いわば願望であって科学的根拠を持つものではありませんが・・)とまるで違います。
次第に私のよう疑問を持つ人が増えてきたらしく、メデイア界も放置できなくなったのでしょうか?
いろんな意見が出てきました。
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/

「コロナ成功国のジャパンで、なぜ安倍政権は支持率急落?」海外政治学者が注目する“日本のナゾ”/ar-BB14DSQE
近藤 奈香 2020/05/27 11:00
「The Japan COVID conundrum(日本における新型コロナの謎)」と題して、海外の政治学者が投稿した連続ツイートが話題になっている。投稿者はトロント大学のフィリップ・リプシー准教授。計13回にわたるツイートの中で、彼が指摘したのは「日本の新型コロナ対応の成功」と、それと相反するような「安倍政権の支持率下落」という、日本社会に見られる“ねじれ現象”である。
〈日本における新型コロナの謎:日本の新型コロナウイルスへの対応は批判にさらされ、安倍首相の支持率にも打撃を与えているが、日本の感染状況はむしろとても良く見える。/直近で行われた国際アンケートによると、新型コロナに対する自国の政治対応を評価する、と答えた日本人はたったの5%と23か国中最低であり、米国で「評価する」と答えた32%を遥かに下回る〉
諸外国と比べてみると、日本は「新型コロナによる犠牲者が少ない(=対応に成功している)」にもかかわらず、「政権の支持率が下落している」という、極めて珍しい国なのだという。世界を襲う“コロナ危機”の中、なぜ日本だけがそうした特殊な状況にあるのか。

結果的に政権側の演出が下手という結論のよう(イメージ)ですが、コロナ騒動が起きるとメデイア界総出で政府施策に対する粗探しに励んで国民に対して政権が右往左往しているイメージづくりに邁進してきた「目くらまし」成果が出ているからではないかと思います。
他国より対応成績が良くても・何をしたって、コロナ禍によって国民の大方が収入減になった現実は変わらない・・やり場のない不満を誰かに向けるしかない時に政権をスケープゴートに仕向けるメデイアの戦略が成功したのではないでしょうか?
他国では政権維持のためには国家民族を危機に陥れても良い・・国外に敵をつくることで活路を見出そうとする時に安倍政権はそれをしないで愚直に経済の底割れを防ぎ国民福利に励んでいることが原因で国民支持を失うとすれば、真面目に政治をするより保身一筋の政治家が増えます。
良き政治家育つかどうかは、メデイアの扇動に煽られ易い民度かどうかのバロメーターというべきでしょうか?
森かけ問題騒動時の世論調査報道と直後の選挙結果が大幅に違ったように、メデイアが一定方向づけ報道した上での世論調査はほんのちょっと時間をおけば禿げるメッキのようなものなのでしょうか?

格差社会の構造(米中と日本社会の違い)2

中国歴代皇帝は遠方の巨大な国が誼を通じて来たという(信じていなかったでしょうが・・・騙されたふりをして?)相応のお土産を与える仕組みが千年単位で続いていたようです。
ですから日本の遣隋使や遣唐使などもほんのちょっと手土産を持って行けばその何倍もお土産をもらえるという結果になっていたのです。
朝貢といい、朝貢に来る諸国を属国のようにいう人がいますが、平和関係にるという程度の関係だったようです。
今でも外交関係を結ぶと大使が原則として相手国の元首との謁見をするのが原則ですが、その儀式を朝貢と言っていたように思われます。
日本は遣隋使や遣唐使を送っても朝鮮族のように冊封される関係になっていません。
テーマがそれましたが、中国では何千年ものあいだ、政府高官は自己の地位維持に汲々として相手から自国がバカにされるか、どうかなど気にしない国益より私益優先の生き方の社会です。
この種のことを世界中でしていただけでなく、昨日紹介したように事もあろうにアメリカ国内で、中国贔屓の議長との誼を本国にひけらかす目的で現地総領事が行ったようですが、いくら親中派の議員でもこんな露骨な文章をもらってそのまま議案提出するわけにはいかない・・度肝を抜いたでしょう。
これがトランプ氏の目に触れたのか?不明ですが、世界中で行なっていることが逆鱗に触れたのが今回の対中口撃騒動の影の主役のようです。
要するに宮廷内の権謀術数に慣れているものの、世間がどう思うか・・多様な目を読む経験がない中国人材の弱点が表面化したものです。
自由主義には独占の弊害が生じるとしても、だからと言って、独裁が良いのではなく独占禁止法という例外制度であるいは貧困の発生については労働者の団結権や争議権などの諸権利を認めたり、各種保険・福祉制度の充実などで対応する方がしなやかです。
さしあたり中国政府・官僚の宣伝競争の行き過ぎが原因で世界孤立化が進む状態になり、中国始まって以来生き抜く大事な知恵と思っていた行動ルールが世界に通じない過ちに気付いて内部は大騒ぎの状態でしょう。
同時に行われた中国政府報道官個人名による「今回のウイルスは米国軍人が撒き散らした」という意見表明も「こんなことを言えば米国が怒るのでないか?」などの配慮に気が回らない・・同じように。上層部の覚えを気にした点取り競争の結果だったのでしょうか。
上記の通り国際世論を読む能力はないとしても、中国の方が被支配者になった経験豊富な分だけ、米国よりもある程度国際政治適応能力が高い可能性があるかもしれません。
戦後は竹のカーテンで欧米との自由競争条件対等化=発展のチャンスを自ら閉ざしていたし、今はまだ共産主義政治→独裁による桎梏がブレーキになっていますが、共産主義政権が倒れ民主化され米中競争条件が同じになれば、こういう意味では、日本保守系ネットでは中国共産党政権の破綻期待が強いですが、共産党政権が倒れて民主化すると中国の国力発揮の制約がなくなり、さらに上がることになります。
中国が民主化されて人の道・道義を守ってくれるならば、(日本はもともとトップを目指す国はないので)どこが世界のリーダーになっても良いことであれば別に矛盾しませんが・・保守系ネット世論はそこまで割り切っていないように見えます。
ただし国際政治は専制政治に向かないので、(弱者の無言の意向を読み取る能力が中国にない点では米国とどっこいどっこいですので)複雑な国際情勢の読みではトランプ氏同様に日本の政治家を頼る必要が高いでしょう。
日本のネット論者の立ち位置を見ていると日本民族のためにという視点よりは、ともかく韓国、中国憎しという熱意中心のように見えます。
ネット言論人もいろいろですが、時には「アメリカが味方になるから日本の勝ち」「文政権はアメリカに見放されているからザマー見ろ」みたいな意見が散見され、正義の基準など問題にしないような意見もあります。
真の愛国者は正義が自国にあるかどうか及び、現実の国際政治の動向に即しているかが重要です。
正義が日本にあるのに不当な国際力学で正義が通らない場合憤るのは自由ですが、日本に正義がないのに米国の支持が日本にあるから・というゴリ押しをするようでは、長期的にみて日本を危険に追い込みます。
韓国も無茶を言う国のままでは隣国として困ったものですが、もともとそういう民族性だったのか、戦後米国が日本の背後で足を引っ張る存在を必要としてそそのかされてたので、虎の威を借る狐として正義に反する主張を繰り返す習性が身についただけかもしれません。
今になって韓国が米国に梯子を外されると、正義に反する主張をしてきた分に比例して苦難が待っているでしょう。
正義に反したごり押しをしていれば、自分の社会に大きな無理を抱えたままになる・・権力に媚びて無理が通る社会になってしまうと、自国社会の道義を歪めてしまうので結果的に発展が阻害されるので、本当の意味の競争相手・日本にとって脅威にならない点は同じです。
日本も自国主張が正義(時期にあっているかを含め)に合致するかどうかが重要で、米国が味方してくれるからという基準で強気に出るのは危険です。

格差社会の構造(米中と日本社会の違い)1

エリートのピンポイント輸入に頼る米国と中国の違いは、異民族支配に柔軟対応するために自前の士大夫階層(一種の官僚機構構成層・中堅人材)がかなり大量存在する=層の厚さが違う感じです。
日本がGHQ支配に柔軟対応できたのと同じです。
日本が中国のように異民族支配を受けた経験がないのにをうまく受けれられたのは、京の朝廷・公卿集団が、次々と勃興して来る武家集団をうまく手なづけてきた長年の経験プラス徳川体制下における外様大名の多様な生き残り経験を活かしたものでしょう。
中央の宮廷官僚だけでなく各地方ごとに、その種人材が多様に存在してい社会であったことが重要です。
中国や朝鮮民族の場合、占領軍・専制支配体制下の生き残り策なので政治工作対象が一点に絞られる単線構造に対して、日本武士団の覇者・幕府は連合政府形態なので同輩が多い点が特徴です。
大和朝廷も諸豪族連立で成立している関係で古来から合議で決めて行くのが慣例でしたが、武家政権になると戦闘場面の延長で指揮官の号令一下のイメージですが、実態はそうでもありません。
戦闘現場での大きな戦略決定・軍議でさえも日々軍議を開いて翌朝(払暁)からの手順を決めて行く仕組みですし、まして内政になると鎌倉幕府は執権政治・・合議で決めて行くのが基本でした。
その合議は、(中流御家人以下の民意吸収能力のある)有力御家人の意向など忖度して決めていかないと政権が浮き上がるリスクがあり結果的に民意吸収能力が問われる仕組みでした。
徳川政権下でも有力諸侯の意見を無視できないというよりは、有力諸侯とは発言力のある諸侯という意味ですし、発言力があるという意味は、中小大名の意向を汲み取り代弁するのに長けた大名という意味であり、時流に関係なく正論であれば良い社会ではありません。
水戸家が尊皇攘夷論では先行していたのに、肝心の維新本番ではほとんど役割を果たせなかったのは、民心や時流の動きとか無関係な主張をしていた・現在の野党的批判論でしかなかったことによります。
水戸家から一橋慶喜を出していて水戸勤王党にとっては期待の星でしたが、彼は名門の一橋家を継いだことで政治力がなくとも知的能力が高かったかもしれませんが、地位による発言力があったという意味でしかなく、中小大名でありながら実力で発言力を持っていた大名に比べて政治力がイマイチだった印象です。
学問と違い政治の世界では、時期尚早の意見を否決されて、自分は1年前から主張していたと自慢しても意味がないのであって、必要時に主張する能力が政治には求められます。
真夏にセーターを着たいと言って馬鹿にされた人が冬になって自分が半年前に言ったことが正しかったというと笑われるのと同じです。
幕末に松平春嶽その他の小大名の活躍、あるいは山内容堂の大政奉還論は、こういう能力があったからです。
大大名は軽率に旗幟鮮明にできないので、こういう中小大名のアドバルーンを利用して形勢を読み時流に乗る体制で、これは鎌倉幕府崩壊時の足利尊氏の動きとも似ています。
明治憲法下の内閣制でも総理は首班と言われたように、同輩のトップでしかないのが特徴です。
占領軍支配に対するにしても、日本は複雑対応人材が多様に存在していたので難局をうまく切り抜けられたのです。
中国は1極支配の単純支配に対応する能力はありますが、国際社会は複雑です。
今回のコロナ禍でも、結果的に個人情報を徹底的監視体制を応用してうまく対応できたというのが自慢のようですが、それを自分で世界に自慢して触れ回ることではありません。
今朝(24日)の日経新聞朝刊6pのフィナンシャルタイムズ提携の署名入りオピニオン紙面には、「自滅した中国コロナ外交の大見出しで、米国ウイスコンシン州議会議長に対して中国政府から「中国の新型コロナ感染拡大に対する取り組みを賞賛する決議案を議会に提出してほしい」という趣旨の電子メールが届き、メールには決議文の案文が添付されていて、その内容は中国共産党がイカに素晴らしく対応したかといった論点や主張が列記されており決議にかけるには怪しすぎたので議長はイタズラだと思って、その議長は、外国政府が、州議会に直接法案の可決を求めるなど聞いたことがない」とこの記事の筆者に語ったということです。
ところがそのメールが中国総領事館からの公式電文だったと分かったという驚きの記事です。
こんな運動をして相手がどう思うか全く念頭にない・・・自分が中央政府にどれだけゴマスリできるかしか眼中にない社会です。
岡田英弘氏の論文を読んだころの印象しか記憶がないので誤解も混じっていますが、魏志倭人伝があてにならない理由として、中国のごますり競争が背後にあって、当時実力者司馬氏と曹操の子孫の政争中で、一方が西域諸国のとりまとめに成功した報告があったので、他方は対抗上東方海上の大国(邪馬台国のことです)が朝貢に来ることになったと誇大報告する必要があり、このためにあちらに千里さらに曲って何千里とものすごい誇張した路程が必要になったという解説です。
同氏は魏志倭人伝の説明通りに地図を書いていくと日本はフィリッピンあたりになるオーストラリア大陸くらいの巨大な遠方の国になってしまうようなイメージをうけて読んだ記憶です。
このように朝貢の歴史といっても権力競争している方が、大げさなお土産を持って来たと披瀝しなければならないので一種の出来レースだったようで、周辺国はちょっとした土産を持っていけばそれを招待した政争当事者が何倍にもして、皇帝の前にお披露目する仕組みだったようです。

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