フェイクニュース2と編集権1(加計問題国会報道2)

昨日長々と引用紹介したとおりの国会質疑があったかについて私は(ユーチューブで少し質疑を聞いたくらいで時間の制約もあって)正確に知ることはできません。
ましてテレビをここ何十年も(旅行中ホテルで見るくらいで)まとまった時間みたことがないので、NHKがどの程度不公平に報道したかも知りません。
ただユーチューブで国会中継を見聞きしていたかぎりでは、前川氏が根拠なく「首相の意向と思った」と言う趣旨の「言い切り」をしていただけ・・これでは、前後の参考人意見と比較すると前川氏が個人的にあるいは一定の政治的立場を背景に「私は思った」だけという開き直りに終始したとしか私には聞こえませんでした。
ただしこの後で書きますが、これを聞いた当時石破4条件(今回の騒動は石破氏が黒幕ではないかという疑念で初めて一般に出てきたことです)の存在自体を知らなかったし、しかもそれが15年秋頃に閣議決定を経ていること・・それがその後の戦略特区指定によって過去の規制がどのように変化し(取り払われ)ているかも知りませんでしたから、何も知らないで見ているとそのように思うというだけのことです。
政治については国民の9割方が私のように(報道解説がない限り)前提事実が分からないで聞いたり見たりしているのですから、メデイアはまず基礎事実を時列的に広報しておく他に、(1〜2週間前に新聞等で書いていたとしてもきっちり記憶出来る人はいないので)議論の都度気になる人は即時に時系列をチェックし直せるような主たる記事の脇にワンクリックで引き出せるようなボタンを用意しておく必要があるでしょう。
私が報道機関幹部であった場合に、上記(前提知識のない)私の個人的受け取り方に従って、「根拠なく前川氏言い張る」という放送を繰り返した場合、一方の立場の報道になります。
同じやり取りを聞いても受け取り方は視聴者それぞれでしょうが、それをそのまま編集せずに報じてこそ国民が自分の経験や知識を前提に自由に判断できるのです。
私がこのシリーズで言いたいのはメデイアが事実をそのまま報じない(・・前提事実の開示をしないで、素人には複雑な過程を理解できないという前提で結論だけ教えてやる姿勢)で自己の主観的立場によって、好きなように編集(変集?)してしまって良いかの疑問です、
いわゆる台湾訴訟でNHKを勝たせた編集権の問題ですが、言論の自由とはいえ公共電波を使う以上は政治立場中立性の要請を勘案しての限界があるべきではないでしょうか?
NHKスペシャルに関する第1審判決はウイキペデイアよると以下のとおりです。
判決の他に経緯や双方の主張をかなり詳しく書いていますので関心のある方は直接当たってください。。
https://ja.wikipedia.org/wiki/NHK%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB_%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA_%E3%80%8CJAPAN%E3%83%87%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%80%8D
第1審
第1審は3年続いたが、2012年12月14日、東京地方裁判所は原告側敗訴の判決を言い渡した。それによると「番組の編集はNHKに委ねられており、恣意的な編集はなかった」などとし、原告側の台湾人の「NHKに取材を受けたが発言をねじ曲げられ、期待と違う内容が放送された」に対しては「番組内容への期待は法的に保護されない」としたうえ、「祖先を動物扱いされた」とする台湾人の主張に対しては「歴史的事実として紹介しただけで、原告の名誉を傷つけたとはいえない」と判断している。またNHKは公平な放送をする義務があると訴えた視聴者らの主張についても「視聴者ら個人に対する義務は負わない」としており、全面的に原告側の主張は退けられている[61]。
慰安婦騒動を大きくした吉田調書の著者が、事実確認の取材に対し「作家の書くのはフィクションに決まっているじゃないか!」という趣旨を言い張っていたことが知られていますが、日本兵の残虐さをテーマにする映画その他何をいくら広めても表現の自由と言い切るべきかを検討することが必要な時代が来ています。
意見ならば、事実に基づかなくとも良いのではなく意見にも合理的根拠事実を付記すべきではないでしょうか?
そして引用した事実が虚偽である場合、相応の処罰規定が必要です。
吉田調書はフィクションを「調書」として事実であるかのような表現をした点が犯罪的です。
アンネの日記だってイザとなれば「フィクションで何が悪い!」と逃げられる仕組みです。
少なくともメデイアが報道する場合には影響が大き過ぎるので、意見を報道する時には前提事実を上げる義務を課すべきです。
編集権とは何か?ですが、メデイアや文化人によれば表現の自由を錦の御旗として不可侵の権利であるかのような解釈が幅を利かしています。
表現の自由には名誉毀損等の限界がありますが、メデイアの場合にも名誉毀損その他法令違反さえなければ、一方的な切り貼り報道をしても表現の自由として許容されるかのごときです。
個人間の場合意見が合わなければ相手にしない・付き合わなければいいのですが、メデイアの場合には一方的に垂れ流してくることもあって視聴しなければいいだろうとは行きません・影響力が大き過ぎます。
またそれを正しいものとして自己の脳内思考・立論の基礎にしたり引用する人や機関が増えるので、影響力が半端でありません。
私で言えばこのコラムを書いているとある事件について、いつころでどういう内容だったかと確認のためにネット検索するのが普通です・・上記NHKスペシャル騒動があったことを知っていましたが、いざ書こうとするといつのことかすら記憶していないのでネット検索して引用しています。
編集権あるいは表現の自由があるとしても、上記のとおり前提事実の開示を義務付けらば、前提事実から乖離した編集では批判を受けるので自ずと抑制が効くはずです。
もともと編集権という概念はGHQが自分は内密に検閲し占領政策貫徹のための報道を強制しておきながら、占領政策に不都合な意見報道をさせないように・・占領軍に都合の良い一方的報道に対する(朝鮮人の悪行や占領軍の違法行為を報道しないのかという)苦情が来たら報道の自由・編集権があると言わせるために言い出したことによるらしいです。
世界中で行なって来た米国の偽善行為の一端を示す歴史事実の一つです。

メデイア誘導・フェイクニュースの限界1(加計問題国会報道)

昨日の引用記事の続きです。
少々長くなりますが、NHKが報道の自由と称して肝心の重要発言を報道しない・・一定方向に向けた切り取り報道の常態化・・を明らかにするためにほぼ全文を引用しておく方がわかり良い・これを見る人によってNHKの方が逆に正しいという意見もあるでしょうから・公平のために以下長くなりますが引用しておきます。
私にはどちらの方が都合よく切り取り紹介しているかはわかりませんが、こういう批判が起きているという紹介です。
JBpress
森 清勇1日前
「審査では与党側が獣医学部に関わる実情を内外の視点から質し、長年の間誘致に関わってきた愛媛県前知事の加戸守行氏は「岩盤規制で歪められた行政が正された」と話し、ワーキング・グループ座長の八田達夫氏は事業主体の選定過程においては「一点の曇りもない」と発言した。
 しかしNW9では、「行政が歪められた」と語ってきた前川参考人はしばし登場したが、「行政が正された」とする参考人たちの発言はほとんど報道されず、首相と友人のゴルフや会食の多さから疑惑は深まったとする見方に重点を置いた報道であった。
「総理の発言」云々は既得権益優遇者の発想
野党は7割の質問時間を配分されたが、安保法案などの審議と同じく問題の本質に迫る質問はほとんどしなかった。他方、与党の小野寺五典委員(24日)や青山繁晴委員(25日)は、問題の核心に迫る質問から「疑惑」と言えるのかを引き出そうとした。
 小野寺委員は「加計という具体的な話はあったか」と聞き、前川参考人は「首相と加計氏が友人であることを知っていた。加計学園が希望していることも知っていた」ので、「『総理は自分の口からは言えない』は加計学園のことだと確信した」などを引き出した。
 また、和泉洋人首相補佐官からは「岩盤規制改革を全体としてスピード感をもって進める旨の指示を(首相から常々)受けていたので、その旨伝えたが、『総理の口からは言えないので私が代わりに言う』とは言っていない」ことを確認した。
また、前川氏が上司の大臣や下僚の局長などに「行政が歪められますよ」などと語っていないことを確認したうえで、「この問題で行政が不当に歪められたかというと、必ずしもそうではない。むしろ岩盤規制に穴をあける努力が行われたということであり、加計は前川参考人の心の中にあったのではなかったか」と纏める。
 そのうえで、実際に岩盤規制と戦った八田参考人に「これまでの一連の質疑応答を聞いて、行政が捻じ曲げられたと感じたか」と質す。
 八田氏は岩盤規制がいかに強く働いているかについて言及し、「国益の観点ではなく既得権者の自己益を守るために存在するもので、今回の決定で「不公平な行政が正された」と証言した。
続けて、「獣医学部の規制は利権と密接にかかわっており、成長分野を阻害している。規制に穴をあけた今回の一連の過程で、総理の方針に言及しても何ら問題はない。その発言を特定の事業者を優遇する意向と受け取ったとすれば、自身が既得権益を優遇してきた人でなければ思いつかない論理じゃないかと思う」と、前川氏の証言が問題だというニュアンスの発言で結んだ。
細かいことを総理に聞いても無理だ
青山委員は24日における前川氏と他の参考人の発言を確認したうえで、前川氏以外は「加計」という言葉は誰一人使っていないと指摘する。
 そして、「加計ありきで決まってしまっているというのは前川氏本人ではないか。加計ありきは前川氏の胸のなかにある。これを一般的な言葉で言えば、『思い込み』という」と締めくくる。
NHKが本質にかかわる問題で報道したのは、加戸氏の「安倍総理との何十回にわたる会合を通じて加計の『か』の字も聞いたことはないし、私自身も申し上げたことはない。特区申請以来、悲願10年の手前で『白紙に戻せ』という議論が出ていると、またあと10年待たされるのかなと。それは日本国家としての恥だと思っている」という発言だけであった。」
NHKは「国民が求めているのは丁寧な口調ではなくて、確たる記憶、動かない証拠、丁寧な説明内容です。1月20日を守るために過去の答弁を修正していくという手法は丁寧な答弁だったとは思わない」と発言した蓮舫委員をはじめ、野党委員の発言を多く取り上げて報道した。
 また、「こんな場面もありました」として、山本幸三地方創生担当大臣が「細かいことを総理にお尋ねしても無理だと思います。それは私が担当しているわけで、私に聞いていただければと思います」と発言したことに関わる部分を報道した。
 質問していた櫻井充委員(民進党)は「そんな小さなことってどういうことだよ、(大臣が、手や頭を横に振りながら言ってないよと否定するが)言ったよ今。そんな小さなことは総理が答弁することじゃない。失礼だ、もうあなたは答弁結構だ。時間の無駄だから出て来るなよ」と、色を成して相手を言い捨てる場面を放映した。
櫻井委員の方が勇み足であることは、大臣の発言を確認すれば簡単に分かる。大臣は「細かいこと」とは言っているが「そんな小さなこと」とは言っていない。櫻井委員が自分の聞き間違いに自分で激高する、言うなればスタンドプレーであるが、NHKはこれを注釈なしに流し、「審議はしばしば中断された」とも述べた。
 視聴者は、大臣の答弁姿勢に問題があるかの如く受け取るのが一般であろうし、そうした印象操作と言えなくもない。
閉会後のインタビューでも、前川参考人の「真相究明のためにもっと時間が必要ではないか」という発言や、野田佳彦民進党幹事長の「疑惑は深まった」という発言を流したが、中立的な立場で取り仕切ってきた八田氏の「一点の曇りもない」には触れなかった。
報道されなかった本質論議
獣医学部の新設規制は法律で決められたものではなく、文科省が告示で決めているものだ。文科省が農林水産省や日本獣医師会の政治力を受けて、雁字搦めの「告示」にしている状況も浮き彫りになった。
 獣医系大学の立地状況をみると、現在16カ所、定員930人に設定されており、獣医師の不足から定員40人の2割増し50人前後を受け入れている大学もあるという。また、8割が東日本にあり、西日本には2割で四国にはない。小野寺委員は、まずこの問題について参考人に質問した。
 加戸氏は「私は10年も前から当事者であり、10年後、安倍首相にあらぬ嫌疑がかけられていることを晴らすことができればと思う」と心情の吐露から始めた。
そして、愛媛県には学園都市構想があり、高等教育機関の誘致を行ってきたが失敗の連続であった。その後、鳥インフルエンザや口蹄疫が発生し、また米国では狂牛病なども生起した。こうしたことからも国際的に胸を張れる獣医学部の新設を考えたという。
 リップサービスなどはあったが、なかなか来てくれない。「黒い猫でも白い猫でも獣医学部を作ってくれる猫が一番いい猫」で、話に乗ってくれたのは加計学園だけであったと語る。その過程においては安倍首相の友人である加計学園の「か」の字も出たことがないと断言した。
 文科省に獣医学部開設の件を依頼に行ったが、農水省がうんと言わない、獣医学界がうんと言わないので文科省だけでは何ともできない、と言われた経緯などにも証言が及んだ。
文科省の後輩には国が求めているもの、世界が求めているものを考えてくれ。アメリカでは感染症、遺伝子操作など新しい獣医学部を作っているぞ、道州制で四国州ができれば、(日本を捨てて)進んでアメリカの51州になるぞと、強い言葉で言ったこともあるなど回想した。
 現に米国ではテネシー州、テキサス州、アリゾナ州など、獣医学部の空白地域にどんどん設立されていることを紹介したうえで、「こうした近未来の国際社会における情勢を見ながら大臣に食ってかかって、(硬直した行政を)直しましょうという役人になってほしい」と、苦言を呈する場面もあった。
続いて八田座長が、加計学園に獣医学部新設を認めるまでの経緯について説明し、「(首相が)特定の事業者を優遇して欲しいという意向を示されたことはない。新潟市の提案を前提に議論してきたことからも分かる」と述べ、また、「1校のみ(に絞ったこと)が首相の関与ではないかという疑念を生んだ。しかしこれは獣医師会の政治家への働きがけで1校となった」もので、首相の関与の余地がなかったことも明言した。
 以上の経過から、「決定のプロセスには一点の曇りもない」と断言し、また「4条件は満たされている」とも語った。
さらに追加的に、岩盤規制がいかに強く働いているについて言及し、国益の観点ではなく既得権者の自己益を守るために存在するもので、今回の決定で「不公平な行政が正された」とも結論付けた。
 加戸氏と八田氏の発言は、誘致と規制の現場で辛酸をなめてきたからこそ語ることができた証言であり、今回の疑惑を解く有力な示唆を与えるものであったが、NHKが報道することはなかった。
 産経WEBニュース(7月27日)によると、元財務省官僚の高橋洋一氏は7月25日、愛媛「正論」懇話会で講演し、「文部科学省にはいろいろな許認可があるが、『告示』という省内の規則で獣医学部の新設は『申請を受け付けない』としてきた。これにより、新設は50年間ストップしてきた。(中略)この告示を問題視した規制改革委員会が平成17年に文科省に対し説明を求めたところ、『挙証責任は委員会側にあると、理屈の通らないことを言ったのが、課長時代の前川喜平・前文部科学事務次官だった』」と紹介している。」

メディアの信用低下(事実に基づかない報道の危険性)

今回NHKの「クローズアップ現代」の見出しと内容の食い違いを書いていて気がつくことは、報道関係者には基本的に反政府主義者が多いとしても、報道全てに言えることですが、政治的な主張するには特に反対論者がいることからより一層綿密な裏づけ調査が必要なのにこれを怠っている・または人材劣化が起きているからではないかと思われます。
昨日最後に書いたように日経新聞が文化欄に逃げているのは、ツッコミが浅すぎても読者が減るだけで反論が来ない気楽さがあるからでしょう。
政治利害のある意見では、読者が減る程度では収まらず、利害関係者の強烈不満を呼び反対調査によって覆されるリスクがあるからです。
サンゴ礁のやらせ報道では、地元漁協に利害があったことから漁協の反発で判明したものです。
その後ネットの発達によって、政治テーマではメデイア以外のものも反論できるようになってきたので、フェイクニュースが次々と暴露されるようになると、事実を脚色する報道のあり方が大きな問題になってきました。
あるいは読者や視聴者レベルが上がってムードだけ煽る・根拠のない意見には疑問を呈する人が増えてきたのに、メデイア側が社会のレベルアップに追いついて行けなくなっている状態かもしれません。
これがトランプ氏によって、アメリカでもフェイクニュースの批判を受けるようになった原因です。
フェイクニュースは、積極的フェイクもあれば調査能力不足もあるでしょうが、もともと報道各社の色付立場が重視され事実調査を軽視する傾向があれば、結果的に調査能力も上がりませんから根は同じです。
色付け角度付け報道が改まらない弊害というか、報道に限らず化学技術の発明発見その他何事でも一定の角度からの関心・動機に基づく実験や調査が始まりその結果、掘り起こしが必要なので、それはそれでいいのですが、関心だけで事実に基づく裏付け調査を省略して調査した事実のように装って報道して良いかは別問題です。
慰安婦騒動に関して角度づけに基づく関心が先走って事実調査不足が問題になりましたが、「破産急増」テーマは誇大報道であって事実無根でも慰安婦ほどの大事件性がありません。
このため、この報道を見た人は、なあーんだと思っただけで誰も問題視せずに垂れ流して終わっている印象ですが、事実調査を怠って報道している点では一時がアバン時・・ショッ中こう言う報道体質需要ニュースも行われているのでは同じ危険性があります。
(私は信用拡大のコラムを書いている途中で最近の破産がどうなっているかが気になったので、たまたまネット検索したら出てきた中でNHKが1番客観的報道しているかなと思って覗いて見て見出しと内容の違いに驚いただけです)
角度付けとその後の事実調査の必要性に関する朝日新聞の慰安婦報道に関する第三者委員会の報告書を、January 9, 2015「第三者委員会の役割2(朝日新聞慰安婦報道1)」のテーマでこのコラムで引用紹介したことがありますので結論部分の一部再引用します。
「・・しかし、韓国事情に精通した記者を中心にそのような証言事実はあり得るとの先入観がまず存在し、その先入観が裏付け調査を怠ったことに影響を与えたとすれば、 テーマの重要性に鑑みると、問題である。
そして、吉田証言に関する記事は、事件事故報道ほどの速報性は要求されないこと、裏付け調査がないまま相応の紙面を割いた記事が繰り返し紙面に掲載され、執筆者も複数にわたることを考え合わせると、後年の記事になればなるほど裏付け調 査を怠ったことを指摘せざるを得ない。」
まして、14日に紹介した日弁連意見書を見ると単に「カードローンについても総量規制の対象にすべきだ」という趣旨だけのことであって破産の増加については傍論的にデータを紹介しているだけで破産増自体に懸念を示すには、時期尚早としたのか?意見を書いていません。
しかもネットで簡単検索した限りでは日経も朝日新聞や東京新聞でも「破産増」だけの表示で「急増」とは書いていない(朝日はローン急増が原因か?と書いていますが破産急増とは書いていません)のに、NHKだけが何故「破産急増」と・・刺激的テーマにしてしかも「クローズアップ」して取り上げるほど社会性があると判断したのかが疑問です。
4月12日の「クローズアップ現代」の内容を読んで見るとカードローンが増えていることが話題の中心で、どこにも破産急増の話題が見当たりません。
羊頭狗肉というか、見出しと内容があってないのです。
破産急増とは時間軸でいうものですが、1%増の基準が1年間の統計結果による以上は長期間観察の結果なのですから、1〜2週間程度かけて関連データを調査して比較判断・深堀する時間をかけられないような緊急速報性がないことも確かです。
報道時間中の進行でNHKの期待に沿う意見が出たかは別としても、(文字化したネット報道には出ていません)まだ前年より1%増えたデータしかないことが明らかですから、これだけでなぜ「「急増」というテーマにしたのかの不思議さが残ります。
日常用語としても、1%程度の増減があったくらいで「急増」「急減」という言葉を使う人は滅多にいないのではないでしょうか?
日中気温がわずか1時間で25度から26度(約4%の変化)に変わっても急上昇と言わないでしょう。
しかも、「若者もシニアも」と見出しになっていますが、内容には年齢別の変化についてどのような調査をしたかの出典の明示もなければ、何%から何%に増えたかも書いていません。
司法統計年表に年齢別の増減推移まで出ていると言う意味かも知れません。
そこで司法統計年表16年のPDFで「破産新受事件数―受理区分別―全地方裁判所
第 102 表」に入って見ましたら、年間の合計数しか出ておらず、内訳としては自然人と法人の2分類しかありません。
NHKはどこから若者やシニアの年齢別統計を入手したのか不明です。
以上によると、派手な見出しと内容がまるで違う上に・・内容のない、いい加減な報道をしているように見えますが、これでは視聴者が離れていかないのか不思議です。
私はテレビを見ていないのでNHKの総合レベルが分からないですが、NHKは報道内容を全てネットにアップしていないはずですから、ネットアップする分は精選されているとすれば、「クローズアップ現代」のレベルがNHKの報道レベルの上位を代表していると言うべきでしょう。
慰安婦騒動以来、親中韓系報道をしてきたフジテレビや朝日新聞の売り上げ減少が知られていますが、これを受けて経営者は必死になって体質改善に取り組んでいると思われますが、NHKには民間と違って市場淘汰の仕組みがないので、番組が劣化していく一方になっているのかも知れません。
私に言わせれば、「朝日新聞やNHKの政治的立場が受け入れられなくなったのは残念」という自己正当化ばかりではなく、政治理念先行で事実無視の捏造的報道しか経験がないから、こんなことになっているのではないでしょうか?
見出しテーマと内容がまるで違っていても気にしない人材レベルの低さ・いろんな角度に知恵をめぐらせての多角的事実調査能力欠如こそが、基本的原因ではないかということです。
「若者もシニアも破産急増」というテーマを決める時に、相応の幹部が関与したはずですが、どういうデータ調査が必要かの思いをめぐらせる能力もない人ばかりで運営しているのでしょうか?
もしかしたら虚偽でもでっち上げでもムードを作り上げれば勝負あり・という成功経験しかない年齢層・事実調査経験のない幹部の方が、事実調査の必要性を具申する若手をドヤして「事実調査などいらない政治色付け先行でやれ!と檄を飛ばしていたのかもしれません。

事実報道の重要性2(トランプ旋風)

大統領候補選出手続進展の現実→トランプ氏優勢に合わせてマスコミは仕方なしに意見を修正しつつあります。
現状で見れば民主党員も共和党員もどちらも格差拡大を基本にして、選挙のときだけきれいごとを言って選挙が終われば結果的に庶民のための政治をしない・・どちらの政党幹部もウオール街から資金を得る政治・・・に拒否反応を示していることが明らかです。
庶民の味方を表看板にするヒラリー氏だってウオール街と中国系資金で成り立っていると言うもっぱらの噂です。
以前、アメリカ大統領選は資金量の豊富な方が当選するアメリカ民主主義の実態を紹介したことがありますが、アメリカ国民自体がこのような資金力民主主義にノーを突きつけているとも言えます。
トランプ氏はこの不満に便乗して自己資金だからどこの影響も受けないと逆張り主張しているのですが、だからと言って庶民に政治の恩恵を及ぼす方法が彼にあるかは未知数です。
草の根の不満をどうすれば解消出来るか全く不明ですが、兎も角現状に対する不満が爆発して来た状況が出ています。
ルセフ・ブラジル大統領がスローガンだけ良いことを言って当選したものの、就任後まるで駄目だったことが今回の政治・経済危機を招いていると言われていますが、庶民の味方とさえ言えば良いのは選挙までであって、(日本の民主党政権もそうでしたが)当選後の実際政治運営が難しいので世界の警察官をやめるだけではなく国民の不満をそらすために世界へ強盗(とまでは行かないまでも交渉ルール無視の強引な要求・応じなければ懲罰的制裁・・)に出掛ける方向に変わらねば良いが・・と言うのが私の杞憂です。
中国では大幹部に富が集中する仕組みに不満が高まっている→対外強硬論・・アメリカもウオール街に牛耳られている不満がたまっている点は同じです。
日本国内ではマスコミは格差社会化のキャンペインを継続的に張りながら、本家本元のアメリカ社会の選挙動向報道で、トランプ旋風の背景報道・・初めっからこんな分り切った分析・解説が何故出来なかったのでしょうか?
日本マスコミがこぞって困ったものだと言うムードを流し、日本人の多くがそのように思い込まされたとしても、選挙権がない以上アメリカ人の選んだ結果を受入れるしかないのが現実です。
とすれば、マスコミが何のためにと無駄なエネルギーを使っていたのかが疑問ですが、マスコミが日本国内選挙でいつもそれとなく特定勢力の肩を持つ印象づけ報道をやっている弊害を書いてきました。
いつもの習慣で無意識に一方的非難をしていたのでしょうが、日本人はアメリカ大統領の選挙権を持っていませんので特定候補非難を日本で煽って日本国民を洗脳しても意味がありません。
外国の選挙報道・次期指導者可能性の報道で必要なことは、マスコミの気に入る候補者か否かのムード報道ではありません。
候補者ABCDがいた場合、ABCDそれぞれ誰が勝てば日米関係の項目別に(通商関係・・TPP→成立見込みがないとしても対日通商関係は項目別にどう変化するか、安保条約、対中韓関係その他分野項目別に)どうなるかのシュミレーションでありその分析です。
当選後の現実政治が始まると選挙目当ての過激発言どおりではなくある程度現実化するでしょうが、修正可能程度を知りたいのが多くの国民です。
・・日本の働きかけでABCDそれぞれが、支持母体との関係でどの程度まで修正する余地があるか、されて行くか(・・それぞれの候補者のブレーン解析・・中韓との人脈濃度や日本人脈の有無・形成努力)などの分析報道こそが重要です。
事実報道せずに大統領候補者や西欧の政治変化についてマスコミの意見に合わない政治家や国民の支持動向変化・動きを極右とか、無茶苦茶な主張と言う批判に終始していたのではマスコミとしての職務怠慢です。
事実を報道してくれれば、極右かどうかの判断は国民がすることです。
日比谷テント村のように国内で噓・ヤラセ報道をいくらやっても、日本社会に生きていて現実を知っている賢明な日本人の多くはバカにしているだけでめったに誤解しませんので害が少ない・・報道の中立性を犯していてもあまり実害がありません。
国民全体で見れば、滅多に海外に行かない人の方が多いのですからマスコミ報道の影響力は甚大です。
マスコミ報道しか判断基準のない国際情勢について、ある社会の事実を客観的に報道せずにマスコミが誘導したい方向・・偏った報道ばかりしていると、日本人が国際社会の現実を知り、どうすべきかの行動判断を間違ってしまうリスクがあります。
極右かどうかと言うマスコミ評価の紹介ではなく、どう言う主張をしているかの具体的事実報道コソが報道機関の使命です。

事実報道の重要性1(トランプ旋風)

日本社会でヤラセ報道しても(珊瑚礁報道のように一般人には分らない海の中と違って目の前でテント生活している人がいないのですから)テレビで大々的報道しても国民は(ほぼ100%の人がヤラセ報道と黙って理解していたでしょう)しらけるでしょう。
マスコミはアメリカと日本も同じだと言う虚偽ヤラセ報道するから、(アメリカや西欧の格差社会化も)「大したことがないじゃない?」と言う誤解・・印象に繋がっていたように思われます。
「アメリカや西欧諸国は日本と違い大変なことになっている」と言う現実報道回避して来たことこそが事実報道すべきマスコミの「罪」ではないでしょうか?
アメリカの格差問題は日本マスコミのようにヤラセ報道ではなくむしろ深刻さを増している現実があることは、共和党トランプ氏と民主党のサンダース氏の両極端主張が伸長している事実から明らかです。
いつものマスコミ批判ですが、その生い立ちによるのか「愚昧な庶民を指導してやる」と言う偉そうな姿勢が顕著です。
朝日新聞の「検証委員会の結論」で紹介しましたが、いわゆる「角度をつける報道」が多過ぎます。
マスコミ報道の傾向から見ると、言いたいことを当然はっきり書きませんが、「異民族混在社会化すべき」言う基本的思想があるらしく、「難民受け入れが少な過ぎる」とか「外国人受入れに便宜を図る方向の主張」が中心でこれに反する意見は世界中で全て「極右勢力」「排外主義者」と言うひとくくり肩書きをつけて紹介する傾向があります。
西欧で移民反対論が伸びると「極右勢力が・・」と言う「角度付き」報道ばかりでその政党の意見を具体的解説したりその背景事情等の掘り下げた分析報道がなく、連続テロが起きてもベルギーの治安機関の連携のまずさなどが中心的報道になっています。
先祖代々作り上げて来た共同体「資産」を大切にしたいと言う意見は至極真っ当な意見ですが、何故これが人道に反する排外主義と言うレッテルが張られ人道に反するかのような非難対象になるのか不思議です。
例えば5人で10年間掛けて漸く何か作り上げたときに、後から(特別な技能もなく)仲間に入りたいと言われると、後からはいった人と同じ・・それまでの苦労した分(投じた資金や労力)がただになるのか?と思うと誰だって面白くありません。
企業の場合新入社員がないと永続出来ませんが、その代わり新入社員は当初遠慮していて対等の発言力がなく社風に染まるまで訓練を受けるだけで10数年の下積みをへて係長クラスになって一定の発言出来るようになるのが普通です。
余程困って難民で来た訳でもなく、(日本人が数百年かけて漸く作り上げて来た)日本の環境が気に入ったからと言って気楽に移住して来る人を受入れてすぐに対等の権利行使を認める必要があるかの疑問です。
「心を広く持ちましょう」と言うのは立派ですが、共同体の蓄積が大きければ大きいほど新規参入を嫌がるのが本来の合理的意見・・原則であり、心を広く待つのを要求される筋合いではありません。
無制約に新規参入を認めるのはイヤだと言うのが何故極右・排外主義者と言って非難されるのか分りません。
トランプ氏が共和党候補として浮上して来た当初、移民排斥の極右勢力が伸長するのは困ったものと言う印象操作的報道が中心で、そう言う方向性の紹介が連日行なわれていました。
日本マスコミは客観報道をする気持ちがないのか主観的立場を前提にトランプ氏浮上直後には、その主張を矮小化してバカにしている報道が中心でした。
実際に候補者選びが進みトランプ氏が勝ち進むとマスコミがどのような印象操作をしていても、アメリカ国民の意思は右翼&左翼の両極主張に集約されて来ている・・左右と仕分けすることすら間違い?税金を海外や移民のために使わずに、自分達国民のために使って欲しいと言う至極当然な主張を共通基本にしていることが分ってきました。
マスコミはこれを排外的民族主義主張と言う概念にすり替えてとんでもない候補が出て来たと言う宣伝でしたが,日本でありのまま何故紹介しなかったのか?疑問です。

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